B 7024:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
5 性能······························································································································· 2
5.1 一般 ···························································································································· 2
5.2 止まり,指示違いなどの運転状態······················································································ 2
5.3 残留影響 ······················································································································ 2
6 試験······························································································································· 2
6.1 試験の準備 ··················································································································· 2
6.2 試験装置 ······················································································································ 2
6.3 磁界を加える方向 ·········································································································· 3
6.4 試験の順序 ··················································································································· 3
6.5 歩度測定 ······················································································································ 3
6.6 耐磁試験 ······················································································································ 3
7 表示······························································································································· 3
7.1 一般 ···························································································································· 3
7.2 1種耐磁時計 ················································································································· 3
7.3 2種耐磁時計 ················································································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
時計協会(JCWA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す
べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 7024:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格
JIS
B 7024:2012
耐磁携帯時計−種類及び性能
Horology-Magnetic resistant watches-Classification and performance
序文
この規格は,2002年に第3版として発行されたISO 764を基とし,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,磁界に耐えられる携帯時計(以下,耐磁時計という。)の種類及び性能について規定する。
なお,電子表示式の時計は,原理的に磁界の影響を受けないのでこの規格の対象としない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 764:2002,Horology−Magnetic resistant watches(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7010 時計部品名称
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 7010によるほか,次による。
3.1
耐磁時計(magnetic resistant watch)
均質及び連続的な4 800 A/m以上の磁界に耐える時計。
3.2
歩度
時計の正確さを短時間に測定し,一日当たりの進み遅れに換算した値。
3.3
残留影響(residual effect)
耐磁試験前後の歩度の差。
3.4
2
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落径(おちけい)
ケース又は中枠とはめ合わされる部分のムーブメントの直径。
4
種類
耐磁時計の種類は,水準によって表1のとおりに分類する。
表1−耐磁時計の種類及び水準
種類
水準
1種
直流磁界4 800 A/mに耐えられる水準(日常生活において,磁界を発生する機器に耐磁時計を
5 cmまで近づけてもほとんどの場合に性能を維持できる水準。)
2種
直流磁界16 000 A/mに耐えられる水準(日常生活において,磁界を発生する機器に耐磁時計を
1 cmまで近づけてもほとんどの場合に性能を維持できる水準。)
注記 16 000 A/mを超える直流磁界に耐えるもの(例えば,40 000 A/mなど)が現在あるが,種類としては規定
しない。
5
性能
5.1
一般
耐磁時計は,5.2及び5.3に適合しなければならない。
5.2
止まり,指示違いなどの運転状態
耐磁時計は,耐磁試験によって止まり及び指示違いがあってはならない。水晶式で複数のステップモー
ターを内蔵する場合には,耐磁試験において全てのステップモーターが止まってはならない。
注記 指示違いとは,耐磁試験前後における時間表示のずれをいう。
5.3
残留影響
てんぷ式機械時計の場合,残留影響は次の値以下とする。
a) 直径20 mmを超える落径(丸形)又は314 mm2を超える面積(丸形以外)のムーブメントの
場合:30秒/日
b) 直径20 mm以下の落径(丸形)又は314 mm2以下の面積(丸形以外)のムーブメントの
場合:45秒/日
6
試験
6.1
試験の準備
耐磁時計の試験は,完成品について行い,試験の準備は,次による。
a) バンドを外すことのできるものは,外して試験する。
b) 試験室の室温は,23±5 ℃で,かつ,試験中に2 ℃以上変化してはならない。
6.2
試験装置
試験装置は,表2に示した強さの一様な直流磁界を,6.3に規定する方向に連続して発生するものでなけ
ればならない。耐磁試験中の磁界の強さの変動率は,1 %以下とし,表2に示された発生磁界の範囲の下
限値を下回らない。
なお,直流磁界16 000 A/mを超える耐磁時計の試験装置は,発生磁界の強さが16 000 A/mを超え,かつ
装置の磁界強さ表示レベルの92 %以上とする。
表2−試験装置の発生磁界の強さ
3
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単位 A/m
種類
直流磁界の強さ
1種
4 800
0
400
−
2種
16 000
0
300
1
−
6.3
磁界を加える方向
6.3.1
てんぷ式機械時計
次の順序で3方向の磁界を与える。
a) 文字板に平行で12時−6時の方向
b) 文字板に平行で 3時−9時の方向
c) 文字板に垂直な方向
6.3.2
水晶式
内蔵するステップモーターごとに,最も影響を受ける方向に磁界を加える。
6.4
試験の順序
試験は,次の順序で行う。
なお,a)及びc)の項目は,てんぷ式機械時計だけについて行う。
a) 耐磁試験前歩度測定
b) 耐磁試験
c) 耐磁試験後歩度測定
6.5
歩度測定
ぜんまいを全巻にして1時間時計を動かした後に,文字板側を上にした姿勢で少なくとも1分間,歩度
測定機を用いて歩度を測定する。
6.6
耐磁試験
耐磁試験は,磁界を加える方向ごとに次の順序で行う。
a) 6.3に示した磁界を加える方向に合わせて,試料を試験装置に取り付ける。
b) 6.2に示した値まで磁界の強さを増加させる。
c) 運針状態を1分間観察する。
なお,作動間隔が20秒以上のステップモーターの場合は,ステップモーターを5回作動して,運針
状態を観察する。
d) 磁界の強さを減少させ,ゼロに戻す。
e) 試料を試験装置から取り外す。
7
表示
7.1
一般
耐磁時計には本体のよく見える箇所又はタグに,種類の表示をしなければならない。
7.2
1種耐磁時計
表示は,次のいずれかの文字又は図記号とする。
a) 耐磁時計
b) MAGNETIC RESISTANT 4 800
注記 4 800は,表示しなくてもよい。
4
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c) 図記号(図1参照)
7.3
2種耐磁時計
表示は,次のいずれかの文字又は図記号とする。
a) 強化耐磁時計
b) MAGNETIC RESISTANT 16 000
c) 図記号(図2参照)
注記 直流磁界が16 000 A/mを超える耐磁時計の場合は,図記号との併記は行わない。
なお,直流磁界が16 000 A/mを超える耐磁時計の場合の表示の一例を,次に示す。
例 MAGNETIC RESISTANT 40 000
図1−1種耐磁時計の図記号
図2−2種耐磁時計の図記号
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 7024:2012 耐磁携帯時計−種類及び性能
ISO 764:2002 Horology−Magnetic resistant watches
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
耐磁時計の種類及び性能につ
いて規定。
1
JISとほぼ同じ
一致
耐磁時計の試験方法と要求事項の規
定であるが,試験方法,要求性能の
技術的差異はない。
2 引用規
格
2
3 用語及
び定義
3
追加
歩度及び落径を追加しているが,技
術的差異はない。
4 種類
1種 4 800 A/m
2種16 000 A/m
4
Annex A
magnetic resistant
watches 4 800 A/mに耐
えられる時計をいう。
magnetic resistant
16 000 A/m,40 000 A/m
及び40 000 A/m以上
変更
一致
技術的差異はない。ISO規格では,
JISのように1種及び2種の区分は
ない。
本体に規定した。技術的差異はない。
5 性能
5
一致
6 試験
6.1試験の準備
6.1
一致
6.2 試験装置
6.2
Annex A
一致
ISO規格の6.2では4 800 A/mの磁界
の強さだけを規定しているが,附属
書Aにて4 800 A/m以上の値を規定
をしている。技術的差異はない。
6.3磁界を加える方向
6.3.1 てんぷ式機械時計
6.3.2 水晶式
6.3.2.2
6.3.2.2
JISとほぼ同じ
変更
一致
磁界を与える3方向の順序が異なる
が,技術的差異はない。
2
B
7
0
2
4
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 試験
(続き)
6.4 試験の順序
6.3.1
6.3.2
6.3.3
一致
ISO規格の6.3.1〜6.3.3は試験順序の
見出し部分を示しているが,技術的
差異はない。
6.5 歩度測定
6.3.1
一致
6.6 耐磁試験
6.3.2
一致
7 表示
7.2 1種耐磁時計
a) 耐磁時計
b) MAGNETIC RESISTANT
4 800
c) 図記号
7
日本語表示:“耐磁”
英語表示:“magnetic
resistant”
製造者責任において,
“antimagnetic”及び省
略形の“mag resist”を
用いてもよい。
変更
ISO規格は,耐磁レベル4 800 A/m
の併記表示は,規定していない。
JISの英語表示をISOの英語表示に
合わせる。ただし,JISでは,大文
字を使用する。
市場に認知された表
示であり,完全に一致
させる必要はない。
7.3 2種耐磁時計
a) 強化耐磁時計
b) MAGNETIC RESISTANT
16 000
c) 図記号
Annex A
A.6
日本語表示:
“強化耐磁 XX”
XX:耐磁レベルの併記
英語表示: “magnetic
resistant XX”
製造者責任において
“antimagnetic XX” と
省略形の“mag resist
XX” を用いてもよい。
XX:16 000 A/m,40 000
A/mから選択する。例
えば,magnetic resistant
16 000,mag resist
40 000
変更
国内市場において,1種,2種区分,
耐磁レベルの併記は,市場に受け入
れられており継続する。また,JIS
では図記号を追加している。
JISに,直流磁界が16 000 A/mを超
える耐磁時計の場合の表示の一例
(MAGNETIC RESISTANT 40 000)
を示した。
2
B
7
0
2
4
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 764:2002,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
B
7
0
2
4
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。