B 7263-2:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本望遠鏡工業会(JTMA)/財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14490-2:2005,Optics and optical
instruments−Test methods for telescopic systems−Part 2: Test methods for binocular systemsを基礎として用い
た。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 7263-2には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7263の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 7263-1 第1部:基本特性
JIS B 7263-2 第2部:双眼鏡
JIS B 7263-3 第3部:ライフルスコープ
JIS B 7263-4 第4部:天体望遠鏡
B 7263-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 左右光軸平行度 ··············································································································· 2
4.1 一般 ···························································································································· 2
4.2 試験装置 ······················································································································ 2
4.3 測定準備及び実施 ·········································································································· 2
4.4 試験結果 ······················································································································ 3
5. 眼幅 ······························································································································ 3
6. 倍率相対差 ····················································································································· 3
7. 中央繰出しの左右視度差 ··································································································· 3
7.1 一般 ···························································································································· 3
7.2 試験装置 ······················································································································ 3
7.3 手順 ···························································································································· 3
7.4 結果の確定 ··················································································································· 4
8. 試験報告書 ····················································································································· 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7263-2:2007
望遠鏡試験方法−第2部:双眼鏡
Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−
Part 2:Test methods for binocular systems
序文 この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 14490-2,Optics and optical instruments−Test
methods for telescopic systems−Part 2: Test methods for binocular systemsを基に,技術的内容を変更すること
なく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,双眼鏡の試験方法について規定する。
なお,望遠鏡の基本特性の試験方法については,JIS B 7263-1による。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 14490-2:2005,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 2: Test
methods for binocular systems (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7121 プリズム双眼鏡
JIS B 7122 ガリレイ双眼鏡
JIS B 7157 望遠鏡用語
備考 ISO 14132-1:2002,Optics and optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 1:
General terms and alphabetical indexes of terms in ISO 14132及びISO 14132-2:2002,Optics and
optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 2:Terms for binoculars,monoculars
spotting scopesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 7263-1 望遠鏡試験方法−第1部:基本特性
備考 ISO 14490-1:2005,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 1:
Test methods for basic characteristicsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8120 光学用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7121,JIS B 7122,JIS B 7157及びJIS Z 8120によ
る。
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B 7263-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 左右光軸平行度
4.1
一般 双眼鏡を用いた観察時に,その視野性能を保証するため,左右の望遠鏡系光軸は,平行でな
ければならない。
左右光軸平行度の公差は,人間の眼の生理学的特性によって定まる。
この測定を眼幅60 mm,65 mm又は70 mmで行う。
4.2
試験装置 試験装置は,次による。
4.2.1
測定は,図1に示す試験構成によって行うのが望ましい。
4.2.2
コリメータ及び測定望遠鏡の視軸は,平行でなければならない。
なお,平行度の誤差は,20″を超えないことが望ましい。
コリメータレンズの直径が160 mm以上の場合,1台のコリメータを用いてもよい。
4.2.3
十字線が刻まれたレチクルを,コリメータレンズの焦点面に置く。
4.2.4
平行度測定望遠鏡の焦点面には,十字線及び測定目盛をもつスケールを配置する。
1. 光源,2. コンデンサ,3. フィルタ(約0.55 μm),4. 拡散板,5. レチクル(十字線),6. コリメータレンズ,
7. 被検双眼鏡,8. 測定望遠鏡,9. スケール
図 1 左右光軸平行度測定のための試験構成
4.3
測定準備及び実施 測定準備及び実施は,次による。
4.3.1
測定望遠鏡の左右の接眼レンズを,スケールの鮮明な像が得られるように調節する。
4.3.2
被検双眼鏡を取り外したとき,左右コリメータの十字線中心像は,平行度測定望遠鏡のスケール十
字線の中心と一致しなければならない。
なお,十字線中心間のずれは,20″未満とする。
4.3.3
図1に従って,被検双眼鏡を試験構成にセットした後,被検双眼鏡の片側光学系を通して見える十
字線(図1の5)の像を,測定望遠鏡のスケール(図1の9)の十字線と一致させる。
その状態で,もう一方の測定望遠鏡をのぞき,コリメータ十字線のずれ量を,スケールの目盛で読み取
る。
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この目盛数が,左右及び上下両方向における,被検双眼鏡の光軸平行度となる。
互いに平行に構成された一対の望遠鏡(測定用望遠鏡)の代わりに,被検双眼鏡の一方の光学系からも
う一方に移動する望遠鏡を1台だけ用いてもよい。
望遠鏡は,光軸の方向が変化せずに移動できるように設計するのが望ましい。
4.4
試験結果
4.4.1
試験報告書には8. で規定する一般情報及び4.1で規定する眼幅で測定したかを記載しなければな
らない。
4.4.2
測定の絶対誤差は,±3′以内とする。
5. 眼幅 眼幅は,次による。
5.1
被検双眼鏡の適切なスケールに表示される眼幅は,ノギス,特殊ゲージ,又は接眼レンズレチクル
をもつ2台の平行な低倍率顕微鏡で構成される専用試験装置で測定する。
5.2
顕微鏡の軸間の距離を調節して,試験装置に備わっているスケールから値を読み取る。
5.3
測定の絶対誤差は,1 mm以内とする。
6. 倍率相対差 倍率相対差は,次による。
6.1
倍率相対差は,JIS B 7263-1の4.に従って測定した,左右各々の光学系の倍率差を計算することで評
価する。
6.2
倍率測定の相対誤差は,±0.5 %以内とする。
7. 中央繰出しの左右視度差
7.1
一般 双眼鏡で観察して焦点調整をしたとき,左右光学系の視度の差は許容限度内に保証されてい
なければならない。
7.2
試験装置 試験装置は,視度望遠鏡とする。
7.3
手順
7.3.1
測定位置 視度差は,次の二つの位置で決定する。
a) 無限点
b) 最短合焦距離までの間:この測定ポイントは,最短合焦位置から2 m−1とする。
7.3.2
測定手順 両方の焦点位置測定は,中央繰出し機構の二つの焦点方向によって決定する[最短合焦
位置からその反対の無限遠を越えた位置(オーバーインフ)]。
重要点として,焦点調整の方向は,機械的な停止点で焦点調整方向を変える場合を除き,測定の間反転
させない。手順は,次による。
a) 測定のための初期調整をして,被検双眼鏡をセットする。
すなわち,中央繰出し機構の位置を決め,それに加え視度調整機構で約−2 m−1にする。
b) 視度望遠鏡を用いて,両方の光学系を中央繰出し機構と視度調整機構とを操作して無限遠に合わせる。
この手順の間に焦点調整方向を反転しない。
c) 中央繰出し機構を,再び焦点調整の方向を変えずに,両方の光学系の焦点を最短合焦側の測定位置ま
で操作する[7.3.1 b)参照]。
d) 視度望遠鏡を用いて,左右光学系の焦点誤差を測定し記録する。
e) 両方の光学系を更に焦点調整し,中央繰出し機構が最短合焦位置の機械的な停止位置で停止するまで
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B 7263-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
操作する。
この時点で(そしてこの時点でだけ)焦点合わせ方向を反転する。
f)
両方の光学系の焦点を最短合焦側の測定位置に合わせる。
g) d)と同じように,左右光学系の焦点誤差を測定し記録する。
h) 中央繰出し機構を操作し,焦点合わせの方向を変えずに無限遠に焦点を合わせる。
i)
再び左右光学系の焦点誤差を測定し記録する。
7.4
結果の確定
7.4.1
三つの測定結果から,最も大きい値を測定結果として採用する。
備考 視度調整を,光学的な調整の代わりに視度目盛を用いて行ったとき,視度目盛誤差も含んだも
のが測定結果となる。
7.4.2 測定の絶対誤差は,±0.25m−1以内とする。
8. 試験報告書 関連する試験方法に従った試験結果の提出のほかに,該当する場合,次の一般情報も提
示する。
a) 試験場所の名称
b) 試験者の氏名
c) 試験日
d) 被検双眼鏡の識別
e) 要求されている場合及び/又はJIS B 7263の規格群の関連試験方法で規定されているものと異なる場
合,試験構成及び/又は手順についての詳細
f)
この規格への言及
試験報告書がJIS B 7263のすべての部に従って複数の試験の結果を記録する場合,上記a)〜f)に規定す
る一般情報は,通常一回だけ記載する。
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B 7263-2:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7263-2:2007 望遠鏡試験方法−第2部:双眼鏡
ISO 14490-2:2005,望遠鏡試験方法−第2部:双眼鏡
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際規
格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
双眼鏡の試験方法につい
て規定
ISO 14490-2
1
JISと同じ
IDT
−
−
2. 引用
規格
JIS B 7121
JIS B 7122
JIS Z 8120
JIS B 7157
JIS B 7263-1
2
ISO 14132-1
ISO 14490-1
MOD/追加
MOD/変更
MOD/追加
JISとして必要な引
用規格を追加
JISからの引用規格
はこの規格の該当事
項と同等である。
実質的な差異はない。
3. 定義
JIS B 7121, JIS B 7122,
JIS B 7157, JIS Z 8120
3
JISと同じ
MOD/追加
JISとして試験結果
の必要なJISを追加
実質的な差異はない。
4. 左右
光軸平行
度
4
JISと同じ
IDT
−
−
5. 眼幅
5
JISと同じ
IDT
−
−
6. 倍率
相対差
6
JISと同じ
IDT
−
−
7. 中央
繰出しの
左右視度
差
7
IDT
−
−
8. 試験
報告書
試験報告書の一般データ
について規定
8
試験報告書の一般デ
ータについて規定
MOD/追加
試験報告書の一般ル
ールを規定した。
実質的な差異はない。
2
B
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2
6
3
-2
:
2
0
0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
B
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-2
:
2
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0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。