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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6608-1983 

ベニヤレースの構造の安全基準 

Safety Standards for Construction of Veneer Lathes 

1. 適用範囲 この規格は,ベニヤレース(1)(レースチャージャを含む。)の安全構造,取扱説明書,検査

票及び表示について規定する。 

注(1) JIS B 0114(木材加工機械の名称に関する用語)を参照。 

引用規格: 

JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語 

関連規格 JIS B 6507 木材加工機械の安全通則 

JIS B 6542 ベニヤレース 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次による。 

(1) 原木搬入装置 レースチャージャにおいて,原木を前処理工程部門から原木心出し装置まで搬入する

機構。 

(2) 原木心出し装置 レースチャージャにおいて,原木をベニヤレースに供給する際,最も有効に利用す

るため原木の回転中心を決める機構。 

(3) 原木供給装置 レースチャージャにおいて,原木を確実に把持して,ベニヤレースに供給する機構。 

(4) クッションスタート 原木供給装置を作動する際,次第に加速させ設定速度にする方法。ソフトスタ

ートともいう。 

(5) クッションストップ 原木供給装置を停止する際,次第に減速させて停止する方法。ソフトストップ

ともいう。 

(6) 原木切削装置 ベニヤレースにおいて,原木を確実に把持し切削する機構であって,次のものからな

る。 

(a) かんな台 原木を切削するためのナイフ,ノーズバーなどを取り付ける台。 

(b) スピンドル 原木を把持して切削するとき,回転中心となる軸。 

(c) ベンディング防止装置 原木切削時,その径が次第に細くなり,刃物とスピンドルに押されて生じ

る曲がりを防止する装置。 

(7) インターロック 機械・装置を安全,かつ,効率的に作動させるため,各装置間の動きを規制する機

構。 

3. 安全構造 

3.1 

原木搬入装置 原木搬入装置は,次による。 

(1) 搬送コンベヤは,原木を安全,かつ,確実に搬送することができるものであること。 

B 6608-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 心出し部への搬入コンベヤは,作業者がその操作スイッチから手を離すことによって,直ちに停止す

る構造のものであること。 

3.2 

原木心出し装置 原木を受け止めるVブロックから原木が容易に転落しない構造のものでなければ

ならない。 

3.3 

原木供給装置 原木供給装置は,次による。 

(1) 原木把持中,シリンダ内の圧力低下を防止する機構を備えるなど,確実に原木を把持することができ

る構造のものであって,圧力が低下し始めた場合,これを知らせる警報装置を備えたものであること。 

(2) 原木供給の際,作動開始時又は停止時の反動による原木の落下を防止するため,クッションスタート

及びクッションストップ機構をもつものであること。 

3.4 

原木切削装置 原木切削装置は,次による。 

(1) 刃物の取付け及び取外しが確実,かつ,容易にできる構造のものであること。 

(2) 刃口の調節,清掃等が安全,かつ,容易にできる構造のものであること。 

3.5 

運転操作盤の設置位置 運転操作盤は,作業者がその前後工程を十分に見渡すことができる位置に

設置されているものでなければならない。 

3.6 

電源遮断時及び再始動の危険防止 電源遮断時及び再始動の危険防止は,次による。 

(1) 動力が遮断された場合に,油圧による原木及び刃物の把持,かんな台の刃口開閉等が動力遮断前の状

態を維持するか,又は安全側に作動する構造のものであること。 

(2) 停電後,動力源が復元されても,自動的に再始動することを防止するための機構を備えているもので

あること。 

3.7 

インターロック インターロックは,次による。 

(1) 自動運転の場合の心出し用Vブロックは,原木横押しシリンダの前進中又は後退中,及び原木供給装

置が中間停止位置より心出し用Vブロック側にあるときは上昇しないものであること。 

(2) 心出し位置にある原木供給装置は,心出し用Vブロックが下降限にないとベニヤレース側に進まない

ものであること。 

(3) 原木供給装置は,ベニヤレースのスピンドルが後退限でベンディング防止装置が上昇限にないと前進

の押しボタンを押し続けても中間停止位置で止まるものであること。 

(4) 中間停止位置にある原木供給装置は,ベニヤレースのスピンドルが後退限で,ベンディング防止装置

が上昇限にないとベニヤレース側に進まないものであること。 

(5) 原木供給装置は,装置自体がベニヤレースのスピンドル中心位置にあり,スピンドルが前進し,かつ

原木把持が完了していないと原木取外し押しボタンを押しても原木は取り外しできないものであるこ

と。 

(6) 原木供給装置は,原木把持具が安全な範囲にある時以外は,ベニヤレース側から心出し装置側に戻ら

ないものであること。 

(7) ベニヤレースのかんな台とスピンドルは,前進限及び後退限リミットスイッチを設けるなどし,両者

が接触しない機構をもつものであること。 

(8) かんな台の刃口開閉用手もとスイッチを操作中には,運転操作盤でスピンドルの回転,刃口の開閉及

びかんな台の前進又は後退の操作を行うことができない機構のものであること。 

3.8 

作業床 作業床は,次による。 

(1) 運転操作盤の作業床には,手すりなどが設けられていること。 

(2) 刃口の清掃及びけ(罫)引きナイフの調節を行うための作業床が設けられていること。 

B 6608-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 作業床の床面には滑り止めが施されていること。 

3.9 

回転部分の覆い 歯車,プーリ,ベルトなどで運転中に接触によって巻き込むおそれのある部分に

は,覆いを設けなければならない。 

4. 取扱説明書 ベニヤレースには,取扱説明書を添付し,形式・仕様・構造・工具・操作・保全・点検・

整備・据付け・その他安全上の留意事項など,安全確保に必要な事項を記載する。 

5. 検査票 ベニヤレースには,安全に関する検査票(検査項目とその結果)を添付する。 

6. 表示 ベニヤレースには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。 

(1) 製造業者名 

(2) 製造年月及び製造番号 

(3) 形 式 

(4) 取り付けることができる原木の最大長さ及び最大直径(レースチャージャ) 

(5) 刃物取付面の長さ及び振り(ベニヤレース) 

(6) スピンドルの直径 

(7) スピンドルの最高回転速度 

(8) その他安全上,特に必要な事項 

B 6608-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

工作機械部会 木工機械専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

林   大九郎 

東京農業大学農学部 

杉 原 彦 一 

京都大学農学部 

福 井   尚 

名古屋大学農学部 

熊 野 英 昭 

通商産業省機械情報産業局 

小 俣 和 夫 

労働省労働基準局 

岡 本 純 三 

千葉大学工学部 

鈴 木   寧 

農林水産省林業試験場 

木 下 直 治 

職業訓練大学校 

小 栁 武 昭 

工業技術院標準部 

谷 尻 正 三 

株式会社中国機械製作所 

上 杉   正 

株式会社ウロコ製作所 

福 田 良 平 

株式会社菊川鉄工所 

谷 野 八 郎 

庄田鉄工株式会社 

内 藤 義 雄 

株式会社大平製作所 

村 上   勝 

社団法人全国木工機械工業会 

佐 藤 正 徳 

株式会社佐藤製材所 

井 上 哲 男 

東和木材株式会社 

児 玉   実 

木材加工技術コンサルタント 

河 野 勝 彦 

社団法人全国家具工業連合会 

桜 井   昭 

開成産業株式会社 

望 月 善 治 

野田合板株式会社資材部 

池 谷 一 好 

日本楽器製造株式会社天龍工場 

公 平 秀 蔵 

社団法人全国木材組合連合会 

(事務局) 

桜 井 俊 彦 

工業技術院標準部機械規格課 

岡 島 弘 二 

工業技術院標準部機械規格課