B 7121:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本望遠
鏡工業会 (JTMA)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによってJIS B 7121 : 1993は改正され,また,JIS B 7122 : 1993及びJIS B 7154 : 1993は,廃止・統
合され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14133-1 : 2006,Optics and optical
instruments−Specifications for binoculars, monoculars and spotting scopes−Part 1 : General purpose instruments
及びISO 14133-2 : 2006,Optics and optical instruments−Specifications for binoculars, monoculars and spotting
scopes−Part 2 : High performance instrumentsを基礎として用いた。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 7121には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
B 7121:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 種類 ······························································································································ 2
5. 仕様 ······························································································································ 2
5.1 光学的性能及び許容値 ···································································································· 2
5.2 特性値 ························································································································· 3
6. 使用消費者情報 ··············································································································· 3
6.1 本体表示 ······················································································································ 3
6.2 製品情報 ······················································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ····································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7121:2007
双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの特性
Optics and optical instruments-
Specifications for binoculars, monoculars and spotting scopes
序文 この規格は,2006年に発行されたISO 14133-1,Optics and optical instruments−Specifications for
binoculars, monoculars and spotting scopes−Part 1 : General purpose instruments及びISO 14133-2,Optics and
optical instruments−Specifications for binoculars, monoculars and spotting scopes−Part 2 : High performance
instrumentsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 14133-1 : 2006,Optics and optical instruments−Specifications for binoculars, monoculars and
spotting scopes−Part 1 : General purpose instruments (MOD)
ISO 14133-2 : 2006,Optics and optical instruments−Specifications for binoculars, monoculars and
spotting scopes−Part 2 : High performance instruments (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7157 望遠鏡用語
備考 ISO 14132-1 : 2002,Optics and optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 1 :
General terms and alphabetical indexes of terms in ISO 14132及びISO 14132-2 : 2002,Optics and
optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 2 : Terms for binoculars, monoculars
and spotting scopesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 7261 望遠鏡試験方法−試験環境
備考 ISO 10109-4 : 2001,Optics and optical instruments−Environmental requirements−Part 4 : Test
requirements for telescopic systemsが,この規格と一致している。
JIS B 7263-1 望遠鏡試験方法−第1部:基本特性
備考 ISO 14490-1 : 2005,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 1 :
Test methods for basic characteristicsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 7263-2 望遠鏡試験方法−第2部:双眼鏡
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備考 ISO 14490-2 : 2005,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 2 :
Test methods for binocular systemsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8120 光学用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7157及びJIS Z 8120による。
4. 種類 双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの種類は,光学的性能によって一般品 (A) と高性
能品 (AA) とに区分する。
5. 仕様
5.1
光学的性能及び許容値 光学的性能及び許容値は,表1による。
双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの試験環境要求事項は,JIS B 7261に規定する試験条件を
満足しなければならない。
なお,光学的性能及び許容差は,主軸上での測定をいう。
また,光学的性能は,JIS B 7263-1及びJIS B 7263-2によって試験する。
表 1 光学的性能及び許容値
性能
一般品 (A)
高性能品 (AA)
倍率(1)
±5 %
±4 %
実視界(1)(2)
±5 %
±3 %
入射ひとみ径(3)
±5 %
±2 %
射出ひとみ径
±10 %
±6 %
射出ひとみ距離 (mm)
−0.5〜+5
−0.5〜+5
視度調整誤差 (m-1)
±1
±0.5
像の倒れ (°)
±1.5
±1.0
像の倒れ差 (′)
40
30
倍率相対差(4)
2 %
1.5 %
中央繰り出しの左右視度差(5) (m-1)
1
0.5
左右光軸平行度(6) (′)
− 光軸の上下発散
− 光軸の左右発散(図1を参照)
− 光軸の左右収束(図1を参照)
Γ≦20×
20×<Γ
≦30×
Γ>30×
Γ≦20×
20×<Γ
≦30×
Γ>30×
30
100
40
1.5×Γ
5×Γ
2×Γ
45
150
60
20
60
20
Γ
3×Γ
Γ
30
90
30
注(1) ズーム式双眼鏡の場合,最低倍率及び最高倍率で測定する。
(2) 実視界2ω,見掛け視界2ω'及び倍率Γの関係は,次の式で表される。tanω'=Γ×tanω
プリズム双眼鏡については60°以上の見掛け視界,ガリレイ双眼鏡については50°以上の見掛け視界を備え
た双眼鏡を広視界双眼鏡と呼ぶ。
(3) ズーム式双眼鏡の場合,最高倍率で測定する。
(4) 左右倍率の差の低倍率に対する割合をいう。
(5) 中央繰出し機構を操作したときの左右光学系の視度差をいう。
(6) 接眼レンズからの射出光軸についての値である。各値を倍率で除した値が,対物レンズへの入射光軸の値とな
る。長時間使用する双眼鏡には,高性能品の値を推奨する。
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図 1 左右光軸平行度
5.2
特性値 各特性の必要最低限の値は,表2による。
双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの試験環境要求事項は,JIS B 7261に規定する試験条件を
満足しなければならない。
なお,特性値は,主軸上での測定をいう。
また,特性値は,JIS B 7263-1及びJIS B 7263-2によって試験する。
表 2 各特性の必要最低限の値
特性
一般品 (A)
高性能品 (AA)
角分解能限界(7) (″)
− 射出ひとみ径 ≦ 4.5 mm
− 射出ひとみ径 > 4.5 mm
D
ε
300
≦
Γ
ε
60
≦
D
ε
240
≦
Γ
ε
60
≦
中央繰り出し式双眼鏡の視度調整範囲
(m-1)
− 中央繰り出し機構
− 左右眼の視度補正
6(−2〜+2の範囲を含む)
±2
9(−3〜+3の範囲を含む)
±3
単独繰り出し式双眼鏡の視度調整範囲
(m-1)
±3
±5
単眼鏡及びスポッティングスコープの視
度調整範囲 (m-1)
6(−2〜+2の範囲を含む)
9(−3〜+3の範囲を含む)
眼幅調整範囲 (mm)
60〜70
58〜72
注(7) ズーム式双眼鏡の場合,射出ひとみ径は最高倍率時の値とする。
6. 使用消費者情報
6.1
本体表示 本体には表3によって表示する。
4
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表 3 本体表示
特性
必す(須)
推奨
種類[一般品 (A) 又は高性能品 (AA) の区分]
○
倍率又は倍率の範囲(8)
○
入射ひとみ径(8) (mm)
○
実視界
○
製造業者名又は登録商標
○
製品名及び規格番号
○
原産地
○
視度ゼロの位置
○
製造番号
○
注(8) 例えば,8×42のように倍率と入射ひとみ径とを組み合わせて表示する。
6.2
製品情報 製品カタログ,使用説明書,その他の技術的情報冊子には,表4の情報を記載する。
表 4 製品情報
特性
必す(須)
推奨
種類[一般品 (A) 又は高性能品 (AA) の区分]
○
倍率又は倍率の範囲
○
入射ひとみ径 (mm)
○
製造業者名又は登録商標
○
製品名及び規格番号
○
原産地
○
実視界[1 000 m当たりのメートル又は角度 (°)]
○
見掛け視界 (°)
○
眼鏡装用者の視界[1 000 m当たりのメートル又は角度 (°)]
○
射出ひとみ径 (mm)
○
射出ひとみ距離 (mm)
○
視度調整範囲 (m-1)
○
眼幅調整範囲 (mm)
○
最短合焦距離 (m)
○
分解能又はMTF
○
光透過率
○
コーティングの種類
○
薄暮係数
○
機械的寸法 (mm)
○
質量 (g)
○
使用温度
○
保管温度
○
防水性
○
5
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 7121 : 2007 双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングス
コープの特性
ISO 14133-1 : 2006,双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの特性−第1部:一般品
ISO 14133-2 : 2006,双眼鏡,単眼鏡及びスポッティングスコープの特性−第2部:高性能品
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評価及びその
内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用
範囲
双眼鏡,単眼鏡及びスポ
ッティングスコープの特
性について規定
ISO
14133-1
ISO
14133-2
1
双眼鏡,単眼鏡及び
スポッティングス
コープの特性につ
いて規定
MOD/変更
二つのISO規格を一つの規格にしている。
規格としての一体性,取
扱いやすさなどを考慮
して,一つの規格にまと
めた。
2. 引用
規格
JIS B 7157
JIS B 7261
JIS B 7263-1
JIS B 7263-2
JIS Z 8120
2
ISO 14132-1
ISO 14132-2
ISO 10109-4
ISO 14490-1
ISO 14490-2
MOD/変更
IDT
MOD/追加
JISからの引用事項は,この規格の該当事項と
同等である。
JISとして必要な引用規格を追加。
実質的な差異はない。
3. 定義 JIS B 7157
JIS Z 8120
3
JISと同じ
MOD/追加
JISとして必要なJISを追加。
実質的な差異はない。
4. 種類 双眼鏡,単眼鏡及びスポ
ッティングスコープの種
類について規定
−
−
MOD/変更
JISは二つの国際規格を一つにしたため追加し
たが実質的な差異はない。
実質的な差異はない。
5. 仕様 主な特性の許容値,主な
特性の必要最低限の値及
び環境要求事項を規定
4
JISと同じ
MOD/変更
光学的性能及び特性の準拠試験方法を追加。
実質的な差異はない。
2
B
7
1
2
1
:
2
0
0
7
2
B
7
1
2
1
:
2
0
0
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ごとの評価及びその
内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
項目
番号
内容
項目
番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
6. 使用
消費者
情報
本体に表示する特性,製
品カタログなどに表記す
る特性を規定
5
本体に表示する特
性,製品カタログな
どに表記する特性
を規定
MOD/追加
MOD/削除
一般品又は高性能品,及び規格番号の表示を追
加。
法令遵守 (5.3) については削除
規格使用者の情報提供
のため追加した。
JISとして必要ないため
削除した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14133-1 : 2006 ; MOD,ISO 14133-2 : 2006 ; MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
B
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1
2
1
:
2
0
0
7
2
B
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1
2
1
:
2
0
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