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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7153-1995 

測定顕微鏡 

Measuring microscopes 

1. 適用範囲 この規格は,長さ,角度,輪郭などを測定する測定顕微鏡について規定する(付図1参照)。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7184 投影検査器 

JIS B 7432 角度標準用多面鏡 

JIS B 7526 直角定規 

JIS B 7536 電気マイクロメータ 

JIS B 7538 オートコリメータ 

JIS B 7541 標準尺 

2. この規格の中で,{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。 

2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 観測顕微鏡 焦点板をもつ顕微鏡で,対物レンズを通してつくられた像を映像又は画像にする機能を

もつもの。 

(2) X軸 対物レンズの光軸と直角をなすテーブルの左右方向の軸。 

(3) Y軸 対物レンズの光軸と直角をなすテーブルの前後方向の軸。 

(4) 輸郭測定用対物レンズ 型板接眼レンズと組み合わせて,形状などの輪郭を測定するための対物レン

ズ。 

(5) 測定精度 実際の測定状態において,測定顕微鏡で長さ標準器を測定した際に得られる精度。 

3. 等級 測定顕微鏡の等級は,性能によって0級及び1級の2等級とする。 

4. 性能 性能は,表1による。ただし,許容値は20℃におけるものとする。 

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B 7153-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 性能 

番号 

項目 

測定方法 

説明図 

測定用具 

許容値 

 1 テーブル移

動に対する
上面の平行
度又は振れ 

X軸方向 対物レンズ取付部に電気マ

イクロメータなどを取り付
け,載物ガラス上面にその
電気マイクロメータなどを
当てて,テーブルを移動さ
せたときの指示の振れの最
大値を求める。 

付図2 電気マイクロメー

タ(JIS B 7536に規
定されたもの)又は
これに準じる性能
をもつもの。 

載物ガラス上面各方向とも 
0級 (7.5+0.025 L) μm以下 
1級 (15.0+0.050 L) μm以下 

Lはテーブル移動量 (mm) 

で測定範囲全域について適
用する。 

Y軸方向 

回転方向 

 2 テーブル移

動の水平面
内における
真直度 

X軸方向 テーブル上面に精密直定規

の使用面を垂直にして移動
方向と平行に置き,対物レ
ンズ取付部に取り付けた電
気マイクロメータなどをこ
れに当てて,テーブルを移
動させたときの指示の振れ
の最大値を求める。 

付図3 精密直定規(許容値

の51以下の精度で

校正されたもの),
電気マイクロメー
タ(JIS B 7536に規
定された0.2μmよ

り精密なもの)又は
これに準じる性能
をもつもの。 

各方向とも 
0級 (0.5±0.01 L) μm以下 
1級 (1.0+0.02 L) μm以下 

Lはテーブル移動量 (mm) 

で測定範囲全域について適
用する。 

Y軸方向 

 3 テーブルのX軸移動

方向とY軸移動方向
との直角度 

テーブル上面にテーブルの
X軸移動方向と平行に精密
直角定規の使用面を置き,
他辺の使用面に,対物レン
ズ取付部に取り付けた電気
マイクロメータなどを当て
て,テーブルをY軸方向に
移動させたときの指示の振
れの最大値を求める。 

付図4 精密直角定規(直角

度が許容値の51以

下の精度で校正さ
れたもの),電気マ
イクロメータ(JIS 
B 7536に規定され
た0.2μmより精密

なもの)又はこれに
準じる性能をもつ
もの。 

0級 (1.5+0.02 L) μm以下 
1級 (3.0+0.04 L) μm以下 

Lはテーブル移動量 (mm) 

で測定範囲全域について適
用する。 

 4 角度回転テーブル回

転中心の振れ 

角度回転テーブル上面の中
心に十字線などの指標を置
き,観測顕微鏡で観測しな
がら角度回転テーブルを回
し,これの振れが最小とな
るまで心出しを行い,この
ときの指標の変位の最大値
をテーブル移動量で求め
る。 

付図5  

10μm以下 

 5 テーブル移

動方向と鏡
筒上下動方
向との直角
度 

X軸方向 テーブル上面にテーブルの

移動方向と平行に直角定規
の使用面を載せ,他辺の使
用面に,鏡筒の対物レンズ
取付部などに取り付けた電
気マイクロメータなどの検
出器を対物レンズの同焦点
距離の位置に当てて,テー
ブル上面から上方へ移動
し,電気マイクロメータの
指示の振れの最大値を求め
る。 

付図6 直角定規(JIS B 

7526に規定された
Ⅰ型1級),電気マ
イクロメータ(JIS 
B 7536に規定され
たもの)又はこれに
準じる性能をもつ
もの。 

各方向とも 
0級 (2.5+0.1 L) μm以下 
1級 (5.0+0.2 L) μm以下 

Lは鏡筒移動量 (mm) で測

定範囲全域について適用す
る。 

Y軸方向 

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B 7153-1995  

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番号 

項目 

測定方法 

説明図 

測定用具 

許容値 

 6 輪郭測定用

対物レンズ
の倍率 

X軸方向 テーブル上面にその移動方

向と平行に標準尺を置き,
接眼レンズ倍率検査用目盛
と標準尺目盛の像との差を
テーブル移動量によって読
み取り,その百分率を測定
値とする。 

付図7 標準尺(JIS B 7541

に規定された01級
又は1μmの精度で

校正されたもの)又
はこれに準じる性
能をもつもの。 

Y軸方向 

 7 観測顕微鏡の透過照

明による解像力 

載物ガラス上面に解像力検
査用チャートを置き,観測
顕微鏡の透過照明で観測
し,認識できるチャートの
最小値を測定値とする。 

解像力検査用チャ
ート(JIS B 7184に
規定されたもの)又
はこれに準じる性
能をもつもの。 

 8 角度接眼レンズ十字

線の回転中心に対す
る同心度 

テーブル上面に十字線など
の指標を置き,観測顕微鏡
で観測しながら角度接眼レ
ンズの十字線板を回転し,
その回転中における角度接
眼レンズの十字線の変位が
線幅以下であることを確認
する。 

付図8  

接眼レンズ十字線の線幅以下。 

 9 各軸の測定

精度 

X軸方向 テーブル上面中央にその移

動方向と平行に標準尺を置
き,観測顕微鏡でこれを測
定しながらテーブルを送
り,その全測定範囲につい
て測定顕微鏡の読みと標準
尺の移動した長さとの差を
求め,任意の2点間 (L) 内
の開きの最大値を求める。 

付図9 標準尺(JIS B 7541

に規定された01級
又は1μmの精度で

校正されたもの)又
はこれに準じる性
能をもつもの。 

各方向とも 
0級 (2+0.01 L) μm以下 
1級 (4+0.02 L) μm以下 

Lは測定長 (mm) で測定範

囲全域について適用する。 

Y軸方向 

10 回転角度の

指示精度 

角度接眼
レンズ 

標線板を載せた角度標準用
多面鏡を回転テーブル中央
に置き,角度接眼レンズの
十字線をこの標線に合わ
せ,次に角度接眼レンズの
十字線をその読みで30°ご
と回転し,その都度角度標
準用多面鏡を回転して標線
を合わせたときのオートコ
リメータの読みを取り,そ
の最大差を求める。 

付図 
10 

角度標準用多面鏡
(JIS B 7432に規
定された12面鏡0
級),標線板及びオ
ートコリメータ
(JIS B 7538に規
定された目量1″以
下のもの) 

角度接眼レンズ,角度回転テー
ブルとも 

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番号 

項目 

測定方法 

説明図 

測定用具 

許容値 

角度回転
テーブル 

角度回転テーブル中央に角
度標準用多面鏡を置き,角
度回転テーブルをその読み
で30°ごと回転したときの
オートコリメータの読みを
取り,その最大差を求める。 

付図 
11 

角度標準用多面鏡
(JIS B 7432に規
定された12面鏡0
級)及びオートコリ
メータ(JIS B 7538
に規定された目量
1″以下のもの) 

5. 外観,構造及び機能 測定顕微鏡の外観,構造及び機能は,次のとおりとする。 

(1) 測定顕微鏡は,観測顕微鏡,精密十字動テーブル及びこれらを保持するベース,コラムなどからなる。 

(2) 各部は,いずれも強度及び耐久力の良好な材料でつくられ,容易に摩耗及び変形が生じない構造であ

ること。 

(3) 各部の塗装及びめっきは,強固であって,容易に色あせ,脱落又はさびが生じるおそれがないこと。 

(4) 各部の作動は,その目的に応じて円滑,確実であり,容易にくるいが生じないこと。 

(5) 光学部品には,接着剤切れ,くもり,かびがなく,有害な泡,脈理,きず,砂目,やけ,ごみなどが

なく,かつ,反射防止膜に有害なむら,きずなどがないこと。 

(6) 光学系には実用上差し支えがある収差がなく,観測顕微鏡は全視野にわたって平面物体が鮮明に観測

できること。 

(7) 対物レンズ,接眼レンズ及びその他の附属品の着脱が確実,かつ,容易であること。 

(8) 各目盛線は鮮明で,読み取りが容易であること。 

(9) 光源は,測定に有害な熱源とならないこと。 

(10) 接眼レンズの視度調整範囲は,+2〜−6m−1 {±2〜−6Dptr} 以上であること。 

(11) 載物ガラスの上面は,テーブル金属面より低くないこと。 

(12) 十字動テーブルの移動量がディジタル表示される測定顕微鏡の表示装置は,次のとおりとする。 

(a) 表示は鮮明で,読み取りが容易なこと。 

(b) 通常の使用状態において,表示機能が十字動テーブルの移動に十分追従し,誤動作を起こさないこ

と。 

(c) 通常の使用状態の温度及び湿度の変化に対して安定に作動すること。 

(d) 周囲の電気的雑音によって容易に誤動作を起こさないこと。 

(e) 電装系全般に接触不良がなく,規定内の電源電圧の変動に対して安定に作動すること。 

6. 検査 測定顕微鏡の検査は,性能,外観,構造及び機能について行い,4.及び5.の規定に適合しなけ

ればならない。 

7. 表示 測定顕微鏡の本体には,製造業者名又はその略号及び製造番号を,対物レンズ及び接眼レンズ

には倍率を表示しなければならない。 

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B 7153-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 測定顕微鏡 

備考 この図は説明図であり,構造又は形状を示すものではない。 

付図2 

付図3 

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付図4 

付図5 

付図6 

付図7 

付図8 

付図9 

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B 7153-1995  

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付図10 

付図11 

JIS B 7153 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

松 本 弘 一 

工業技術院計量研究所 

池 谷 浩之輔 

通商産業省機械情報産業局 

山 村 修 蔵 

工業技術院標準部 

紺 野 吉 承 

キヤノン株式会社 

波多野   稔 

キヤノン株式会社 

折 笠 親 一 

富士電機株式会社 

木 下   進 

シチズン時計株式会社 

片 桐 正 秀 

オリンパス光学工業株式会社 

沖 田 雪 男 

株式会社トプコン 

大 家   清 

株式会社ニコン 

海老沢 秀 侑 

株式会社ミツトヨ 

飯 野 哲 男 

ユニオン光学株式会社 

(事務局) 

今 城 雅 雄 

日本光学測定機工業会