2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 7091-1992
カメラ用シャッタ
Shutters for still cameras
1. 適用範囲 この規格は,写真撮影用のカメラに使用するシャッタ機構(以下,シャッタという。)につ
いて規定する。
備考1. この規格は,レンズとともにカメラに装着された実際の使用状態におけるシャッタについて
適用する。
2. シャッタ性能は,カメラの価格と密接な関係にあり,許容差を規定する場合,カメラの特徴
及び性能・価格に応じて適用されるのが望ましい。したがって,この規格に定める許容差は
シャッタ性能の全般的な検査規格として規定するものではなく,撮影者に良好な撮影結果を
与えるためのシャッタ性能に対する目標値を設定するものである。
3. カメラに装着しない状態のシャッタについては,この規格で適用できる項目を適用する。
4. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7115 カメラの画面寸法
JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式)
JIS C 7520 写真用せん光電球
JIS K 7604 スチル写真用連続階調黒白ネガティブフィルムのISOスピードの求め方
5. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 516 : 1986 Photography−Camera shutters−Timing
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
(1) レンズシャッタ カメラの画面全体を同時に,又はほぼ同時に露出する形式のシャッタ。通常,レン
ズの近傍(1)にあるシャッタがこれ属し,回転円板,スライド羽根などによって露出を行う。
注(1) レンズ系の前部,後部又は中間。
(2) フォーカルプレンシャッタ カメラの画面を逐次露出する形式のシャッタ。通常,焦点面の近傍にあ
るシャッタがこれに属し,長方形,扇形などのスリットによって露出を行う。
(3) 全露出時間 (t0) 画面上のある1点が露出され始めてから露出が終わるまでの時間。
レンズシャッタでは,羽根が開き始めてから閉じ終わるまでの時間で,全画面にわたって等しいか
又はほぼ等しい。
フォーカルプレンシャッタについての全露出時間は,式(1)で求める(図1参照)。
v
A
d
w
t
s
+
=
0
·············································································· (1)
ここに,
t0: 全露出時間(フォーカルプレンシャッタ) (s)
2
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
w: その点におけるシャッタスリットの幅 (mm)
ν: その点におけるシャッタスリットの走行速度 (mm/s)
ds: 画面上からシャッタスリットの走行面までの平均距離(mm)
A: レンズのFナンバー
図1 フォーカルプレンシャッタのスリットと光束との関係
(4) 有効露出時間 (te) 画面上のある1点に与える光量と等しい光量を,同一開口の理想シャッタ(2)が与
えるのに要する時間。式(2)で求める。
注(2) 時間の経過なしに開き,時間の経過なしに閉じるシャッタ。
∫
=
=
0
0
0
0
)
(
1
t
e
E
H
dt
t
E
E
t
································································ (2)
ここに,
te: 有効露出時間 (s)
E: その点における照度 (lx)
E0: その点における最大照度 (lx)
H: 照度−時間曲線で囲まれた面積 (lx・s)
図2 画面上における1点の照度−時間曲線
有効露出時間は,レンズシャッタでは全画面にわたって等しいか,又はほぼ等しく,フォーカルプ
レンシャッタでは,シャッタスリットの幅だけ走行する時間で,各位置ごとに式(3)で表す。
v
w
te=
····················································································· (3)
ここに,
t0: 有効露出時間(フォーカルプレンシャッタ) (s)
w: その点におけるシャッタスリットの幅 (mm)
ν: その点におけるシャッタスリットの走行速度 (mm/s)
ただし,w≧A
dsとする。(3)
注(3) w<A
dsの場合は,この規格を適用しない。
(5) 露出時間 (tE) レンズシャッタの場合は,使用するレンズの最大開口絞りにおける有効露出時間。フ
3
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ォーカルプレンシャッタの場合は,画面中央における有効露出時間。
(6) EV単位 二つの量(例えば,露出時間の実測値及び基準値)の差異(比)を2を底とした対数で表し
たもの。EV単位での1だけの変化は,露出時間表示系列での隣接した1段階の露出時間の変化に相当
する。
(7) 同調 せん光光源の予測された光が画面全体に照射されるようにシャッタの開閉に連動して点火接触
を行うこと。
(8) 遅延時間 (td) せん光光源がシャッタと同調するために,点火接触からシャッタが所定の状態まで作
動する時間。
(9) 接触効率 (EC) 接点が接触してから規定の時間,実際に接点を通過する電気量と,同じ時間の理想
的状態(4)のときに通過すると考えられる電気量との比であって,式(4)で求める。
(%)
100
×
=
点を通過する電気量
理想的状態のときに接
電気量
実際に接点を通過する
C
E
················· (4)
注(4) 接点のバウンドがなく,附属品がつながれる端子などの抵抗がない場合。
3. 機能の表示
3.1
露出時間の表示 露出時間の基準値は,式(5)の系列による。
n
E
t
2
1
=
··················································································· (5)
ここに,
tE: 露出時間の基準値 (s)
n: 正・負の整数又は0
すなわち,露出時間の基準値は,次のようになる。
……64,32,16,8,4,2,1,1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64,1/128,1/256,1/512,1/1 024,1/2 048,
……
露出時間の目盛表示は,次のように丸めた数字(1秒未満のものは,基準値の逆数を丸める。)で表示す
る。
なお,1秒を超える露出時間の目盛は,文字の色などによって識別することが望ましい。
……60,30,15,8,4,2,1,2,4,8,15,30,60,125,250,500,1 000,2 000,……
備考1. 上記のほかB(バルブ),T(タイム)などの記号を必要に応じて配列する。
2. 1秒を超える露出時間の目盛は,基準値数列のとおり丸めない数字で次のように表示しても
よい。
……64,32,16,8,4,2,1
3. 最長及び最短露出時間の目盛は,必ずしもこの系列によらなくてもよい。
3.2
同調発光機構の表示 同調発光機構の種類を表示する必要がある場合は,表1による。
4
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 同調発光機構の接点記号
接点の記
号
用途
X
せん光放電灯用(5)
M
JIS C 7520に規定されたM級電球用
FP
JIS C 7520に規定されたFP級電球用
注(5) 指定された露出時間では,せん光電球も使用す
ることができる。
4. 性能
4.1
露出時間の許容差 露出時間の誤差 (b) ,露出時間のばらつき (p) ,隣接した露出時間の比 (q) 及
び露出時間のむら (r) は,次によって求め,それぞれ表2に適合することが望ましい。
この規定は,温度−10〜+40℃の範囲について適用する。ただし,−10〜0℃の場合は,更に±0.25Eν
の変動があっても差し支えない。
なお,相対湿度は0℃を超え+40℃以下の場合は80%以下,−10〜0℃の場合は50%以下とする。
(1) 露出時間の誤差 (b) 露出時間の誤差は式(6)で求め,連続した5回の測定値の平均値を用いる。
)
(2
1
b
n
E
t
+
=
··············································································· (6)
すなわち,
n
t
b
E
−
=
1
log2
········································································ (7)
ここに, b: 露出時間の誤差 (Ev)
tE: 露出時間 (s)
n: 正・負の整数又は0
(2) 露出時間のばらつき (p) 露出時間のばらつきは式(8)で求め,連続した5回の測定値のうち初回の測
定値を抜いた4個を用いる。
min
max
2
E
E
p
t
t
=
··············································································· (8)
すなわち,
=
min
max
2
log
E
E
t
t
p
········································································ (9)
ここに,
p: 露出時間のばらつき (EV)
tEmax: 測定値のうちの最大露出時間 (s)
tEmin: 測定値のうちの最小露出時間 (s)
(3) 隣接した露出時間の比 (q) 隣接した露出時間の比は式(10)で求め,連続した5回の測定値の平均値
を用いる。
)1
(
)
(
2
+
=
n
t
n
t
E
E
q
·········································································· (10)
すなわち,
5
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
+
=
)1
(
)
(
log2
n
t
n
t
q
E
E
···································································· (11)
ここに,
q: 隣接した露出時間の比 (EV)
tE (n) : 正・負の整数又は0の値nで表される隣接した露出
時間目盛位置での露出時間 (s)
tE (n+1) : 正・負の整数又は0の値n+1で表される隣接した露
出時間目盛位置での露出時間 (s)
(4) 露出時間のむら (r) 露出時間のむらは式(12)で求め,連続した5回の測定の平均値を用いる。
min
max
2
e
e
r
t
t
=
·············································································· (12)
すなわち,
=
min
max
2
log
e
e
t
t
r
······································································· (13)
ここに,
r: 露出時間のむら (Eν)
te max: シャッタの1回ごとの作動において,画面上の最大有効露
出時間 (s)
te min: シャッタの1回ごとの作動において,画面上の最小有効露
出時間 (s)
表2 露出時間の許容差
単位EV
露出時間の基準値
b
p
q
r
1/125及び1/125より長いもの
±0.3
0.3以下
1±0.45
0.2以下
1/125より短いもの
±0.45
0.45以下
1±0.65
0.6以下
備考 露出時間の基準値に対する誤差の許容範囲を参考表1に示す。
参考表1 露出時間の許容範囲
基準値
を丸め
た値
基準値
温度範囲
0℃を超え+40℃以下
−10〜0℃
露出時間の許容範囲
許容差
露出時間の許容範囲
許容差
s
n
s
s,ms
s,ms
EV
s,ms
EV
8
−3
8
8s
9.85〜6.50s
±0.3
11.7〜5.46s
±0.55
4
−2
4
4s
4.92〜3.25s
5.86〜2.73s
2
−1
2
2s
2.46〜1.62s
2.93〜1.37s
1
0
1
1s
1.23〜0.812s
1.46〜0.683s
1/2
1
1/2
500ms
616〜406ms
732〜342ms
1/4
2
1/4
250ms
308〜203ms
366〜171ms
1/8
3
1/8
125ms
154〜102ms
183〜85.4ms
1/15
4
1/16
62.5ms
76.9〜50.8ms
91.5〜42.7ms
1/30
5
1/32
31.3ms
38.5〜25.4ms
45.8〜21.3ms
1/60
6
1/64
15.6ms
19.2〜12.7ms
22.9〜10.7ms
1/125
7
1/128
7.81ms
9.62〜6.35ms
11.4〜5.34ms
1/250
8
1/256
3.91ms
5.34〜2.86ms
±0.45
6.35〜2.40ms
±0.70
1/500
9
1/512
1.95ms
2.67〜1.43ms
3.17〜1.20ms
1/1 000
10
1/1 024
0.98ms
1.33〜0.71ms
1.59〜0.60ms
1/2 000
11
1/2 048
0.49ms
0.67〜0.36ms
0.79〜0.30ms
6
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2
同調発光機構
4.2.1
遅延時間 (td) 各接点の遅延時間は,レンズシャッタにおける遅延時間の基準値及びその許容差
は表3に,フォーカルプレンシャッタの場合は表4による。
表3 レンズシャッタにおける遅延時間の基準値及びその許容差
接点の種類
遅延時間td (ms)
概念図
備考
X
−
B〜C間で点火接触の
こと。
C点より後に点火接触
するものは,C点にお
ける光束の80%以上の
光束が通過すること。
M
16±3
3
2
18
)
(6
±
−全開時間
シャッタの
A〜B間の時間
注(6) 露出時間目盛に応じて遅延時間の変わる機構をもつシャッタに適用する。
表4 フォーカルプレンシャッタにおける遅延時間の基準値及びその許容差
接点の種類
遅延時間td
(ms)
概念図
備考
X
−
シャッタが全開する時
点 (Q) から,シャッタ
が閉じる時点 (R) よ
り0.5ms以上前の時点
(S) の間(Q〜Sの間)
に点火接触すること。
FP
53
10+−
OないしPの間の時間
4.2.2
接触効率 (EC) 各接点の接触効率は,表5による。
7
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 各接点の接触効率
接点の種類
規定の時間
ms
接触効率
%
X(7)
1
40以上
M又はFP
2.5
70以上
注(7) せん光電球を使用することができるX接点では,
指定された露出時間についてM接点の規定も適
用する。
4.2.3
同調発光機構の絶縁抵抗及び耐電圧 接点を開放状態とし,JIS C 1302に規定する500Vの絶縁抵
抗計又は500Vの直流電圧で測定し,30MΩ以上でなければならない。
また,500Vの直流電圧を1分間加えたとき,異常があってはならない。
4.3
実用特性 カメラに装着されたシャッタの実用特性は,次による。
(1) 耐久性 最短露出時間の目盛及び任意の長時間目盛において各500回,合計1 000回の繰返し操作を
行った後,性能に異常がないこと。
(2) 耐熱−耐寒性 −18〜+40℃で作動に異常がないこと。
(3) 耐振動性 最小単位の包装をした状態で,上下,左右,及び前後方向からそれぞれ20分間加えられる,
周波数20Hzから55Hzまで2〜3分の周期で連続的に変化する全振幅0.8mmの正弦波の振動に耐える
こと。
(4) 耐衝撃性 最小単位の包装をした状態で,上下,左右及び前後各面に対して1回ずつ合計6回衝撃を
加える。衝撃時間が3.5ms,強さ686m/s2の衝撃に耐えること。
(5) 光漏れ カメラにJIS K 7604に規定するISO 100/20°のフィルムを装てんし,絞りを開放にした撮影
レンズ前面から6 000 000lx・sの光線をまんべんなく与えたとき,シャッタ巻上げの前及び後のいずれ
においても画面に影響を与えるかぶりを生じないこと。
5. 試験方法
5.1
試験方法 試験方法は,5.3及び5.4に規定する光電変換方式による方法(デジタル表示)による。
5.2
装置の構成 試験装置は,次の各部から構成する。
(1) 光源 光源は,ランプと拡散板とからなる。拡散板表面の任意の点において面と垂直に測った輝度は,
最大輝度の95%以上であり,測定中の輝度の変動は±1%を超えてはならない。拡散板に対して法線か
ら60度までの任意の角度において測った拡散板の輝度は,垂直に測った輝度の85%より大きくなけ
ればならない。
(2) 検出器 検出器,ケーブル及び記録装置を組み合わせたときの直線性は,E0の1〜100%の全範囲にわ
たって±1%以下であること。
また,この組合せでの応答特性は,立上りが急なステップ状の光入力を与えた場合は,出力がその
90%に達するまでの時間が0.01t0以下であること。ただし,t0は測定対象であるシャッタ秒時である。
(3) タイムインタバルカウンタ 標準時間信号周波数は,測定されるべき最小有効露出時間の逆数の100
倍以上であり,範囲の選択と感度調整ができること。
5.3
レンズシャッタの試験 試験の配置の一例を図3に示す。絞りを全開にしたカメラの標準レンズを
試験器の投影レンズとして用いる。焦点面の背後に置いた検出器の出力が,次の計数を開始及び停止する
ように調整する。
8
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図3 レンズシャッタの測定器の配置例
(1) 全露出時間 (t0) 試験器の感度をゲートが1±0.5%E0で開くようにすると,全露出時間が測定できる。
ただし,E0は,入射開口での最大照度とする。
(2) 有効露出時間 (te) 検出器の出力をオシロスコープなどで線図にすると図4のような台形が得られ,
この台形の面積をE0で割ることによってteが求められる。台形に曲線部がなければ0.5E0の時点で計
数の開始及び停止を行う。
なお,台形の底辺の長さはt0と一致させる。
図4 シャッタ線図
(3) 遅延時間 (td) M接点の点火接触によって計数を開始し,検出器出力が0.8E0になるときに計数を停
止し,遅延時間を求める。
X接点の点火接触時機の試験は,検出出力が0.8E0に達したとき計数を開始し,X接点の点火接触
によって計数を停止させる。
5.4
フォーカルプレンシャッタの試験 試験装置の配置の一例を図5に示す。画面上の3か所に検出器
を置く。検出器用スリットは,シャッタスリットに比べて狭いもので,0.2mm以下であることが望ましい。
カメラの標準レンズを投影用レンズとして用い,出力の線図が台形を示すまで絞る。画面周辺の検出スリ
ットは表6による。
9
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図5 フォーカルプレンシャッタの測定器の配置例
表6 画面周辺の検出器スリット位置
単位mm
カメラの種類(8)
シャッタスリット走行方向の画面寸法
24mmのもの
36mmのもの
56mmのもの
画面中央からの距離
10.5
16
25
注(8) その他の画面寸法のものは,画面中央から0.451の位置。ただし,1はJIS B 7115
による標準画面寸法のうちシャッタスリット走行方向の寸法。
(1) 有効露出時間 (te) 測定器のゲートが,検出器出力について0.5E0で計数を開始し,降下時の0.5E0
で停止するように調整する。有効露出時間は,各スリットごとに独立に表示する。
(2) 露出時間のむら (r) 三つの測定値のうち,最大値と最小値との比の常用対数で表す。
(3) 遅延時間 (td) FP接点の遅延時間は,接点の点火接触によって計数を開始し,スリットAの検出器
の出力が0.5E0になる点で停止させて求められる測定値から,先幕が画面端からスリットAまで走る
時間を引くことによって求める。
X接点の遅延時間は,スリットCの検出器の出力が0.5E0になる点で計数を開始し,接点の点火接
触によって停止させて求められる測定値から,先幕がスリットCから画面端まで走る時間を引くこと
によって求める。
なお,X接点の点火接触によって計数を開始し,スリットAの検出器の出力が0.5E0まで下がった
点で停止させて求められる測定値から,後幕が画面端からスリットAまで走る時間の測定値を引くこ
とによって,全開の同調余裕時間を算出することができる。この両者の測定値は,正でなければなら
ない。
5.5
同調発光機構の接触効率 接触効率を指示直読する試験装置の一例を図6に示す。この装置は,同
調発光機構の接点を電源Bによって充電した電解コンデンサCと抵抗R1とを直列に接続した回路をもち,
接点の接触状態に応じて流れる電流によって抵抗Rに生じる電圧を増幅し,接点の接触から1ms又は2.5ms
の間だけゲート回路を働かせて積分回路に充電し,電圧計で読み取る。試験を行う場合には,次の校正及
び測定を行う。
(1) 校正
(a) 測定端子間を短縮し,S1を切り,S1の接点を被試験接点と置き換える。
(b) S2を入れ,電解コンデンサCを十分に充電する。
(c) S2を切り,直ちにS1を入れ,電圧計の指針を100%に合わせる。
(2) 測定
10
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(a) 測定端子間の短縮を外し,被試験接点を測定端子に接続する。
(b) S1は入れたままとする。
(c) S2を入れ,電解コンデンサCを十分に充電する。
(d) S2を切り,直ちにシャッタを作動させ,接触効率を測定する。
図6 同調発光機構の接触効率試験装置の例
備考 点火接触中,接点がバウンドしてもゲート回路は2回以上作動しないこと。
6. 表示 シャッタには,原則として次の事項を表示する。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造番号又はその略号
11
B 7091-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 7091 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
辻 内 順 平
千葉大学
(幹事)
近 藤 英 樹
財団法人日本写真機光学機器検査協会
河 野 博 文
通商産業省機械情報産業局
桐 山 和 臣
工業技術院標準部
黒 木 勝 也
財団法人日本規格協会
一 色 真 幸
東京工芸大学写真学科
水 谷 寛
株式会社ミツトヨ
関 根 靖 雄
日本オプトメカトロニクス協会
長谷川 五 郎
キヤノン株式会社
三 浦 康 晶
株式会社ニコン
河 村 邦 夫
ミノルタカメラ株式会社
吉 田 宗 昭
オリンパス光学工業株式会社
大 野 秀 明
株式会社セコニック
井 上 信 義
株式会社コパル
森 泰 生
スリック株式会社
星 野 和 男
藤本写真工業株式会社
千 原 文 雄
HOYA株式会社
古 川 哲 夫
日本消費者協会
市 川 泰 憲
月刊“写真工業”
池 田 稔
写真流通商社連合会
島 根 保 治
全日本写真材料商組合連合会
松 田 二三男
日本写真協会
宮 地 晋一郎
写真感光材料工業会
三 堀 家 義
日本映画テレビ技術協会
(事務局)
鈴 木 憲 章
日本写真機工業会
文責 井上 信義(日本写真機工業会規格委員会シャッタ分科会 主査)