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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7535-1982 

流量式空気マイクロメータ 

Flow Type Air Gauges 

1. 適用範囲 この規格は,流量式空気マイクロメータの指示部(以下,空気マイクロメータという。)に

ついて規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,重力単位系によるものであって,

参考として併記したものである。 

引用規格: 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS B 7506 ブロックゲージ 

JIS K 6771 軟質ビニル管 

JIS K 8103 計測用語 

関連規格:JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 用語の意味 この規格で用いる用語の意味は,JIS Z 8103(計測用語)によるほか,次による。 

(1) 流量式空気マイクロメータ 微小な変位量を,測定ヘッドから出る空気量に変換し,テーパ管内のフ

ロートによって拡大指示する比較測定器。 

(2) 測定ヘッド 空気の流出部(以下,ノズルという。)をもつ測定具で,ノズルを測定面に近接させ,変

位又は寸法の変化により空気の流量変化を生じさせるもの。 

(3) 倍率 目幅を目量で割った値。 

(4) 基準倍率 性能の基準となる倍率。 

(5) 多連式 複数の指示部をもつもの。 

(6) 有効指示範囲 指示範囲(全目盛範囲)のうち,有効に測定できる範囲。 

(7) 標準ノズル 空気マイクロメータの試験に用いるノズル(図1参照)。 

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B 7535-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 標準ノズル 

(8) 基準点 性能の試験の際に,倍率調整の基準となる目盛線を示すものであって,有効指示範囲の上限

と下限を決める点。 

(9) 最大測定すきま 基準倍率に調整する場合,フロートが上基準点の目盛を指示するとき,標準ノズル

とブロックゲージとの間にとることのできる最大のすきま。 

(10) 器差 空気マイクロメータを基準倍率に正しく調整した後,任意の指示値に相当するブロックゲージ

により指示した値と指示すべき真の値との差。 

3. 名称 空気マイクロメータの主要部の名称は,図2による。 

なお,単式とはテーパ管を1本もつもの,多連式とはテーパ管を複数(2本以上)もつものをいう。 

図2 主要部の名称 

備考 この図は,単に名称を示すためのものであって,形状・構造の基準を示すものではない。 

4. 基準倍率 空気マイクロメータの基準倍率は,1 000倍,2 000倍,3 000倍,4 000倍,5 000倍及び

10 000倍とする。 

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B 7535-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 性能 空気マイクロメータの性能は,7.に定める試験方法に基づいて試験を行い,表1による。 

表1 性能 

基準倍率 

器差 

繰返し性 

指示の安定性 

応答時間 

多連式の場合

の指示の影響

変動特性 

供給圧力の変動

による指示の影

響変動特性 

最大測定すきま 

倍 

μm 

μm 

μm 

秒 

μm 

μm 

μm 

1 000 

1.5 

0.6 

210以上 

2 000 

0.3 

130以上 

3 000 

1.5 

0.8 

1.5 

1.8 

0.8 

0.2 

100以上 

4 000 

5 000 

0.5 

0.5 

0.1 

80以上 

10 000 

0.5 

0.3 

0.3 

0.3 

50以上 

備考 表の数値は,温度20℃におけるものとする。 

6. 外観及び機能 空気マイクロメータの外観及び機能は,次による。 

外部の塗装及びめっきは強固で,容易に色あせ,はく離 又は さびを生じないこと。 

(2) 測定ヘッド用継手は,JIS K 6771(軟質ビニル管)による呼び径4mm又は これに準ずるチューブ(内

径4mm,外径7mm)を取り付けることのできる構造であること。 

(3) 配管系路には指示に影響を与えるような空気漏れがないこと。 

(4) 倍率調整つまみ及びゼロ点調整つまみの作動は,円滑で,測定中に容易に動かなく,各調整つまみを

指定する表示があること。 

(5) フロートは,測定中に甚だしいふらつきがなく,テーパ管上部でのひっかかりがないこと。 

(6) 限界指標があるものは,それが容易にかつ確実に調整でき,測定中に容易に動かないこと。 

(7) 各部は,普通の使用状態の温度及び湿度の変化に対して,実用上差し支えがある狂いを生じないこと。 

(8) 目盛板は,次による(図3参照)。 

(a) 目盛線,目盛数字及びその他の表示は,全長にわたって甚だしいむらがなく,鮮明であって,脱落,

誤記がないこと。 

(b) 目盛には,有効指示範囲の外側に,盛り足し目盛を付けることができる。ただし,盛り足し目盛の

目盛線は,有効指示範囲内の目盛線と区別しなければならない。 

(c) 上下の基準点には,目盛線の横に・印を付けて明らかにする。 

(d) 目幅は,3mm以上とする。 

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B 7535-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 目盛板 

7. 試験方法 

7.1 

試験の条件 空気マイクロメータの性能の試験の条件は,原則として図1及び図4に示す試験用具

を用い,試験状態は次による。 

図4 試験用具 

(1) 試験場所の状態は,温度20±1℃,湿度45〜75%とする。 

(2) 空気マイクロメータは鉛直に設置し,かつ外部から振動を受けない状態とする。 

(3) 供給空気圧は,290〜690 kPa {3〜7 kgf/cm2} (ゲージ圧)の圧縮空気とし,フィルタなどにより,湿

気,油,ごみなどを除去したものとする。ただし,試験時間内における供給空気圧の変動は,9.8kPa {0.1 

kgf/cm2} 以内とする。 

(4) 空気マイクロメータと測定ヘッドをつなぐチューブにはJIS K 6771による呼び径4mm又はこれに準

ずるものを用いる。ただし,チューブの長さは,1.3mとする。 

(5) 標準ノズルの寸法及び仕上げは,図1による。 

(6) 空気マイクロメータの試験は,十分な準備時間を経過した後に行う。 

(7) 試験に先だち,倍率調整は正しく行う。 

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B 7535-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

その方法は上下の2基準点の目盛の寸法差をもった2個のブロックゲージに対するフロートの指示

が,それぞれ上又は下基準点に正しく一致するように調整つまみにより行う。 

なお,フロートが下基準点を指示するとき,標準ノズルとブロックゲージとのすきまは表2による。 

備考 ブロックゲージは,JIS B 7506(ブロックゲージ)に規定する0級のブロックゲージ。 

表2 フロートが下基準点の目盛を指示すると 

きのノズルとブロックゲージとのすきま 

基準倍率 倍 

すきま μm 

1 000 

50 

2 000 

40 

3 000 

40 

4 000 

40 

5 000 

35 

10 000 

32 

7.2 

試験方法 空気マイクロメータの性能の試験方法は,原則として表3による。 

表3 試験方法 

番号 

試験項目 

試験方法 

図 

試験用具 

器差 

有効指示範囲をほぼ4等分する各

点(5箇所)を指示する寸法のブ

ロックゲージを測定台上に密着

し,そのときの指示した値と,指

示すべき真の値との差を求める。 

図5 

スタンド,標準ノズル 

JIS B 7506に規定する 

0級のブロックゲージ 

繰返し性 

任意の点の目盛値に相当するブ

ロックゲージを,同一条件におい

て10回以上繰返し設置したとき

の指示の最大値と最小値との差

を求める。 

指示の安定性 

任意の点の目盛値に相当するブ

ロックゲージを設置したとき,10

分間における指示の最大値と最

小値との差を求める。 

スタンド,標準ノズル 

ストップウオッチ 

JIS B 7506に規定する 

0級のブロックゲージ 

応答時間 

任意の点の目盛値に相当するブ

ロックゲージを測定部に挿入し

てから,フロートが表1の指示の

安定性に示す許容値内におさま

るまでの時間を求める。 

図6 

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B 7535-1982  

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多連式の場合

の指示の影響

変動特性 

いずれのフロートも,それぞれブ

ロックゲージを設置して1測定部

を残し,他のブロックゲージを同

時に出し入れしたときの残した

測定部の指示の差を読み取る。 

これを他の測定部についても同

様に行い,その最大値を求める。 

なお,この場合の多連式とは最大

6連とする。 

図7 

スタンド,標準ノズル 

JIS B 7506に規定する 

0級のブロックゲージ 

供給圧力の変

動による指示

の影響変動特

性 

任意の点の目盛値に相当するブ

ロックゲージを設置し,供給圧を

290 kPa{3 kgf/cm2}から690 kPa {7 

kgf/cm2} (いずれもゲージ圧)ま

で変動させ,そのときの指示の最

大値と最小値との差を求める。 

図8 

スタンド,標準ノズル 

JIS B 7506に規定する 

0級のブロックゲージ 

JIS B 7505(ブルドン管圧力

計)に規定するブルドン管圧

力計 

最大測定すき

ま 

標準ノズルとブロックゲージと

のすきまが表4の値の条件で,上

下の2基準点を用いて基準倍率に

調整できることを確かめる。 

図9 

スタンド,標準ノズル 

JIS B 7506に規定する 

0級のブロックゲージ 

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B 7535-1982  

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表4 フロートが上基準点の目盛を指示するとき 

の標準ノズルとブロックゲージとのすきま 

基準倍率 倍 

最大測定すきま μm 

1 000 

210 

2 000 

130 

3 000 

100 

4 000 

100 

5 000 

80 

10 000 

50 

8. 検査 空気マイクロメータの検査は,性能,外観及び機能について行い,5.及び6.の規定に適合しな

ければならない。 

9. 製品の呼び方 空気マイクロメータの呼び方は,規格番号又は規格名称,テーパ管数及び基準倍率の

種類による。 

例1 : JIS B 7535 

― 2 000 

例2 : 流量式空気マイクロメータ 

単式 

2 000倍 

例3 : JIS B 7535 

― 5 000 

例4 : 流量式空気マイクロメータ 3連式 

5 000倍 

10. 表示 空気マイクロメータには,次の事項を明りょうに表示しなければならない。 

(1) 製造番号 

(2) 製造業者名又はその略号 

B 7535-1982  

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本改正原案作成委員会 

氏名 

所属 

(委員長) 

沢 辺 雅 二 

工業技術院計量研究所 

石 神 政 司 

機械振興協会技術研究所 

田 村 五 郎 

東京都立工業技術センター 

村 里 利 明 

工業技術院標準部 

森   吉 雄 

東京芝浦電気株式会社 

堤   俊 忠 

石川島汎用機械株式会社 

永 松   厚 

日産自動車株式会社 

内 藤 邦 夫 

三井精機工業株式会社 

石 井 信 雄 

三菱重工業株式会社 

津 川 浩 造 

日本精工株式会社 

畑     明 

日立青梅電子株式会社 

高 内 国 士 

株式会社猪俣製作所 

松 永 輝 雄 

日本光学工業株式会社 

広 瀬 藤 司 

株式会社三豊製作所 

羽 田 勝 彦 

株式会社津上 

遠 藤 大 海 

株式会社東京精密 

佐 野   明 

東京測範株式会社 

細 谷 利 男 

河口湖精密株式会社 

大 沢 政 男 

安立電気株式会社 

五十嵐 克 幸 

株式会社尾崎製作所 

棚 田   寛 

大阪精機株式会社 

市 川 忠 治 

日本精密測定機器工業会