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B 7534:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本計量
機器工業連合会(JMIF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS B 7534:1987
は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
B 7534:2005
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 種類 ······························································································································ 2
5. 呼び寸法 ························································································································ 2
6. 性能 ······························································································································ 2
6.1 長さの許容差 ················································································································ 2
6.2 目盛側面の直角度 ·········································································································· 2
6.3 目盛面の真直度 ············································································································· 2
6.4 目盛面の平面度 ············································································································· 2
7. 目盛 ······························································································································ 2
8. 形状及び寸法 ·················································································································· 3
9. 外観 ······························································································································ 4
10. 材料 ···························································································································· 5
11. 測定方法······················································································································· 5
12. 検査 ···························································································································· 7
13. 製品の呼び方 ················································································································ 7
14. 表示 ···························································································································· 7
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日本工業規格 JIS
B 7534:2005
金属製角度直尺
Carpenter's squares
1. 適用範囲 この規格は,長枝と短枝とが90゜を構成している金属製の角度直尺であって,呼び寸法が
250〜500 mmのもの(以下,角度直尺という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7506 ブロックゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7514 直定規
JIS B 7524 すきまゲージ
JIS B 7526 直角定規
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼鈑及び鋼帯
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼鈑及び鋼帯
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS Z 8103 計測用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次によるほか,JIS Z 8103による。また,角度直尺の各
部の名称は,図1による。
a) 基点 測定の基準となる目盛側面。長枝及び短枝それぞれに外目盛基点及び内目盛基点があり,それ
ぞれ図1に示す位置とする。
b) 目盛面のりょう(稜) 目盛側面及び端面と目盛面が交わる線。
c) 余白 目盛面の先端にある,目盛が付されていない部分。
d) 目幅 隣り合う二つの目盛線の幅の中心から中心までを測定した長さ。
e) 目量* 目幅に対応する測定長の大きさ。
注*
ここでいう目量とは,抽象された概念である。
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備考 この図は,単に名称を示すためのものであって,形状及び構造を規定するものではない。
図 1 各部の名称
4. 種類 角度直尺の種類は,形状(表2〜表4の付図参照)によって,A形(表2),B形(表3)及びC形(表4 )
の3種類とする。
5. 呼び寸法 角度直尺の呼び寸法は,“長枝の外目盛の長さ”により,250 mm, 300 mm, 450 mm及
び500 mmとする。また,呼び寸法の単位は,センチメートル(cm)を用いてもよい。
6. 性能
6.1
長さの許容差 角度直尺の長さの許容差は,基準の温度を20 ℃とし,外目盛基点及び内目盛基点か
らの任意の長さ及び任意の2目盛線間の長さについて± 0.2 mmとする。ただし,目幅の許容差について
は,7. c) の表1による。
6.2
目盛側面の直角度 角度直尺の長枝の目盛側面と水平方向の直角度は,100 mmにつき0.1mm以下
とする。
6.3
目盛面の真直度 角度直尺の目盛側面の水平方向の真直度は,長枝及び短枝それぞれ次の式の値以
内とする。
[0.3 + (長枝又は短枝の全長) / 2 500]mm
6.4
目盛面の平面度 A形の角度直尺は,長枝の両端の間隔が“長枝の外目盛の長さ”の3/4になるよう
に曲げて戻したとき,長枝の目盛面の平面度が“長枝の外目盛の長さ”の1/100以下とする。
7. 目盛 目盛は,次による。
a) 目盛線は,目盛面のりょう(稜)に達しており,かつ,目盛面のりょうに対する直角度が5 mmにつき
0.2 mm以下とする。
b) 目量は,1 mm,2 mm,5 mm,10 mm,20 mm,50 mm及び100 mmとする。目量は,複数としてもよ
く,これらを併用してもよい。ただし,次の1)〜 4)の目盛を付けることは差し支えない。
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1) 角目:実目盛に対し
2倍に目盛られた目盛
2) 丸目:実目盛に対して1 / π倍に目盛られた目盛
3) ほぞ穴目盛:柱のほぞ穴の深さを測るために,端面を基点とした目盛
4) 外目盛基点の内目盛(内目盛面の目盛)
c) 目量を同じくする目盛において,目幅の許容差及び隣り合う二目盛の目幅の差は,共に,表1の値以
下とする。ただし,外目盛基点・内目盛基点・端面基点からの目幅及び角目・丸目・ほぞ穴目盛・外
目盛基点の内目盛は対象外とする。
表 1 目幅の許容差及び隣り合う二目盛の目幅の差
単位 mm
目量 i
i = 1
1 < i ≦ 100
目幅の許容差及び隣り合う二目盛の目幅の差
± 0.1
± 0.2
d) 目盛線の太さは,0.2 〜0.45 mmとし,目盛線の種類(1 mm目盛,2 mm目盛,5 mm目盛,10 mm目
盛など)に応じ,異なる太さとしてもよい。また,太さの同じ目盛線は,その最小値が最大値の55 %
以上でなければならない。
e) 目盛は,明確で,測定上支障のある欠点があってはならない。
f)
主な目盛線には,基点からの長さ又はその数値を表記する。
8. 形状及び寸法 角度直尺の形状及び寸法は,種類に応じ表2A形,表3B形,及び表4C形による。A
形,B形及びC形の構造用途の特徴は,次による (表2〜表4の付図参照) 。
A形:厚さにおいて,直角度の維持・強化に配慮されており,形状特性から,軽量,頑丈及び復元力に優
れ,大工などの仕事に適する角度直尺
B形:形状特性から,建具,さしもの(指物・くぎを用いない木工家具) などの仕事に適する角度直尺
C形:形状は,厚さが均等に作られており,土木,鉄骨などの仕事に適する角度直尺
表 2 A形
単位 mm
呼び寸法
外目盛の長さ
長枝の全長
短枝の全長
幅
厚さ
長枝
短枝
L1
許容差
L2
許容差
W
T
300
300
150
320
± 5
L1 / 2
±2
15.0±0.3
1.4±0.4
450
450
230
485
500
500
250
520
備考 厚さ(T):A形の内目盛基点及び外目盛基点に相当する約50 mmの部分は,長枝,短枝とも他の部分より薄く
てはならない。
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表 3 B形
単位 mm
呼び寸法
外目盛の長さ
長枝の全長
短枝の全長
幅
厚さ
長枝
短枝
L1
許容差
L2
許容差
W
T
t
250
250
130
270
± 5
L1 / 2
±2
15.0±0.3
2.6±0.3
2.0±0.3
300
300
150
320
表 4 C形
単位 mm
呼び寸法
外目盛の長さ
長枝の全長
短枝の全長
幅
厚さ
長枝
短枝
L1
許容差
L2
許容差
W
T
300
300
150
320
± 5
L1 / 2
±2
15.0±0.3
又は
20.0±0.3
1.0±0.3
又は
2.0±0.3
500
500
250
520
9. 外観 外観は,次による。
a) 標識その他の表記は,明確で,脱落,誤記など測定上支障がある欠点があってはならない。
b) 目盛側面は,平滑に仕上げられていなければならない。
c) 目盛面は,測定に支障のない程度に平たんであること。
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10. 材料 材料の材質及び硬さは,表5による。
表 5 材質及び硬さ
材質
硬さ
JIS G 4303(ステンレス鋼棒),
JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯),
JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)のSUS410,SUS420 J1,
又はSUS420J2,若しくはこれらと品質が同等以上のもの。
A形はHv 320以上
B形及びC形はHv 210以上
11. 測定方法 性能の測定方法は,表6による。ただし,これと同等以上の測定精度で測定できる器具を
用いてもよい。
表 6 性能の測定方法
項目
測定方法
測定器具
6.1 長さの許容差
検査しようとする長さを長さ標準器(1) 及び測微鏡によっ
て測定する(図2参照) 。
なお,長さ標準器(1)と被測定物の材質が同じ場合には,同
一線膨張係数のため,常温下の測定でもよい。
長さ標準器(1)
測微鏡(目量が0.01
mm以下のもの。)
6.2 目盛側面の直角度
次のa)又はb)の方法( 両者を併用してもよい )により,外
目盛基点の直角度及び内目盛基点の直角度を測定する。
a) 寸法の等しいブロックゲージA,Aʼ及びB,Bʼ,直角
定規並びに角度直尺を定盤に設置する。
角度直尺の目盛側面をブロックゲージA,Aʼに軽く
当て,接触部の反対側に置いた光源の光が見えなくな
るまでブロックゲージA又はAʼの寸法を変え,この
ときのブロックゲージA及びAʼの寸法の差から,直
角度を求める(図3 参照)。
b) 角度検査器を用いて測定する(図4参照)。
a) の場合
精密定盤
(JIS B 7513)
ブロックゲージ
(JIS B 7506)
直角定規
(JIS B 7526)
b) の場合
角度検査器
6.3 目盛側面の真直度
目盛側面が定盤又は直定規に接するように角度直尺を置
き,目盛側面と定盤又は直定規とのすき間をすきまゲージ
で測定する( 図5参照 )。
すきまゲージ
(JIS B 7524)
精密定盤又は直定規
( JIS B 7514 )
6.4 目盛面の平面度
定盤に目盛面が接するように角度直尺を置き,定盤と角度
直尺とのすき間をすきまゲージで測定する(図6参照)。
すきまゲージ
(JIS B 7524)
精密定盤
(JIS B 7513)
注(1) 長さ標準器とは,JIS Q 17025又はISO/IEC 17025に基づいて認定又は登録された校正機関が発行する不確か
さが表記された校正証明書をもつ長さ計をいう。
備考 図2〜図6は,一例である。
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図 2 測定方法(6.1 長さの許容差)
図 3 測定方法[6.2 目盛側面の直角度,a)の場合]
図 4 測定方法[6.2 目盛側面の直角度,b)の場合]
図 5 測定方法(6.3 目盛側面の真直度)
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図 6 測定方法(6.4 目盛面の平面度)
12. 検査 角度直尺の検査は,性能,目盛,形状及び寸法,外観並びに材料について行い,6.〜10.の規定
に適合しなければならない。ただし,10. 材料の検査については,次のa)又はb)のいずれかによる。
a) 材料入荷の時点
b) 成形・焼入れ後の時点
13. 製品の呼び方 角度直尺の呼び方は,規格番号又は規格名称,種類及び呼び寸法による。
例1. JIS B 7534 A形300 mm
例2. 角度直尺 A形300 mm
14. 表示 角度直尺の一部に,次の事項を表示する。
a) 呼び寸法
b) 製造事業者名又はその略号
c) 角目又は丸目が付いている場合には,その目盛に対応する余白に“角目”又は“丸目”
d) ステンレス鋼製の旨