B 7102:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 性能及び試験 ··················································································································· 1
3.1 試験条件 ······················································································································ 1
3.2 性能及び試験方法 ·········································································································· 1
4 構造······························································································································· 3
4.1 構造,形状及び寸法 ······································································································· 3
4.2 材料,仕上げ及び組立 ···································································································· 3
5 ソケット及びプラグの極性 ································································································· 3
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4
B 7102:2019
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人カメ
ラ映像機器工業会(CIPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS B 7102:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
B 7102:2019
カメラの同調発光機構のソケット及びプラグ
Socket and plug for camera flash synchronization
序文
この規格は,1992年に第2版として発行されたISO 519を基とし,日本国内事情及び使用者の利便性向
上のため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧表に
その説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,カメラの写真用せん光電球発光器及び写真用エレクトロニックフラッシュ(以下,発光器
という。)の回路接続に用いるソケット(以下,ソケットという。)及びプラグ(以下,プラグという。)に
ついて規定する。ただし,JIS B 7101に規定しているものを除く。
注記1 この規格は,ソケット及びプラグの単体を規定したもので,シャッタ及び発光器との組合せ
は含まない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 519:1992,Photography−Hand-held cameras−Flash-connector dimensions(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7101 カメラの附属品取付座及び取付足
JIS C 60068-2-20 環境試験方法−電気・電子−第2-20部:試験−試験T−端子付部品のはんだ付け
性及びはんだ耐熱性試験方法
3
性能及び試験
3.1
試験条件
試験場所の条件は,温度20±2 ℃,相対湿度60〜70 %の状態で,ソケット及びプラグの組合せを必要と
する試験は,ソケット及びプラグを任意に選んで行うのが望ましい。
3.2
性能及び試験方法
ソケット及びプラグの性能並びにその試験方法は,表1による。
2
B 7102:2019
表1−性能及び試験方法
番
号
項目
適用
性能
試験方法
組合せ ソケット プラグ
1
耐電圧
−
○
○
短絡焼損又は絶縁破壊
がない。
電圧精度±5 %の耐電圧試
験器を用い,ソケット及び
プラグ間に交流500±50 V
の電圧を60±5 s印加する。
試験箇所はソ
ケットの外筒
と内筒との
間,及びプラ
グのピンと外
筒との間で,
それぞれの端
子が開放状態
にある。
2
絶縁抵抗
−
○
○
いずれも50 MΩ以上と
する。
絶縁抵抗値の測定精度が±
10 %の絶縁抵抗器を用い,
プラグ及びソケットに直流
500±50 Vの電圧を60±5 s
印加する。
3
電気的接
触
○
−
−
ソケットとプラグとを
組み合わせたとき,電
気的に確実に接触す
る。
−
4
引抜き力
○
−
−
いずれも5〜15 Nとす
る。
試験を行うのに十分な条件を備えた引張試
験機などを用い,ソケット及びプラグを軸
方向に抜差しして引抜き力を5回連続試験
する。
5
強さ
−
○
○
折損又は脱落がない。
番号7の方法による。
6
耐湿性
−
○
○
絶縁抵抗が25 MΩ以上
とする。
試験を行うのに十分な条件を備えた槽a) を
用い,次によって試験する。
a) 温度40±2 ℃,相対湿度90〜95 %の状態
で96±4 h,槽内に放置する。
b) 槽から取り出し,3.1の条件に1〜2 h放
置し,番号2の試験方法によって試験する。
7
耐久性
○
−
−
番号3及び番号4を満
足する。
抜差し回数500回
8
はんだ付
け性b)
−
○
○
浸せきした面積の75 %
以上が新しいはんだで
覆われている。
JIS C 60068-2-20の箇条4[試験Ta(リード
線及びラグ端子のはんだ付け性)]に基づき
次の条件による。
a) 方法1(はんだ槽法)による。
b) 溶融はんだの温度235±3 ℃
c) 浸せき保持時間2±0.2 s
9
はんだ耐
熱性b)
−
○
○
試験中に成形樹脂の変
形,端子などの外れが
ない。
JIS C 60068-2-20の箇条5[試験Tb(はんだ
耐熱性)]に基づき次の条件による。
a) 方法1(はんだ槽法)による。
b) 溶融はんだの温度260±3 ℃
c) 浸せき保持時間10±1 s
注記 表中の○印は,適用する対象を示す。
注a) 槽内の温度及び相対湿度をそれぞれ40±2 ℃及び90〜95 %に保持でき,直接水を噴霧して加湿する場合には,
用いる水の抵抗率が500 Ωm以上とする。また,槽内壁及び天井に凝縮した水が,供試品又は供試品の付近に
落下しないようにする。
b) 他の回路との接続にはんだを用いない場合(例えば,ねじ止め,かしめなど)及び各部分品をプラスチック
などで成形固定し,その後にはんだ付けをしていない場合は除く。
3
B 7102:2019
4
構造
4.1
構造,形状及び寸法
ソケット及びプラグの構造及び形状は図1,ソケット及びプラグの寸法は表2による。
注記 図中,(+)及び(−)は電気的極性を表す。
図1−ソケット及びプラグの構造及び形状
表2−ソケット及びプラグの寸法
単位 mm
ソケット
プラグ
記号
基準寸法及び寸法許容差
記号
基準寸法及び寸法許容差
d1
1.003
+0.025
0
D1 a)
1.0 0
−0.025
d2
3.0
0
−0.025
D2 b)
3.0
l1
3.5
±0.2
L1
4.0 以上
l2
0.6
以下
L2
0.9 ±0.3
D3
4.0 以下
L3
4.0 以上
注a) 電気的接触をよくするため,プラグのピンは外筒に対して僅かに偏心させる。
b) プラグをソケットにはめ合わせて軸方向に引っ張った場合,5〜15 Nの引抜き力を要す
るように設計する。その調節のために,プラグ外筒にすりわりなどを設ける。
4.2
材料,仕上げ及び組立
材料,仕上げ及び組立は,表1の性能を満足しなければならない。ソケット及びプラグにすりわりを設
けた場合も同様とする。
5
ソケット及びプラグの極性
図1の(+),(−)で示したとおり,ソケットの内筒及びプラグのピンはプラス,それぞれの外筒はマ
イナスとする。ただし,同調信号に極性のない発光器の場合は,この限りでない。
4
B 7102:2019
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 7102:2019 カメラの同調発光機構のソケット及びプラグ
ISO 519:1992,Photography−Hand-held cameras−Flash-connector dimensions
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 カメラのフラッシュの
回路接続に用いるソケ
ット及びプラグを適用
範囲とした。
1
JISとほぼ同じ。
変更
−
ISO規格で記載しているコネクタ
をソケット及びプラグに分けて記
載した。技術的差異はない。
2 引用規格
3 性能及び
試験
3.1 試験条件
試験条件を規定。
3.2 性能及び試験方法
性能及び試験方法を規
定。
−
−
追加
試験条件,性能及び試験方法を追加
した。
ISO規格では規定していないが,
旧規格では規定しており,国内で
の実績があることから追加した。
今後,ISOに改正提案を行う。
4 構造
4.2 材料,仕上げ及び組
立
材料,仕上げ及び組立を
規定。
2
図表によって構造を規
定。
追加
図表に加えて,材料,仕上げ及び組
立の細分箇条を追加した。
ISO規格では細分箇条を設けて規
定していないが,使用者の利便性
及び旧規格での実績があることか
ら追加した。今後,ISOに改正提
案を行う。
5 ソケット
及びプラグ
の極性
ソケット及びプラグの
極性を本文に記載。
2
極性及びその説明を図
中に記載。
変更
極性の説明のために箇条を設けた。 ISO規格では図の説明として極性
を記載しているが,JISでは箇条
を設けて記載した。技術的差異は
ない。
2
B
7
1
0
2
:
2
0
1
9
5
B 7102:2019
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 519:1992,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
B
7
1
0
2
:
2
0
1
9