2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 6510-1989
面取り盤の試験及び検査方法
Test Methods for Performance and Accuracy of
Spindle Moulding Machines
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 0114(木材加工機械の名称に関する用語)の番号6321に規定する単軸
面取り盤及び番号6322に規定する複軸面取り盤(以下,これらを総称して面取り盤という。)のうち,単
軸面取り盤については有効切削高さが100mm以下の面取り盤,複軸面取り盤については有効切削高さが
100mm以下で主軸センタ間の距離が100mm以上680mm以下の面取り盤の機能,運転性能及び剛性に関す
る試験方法並びに静的精度及び工作精度の検査方法について規定する。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
引用規格,対応国際規格及び関連規格:5ページに示す。
2. 機能試験方法 面取り盤の機能試験は,表1による。
表1 機能試験
番
号
試験項目
試験方法
1
電気装置
運転試験の前後に,各1回絶縁状態を試験する。
2
主軸の始動,停止及び運転
操作
適当な一つの主軸回転速度で,始動及び停止を連続10回行い,作動の円滑さ及
び確実さを試験する。
3
主軸回転速度の変換操作
表示のすべての回転速度について主軸回転速度を変換し,操作装置の作動の円滑
さ及び指示の確実さを試験する。
4
手送りの操作
手送りハンドルによって,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験
し,また,微動手送りハンドルを数回回転し,円滑さ及び均一さを試験する。
5
主軸の昇降及び締付けの操
作と自動停止装置の操作
主軸を昇降させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験し,動き
の両端及び中央において,締付けの確実さ及び締付装置の作動の円滑さを試験す
る。
また,動きの両端において,自動停止装置の作動の円滑さ及び確実さを試験する。
6
テーブルの昇降及び締付け
の操作
テーブルを昇降させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験す
る。また,動きの両端及び中央において,締付けの確実さ及び締付装置の作動の
円滑さを試験する。
7
カッタの取付け及び取外し カッタの取付け,取外し及び締付けねじの確実さ及び円滑さを試験する。
8
安全装置
作業者に対する安全機能及び機械防護機能の確実さを試験する[JIS B 6507(木
材加工機械の安全通則)及びJIS B 6602(面取り盤の構造の安全基準)参照]。
9
潤滑装置
油密,油量の適正な配分など,機能の確実さを試験する。
10
油圧装置
油密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。
2
B 6510-1989
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番
号
試験項目
試験方法
11
空気圧装置
気密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。
12
附属装置
機能の確実さを試験する。
備考 その機能をもたない面取り盤では,表1中のこれに該当する試験項目を省略する。
3. 運転試験方法
3.1
無負荷運転試験 主軸を回転させ,30〜60分間運転を継続して軸受温度が安定した後,所要電力及
び騒音を測定し,表2記録様式1に規定する各項について記録するとともに,異常振動がないことを感触
によって観察する。
なお,騒音の測定は,JIS B 6521(木材加工機械の騒音測定方法)による。
表2 記録様式1
備考1. 単軸面取り盤については,記録様式1の左欄に記録する。
2. 主軸回転速度の変速装置があるものは,最大回転速度を含む少なくとも2水準の回転速度について記録する。
3. 騒音測定条件については,記事欄に記録する。
3.2
負荷運転試験 試験材の切削を行い,所要電力及び騒音を測定し,表3記録様式2に規定する各項
について記録するとともに,異常振動がないこと及び切削面の状態を感触によって観察する。
所要電力の測定は,送り速度を一定とし,切込み深さを変えるか,又は切込み深さを一定とし,送り速
度を変えて試験を行う。
表3 記録様式2
備考1. 単軸面取り盤についての所要電力は,記録様式2の左欄に記録する。
2. 試験材の切削方向及び騒音測定条件については,記事欄に記録する。
3. 刃形は,図示して主要寸法を記入する。
4. 手動のものについては,所要電力は測定しなくてよい。
3
B 6510-1989
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4. 剛性試験方法 面取り盤の剛性試験は,表4による。
表4 剛性試験
番号
試験項目
測定方法
測定方法図
1
主軸系の
曲げ剛性
定置したテストインジケータを主軸の先端部(側
面)に当てて,主軸に水平方向に互いに向き合っ
た荷重(P)を加えて(1),主軸のたわみを測定する。
この測定は,左右及び前後方向のそれぞれについ
て行う。
注(1) 荷重を加える位置は,できるだけ主軸端に近い位置とし,その主軸端からの距離を記録する。
備考1. 同一設計の機械の剛性試験は,代表的な1台について行った試験結果で代表させ,他のものについては省略
してもよい。
2. 荷重(P)の大きさについては,製造業者の推奨する荷重(P)を加えて行い,その荷重(P)を記録する。
3. この測定は,主軸を回転させ,軸受温度が安定した後に行う。
5. 静的精度検査方法 面取り盤の静的精度検査は,表5による。
表5 静的精度検査
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
1
テーブル
上面の真
直度
テーブル上面に1 000mmの直定規(2)を対角線上
に置き,すきまをすきまゲージで測定し,その最
大値を測定値とする。
1000に
ついて
0.10
2
主軸の振
れ
主軸台を最上部に固定し(3),カッタ取付部の外周
面にテストインジケータを当てて,主軸を手動で
回転し,回転中におけるテストインジケータの読
みの最大差を測定値とする。
テーブル
上面から
100の位
置で
0.03
3
主軸フラ
ンジ端面
の振れ
主軸フランジ端面にテストインジケータを当て
て,主軸を手動で回転し,回転中におけるテスト
インジケータの読みの最大差を測定値とする。
0.02
4
定規
面の
真直
度(4)
右
定
規
定規面上に直定規を対角線上に置き,すきまをす
きまゲージで測定し,その最大値を測定値とする。
300につ
いて
0.04
左
定
規
300につ
いて
0.04
両
定
規
直定規を左右定規にまたがるように対角線上に置
き,すきまをすきまゲージで測定し,その最大値
を測定値とする。
500につ
いて
0.10
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
5
定規面と
テーブル
上面との
直角度
直角定規をテーブル上面に立て,これを定規面に
当てて,すきまをすきまゲージで測定し,その最
大値を測定値とする。
100につ
いて
0.05
6
定規板面
の平行度
(4)
右定規板面を削り代2mmの状態とし,直定規を
左右方向に当てて,右定規板面とのすきまをすき
まゲージで測定し,その最大差を測定値とする。
200につ
いて
0.05
7
テー
ブル
上面
と主
軸の
上下
運動
との
直角
度
左
右
方
向
テーブル上面に直角定規(5)を立て,主軸に固定し
たテストインジケータをこれに当てて,主軸を上
下に移動させ,テストインジケータの読みの最大
差を測定値とする(6)。
100につ
いて
0.05
前
後
方
向
100につ
いて
0.05
8
主軸
中心
線と
テー
ブル
上面
との
直角
度
左
右
方
向
直定規をテーブル上面の左右及び前後方向に置
き,主軸台を最上部に固定し(3),主軸に固定した
テストインジケータをこれに当てて,180°振り回
し,テストインジケータの読みの最大差を測定値
とする(6)。
振り回し
直径300
について
0.08
前
後
方
向
振り回し
直径300
について
0.08
9
主軸に対
する案内
リングの
同軸度
主軸台を最上部に固定し(3),主軸に固定したテス
トインジケータを,案内リング用溝内周に当てて,
これを360°振り回し,テストインジケータの読
みの最大差の21を測定値とする。
0.05
5
B 6510-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
10
主軸の軸
方向の動
き
テーブル上面にテストインジケータを定置し,主
軸端面をこれに当てて,主軸を軸方向に揺すり
(7),テストインジケータの読みの最大差を測定値
とする。
0.04
注(2) 測定距離が基準より小さい場合には,測定の許容値の数値を距離に比例させて換算する。
(3) テーブルを上下するものでは,テーブルを最下部に固定して測定する。
(4) 定規が木製のものは,適用しない。
(5) 直角定規は,テーブルの左右又は前後の中央に置く。
(6) 読みを取る際は,ひざを固く締める。
(7) 軸方向に揺する力は,約150N{約15kgf}とする。
備考 その機能をもたない面取り盤では,表5中のこれに該当する試験項目を省略する。
6. 工作精度検査方法 面取り盤の工作精度検査は,表6による。
表6 工作精度検査
単位 mm
番号
検査項目
測定方法
測定方法図
許容値
1
切削こば
面の真直
度
カッタ取付部に平形直角カッタを取り付け,試験
材のこば面を定規に当てて切削し,削り取り残部
の幅部分に直定規を当てて,その全長にわたりす
きまをすきまゲージで測定し,その最大値を測定
値とする。
300につ
いて
0.10
2
厚さの精
度
上記試験材の削り取り残部の高さをノギスで測定
する。
この測定は,試験材の中央及び両端の3か所で行
い,その最大差を測定値とする。
0.10
備考 試験材は,あらかじめ必要な前加工を行う。
引用規格:
JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語
JIS B 6507 木材加工機械の安全通則
JIS B 6521 木材加工機械の騒音測定方法
JIS B 6602 面取り盤の構造の安全基準
6
B 6510-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
対応国際規格:
ISO 7009 Woodworking machines−Single spindle moulding machines−Nomenclature and
acceptance conditions
関連規格:JIS B 6501 木材加工機械の試験方法通則
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
7
B 6510-1989
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
木材加工機械関係JIS原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
福 井 尚
東京農業大学農学部
木 下 敍 幸
農林水産省林野庁林業試験場
中 田 哲 雄
通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月まで)
桑 原 茂 樹
通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月から)
鈴 木 茂 光
工業技術院標準部
喜多山 繁
東京農工大学農学部
池 田 順 一
財団法人日本規格協会
久保田 光 秋
マルクワ家具株式会社
佐 藤 久
社団法人全国家具工業連合会
神 馬 光 廣
株式会社神馬木工場
相 川 敏 正
全国建具組合連合会
児 玉 実
木材加工技術コンサルタント
谷 野 八 郎
庄田鉄工株式会社
川 端 宗 之
株式会社菊川鉄工所
後 藤 英 夫
株式会社東洋鉄工所
墨 岡 勇
株式会社平安鉄工所
植 田 千 秋
株式会社丸仲鐵工所
名 取 平 二
宮川工機株式会社
村 上 勝
社団法人全国木工機械工業会
(事務局)
佐久間 章 雄
社団法人全国木工機械工業会