B 7543:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本計量
機器工業連合会(JMIF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 7543:1987は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
B 7543:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 2
5. 呼び寸法 ························································································································ 2
6. 性能 ······························································································································ 2
6.1 長さの許容差 ················································································································ 2
6.2 目盛側面の真直度 ·········································································································· 2
6.3 目盛面のりょう(稜)の平面度 ···························································································· 2
7. 目盛 ······························································································································ 2
8. 形状及び寸法 ·················································································································· 3
9. 外観 ······························································································································ 4
10. 材料 ···························································································································· 4
11. 測定方法 ······················································································································ 4
12. 検査 ···························································································································· 5
13. 製品の呼び方 ················································································································ 5
14. 表示 ···························································································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7543:2005
三角スケール
Triangular scales
1. 適用範囲 この規格は,断面がほぼ三角形で, 6面に縮目盛が付けてある長さ計であって,呼び寸法
が100 mm,150 mm及び300 mmのもの (以下,三角スケールという。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適する。
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7514 直定規
JIS B 7524 すきまゲージ
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS Z 8103 計測用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次によるほか,JIS Z 8103及びJIS B 0621による。また,
三角スケールの各部の名称は,図1による。
a) 基点 測定の基準となる目盛線(図1参照)。
b) 目盛の縮率 分数で表した値で,分子を1とし,分母を1以上の個別の数値としたもの(表5参照)。
c) 縮目盛 一定の縮率で目盛ってある目盛。
d) 目幅 隣り合う二つの目盛線の幅の中心から中心までを測定した長さ。
e) 目量* 目幅に対応する測定量の大きさ。
注*
ここでいう目量とは,抽象された概念である。
備考 この図は,単に名称を示すためのものであって,形状及び構造を規定するものではない。
図 1 各部の名称
4. 種類 三角スケールの種類は,構造によって表1による。
2
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表 1 種類
種類
構造
例
B
しん (芯) 材に合成樹脂などを張ったもの
竹しんプラスチック張
P
合成樹脂などで一体成形したもの
プラスチック製
備考 種類Bは,Bamboo (竹製) のBで,種類Pは,Plastic (プラスチック製) のPである。
5. 呼び寸法 三角スケールの呼び寸法及び記号は,目盛の長さによって表2による。また,呼び寸法の
単位はセンチメートル(cm)を用いてもよい。
表 2 呼び寸法
単位 mm
呼び寸法
記号
目盛の長さ
100
10C
100
150
15C
150
300
30C
300
備考1. 記号欄末尾のCはセンチメートル(cm)の略号。
2. 表中の“目盛の長さ”は,目盛の縮率を問わない原寸値。
6. 性能
6.1
長さの許容差 三角スケールの長さの許容差は,基準の温度を20 ℃とし,基点からの任意の長さ及
び任意の2目盛線間の長さ(目盛の縮率を問わない原寸値)に応じ,表3による。
表 3 長さの許容差
単位 mm
長さ
許容差
50以下
± 0.1
50を超え 100以下
± 0.2
100を超え 150 以下
± 0.3
150を超え 300以下
± 0.4
6.2
目盛側面の真直度 直尺の目盛側面の水平方向の真直度は,呼び寸法によって表4による。
表 4 目盛側面の真直度
単位 mm
呼び寸法
真直度
100
0.2以下
150
0.25以下
300
0.3以下
6.3
目盛面のりょう(稜)の平面度 溝を挟む二つの目盛面のりょうで構成される面の平面度は,全長の 1
/ 500 以下でなければならない。
7. 目盛 三角スケールの目盛は,次による。
a) 六つの目盛の縮率の組み合わせ及びその記号は,表5による。
3
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表 5 縮率の組合せ
記号
縮率
記号
縮率
0
1/1 1/1.5 1/2 1/2.5 1/3 1/5
6
1/75 1/125 1/150 1/200 1/250 1/500
1
1/2.5 1/5 1/10 1/20 1/50 1/100
7
1/100 1/150 1/200 1/250 1/300 1/350
2
1/10 1/15 1/20 1/25 1/50 1/75
8
1/100 1/200 1/250 1/300 1/400 1/500
3
1/20 1/25 1/50 1/75 1/100 1/125
9
1/100 1/200 1/250 1/300 1/500 1/600
4
1/20 1/50 1/100 1/200 1/250 1/300
10
1/100 1/200 1/300 1/400 1/500 1/600
5
1/25 1/50 1/75 1/100 1/125 1/150
11
1/500 1/1 000 1/1 250 1/1 500 1/2 000 1/2 500
b) 目盛の様式は,図2による。
図 2 目盛の様式
c) 目量は,1×10n mm,2×10n mm又は5×10n mm(nは,零又は整数)とする。目量は,複数としても
よく,これらを併用してもよい。
d) 目盛線の太さは,0.1 ± 0.05 mmとし,かつ,同一の目盛面において,その最小値は最大値の70 %以
上とする。
e) 目盛線は,目盛面のりょうに達しており,かつ,目盛面のりょうに対する直角度が0.2 mm以下とす
る。
f)
主な目盛線には,基点からの長さ又はその数値を表記する。
8. 形状及び寸法 三角スケールの形状及び各部の寸法は,表6による。
表 6 形状及び寸法
備考 この図は,形状の概略及び寸法の規定箇所を示すためのものであって,
細部の形状及び構造を規定するものではない。
W
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表 7 形状及び寸法(続き)
単位 mm
呼び寸法
全長と許容差
幅
目盛側面の幅
L
許容差
W
許容差
N
100
120
±5
16
± 2
1.0以下
150
170
300
325
25
9. 外観 三角スケールの外観は,次による。
a) 目盛面にきずその他測定上支障のある欠点があってはならない
b) 目盛の同じ側の基点が,ほぼ一致していなければならない。
c) 標識及びその他の表記は,鮮明で,脱落,誤記及び著しいむらがなく,かつ,容易に消滅しないもの
でなければならない。
10. 材料 三角スケールの材料は,通常の使用状態における温度及び湿度の変化に対して,測定上支障の
ある狂いが生じないものでなければならない。
11. 測定方法 性能の測定方法は,表7による。ただし,これと同等以上の測定精度で測定できる器具を
用いてもよい。
表 8 性能の測定方法
項目
測定方法
測定器具
6.1長さの許容差
検査しようとする長さを,長さ標準器(1)及び測微鏡によって測定する
(図3参照)。
長さ標準器(1)
測微鏡(目量が0.01 mm
以下のもの。)
6.2 目盛側面の真
直度
目盛側面が定盤又は直定規に接するように三角スケールを置き,目盛
側面と定盤又は直定規とのすき間を,すき間ゲージで測定する(図4
参照)。
精密定盤( JIS B 7513 )
又は直定規(JIS B 7514)
すきまゲージ
( JIS B 7524 )
6.3 目盛面のりょ
う(稜)の平面度
目盛側面が定盤又は直定規に接するように直尺を置き,目盛側面と定
盤又は直定規とのすき間を,すき間ゲージで測定する(図5参照)。
精密定盤又は直定規
すきまゲージ
備考 図3〜図5は,一例である。
注(1) 長さ標準器とは,JIS Q 17025又はISO/IEC 17025に基づいて認定又は登録された校正機関が発行する不確かさ
が表記された校正証明書を有する長さ計を言う。
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B 7543:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図 3 測定方法(6.1長さの許容差)
図 4 測定方法(6.2目盛端面の直角度)
図 5 測定方法(6.3目盛側面の真直度)
12. 検査 三角スケールの検査は,性能,目盛,形状及び寸法,並びに外観について行い,6.〜9.の規定に
適合しなければならない。
13. 製品の呼び方 三角スケールの呼び方は,規格番号又は規格名称,種類,呼び寸法又はその記号及び
縮率の組合せ記号による。
例1. JIS B 7543 B 30C 9
例2. 三角スケール P 30C 9
14. 表示 三角スケールの一部に,次の事項を表示する。
a) 目盛の単位
b) 目盛の縮率
c) 呼び寸法又はその記号
d) 製造業者名又はその略号