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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6512-1989 

リッパの試験及び検査方法 

Test Methods for Performance and  

Accuracy of Rip Saws 

1. 適用範囲 この規格は,木材加工に使用する丸のこの直径が200mm以上560mm以下のJIS B 0114(木

材加工機械の名称に関する用語)の番号6141に規定するリッパの機能,運転性能及び剛性に関する試験方

法並びに静的精度及び工作精度の検査方法について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

引用規格及び関連規格:5ページに示す。 

2. 機能試験方法 リッパの機能試験は,表1による。 

表1 機能試験 

番号 

試験項目 

試験方法 

電気装置 

運転試験の前後に,各1回絶縁状態を試験する。 

主軸の始動,停止及び運転
操作 

適当な一つの主軸回転速度で,始動及び停止を連続10回行い,作動の円滑さ及び確
実さを試験する。 

主軸回転速度の変換操作 

表示のすべての回転速度について主軸回転速度を変換し,操作装置の作動の円滑さ
及び指示の確実さを試験する。 

送材装置の始動,停止及び
運転操作 

適当な一つの送り速度で,始動及び停止を連続10回行い,作動の円滑さ及び確実さ
を試験する。 

送り速度の変換操作 

表示のすべての送り速度,無段変速式のものは最低,中間及び最高の三つの送り速
度について速度を変換し,操作装置の作動の円滑さ及び指示の確実さを試験する。 

手送りの操作 

手送りハンドルによって,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験し,
また,微動手送りハンドルを数回回転し,円滑さ及び均一さを試験する。 

主軸の昇降及び締付けの
操作と自動停止の操作 

主軸を昇降させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験し,動きの
両端及び中央において,締付けの確実さ及び締付装置の作動の円滑さを試験する。
また,動きの両端において,自動停止装置の作動の円滑さ及び確実さを試験する。 

丸のこの取付け及び取外
し 

丸のこの取付け,取外し及び締付けねじの確実さ及び円滑さを試験する。 

加圧装置 

機能の円滑さ及び確実さを試験する。 

10 

安全装置 

作業者に対する安全機能及び機械防護機能の確実さを試験する[JIS B 6507(木材加
工機械の安全通則)及びJIS B 6600(リッパ及びギャングリッパの構造の安全基準)
参照]。 

11 

潤滑装置 

油密,油量の適正な配分など,機能の確実さを試験する。 

12 

油圧装置 

油密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。 

13 

空気圧装置 

気密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。 

14 

附属装置 

機能の確実さを試験する。 

備考 その機能をもたないリッパでは,表1中のこれに該当する試験項目を省略する。 

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B 6512-1989  

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3. 運転試験方法 

3.1 

無負荷運転試験 主軸を回転させ,30〜60分間運転を継続して軸受温度が安定した後,所要電力及

び騒音を測定し,表2記録様式1に規定する各項について記録するとともに,異常振動がないことを感触

によって観察する。 

なお,騒音の測定は,JIS B 6521(木材加工機械の騒音測定方法)による。 

表2 記録様式1 

備考1. 主軸回転速度の変速装置があるものは,最大回転速度を含む少なくとも2水準の回転速度につい

て記録する。 

2. 騒音測定条件については,記事欄に記録する。 

3.2 

負荷運転試験 試験材の切削を行い,所要電力及び騒音を測定し,表3記録様式2に規定する各項

について記録するとともに,異常振動がないこと及び切削面の状態を感触によって観察する。 

所要電力の測定は,送り速度を一定とし,試験材の厚さを変えるか,又は試験材の厚さを一定とし,送

り速度を変えて試験を行う。 

表3 記録様式2 

備考1. 試験材の切削方向,ひき道幅及び騒音測定条件については,記事欄に記録する。 

2. 歯形は,図示して主要寸法を記入する。 

4. 剛性試験方法 リッパの剛性試験は,表4による。 

表4 剛性試験 

番号 

試験項目 

測定方法 

測定方法図 

主軸系の
曲げ剛性 

定置したテストインジケータを
主軸の先端部(側面)に当てて,
主軸に垂直方向に互いに向き合
った荷重 (P) を加えて(1),主軸
のたわみを測定する。 
この測定は,垂直及び水平方向
のそれぞれについて行う。 

注(1) 荷重を加える位置は,できるだけ主軸端に近い位置とし,その主軸端からの距

離を記録する。 

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B 6512-1989  

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備考1. 同一設計の機械の剛性試験は,代表的な1台について行った試験結果で代表さ

せ,他のものについては省略してもよい。 

2. 荷重 (P) の大きさについては,製造業者の推奨する荷重 (P) を加えて行い,

その荷重 (P) を記録する。 

3. この測定は,主軸を回転させ,軸受温度が安定した後に行う。 

5. 静的精度検査方法 リッパの静的精度検査は,表5による。 

表5 静的精度検査 

単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

主軸の振
れ 

丸のこ取付部の外周面にテストイ
ンジケータを当てて,主軸を手動で
回転し,回転中におけるテストイン
ジケータの読みの最大差を測定値
とする。 

0.02 

主軸の軸
方向の動
き 

主軸の先端にテストインジケータ
を当てて,主軸を軸方向に揺すり
(2),テストインジケータの読みの最
大差を測定値とする。 

0.03 

フランジ
面の振れ 

フランジ面にテストインジケータ
を当てて,主軸を手動で回転し,回
転中におけるテストインジケータ
の読みの最大差を測定値とする。 

直径100
について 

0.02 

フランジ
面とキャ
タピラ上
面との直
角度 

フランジ面にテストプレート(3)を
取り付け,キャタピラ上面に直定規
を置き,その上に直角定規を立て,
テストプレート面に当てて,すきま
をすきまゲージで測定し,その最大
値を測定値とする(4)。 

100につ
いて 

0.04 

定規面の
真直度 

定規面上に直定規(5)を対角線上に
置き,すきまをすきまゲージで測定
し,その最大値を測定値とする。 

300につ
いて 

0.03 

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単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

送りロー
ルの振れ 

ロールの中央及び両端にテストイ
ンジケータを当てて,ロールを手動
で回転し,回転中におけるテストイ
ンジケータの読みの最大差を測定
値とする。 

0.05 

送りロー
ル間の平
行度 

隣接するロール軸両端の間隔をノ
ギスで測定し,読みの差の最大値を
測定値とする。 

0.10 

主軸中心
線とキャ
タピラ走
行方向と
の直角度
(6) 

キャタピラ上面に円筒ブロックを
立て,主軸に固定したテストインジ
ケータをこれに当てて測定し,その
ままキャタピラを移動して同様の
測定を行い,テストインジケータの
読みの最大差を測定値とする(7)。 

200につ
いて 

0.02 

主軸の上
下運動と
キャタピ
ラ上面と
の直角度 

キャタピラ上面に直定規を置き,そ
の上に直角定規を立て,主軸に固定
したテストインジケータをこれに
当てて,主軸を下降位置から上昇さ
せ,上昇中のテストインジケータの
読みの最大差を測定値とする(5)。 

100につ
いて 

0.04 

注(2) 軸方向に揺する力は,約150N{約15kgf}とする。 

(3) テストプレートの大きさについては検査に支障がない大きさとし,その真直度の許容値につい

ては,

+

000

100

007

.0

L

mmとする。ただし,Lはテストプレートの直径 (mm) を表す。 

(4) この測定は,フランジ面の振れの影響が最も少ない位置に直角定規を当てて行う。 
(5) 測定距離が基準より小さい場合には,測定の許容値の数値を距離に比例させて換算する。 
(6) この測定は,主軸がテーブル上面にないものには適用しない。 
(7) 読みを取る際は,しゅう動部を固く締める。 

備考 その機能をもたないリッパでは,表5中のこれに該当する検査項目を省略する。 

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6. 工作精度検査方法 リッパの工作精度検査は,表6による。 

表6 工作精度検査 

単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

切削面の
真直度 

試験材のこば面(8)を切削した
後,切削面に直定規を当てて,
その全長にわたり,すきまをす
きまゲージで測定し,その最大
値を測定値とする。 

500につ
いて 

0.05 

切削面の
直角度 

試験材の一面を切削し,その面
をキャタピラ上面に置き,隣接
する他の一面を切削し,その切
削面に直角定規を当てて,すき
まをすきまゲージで測定する。 
この測定は,試験材の中央及び
両端の3か所で行い,その最大
値を測定値とする。 

50につ
いて 

0.05 

注(8) 幅が狭い材面。 
備考 試験材は,あらかじめ必要な前加工をする。 

引用規格: 

JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語 

JIS B 6507 木材加工機械の安全通則 

JIS B 6521 木材加工機械の騒音測定方法 

JIS B 6600 リッパ及びギャングリッパの構造の安全基準 

関連規格:JIS B 6501 木材加工機械の試験方法通則 

JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

B 6512-1989  

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木材加工機械関係JIS原案作成委員会 構成法 

氏名 

所属 

(委員長) 

福 井   尚 

東京農業大学農学部 

木 下 敍 幸 

農林水産省林野庁林業試験場 

中 田 哲 雄 

通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月まで) 

桑 原 茂 樹 

通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月から) 

鈴 木 茂 光 

工業技術院標準部 

喜多山   繁 

東京農工大学農学部 

池 田 順 一 

財団法人日本規格協会 

久保田 光 秋 

マルクワ家具株式会社 

佐 藤   久 

社団法人全国家具工業連合会 

神 馬 光 廣 

株式会社神馬木工場 

相 川 敏 正 

全国建具組合連合会 

児 玉   実 

木材加工技術コンサルタント 

谷 野 八 郎 

庄田鉄工株式会社 

川 端 宗 之 

株式会社菊川鉄工所 

後 藤 英 夫 

株式会社東洋鉄工所 

墨 岡   勇 

株式会社平安鉄工所 

植 田 千 秋 

株式会社丸仲鐵工所 

名 取 平 二 

宮川工機株式会社 

村 上   勝 

社団法人全国木工機械工業会 

(事務局) 

佐久間 章 雄 

社団法人全国木工機械工業会