2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7092-1973
カメラおよび映画撮影機の
像面露光量の光電的測定方法
Photoelectric Methods for Measuring Light
Exposure in Focal Planes of Cameras
1. 適用範囲 この規格は,カメラおよび映画撮影機(以下,カメラと総称する。)の像面露光量の光電的
測定方法について規定する。
関連規格 JIS B 7091 (カメラ用シャッタ通則)
JIS B 7109 (レンズシャッタ)
JIS B 7126 (フォーカルプレンシャッタ)
JIS B 7179 (8mm映画撮影機)
JIS C 1609 (光電池照度計)
JIS C 7526 〔光度標準電球(一般用)〕
JIS Z 8701 (2度視野XYZ系による色の表示方法)
2. 用語の意味 この規格に用いる用語の意味は,つぎによる。
カメラの像面露光量 (H) 輝度一様な均等拡散面光源(以下,面光源という。)にカメラを正対させて
カメラの像面に露光を与えたときの,露光時間内の任意の時刻における,画面内の定められた測定面積内
の平均照度を全露出時間(1)について積分した値(単位:lx・s)。
注(1) JIS B 7091(カメラ用シャッタ通則)の2.1.1参照。
3. 測定方法の種類 測定は,方法I,方法IIまたは方法IIIによる。
(1) 方法I(像面露光量を直接測定する方法)
(2) 方法II(間欠露光の平均像面照度と撮影速度(2)とを測定する方法)
(3) 方法III(シャッタを全開に固定したときの像面照度と有効露出時間(3)とを測定する方法)
注(2) JIS B 7179(8mm映画撮影機)の2.(3)参照。
(3) JIS B 7091(カメラ用シャッタ通則)の2.1.2参照。
4. 測定装置 測定装置は,面光源および像面露光量測定器(または像面照度測定器)とからなっており,
つぎの条件を満足しなければならない。
(1) 面光源 面光源は,カメラの撮影レンズの視野をおおうにじゅうぶんな大きさ(4)であって,原則とし
て波長選択性のない均等拡散板(5)を背後から標準の光B(6)で照射したものとする。この場合,拡散板
の面に垂直に測定した輝度は,撮影レンズの視野内にある面上のどの部分においても,その最大輝度
2
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の95%以上であること。
なお,面光源用電源に交流を使用したことにもとづく輝度のリプル量は,時間平均輝度値の±2%以
内であること。
注(4) 露出自動制御機構をもつカメラを試験するときは,撮影レンズおよび露出自動制御機構用受光
窓の視野の双方をおおうにじゅうぶんな大きさであること。
(5) 拡散板の面の垂直方向から45度までの範囲内の任意の方向の輝度が,垂直方向の値の93%以上
であれば均等拡散板とみなしてよい。
(6) JIS Z 8701(2度視野XYZ系による色の表示方法)の付表3参照。
(2) 像面露光量測定器および像面照度測定器
(a) 受光装置は,カメラの画面内の定められた測定面積を通過した全光束を測定できること。
(b) 受光装置の総合比分光感度曲線は,標準比視感度曲線に近似したなめらかな山形で,その感度が最
大になる波長は555±7nmの範囲内にあること。また,その曲線を波長350nmから750nmの範囲内
で積分した値の,標準比視感度曲線を積分した値に対する比は1.00±0.15以内であること。
(c) 光電変換素子の使用範囲内における光束対光電流特性は,映画撮影機用以外のものでは入射光束の
比1:1000について比例性の誤差が5%以内であり,映画撮影機用のものでは入射光束の比1:100
について比例性の誤差が5%以内であること。
(d) 光電変換素子は,光履歴の影響を無視できるものであること。
(e) 光電変換素子は,測定に必要な応答時間をもつこと。
(f) 映画撮影機用測定器の,間欠露光に対する指示特性は,撮影速度(2)8こま以上80こま以下の範囲で,
間欠露光の平均像面照度を±3%以内の精度で指示できるものであること。
注(2) JIS B 7179(8mm映画撮影機)の2.(3)参照。
(g) 受光装置は,温度20℃における指示と,−10℃以上40℃以下の任意の温度における指示との差が
7%以下であること。
(h) 受光装置は,湿度の影響を受けにくい構造であること。
(i) 測定回路の例を付図1(方法Iの場合)および付図2(方法IIの場合)に,測定器の校正方法を付
属書に示す。
5. 測定方法
5.1
方法I カメラを面光源に正対させ(7),像面露光量測定器の受光装置を,その受光開口部がカメラの
画面内の定められた測定面積と一致するように取り付ける。この状態でカメラの像面に露光を与えて像面
露光量H (lx・s) を測定する。
備考 この方法は,主として映画撮影機以外のものに適用する。
5.2
方法II カメラを面光源に正対させ(7),像面照度測定器の受光装置を,その受光開口部がカメラの
画面内の定められた測定面積と一致するように取り付ける。この状態でカメラの像面に間欠露光を与えて
平均像面照度E(lx)を測定する。
つぎに,JIS B 7179の6.5に規定された方法またはこれと同等の方法により撮影速度n(s-1)を測定する。
像面露光量H (lx・s) は,つぎの式によって求められる。
n
E
H=
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備考 この方法は,映画撮影機に適用する。
5.3
方法III 5.2と同様にカメラに像面照度測定器を取り付け,画面に対してシャッタを全開に固定し
たときの像面照度E0 (lx) を測定する。
つぎに,カメラの形式に応じて,JIS B 7109(レンズシャッタ)の5.1.1に規定された方法またはJIS B 7126
(フォーカルプレンシャッタ)の4.1.1もしくは4.1.2に規定された方法,またはこれらと同等の方法で有
効露出時間te (s) を測定する。
像面露光量H (lx・s) は,つぎの式によって求められる。
H=E0・te
注(7) 面光源とカメラとの間隔は,画光源とカメラ前面との相互反射による画光源の見かけの輝度の
増加が無視できる程度でなければならない。
6. 測定値の記録 測定値を記録するとき,原則としてつぎの事項を付記する。
(1) 測定方法の種類
(2) 被測定カメラおよびレンズならびにシャッタの名称
(3) 測定対象画面範囲の位置および形状ならびに面積
(4) 測定時の面光源の輝度
(5) 測定時の露光量決定のパラメータ(Fナンバ,シャッタの露出時間,露出値,感光材料の露光指数な
ど)
(6) ズームレンズ付カメラの場合は測定時の焦点距離
(7) 測定時の撮影距離目盛または撮影倍率
(8) 測定時の室温および相対湿度
(9) 測定年月日
付図1 方法Iの場合の測定回路の例
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付図2 方法IIの場合の測定回路の例
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付属書 像面露光量測定器および像面照度測定器の校正方法
1. 露面露光量測定器の校正方法 像面露光量測定器の校正は,原則としてつぎによる。
積分回路のコンデンサの両端に固定抵抗器を接続し,受光開口部につぎの式によって定まる照度Eを与
えて露光量目盛Hを校正する(図1参照)。
R
C
H
E=
ここに
E: 受光開口部照度 (lx)
H: 露光量目盛 (lx・s)
C: 積分回路の静電容量 (F)
R: 固定抵抗器の抵抗値 (Ω)
備考1. 校正用光源には分布温度2854Kで点燈した光度標準電球(1)を用い,受光開口部照度は,距離
の逆二乗則(2)によって求める。
2. 積分回路の静電容量および固定抵抗器の抵抗値は,±1.5%以内の正確さで測定しておかなけ
ればならない。
注(1) JIS C 7526〔光度標準電球(一般用)〕参照
(2) JIS C 1609(光電池照度計)の4.2参照。
図1
2. 像面照度測定器の校正方法
2.1
照度目盛校正 照度目盛校正は,JIS C 1609の4.2に規定された方法による。
2.2
間欠露光に対する指示特性校正 受光装置の受光開口部を光度標準電球に正対させ,適当な目盛を
指示するように電球と受光開口部との距離を調節する。
つぎに,図2に示したように,軸対称な扇形の切欠き2個をもつ円板を,その切欠きを通して受光開口
部が照射される位置にそう入し,撮影速度8こま以上80こま以下に対応する任意の2種以上の角速度で円
板を回転させたときの目盛の指示値を読みとる。
円板を停止し,切欠きを通して受光開口部を照射したときの目盛の読みをE0,異なる角速度で回転した
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ときの読みをE1,E2,……En,切欠きが円板の中心に対して張る角をθとするとき,つぎの関係がなりた
つように校正する。
π
θ
2
2
0
=
E
Ei
ここに
i=1,2,……n
図2
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
精密機械部会 カメラのEE機構専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
藤 田 武
財団法人日本写真機検査協会
福 島 公 夫
工業技術院標準部
杉 山 和 男
通商産業省重工業局
久 保 走 一
千葉大学工学部
保 積 英 次
東京写真大学短期大学部
内 田 康 男
小西六写真工業株式会社
河 瀬 澄之介
東京光学機械株式会社
北 井 清
セイコー光機株式会社
下 村 恂
日本光学工業株式会社
沼 田 三 郎
富士写真光機株式会社
松 崎 惣一郎
オリンパス光学工業株式会社
三 谷 泰 造
キャノン株式会社
村 田 光 彰
株式会社コパル
吉 山 一 郎
ミノルタカメラ株式会社
滑 正 行
日本写真機工業会(光学工業技術研究組合)
平 沢 勲 夫
日本映画機械工業会
三 堀 家 義
日本教育テレビ編成局
近 藤 英 樹
財団法人日本写真機検査協会
(専門委員)
杉 谷 武
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
高 橋 和 治
工業技術院標準部機械規格課
大 磯 義 和
工業技術院標準部機械規格課
(関係者)
鈴 木 憲 章
光学工業技術研究組合