B 7155:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本望遠鏡工業会(JTMA)/財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによってJIS B 7155:1993は改正されこの規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/DIS 14134:2002,Optics and optical
instruments−Telescopic systems−Specifications for astronomical telescopesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 7155には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
B 7155:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 種類 ······························································································································ 2
5. 仕様 ······························································································································ 2
5.1 光学的性能及び許容値 ···································································································· 2
5.2 機械的仕様 ··················································································································· 2
5.3 附属品の接合部 ············································································································· 3
5.4 光学的仕様 ··················································································································· 3
5.5 環境要求事項 ················································································································ 3
6. 試験 ······························································································································ 3
6.1 試験環境 ······················································································································ 3
6.2 各特性の試験方法 ·········································································································· 3
7. 消費者情報 ····················································································································· 4
7.1 本体表示 ······················································································································ 4
7.2 製品情報 ······················································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7155:2005
天体望遠鏡−特性
Optics and optical instruments-Telescopic systems-
Specifications for astronomical telescopes
序文 この規格は,2002年に第1版として発行されたISO/DIS 14134,Optics and optical instruments−
Telescopic systems−Specifications for astronomical telescopesを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,ファインダ望遠鏡を含むアマチュア向けの天体望遠鏡(以下,天体望遠鏡と
いう。)の特性及び機能について規定する。ただし,専門家用及び玩具の望遠鏡は除く。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/DIS 14134:2002,Optics and optical instruments−Telescopic systems−Specifications for
astronomical telescopes (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7157 望遠鏡用語
備考 ISO 14132-1:2002,Optics and optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 1:
General terms及びISO 14132-4:2002,Optics and optical instruments−Vocabulary for telescopic
systems−Part 4: Terms for astronomical telescopesからの引用事項は,この規格の該当事項と同
等である。
JIS B 7261 望遠鏡試験方法−試験環境
備考 ISO 10109-4:2001,Optics and optical instruments−Environmental requirements−Part 4: Test
requirements for telescopic systemsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8120 光学用語
ISO 1948:1987,Photography−Front lens barrels up to 127 mm−Dimensions important to the connection of
auxiliaries
ISO/DIS 14490-4:2003,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 4:
2
B 7155:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Astronomical telescopes
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7157及びJIS Z 8120による。
4. 種類 天体望遠鏡の種類は,光学的性能によって一般品(A)と高性能品(AA)とに区分する。
5. 仕様
5.1
光学的性能及び許容値 天体望遠鏡の光学的性能及び許容値は,表1による。
表 1 光学的性能及び許容値
機種
性能項目
許容値
一般品(A)
高性能品(AA)
主望遠鏡
対物レンズ(対物鏡)の有効径
(mm)
屈折式
+1.0
反射式
0
−2
対物レンズ(対物鏡)の焦点距離
屈折式
±2 %
反射式
±3 %
接眼レンズの焦点距離
±5 %
角分解能(秒)
中心
D
140
D
120
ファインダ
倍率
±10 %
対物レンズの有効径(mm)
±1.0
実視界
±5 %
焦点板視差(m-1)
±0.5
角分解能(秒)
中心
Γ
100
備考1. 像質の基準としては,光軸上の角分解能を使用する。角分解能は,ISO 14490-4に従って,模擬二
重星(視直径1秒程度の同じ大きさの2点からなる標板)の分離によって測定する。
2. 対物レンズ(対物鏡)の有効径及び焦点距離,接眼レンズの焦点距離,ファインダの有効径,倍率並
びに対物空間における角視界は,公称値を基準値として許容値を求める。
3. ファインダの倍率Γ及び実視界角の値は,ファインダの視度を0 m-1に設定したときの値とする。
ただし,固定視度のファインダでは,その視度での値とする。
4. D =対物レンズ(対物鏡)の有効径(mm)
5. Γ = 望遠鏡の倍率
5.2
機械的仕様
5.2.1
可動部分は,円滑及び確実に作動しなければならない。また,必要以上に油を用いたり,可動部分
以外に油が付着していてはならない。
5.2.2
天体望遠鏡は,その姿勢によって結像性能が変化してはならない。
5.2.3
ファインダ付き天体望遠鏡は,ファインダの光軸が,主望遠鏡の最高倍率における実視界角の2
分の1以内にあるよう,調整可能な機構をもたなければならない。
備考 最高倍率は,1 mmの射出ひとみ径における値と定義する。
5.2.4
視度調整機構のあるファインダの接眼レンズは,+2〜−4 m-1以上の範囲を調整可能でなければな
らない。
備考 視度固定式のものは,一般に−1 m-1に固定する。
3
B 7155:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2.5
天体望遠鏡を支持する架台は,常に安定した据付けが容易であり,また,赤道儀式架台では,各種
附属品が取り付けられている場合にも,極軸及び赤緯軸とも,両軸の交点の釣合いを保つことができる構
造でなければならない。極軸及び赤緯軸は,互いに直交する。経緯儀式架台では,各種の附属品が鏡筒又
は接眼筒に取り付けられている場合,高度軸も釣合いを保つ。また,高度軸を含む面と方位軸に対する水
平面とは互いに直角をなす。
5.2.6
天体望遠鏡を支持する架台の各回転軸は円滑に作動し,特に微動装置については,きしみ,がた及
びむらがあってはならない。
5.2.7
各種附属品は,容易に交換できなければならない。
5.2.8
三脚及びピラースタンドの台座は,強度上適切な材料を用い,堅牢で,望遠鏡の操作及び観測に適
切なものでなければならない。
5.2.9
極軸及び赤緯軸(赤道儀における),並びに高度軸及び方位軸(経緯儀における)の駆動機構が電動式
のものは,実用上差支えがある欠陥があってはならない。
5.3
附属品の接合部 接眼レンズ及びその他の附属品は,適切な接合部によって交換可能なものとする。
5.3.1
スリーブはめ込み式接眼レンズの直径及び外筒許容値は,次による。
φ24.5
0
1.0
− mm
φ31.75
0
1.0
− mm
φ50.8
0
1.0
− mm
これらのスリーブはめ込み式のものは,クランプ又は摩擦による落下防止装置を備えなければならない。
5.3.2
ねじ込み式接合部は,次による。
φ42.0 mm ピッチp= 0.75 mm (カメラアダプタ用)
備考 ねじ込み式のねじ部は,ISO 1948:1987によるメートル細目ねじによる。
5.4
光学的仕様
5.4.1
光学系は,実用上問題となる収差があってはならない。また,回折円板は,はっきりしていて,ほ
ぼ円形であることが望ましい。
5.4.2
太陽観測については,眼の危険防止上,安全に留意した装置を備えていなければならない。その例
を次に示す。
−太陽投影板(推奨)
−太陽用対物フィルタ 可視光を大幅(数千分の1以下)に減光するほか,赤外光や紫外光もほとん
ど透過しないもの。
−ハーシェル・プリズム
5.4.3
鏡筒,接眼筒又は中間筒には,内面反射及び迷光の強さを最小にする手段をとることが望ましい。
5.4.4
光学部品は,機械的損傷(きず,割れ),汚れ,しみ,不均質及びその他の欠陥がないことが望ま
しい。
機能を阻害しないものであれば,少量の小さな気泡,きずなどがあってもよい。
5.4.5
ファインダのレチクルには,断線があってはならない。
5.5
環境要求事項 天体望遠鏡は,JIS B 7261に従って,形式番号06又は07の機器について規定して
いる試験条件に耐えなければならない。
6. 試験
6.1
試験環境 天体望遠鏡の試験環境条件は,JIS B 7261による。
6.2
各特性の試験方法 天体望遠鏡の試験方法は,ISO/DIS 14490-4による。
4
B 7155:2005
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7. 消費者情報
7.1
本体表示 識別及び操作のため,天体望遠鏡及び附属品には,表2の表示をする。
表 2 本体表示
部品
項目
本体表示
必す
推奨
主望遠鏡
焦点距離(mm)
○
−
対物レンズ(対物鏡)の有効径(mm)
○
−
製造業者名又は登録商標
○
−
製品名及び規格番号
−
○
原産地
−
○
種類[一般品(A)と高性能品(AA)
との区分]
−
○
ファインダ(1)
倍率
○
−
入射ひとみ径(mm)
○
−
視界(°)
○
−
接眼レンズ
形式
○
−
焦点距離(mm)
○
−
各種部品
製造番号
−
○
登録商標又は記号
−
○
注(1) ファインダの基本表示は,例えば,6×20のように,倍率及び入射ひとみ径の組合せで示す。
7.2
製品情報 天体望遠鏡の製品カタログ,使用説明書及びその他の技術情報冊子に記載する技術的特
性は表3による。
表 3 製品情報
部品
項目
名称及び表示
必す
推奨
主望遠鏡
焦点距離(mm)
○
−
対物レンズ(対物鏡)の有効径(mm)
○
−
製造業者名又は登録商標
○
−
製品名
−
○
原産地
−
○
種類[一般品(A)と高性能品(AA)
との区分]
−
○
ファインダ
倍率
○
−
入射ひとみ径(mm)
○
−
視界(°)
○
−
接眼レンズ
形式
○
−
焦点距離(mm)
○
−
各種部品
接合部の機械的寸法
−
○
質量(kg)
−
○
登録商標又は記号
−
○
5
B 7155:2005
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7155:2004 天体望遠鏡−特性
ISO/DIS 14134:2002,天体望遠鏡−特性
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
天体望遠鏡の特性につい
て規定
ISO
14134
1.
JISと同じ。
IDT
2.引用規
格
JIS B 7157,JIS B 7261,JIS
Z 8120,ISO 1948,ISO/DIS
14490-4
2.
ISO 1948,ISO
10109-4,ISO 14132-1
ISO/DIS 14132-4
ISO 14490-1
MOD/追加
JISに,内容をより分か
りやすくするため,関係
JIS規格を追加。
理解を深めるもので,実質的な技術的
差異はない。
3.定義
3.
JISとほぼ同じ。
MOD/追加
JISに,内容をより分か
りやすくするため,JIS
規格を追加。
理解を深めるもので,実質的な技術的
差異はない。
4. 種類
−
MOD/追加
構成上追加する必要あ
る。
実質的差異なし
5. 仕様
・表1 主望遠鏡,対物レン
ズの有効径,屈折式:性
能・許容値+1.0
・表1 備考1:角分解能測
定法を追加説明
・表1 備考3:固定視度フ
ァインダーの場合を説明
・種類の区分記号(A,AA)
4.
・性能・許容値 ±1.0
・ISO 14490-4に従って
測定
・固定視度ファインダー
の場合の説明がない
・種類の区分記号なし
MOD/変更
MOD/追加
MOD/追加
MOD/追加
消費者に有利な数値に
変更
便利のため簡潔に説明
を追加
文章を追加
種類の区分記号を追加
ISOに変更するよう提案している
実質的な技術的差異なし
実質的な技術的差異なし
実質的な技術的差異なし
6. 試験
−
試験方法の項目を追加し
た
MOD/追加
規格の構成上項目を立
て明確にした。
次回ISOの見直し時に提案を検討
5
B
7
1
5
5
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
B 7155:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理由
及び今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
7. 消費
者情報
・製造業者名又は登録商標
・各種部品,接合部の機械
的寸法:推奨
・規格番号・種類の区分記
号
5.
JISとほぼ同じ。
MOD/変更
MOD/変更
MOD/追加
・消費者に対して有効
な情報であるため,必
すとした。
・“必す”と“推奨”
ともにしるしがある
のは誤り
・消費者に対して有効
な情報を追加。
次回ISO見直し時に提案を検討
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2.
JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
6
B
7
1
5
5
:
2
0
0
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。