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B 7263-3:2005 (ISO 14490-3:2004) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本望遠鏡工業会(JTMA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14490-3:2004,Optics and optical 

instruments―Test methods for telescopic systems―Part 3: Test methods for telescopic sightsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 7263の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 7263-1 第1部:基本特性(予定) 

JIS B 7263-2 第2部:双眼鏡(予定) 

JIS B 7263-3 第3部:ライフルスコープ 

JIS B 7263-4 第4部:天体望遠鏡(予定) 

B 7263-3:2005 (ISO 14490-3:2004) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 試験方法 ························································································································ 1 

4.1 光軸上視差 ··················································································································· 1 

4.2 視差 ···························································································································· 3 

4.3 射出ひとみ距離 ············································································································· 4 

4.4 レチクル斜行 ················································································································ 6 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7263-3:2005 

(ISO 14490-3:2004) 

望遠鏡試験方法―第3部―ライフルスコープ 

Optics and optical instruments-Test methods for telescopic systems- 

Part 3: Test methods for telescopic sights 

序文 この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 14490-3,Optics and optical instruments−Test 

methods for telescopic systems−Part 3: Test methods for telescopic sightsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様

式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,射撃を目的とする空気銃,拳銃及びライフル銃に取り付けて使用するライフ

ルスコープの試験方法について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修

正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 14490-3:2004,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 3: Test 

methods for telescopic sights (IDT) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7157 望遠鏡用語 

備考 ISO 14132-1:2002,Optics and optical instruments − Vocabulary for telescopic systems − Part 1: 

General terms and alphabetical indexes of terms in ISO 14132及びISO 14132-3:2002,Optics and 

optical instruments − Vocabulary for telescopic systems − Part 3: Terms for telescopic sightsか

らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7157による。 

4. 試験方法  

4.1 

光軸上視差  

4.1.1 

一般 この試験方法は,ライフルスコープのレチクルとライフルスコープの対物レンズが形成する

像との間の軸距離を測定するものである。距離P'axは,毎メートル(m-1)単位で表す。 

4.1.2 

測定機器 測定機器の試験構成の概略を図1に示す。 

background image

B 7263-3:2005 (ISO 14490-3:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 1 コリメータ 

2 ライフルスコープ 
3 視度望遠鏡 
4 視点 
5 照明装置 

6 フィルタ 
7 コリメータのレチクル 
8 ライフルスコープのレチクル 
9 コリメータのレチクルの像 
10  視度望遠鏡のレチクル 

図 1 試験構成の概略(光軸上視差) 

4.1.2.1 

コリメータ コリメータは,ライフルスコープの対物レンズの直径よりも大きな有効径及びコリ

メータレンズの直径の少なくとも10倍の焦点距離をもつものとする。 

コリメータのレチクルは,十字線とする。このレチクルの軸位置は正確に調整し,ライフルスコープの

照準設定距離において,虚像を形成するものとする。 

4.1.2.2 

ライフルスコープ ライフルスコープは,ライフルスコープの対物レンズが完全に照らされる位

置に,コリメータの光軸と平行になるように調整する。 

ライフルスコープのレチクルは,調整範囲の中心に位置させる。 

4.1.2.3 

視度望遠鏡 視度望遠鏡は,ライフルスコープの射出ひとみよりも大きな口径及び正確な測定が

保証できる倍率(3x〜6x)をもつものとする。 

4.1.3 

測定手順 視度望遠鏡のレチクル(図1の10)の像が鮮明に映るように視度望遠鏡の接眼レンズを調

整し,視度望遠鏡をゼロに設定する。 

視度望遠鏡をのぞきながらライフルスコープの接眼レンズの焦点を調整し,ライフルスコープのレチク

ル(図1の8)に合わせ,鮮明な像が映るようにする。 

固定接眼レンズのライフルスコープについては,視度望遠鏡を使用して,ライフルスコープのレチクル

(図1の8)に焦点を合わせる。 

視度望遠鏡の視度の設定を調整して,コリメータのレチクルの像(図1の9)が鮮明に映るようにする。 

像空間内の光軸上視差P'ax(m-1)は,視度望遠鏡上の二つの読み値の差によって測定する。 

P'axの測定誤差は,次の式(1)を超えてはならない。 

2'

7,2

D

mm ···················································································· (1) 

ここに, D': 射出ひとみ径(mm)。7 mmを超える射出ひとみ径については,

計算式の中の値を,D'=7 mmとする。 

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B 7263-3:2005 (ISO 14490-3:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

物体空間内の光軸上視差Pax(m-1)の計算は,次の式(2)による。 

2

Γ

=

ax

ax

P

P

 ·················································································· (2) 

ここに, Γ: ライフルスコープの倍率。 

備考 ライフルスコープの像質は,測定誤差に影響する。 

4.2 

視差  

4.2.1 

一般 この試験方法は,光軸上観察及び光軸外観察のための照準線間の角度偏りの測定を行うもの

である。 

備考 約2 mm以下の射出ひとみ径については,光軸上視差の試験方法だけが該当する。 

4.2.2 

測定機器 測定機器の試験構成の概略を図2に示す。 

 1 コリメータ 

2 ライフルスコープ 
3 視度望遠鏡 
4 視点 
5 照明装置 
d 光絞り径(mm) 

6 フィルタ 
7 コリメータのレチクル 
8 軸外光絞り 
9 ライフルスコープのレチクル削除 
10 視度望遠鏡のレチクル 

図 2 試験構成の概略:視差 

4.2.2.1 

コリメータ コリメータは,ライフルスコープの対物レンズの径よりも大きな有効径及びコリメ

ータレンズの径の少なくとも10倍の焦点距離をもつものとする。 

コリメータのレチクルは,十字線とする。このレチクルの軸位置は正確に調整し,ライフルスコープの

照準設定距離において,虚像を形成するものとする。 

照明装置は,コリメータの口径全体に均質の明るさを生み出すものとする。色収差を防止するために,

緑色(約0.55 μm)のフィルタを使用する。 

4.2.2.2 

ライフルスコープ ライフルスコープは,ライフルスコープの対物レンズが完全に照らされる位

置に,コリメータの光軸と平行になるように調整する。 

ライフルスコープのレチクルは,調整範囲の中心に位置させる。 

4.2.2.3 

光絞り 光絞りは,次の直径d (mm)をもつものとする。 

Γ

×

±

=

)1.0

2.1(

d

········································································ (3) 

B 7263-3:2005 (ISO 14490-3:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

光絞りは,ライフルスコープの入射ひとみの直径全体にわたった水平方向において,調整できなければ

ならない。 

4.2.2.4 

視度望遠鏡 視度望遠鏡は,ライフルスコープの射出ひとみよりも大きな口径及び正確な測定が

保証できる倍率がなければならない。 

視度望遠鏡のレチクル(図2の10)は,水平軸上に分(角度)単位の目盛尺をもち,2分単位の目盛が付

いているものとする。 

視度望遠鏡は,焦点を無限遠に合わせる。 

4.2.3 

測定手順 視度望遠鏡をのぞきながら,ライフルスコープの接眼レンズの焦点を調整し,ライフル

スコープのレチクル(図2の8)に合わせ,鮮明な像が映るようにする。 

光絞りを,向かい合う二つの位置に調節して,それぞれにおいて,その外縁がライフルスコープの入射

ひとみの端部に一致するようにする。 

視度望遠鏡を使用して,二つの光絞り位置における,コリメータのレチクル(図2の7)とライフルスコー

プのレチクルの像(図2の9)の間の角度偏りの変化a(単位:分)を測定する。 

像空間内の視差P'の計算は,次の式(4)による。 

)

(

2moa

a

P=

 ············································································· (4) 

物体空間内の最大視差Pの計算は,次による。 

)

(moa

P

P

Γ

=

 ············································································ (5) 

P'の測定誤差が,1.0 分を超えてはならない。 

備考 実用上,視差(mrad)と光軸上視差(分)との関係が次の式(6)によって与えられる。 

)

(

2

)

(

mrad

D

P

mrad

P

ax

=

)

(

438

.3

2

)

(

moa

D

P

moa

P

ax

×

=

 ························································ (6) 

ここに, D': 射出ひとみ径(mm)。 

4.3 

射出ひとみ距離  

4.3.1 

一般 この試験方法は,全視野をけられなく見ることができる視点範囲を,ライフルスコープの光

軸に沿って測定するものである。 

この方法では,ひとみの昼間の平均的直径を3 mmと仮定している。 

射出ひとみ距離の図解を図3に示す。ここに,"a"〜"c"が射出ひとみ距離である。 

4.3.2 

測定機器 測定機器の試験構成の概略を図3に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

       A-A              B-B              C-C 

1 コリメータ 
2 ライフルスコープ 
3 拡散板 
4 目盛入りガラス 
5 測定ルーペ 

A-A 射出ひとみ距離(下限) 
B-B 射出ひとみ距離(中間) 
C-C 射出ひとみ距離(上限) 

図 3 試験構成の概略(射出ひとみ距離) 

4.3.2.1 

コリメータ コリメータは,ライフルスコープの対物レンズの径よりも大きな有効径及びコリメ

ータレンズの径の少なくとも10倍の焦点距離をもつものとする。 

コリメータは,ライフルスコープの照準設定距離に対応する面に置かれた二つの点光源をもつものとす

る。これらの光源は,ライフルスコープの視野に対応する光軸に関して対称的に調整できなければならな

い。 

色収差を防止するために,緑色(約0.55 μm)のフィルタを使用する。 

4.3.2.2 

ライフルスコープ ライフルスコープのレチクルは,調整範囲の中心に位置させる。ライフルス

コープは,光軸に対して垂直の二つの軸において調整できる取付器で保持する。 

4.3.2.3 

測定ルーペ 測定ルーペは,ほぼ7倍の倍率をもち,かつ,0.1 mmの目盛入りガラスをもつもの

とする。目盛入りガラスは,目盛側をライフルスコープの接眼レンズに向ける。 

測定ルーペは,ライフルスコープの光軸と平行に置き,また,軸方向に調整できる。 

4.3.3 

測定手順 コリメータ(図3の1)の二つの光源の間隔を,ライフルスコープ(図3の2)の視野直径に

合わせる。 

ライフルスコープの視野外周の円弧が二つの光源の像に一致するように,ライフルスコープの位置を調

節する。 

測定ルーペを,ライフルスコープの近傍から光軸に沿って遠ざけ,二つの射出ひとみの間隔が2 mmに

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なる位置まで移動させる。(図3,A-A参照) 

この位置においては,二つの射出ひとみのそれぞれ内側0.5 mmの部分が,ひとみの昼間の平均的直径3 

mmによって覆われる。 

この位置は,射出ひとみ距離の下限に相当する。 

さらに,測定ルーペをライフルスコープから遠ざけ,二つの射出ひとみの間隔が再び2 mmになる位置

まで移動させる。(図3,C-C参照)。 

この位置は,射出ひとみ距離の上限に相当する。 

射出ひとみ距離の上限及び下限の値は,上で定義した両方の位置における,ライフルスコープの最終光

学平面の頂点から測定ルーペの目盛面までの距離(mm)で示す。 

それぞれの距離の測定誤差は0.4 mm未満で,射出ひとみ距離の測定誤差は0.8 mm未満となる。 

4.4 

レチクル斜行  

4.4.1 

一般 この試験方法は,レチクル軸と関連して,調整範囲全体にわたる照準マークの動きを点検す

る方法に関するものである。 

4.4.2 

測定機器  

4.4.2.1 

一般 測定機器は,コリメータ及びコリメータ正面のライフルスコープ用の固定具で構成する。

固定具は,コリメータの光軸と平行の主軸をもち,また,光軸と垂直の二つの軸で調節することができる。 

4.4.2.2 

コリメータ コリメータは,ライフルスコープの対物レンズの径よりも大きな有効径及びコリメ

ータレンズの径の少なくとも10倍の焦点距離をもつものとする。 

コリメータのレチクルは,図4による。このレチクルの軸位置は正確に調整し,ライフルスコープの照

準設定距離において,虚像を形成するものとする。 

コリメータの視野は,ライフルスコープのレチクルの調整範囲以上とする。 

 a 角度許容値(度) 

図 4 コリメータのレチクル 

4.4.3 

測定手順 二つのレチクルの軸が平行になり,照準マークがコリメータのレチクルの中心と一致す

るように,ライフルスコープの位置を調整する。 

規定範囲の全体にわたって垂直方向だけで試験片の照準線を調節する場合は,照準マークが規定の角度

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許容値から逸脱しないようにする。 

水平の調整範囲について,上記の手順を繰り返す。 

関連規格 JIS B 7155 天体望遠鏡−特性 

JIS B 7156 ライフルスコープ−特性 

JIS Z 8120 光学用語

解 1 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。