2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 6555-1990
帯のこロール機の試験
及び検査方法
Test methods for performance and accuracy
of band saw stretcher
1. 適用範囲 この規格は,加工することができる帯のこの最大幅が305mm以下のJIS B 0114に規定す
る帯のこロール機の機能,運転性能,剛性及び工作精度に関する試験方法並びに品質検査方法について規
定する。
備考1. この規格の引用規格を次に示す。
JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語
JIS B 6507 木材加工機械の安全通則
JIS B 6521 木材加工機械の騒音測定方法
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3303 ぶりき及びぶりき原板
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 機能試験方法 帯のこロール機の機能試験は,表1による。
2
B 6555-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1 機能試験
番号
試験項目
試験方法
1
電気装置
運転試験の前後に,各1回絶縁状態を試験する。
2
ロールの始動,停止及
び運転操作
適当な一つのロール回転速度で,始動及び停止を繰返し10回行い,作
動の円滑さ及び確実さを試験する。
3
ロール回転速度の変換
操作
表示のすべての回転速度についてロール回転速度を変換し,操作装置の
作動の円滑さ及び指示の確実さを試験する。
4
ロールの加圧操作
ロールの加圧操作を行い,作動の円滑さ及び確実さを試験する。
5
上部フレーム保持装置
の操作
上部フレーム保持装置の掛け外し操作を行い,作動の円滑さ及び確実さ
を試験する。
6
ロールの軸方向移動装
置の操作
ロールの軸方向に移動させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均
一さを試験する。
7
帯のこ案内装置の操作
機能の円滑さ及び確実さを試験する。
8
安全装置
作業者に対する安全機能及び機械防護機能の確実さを試験する(JIS B
6507参照)。
9
潤滑装置
油密性,油量の適正な配分など,機能の確実さを試験する。
10
油圧装置
油密性,圧力調整など,機能の確実さを試験する。
11
空気圧装置
気密性,圧力調整など,機能の確実さを試験する。
12
附属装置
機能の確実さを試験する。
備考 その機能をもたない帯のこロール機では,表1中のこれに対応する試験項目を省略す
る。
3. 運転試験方法
3.1
無負荷運転試験 ロールを回転させ,30〜60分間運転を継続して軸受温度が安定した後,所要電力
及び騒音を測定し,表2の記録様式1に規定する各項について記録するとともに,異常振動がないことを
感触によって観察する。
なお,騒音の測定は,JIS B 6521による。
表2 記録様式1
備考1. ロール回転速度の変速装置のあるものは,最大回転速度を含む少なくとも2水準の回転速度について
記録する。
2. 騒音測定条件については,記事欄に記録する。
3.2
負荷運転試験 ロール掛けを行い,所要電力及び騒音を測定し,表3の記録様式2に規定する各項
について記録するとともに,異常振動がないこと及び圧延面の状態を感触によって観察する。
また,帯のこはロール軸に対して直角方向に送り出されていることを確認する。
なお,騒音の測定は,JIS B 6521による。
所要電力の測定は送り速度を一定とし,加圧力を変えるか又は加圧力を一定とし,送り速度を変えて試
験を行う。
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表3 記録様式2
備考 騒音測定条件については,記事欄に記録する。
4. 剛性試験方法 帯のこロール機の剛性試験は,表4による。
表4 剛性試験
番号
試験項目
測定方法
測定方法図
1
フレーム
の剛性
下部フレームに固定した
テストインジケータを上
部フレームに当てて,試験
材のロールに荷重 (P) を
加えて,下部フレームと上
部フレームの相対変位を
測定する。
この測定は,フレームの両
側面について行う。
備考1. 同一設計の機械の剛性試験は,代表的な1台について行った試験結果で代
表させ,他のものについては省略してもよい。
2. ロールに加える荷重 (P) は,製造業者の推奨する大きさとし,その値を
記録する。
5. 硬さ ロールの硬さは,次による。
(1) 上部ロール及び下部ロールの硬さは,HV720以上とし,硬さのばらつきはHV60以下とする。
(2) 上部ロールの硬さと下部ロールの硬さとの差は,HV60以下とする。
6. 品質検査方法
6.1
硬さ検査 ロールの硬さは,JIS Z 2244によって行い,5.の規定に適合しなければならない。
6.2
静的精度検査 帯のこロール機の静的精度検査方法は,表5による。
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表5 静的精度検査
単位mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
1
ロールの外
周面の振
れ
ロールの外周面の中央に
テストインジケータを当
てて,ロールを手動で回転
し,回転中におけるテスト
インジケータの読みの最
大差を測定値とする。
この測定は,上部ロール及
び下部ロールの外周面に
ついて行う。
0.02
2
上部ロール
と下部ロ
ールとの
外径の差
(1)
上部ロール及び下部ロー
ルの中央部の最大直径を
マイクロメータで測定し,
その差を測定値とする。
0.02
3
ロールの軸
方向の振
れ(2)
ロール端面の外周にテス
トインジケータを当てて,
ロ−ルを手動で回転し,回
転中におけるテストイン
ジケータの読みの最大差
を測定する。
この測定は,右端面及び左
端面の外周において行い,
そのうち最も大きい値を
測定値とする。
また,この測定は,上部ロ
−ル及び下部ロールの端
面の外周について行う。
0.02
4
上部ロール
軸と下部
ロール軸
との平行
度
上部ロール軸及び下部ロ
ール軸に長さ (l) 100mm
の平らな盤を垂直に当て
て,すきまをすきまゲージ
で測定する。
この測定は,ロール軸の両
側で行い,そのうち最も大
きい測定値とする。
0.03
注(1) 一方のロールが自由駆動のものには,適用しない。
(2) この測定は,部品の段階で行ってもよい。
7. 工作精度試験方法 帯のこロール機の工作精度試験は,次による。
7.1
帯のこは,所要の形状に圧延され,異常なねじれ及び腰入れむらが生じてはならない。
7.2
上部ロールと下部ロールとの軸間距離を一定とし,試験材(3)を長手方向の中央で圧延し(4),ねじれ,
反り及び横曲がりが生じてはならない。
また,圧延された板の端末は,図1のように滑らかな円弧状に突き出し,断面は左右対称に円弧状に圧
延されていなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 板の端末
注(3) 試験材の材料は,JIS G 3131,JIS G 3302及びJIS G 3303とし,ひずみ及び硬さむらが少なく,
次の寸法とする
厚さ 0.70mm,0.90mm,1.05mm
幅
30mm
長さ 7 000mm(エンドレス状のもの)
(4) ロール加圧力の大きさは,試験材が延びすぎて圧延面に波状のうねりを生じることなく,また
端末部の延びの突出部はできるだけ大きく出るようにする。
関連規格:JIS B 6501 木材加工機械の試験方法通則
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
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B 6555-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
帯のこ盤関係JIS原案作成委員会 構成表(敬称略)
氏名
所属
(委員長)
杉 原 彦 一
近畿大学農学部
桑 原 茂 樹
通商産業省機械情報産業局
吉 田 藤 夫
工業技術院標準部
西 村 勝 美
農林水産省林野庁森林総合研究所
小 西 千代治
職業訓練大学校
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
井 上 哲 男
東和木材株式会社
細 貝 一 則
社団法人全国木材組合連合会
佐 藤 久
社団法人全国家具工業連合会
児 玉 実
木材加工技術コンサルタント
中 山 辰 雄
株式会社田中機械製作所
児 玉 幸 夫
株式会社中国機械製作所技術部
佐 藤 正 之
株式会社日立工機原町設計部
石 川 雅 義
株式会社富士製作所製造部
杉 山 公 朗
株式会社丸仲鐡工所
名 取 平 二
宮川工機株式会社技術部
村 上 勝
社団法人全国木工機械工業会