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B 7021:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類······························································································································· 2 

5 要求事項························································································································· 2 

5.1 加圧防水性 ··················································································································· 2 

5.2 耐浸せき(漬)性 ·········································································································· 2 

5.3 操作部防水性 ················································································································ 2 

5.4 熱衝撃を受けた場合の防水性 ··························································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

6.1 試験条件 ······················································································································ 2 

6.2 結露試験 ······················································································································ 2 

6.3 浸せき(漬)による防水試験 ··························································································· 3 

6.4 空気加圧下での試験 ······································································································· 3 

7 表示······························································································································· 4 

附属書A(参考)使用に当たっての注意及び物理学の概念 ··························································· 5 

附属書JA(参考)加圧防水性試験の空気加圧方法 ······································································ 6 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7 

B 7021:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

時計協会(JCWA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。 

これによって,JIS B 7021: 1989は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

B 7021:2013 

一般用防水携帯時計−種類及び防水性能 

Water resistant watches for general use-Classification and water resistibility  

序文 

この規格は,2010年に第1版として発行されたISO 22810を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,一般用の防水携帯時計(以下,防水時計という。)の種類及び防水性能について規定する。 

なお,潜水用などの特殊防水携帯時計はこの規格の対象としない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 22810:2010,Horology−Water -resistant watches(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7010 時計部品−名称 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 7010によるほか,次による。 

3.1 

防水(water resistance) 

水の浸入を防ぐ能力。 

3.2 

防水時計(water-resistant watch) 

水の浸入を防ぐことができる時計。 

3.3 

加圧(overpressure) 

浸水の深さに比例して水によって加わる圧力[bar1)で明示する。]。 

注1) 加圧について,使用に当たっての注意及び物理的な概念を,A.1及びA.2に示す。 

B 7021:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.4 

浸水の深さ(depth of immersion) 

水面から浸水している時計までの垂直方向の距離。 

3.5 

加圧防水性(加圧に対する防水) 

時計に水圧がかかった場合の,時計内への水の浸入を防ぐ性質。 

3.6 

耐浸せき(漬)性(浅い場所での防水) 

水中に浸せき(漬)した場合の,時計内への水の浸入を防ぐ性質。 

3.7 

操作部防水性(操作部材に外力がかかった場合の防水) 

水中で時計の操作部に外力がかかった場合の,時計内への水の浸入を防ぐ性質。 

種類 

防水時計は,加圧水準によって,次の種類に区分する。 

a) 1種防水時計 2 barの水圧に耐える防水時計。日常生活の汗,洗顔時の水滴,雨などに耐えられるも

のであるが,水圧の変化が激しい条件下では,使用できない。 

b) 2種防水時計 4 bar以上の水圧に耐える防水時計。水泳などの水中での使用が可能なもの。 

要求事項 

5.1 

加圧防水性 

6.3.2に規定する試験を実施し,その前後に行う6.2に基づく結露試験によって,ガラス内部の表面に結

露があってはならない。 

5.2 

耐浸せき(漬)性 

6.3.3に規定する試験を実施し,その前後に行う6.2に基づく結露試験によって,ガラス内部の表面に結

露があってはならない。 

5.3 

操作部防水性 

6.3.4に規定する試験を実施し,その前後に行う6.2に基づく結露試験によって,ガラス内部の表面に結

露があってはならない。 

5.4 

熱衝撃を受けた場合の防水性 

6.3.5に規定する試験を実施し,その前後に行う6.2に基づく結露試験によって,ガラス内部の表面に結

露があってはならない。 

試験方法 

6.1 

試験条件 

試験を実施する前に,りゅうず,ボタンなどの操作部を操作し,通常の使用状態に戻しておく。 

試験室の室温及び試験水槽の水温は,18 ℃〜25 ℃とする。ただし,6.3.5に規定する試験の場合は除く。 

6.2 

結露試験 

この試験の目的は,時計の防水性を次の方法で検証することである。 

a) 時計を40 ℃〜45 ℃の間に設定した加熱板に載せ,時計のガラスが加熱板の温度に達するまで置く。

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B 7021:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

加熱時間は,個々の時計によって異なる。その間,ガラス内面への水滴又は曇りの発生の有無を目視

によって観察する。 

b) 加熱板上の防水時計のガラスの上に18 ℃〜25 ℃の水滴,濡れ布又は濡れパッドを置く。 

c) 約1分後乾いた布でガラスを拭く。 

ガラス内部の表面に結露ができた時計は,この規格の要求事項を満たさない。 

注記1 時計が湿気で飽和状態にある環境に置かれた場合,結露試験では,防水性の欠陥を検出でき

ない可能性がある。 

注記2 厚さが2 mm以上のガラスでは,水滴による結露試験は信頼性が低い。したがって,濡れ布

又は濡れパッドを用いるのが望ましい。 

注記3 曇りが1分以内に消える場合には,防水不良ではないとみなす。 

6.3 

浸せき(漬)による防水試験 

6.3.1 

一般 

6.3.2〜6.3.5に規定する試験を行う。 

6.3.2 

加圧防水性試験 

時計を水を満たした容器に完全に浸せき(漬)する。容器内の圧力を次の値まで1分以内に加圧する。 

− 1種防水時計の場合は,2 bar以上とする。 

− 2種防水時計の場合は,表示圧力値とする。ただし,4 bar以上とする。 

その水圧を加圧した状態で10分間保持する。次に,水圧を1分以内に戻す。 

6.3.3 

耐浸せき(漬)性試験 

時計を水中10 cm±2 cmの深さに浸せき(漬)し,1時間以上保持する。 

6.3.4 

操作部防水性試験 

時計を水中10 cm±2 cmの深さに浸せき(漬)し,りゅうず及びボタンに対しその軸と垂直方向に約5 N

の力を加え,5分間保持する(図1参照)。 

注記 りゅうず及びボタンは,ねじを締めておかなければならないものは締めておく。 

図1−操作部防水試験における加圧方法 

6.3.5 

熱衝撃を受けた場合の防水性試験 

時計を水中10 cm±2 cmの深さに,次のa),b)及びc)の条件で連続して浸せき(漬)する。 

a) 40 ℃±2 ℃の水中に5分間 

b) 20 ℃±2 ℃の水中に5分間 

c) 40 ℃±2 ℃の水中に5分間 

浸せき(漬)から次の浸せき(漬)への移行時間は,1分を超えてはならない。 

6.4 

空気加圧下での試験 

時計に対して予備試験を行うことがある。これによって防水性の不具合を発見できる可能性がある。 

B 7021:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

時計を順次2 bar及び0.5 barの空気圧にし,ケースに流入する空気流量を測定する。50 μg/minを超える

空気流量を示す時計に関しては,6.3に規定する浸せき(漬)による防水試験を行わない方がよい。 

この予備試験は,6.3に規定する防水試験の代用とすることはできない。 

注記1 空気の代わりに不活性ガスを用いてもよい。 

注記2 加圧防水性試験の空気加圧方法を,附属書JAに示す。 

表示 

要求事項を満たす時計には,本体の見やすい場所に次の表示をすることができる。 

a) 1種防水時計 

− 日常生活用防水 

− WATER RESISTANT 

(WATER RESISTとしてもよい。) 

b) 2種防水時計 

− 日常生活用強化防水  x bar 

− WATER RESISTANT  x bar 

(WATER RESIST  x barとしてもよい。) 

ただし,表示圧力値は“気圧”又はbarで,4 bar以上の整数値によって表記する。 

例 日常生活用強化防水  5気圧 

WATER RESISTANT  10 bar  

WATER RESISTANT  10 BAR 

B 7021:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

使用に当たっての注意及び物理学の概念 

A.1 使用に当たっての注意 

使用者は,長期間にわたって時計の特性を保護する上で,防水が決定的な特性でないことを理解するた

め,次の各事項に従うことが望ましい。 

− 製造業者の推奨に従い,そして,いかなる場合においても時計を開けた場合には,その都度時計の専

門家の検査を受けることを推奨する。この場合,6.4に規定した空気加圧試験を実施することを推奨す

る。 

− バンドが使用目的に適しているか,購入時に確認する。 

− 時計に急激な温度変化を与えるのを避ける。 

− 落下及び衝撃から時計を守る。ひどい衝撃が加わった後は,防水性の検査を受ける。 

− 操作部材(りゅうず及びボタン)を水中で使用せず,また,水の外でも時計が乾いていないときは,

使用しない。 

− 操作後は,その都度,操作部材(りゅうず及びボタン)をしっかりと元の位置に戻し,ねじを締めて

おく(該当する場合)。 

− 海水で使用した後は,時計を真水ですすぎ洗いする。 

A.2 物理学の概念 

A.2.1 加圧 

ケースに裏蓋を閉めたとき,内部と外部との圧力は一定である。大気環境では,時計には温度及び気象

条件に応じて異なる大気圧が加わる。 

時計が浸水した場合,外部の圧力は,深さとともに増大する一方,時計の内部圧力は大気圧を示し続け

る。大気圧に水圧分が増加されたものは,絶対圧力と呼ばれる。水によって生じる圧力を加圧力と呼ぶ。 

大気圧の変化は,浸水時の加圧に比べると極めて小さく無視できる。この規格に従って行われる試験は,

加圧試験である。 

A.2.2 変換ルール 

国際単位系SIにおいては,圧力はパスカル(Pa)で表示される。1パスカルの圧力は,1 m2の表面に作

用する1 N(ニュートン)の力に相当する。しかし,1 barは105パスカルであって時計の圧力単位に,よ

り適していることからbarが一般的に使用されている。また,その数値は大気圧の数値に近く,海水位で

1.013 barである。barは,国際単位系SIの一部ではないが,流体力学で使用されている。 

水の単位容積当たりの重量は,0.998 kg/dm3(30 ℃の真水)から1.030 kg/dm3(典型的な海水)の間で

ある。地球の重力の加速度は,赤道で9.780 m/s2から極での9.832 m/s2まで数値はほぼ一定である。これら

の条件下では,浸水の深さと静水圧との間の比率は,±2 %以上変化することはない。したがって,この

規格では,1 barは10 mの水の深さに相当することを用いることができる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

加圧防水性試験の空気加圧方法 

加圧防水性試験における空気加圧方法を,次に示す(図JA.1参照)。 

a) 空気加圧が可能な容器に防水時計を入れる。 

b) 空気圧2 barを加圧する。 

c) 空気圧2 bar加圧中に,防水時計内に侵入する空気の毎分当たりの流量を測定する。 

d) c)の空気の流量が,50 μg/min以下であることを確認する。 

注記1 1bar=105 Pa 

注記2 流量の測定方法の例を次に示す。 

例 防水時計に侵入した空気の体積を測定し,次の式によって流量を求める。 

t

V

Q=

ここに, 

Q: 防水時計内に侵入した空気の毎分当たりの流量(μg/min) 

V: 測定時間2)内に進んだ液柱の体積に相当する空気の質量

(μg) 

t: 測定時間2)(min) 

注2) 測定時間は,5分以内とする。 

図JA.1−空気加圧方法の概念図 

参考文献 JIS B 7023 潜水用携帯時計−種類及び性能 

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附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 7021:2013 一般用防水携帯時計−種類及び防水性能 

ISO 22810:2010 Horology−Water-resistant watches 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

防水時計の種類及び
性能について規定。 

JISとほぼ同じ 

一致 

一般用防水携帯時計の試験方法と要求
事項の規定であるが,試験方法,要求性
能の技術的差異はない。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

3.5 加圧防水性 
3.6 耐浸せき(漬)性 
3.7操作部防水性 

2.2 water-resistant watch 
規格に示された要求事
項に従って水の浸透に
耐える時計をいう。 

追加 

加圧防水性,耐浸せき(漬)性,操作部
防水性の用語を追加しているが,技術的
差異はない。 

技術的差異はない。 

4 種類 

a) 1種防水時計 
b) 2種防水時計 

追加 

ISO規格では,JISのように1種及び2
種の区分はない。 

技術的差異はない。 

5 要求事
項 

一致 

6 試験方
法 

JISとほぼ同じ 

変更 
 
 
 

JISでは,2種類に区分したので加圧防
水試験の条件をそれぞれ規定した。 
熱衝撃を受けた防水試験において,試験
用の水温に許容差を設けた。 

技術的差異はない。 

7 表示 

a) 1種防水時計 
b) 2種防水時計 
 

5.1 
5.2 
JISとほぼ同じ 

一致 
変更 

ISO規格の英語表示規定は小文字であ
るがJISでは,大文字を使用する。 
国内市場では,1種,2種の区分,日常
生活用防水,日常生活用強化防水の区分
は市場に受け入れられており規定した。 

技術的差異はない。 

2

B

 7

0

2

1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条
番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書A 
(参考) 

使用に当たっての注
意及び物理学の概念 

附属書JA 
(参考) 

加圧防水性試験の空
気加圧方法 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22810:2010,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

B

 7

0

2

1

2

0

1

3

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。