2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 6545-1991
ドラムサンダ−試験及び検査方法
Drum sanders−Test and inspection methods
1. 適用範囲 この規格は，ドラムの有効長さ(1)が1 100mm以上2 000mm以下のドラムサンダの機能，
運転性能及び剛性に関する試験方法並びに精度及び工作精度検査方法について規定する。
注(1) 研削できる工作物の最大幅。
備考1. ドラムサンダとは，回転するドラムの外周面に巻き付けた研磨布紙によって，自動送りされ
る合板などの表面を研削する機械をいう。ドラムは2本以上のものが多い（JIS B 0114参照）。
2. この規格の引用規格を，次に示す。
JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語
JIS B 0905 回転機器の釣合い良さ−剛性ロータ
JIS B 6507 木材加工機械の安全通則
JIS B 6521 木材加工機械の騒音測定方法
JIS R 6251 研摩布
JIS R 6252 研摩紙
3. この規格の中で｛ ｝を付けて示してある単位及び数値は，従来単位によるものであって，
参考として併記したものである。
2. 機能試験方法 ドラムサンダの機能試験は，表1による。
表1 機能試験
番号
試験項目
試験方法
1
電気装置
運転試験の前後に，各1回絶縁状態を試験する。
2
ドラムの始動，停止
及び運転操作
適当な一つのドラム回転速度で，始動及び停止を繰返し10回行い，作動の円滑さ及
び確実さを試験する。
3
ドラム回転速度の変
換操作
表示のすべての回転速度についてドラム回転速度を変換し，操作装置の作動の円滑さ
及び指示の確実さを試験する。
4
送り装置の始動，停
止及び運転操作
適当な一つの送り速度で，始動及び停止を繰返し10回行い，作動の円滑さ及び確実
さを試験する。
5
送り速度の変換操作
表示のすべての送り速度，無段変速式のものは最低，中央及び最高の三つの送り速度
について速度を変換し，操作装置の作動の円滑さ及び指示の確実さを試験する。
6
テーブルの昇降及び
締付けの操作
テーブルを昇降させ，動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験する。
また，動きの中央及び両端について，締付けの確実さ及び締付装置の作動の円滑さ
を試験する。
7
ドラムの切込み装置
ドラムを昇降させ，動きの全長にわたって作動の円滑さ及び指示の確実さを試験す
る。
8
研磨布紙の取付け及
び取外し
研磨布紙の取付け及び取外しの円滑さ及び確実さを試験する。
2
B 6545-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
試験項目
試験方法
9
ブラシ装置
機能の円滑さ及び確実さを試験する。
10
安全装置
作業者に対する安全機能及び機械防護機能の確実さを試験する（JIS B 6507参照）。
11
潤滑装置
油密，油量の適正な配分など，機能の確実さを試験する。
12
附属装置
機能の確実さを試験する。
備考 その機能をもたないドラムサンダでは，表1中のこれに該当する試験項目を省略する。
3. 運転試験方法
3.1
無負荷運転試験 ドラムを回転させ，30〜60分間運転を継続して軸受温度が安定した後，所要電力
及び騒音を測定し，表2の記録様式1に規定する各項について記録するとともに，異常振動がないことを
感触によって観察する。
なお，騒音の測定は，JIS B 6521による。
表2 記録様式1
備考1. ドラム回転速度の変速装置があるものは，最大回転速度を含む少なくとも2条件の回転速度について記録
する。
2. 騒音測定条件は，記事欄に記録する。
3.2
負荷運転試験 試験材の研削を行い，所要電力及び騒音を測定し，表3の記録様式2に規定する各
項について記録するとともに，異常振動がないこと及び研削面の状態を感触によって観察する。
所要電力の測定は，送り速度を一定とし，切込み深さを変えるか，又は切込み深さを一定とし，送り速
度を変えて試験を行う。
なお，騒音の測定は，JIS B 6521による。
表3 記録様式2
注(2) JIS R 6251及びJIS R 6252の表示方法による。
(3) ドラムとテーブルとの間隔の変化で表す。
(4) ドラムの回転方向の欄には，図1によって記号を記載する。
図1 ドラムの回転方向
備考 騒音測定条件は，記事欄に記録する。
3
B 6545-1991
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4. 剛性試験方法 ドラムサンダの剛性試験は，表4による。
表4 剛性試験
番号
試験項目
測定方法
測定方法図
1
ドラムとテーブル
との総合剛性
テーブルに固定したテストイン
ジケータをドラムの中央部に当
てて，ドラムとテーブルとの間
に，垂直方向の荷重 (P) を加え
て(5)，ドラムとテーブルとの間
の相対変位を測定する。
注(5) 荷重を加える位置は，できるだけドラムの中央とし，そのドラム固定端からの距離を記
録する。
備考1. 同一設計の機械の剛性試験は，代表的な1台について行った試験結果で代表させ，他
のものについては省略してもよい。
2. 荷重 (P) の大きさは，製造業者が推奨する値とし，その値を記録する。
3. この測定は，ドラムを回転させ，軸受温度が安定した後に行う。
5. 精度検査方法
5.1
静的精度検査 ドラムサンダの静的精度検査は，表5による。
表5 静的精度検査
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
ドラムの有効長さ
1 400
以下
1 400を
超えるも
の
1
ドラムの円筒度
軸を含み，互いに直角な二つの平
面内においてそれぞれ測定した
ドラム(6)の直径の最大差のうち，
大きい値を測定値とする。
この測定箇所は，ドラムの少なく
とも中央及び両端(7)の3か所以
上とする。
0.04
0.06
2
ドラムの振れ
ドラム(6)の外周面にテストイン
ジケータを当てて，ドラムを手動
で回転し，回転中におけるテスト
インジケータの読みの最大差を
測定値とする。
この測定は，ドラムの中央及び両
端(7)の3か所について行う。
0.04
0.06
3
送りロールの円筒
度
軸を含み，互いに直角な二つの平
面内においてそれぞれ測定した
送りロールの直径の最大差のう
ち，大きい値を測定値とする。
この測定箇所は，送りロールの少
なくとも中央及び両端(7)の3か
所以上とする。
0.05
0.07
4
B 6545-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
ドラムの有効長さ
1 400
以下
1 400を
超えるも
の
4
送りロールの振れ 送りロールの外周面にテストイ
ンジケータを当てて，送りロール
を手動で回転し，回転中における
テストインジケータの読みの最
大差を測定値とする。
この測定は，送りロールの中央及
び両端(7)の3か所について行う。
0.05
0.07
5
テーブル上面の真
直度
テーブル上面の送り方向に対し
て直角方向及び対角線上に直定
規を置き，すきまをすきまゲージ
で測定し，その最大値を測定値と
する。
1 000について
0.03
6
テーブル
上下運動
の平行度
前後方向 テーブル上面の送り方向と平行
に精密水準器を置き，下降位置か
ら約30mm上昇させ，その間に
おける精密水準器の読みの最大
差を測定値とする。
0.03/m
左右方向 テーブル上面の送り方向と直角
に精密水準器を置き，下降位置か
ら約30mm上昇させ，その間に
おける精密水準器の読みの最大
差を測定値とする。
0.03/m
注(6) ドラムにフェルト，フォームラバーなどのクッション体を取り付けるものは，取り付ける前に測定を行う。
(7) “だれ”の部分を避けて測定する。
備考 その機能をもたないドラムサンダでは，表5中のこれに該当する検査項目を省略する。
5.2
動的精度検査 ドラムサンダの動的精度検査は，表6による。
表6 動的精度検査
単位mm/s
番号
検査項目
測定方法
許容値
1
ドラムの釣合い良
さ
釣合い試験機で不釣合いの大きさを測定し，ド
ラムの質量から比不釣合いの大きさを求め，回
転速度から釣合い良さ (B) を計算する(8)。
55
.9en
B=
ここに，e：比不釣合いの大きさ (mm)
n：回転速度 (r/min {rpm})
6.3
注(8) 2面釣合わせとする（JIS B 0905参照）。
参考 番号1の許容値は，JIS B 0905における釣合い良さの等級G 6.3である。
5
B 6545-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 工作精度検査方法 ドラムサンダの工作精度検査は，表7による。
表7 工作精度検査
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
ドラムの有効長さ
1 400
以下
1 400を
超えるも
の
1
厚さの精
度
厚さ規正
を目的と
する機種
研削できる最大幅にほぼ等しい
幅をもつ試験材を研削し，測定点
(9)の厚さを外側マイクロメータ
で測定し，その最大差を測定値と
する。
0.08
0.10
厚さ規正
を目的と
しない機
種
測定点(9)の厚さを外側マイクロ
メータで測定した試験材を研削
できる最大幅に並べて研削し，研
削後の測定点の厚さを外側マイ
クロメータで測定し，その最大差
を研削前の最大差から引いた値
を測定値とする。
マイナスであって
はならない。
注(9) 測定点は，測定方法図による。
備考1. その機能をもたないドラムサンダでは，表7中のこれに該当する検査項目を省略する。
2. 試験材は，あらかじめ必要な前加工を行う。
3. 研磨布紙は，製造業者が推奨するものとする。
関連規格 JIS B 6501 木材加工機械の試験方法通則
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6
B 6545-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS原案作成委員会委員 構成表
氏名
所属
（委員長）
林 大九郎
東京農業大学農学部
木 下 敍 幸
林野庁森林総合研究所
伊佐山 建 志
通商産業省機械情報産業局
吉 田 藤 夫
工業技術院標準部
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
可 西 忠 雄
ユアサ建材工業株式会社
田 中 哲 郎
ホクヨープライウッド株式会社
小田嶋 輝 夫
日本合板工業組合連合会
櫻 井 昭
開成産業株式会社
大 友 静 正
株式会社ウロコ製作所
川 端 宗 之
株式会社菊川鉄工所
高 井 正 弘
株式会社太平製作所
大 川 勝
橋本電機工業株式会社企画室
正 木 康 夫
南機械株式会社製造部
坂 本 晋 一
株式会社名南製作所
村 上 勝
社団法人全国木工機械工業会
（事務局）
雨 宮 礼 一
社団法人全国木工機械工業会業務部技術課
佐久間 章 雄
社団法人全国木工機械工業会業務部業務課