日本工業規格
JIS
B
6471
-1987
型鍛造プレス用ダイブロック
Die Blocks for Closed
−Die Press Forging
1.
適用範囲 この規格は,型鍛造プレスに使用するダイブロック(以下,ダイブロックという。)につい
て規定する。ただし,圧延で製造されたもの及び機械加工前の状態にあるものは含まない。
引用規格:
JIS B 7507
ノギス
JIS B 7516
金属製直尺
JIS B 7518
デプスゲージ
JIS B 7526
直角定規
JIS B 7724
ブリネル硬さ試験機
JIS B 7727
ショアかたさ試験機
JIS G 4404
合金工具鋼鋼材
JIS Z 2243
ブリネル硬さ試験方法
JIS Z 2246
ショア硬さ試験方法
JIS Z 2344
金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法
2.
用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次による。
(1)
角の丸み 各面が形成する角の丸み。
(2)
くぼみ 硬さ試験に際し,脱炭層を除去するために生じたくぼみ。
3.
形状・寸法 ダイブロックの形状及び寸法は表 1 により,高さ (H) ,幅 (W) 及び長さ (L) の組合せ
によって 88 種類とする。寸法の許容差は
表 2 による。
2
B 6471-1987
表 1 ダイブロックの形状及び寸法
単位 mm
長さ (L)
高さ 幅
(H)
(W)
225 225 265 285 305 325
345
365
385
405
425
455
485
505 535 555 605
655
145 205
○
○
155 155
○
○
155 205
○
○
165 155
○
165 165
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
165 185
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
165 205
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
165 225
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
165 255
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
165 305
○
175 205
○
185 185
○
185 205
○
8
2
○
8
5
○
185 305
○
195 325
○
195 385
○
0
5
○
○
○
205 305
○
○
○
○
○
表 2 寸法の許容差
単位 mm
寸法
(表 1 の H, W, L)
高さ
(H)
幅
(W)
長さ
(L)
145
以上 385 以下
+3
0
+3
0
+3
0
385
を超え 655 以下
−
−
+5
0
3
B 6471-1987
4.
品質
4.1
外観 ダイブロックの機械加工を施した 6 面には,割れなど使用上有害な欠陥があってはならない。
4.2
面の精度 ダイブロックの面の精度は,表 3 による。
表 3 ダイブロックの面の精度
単位 mm
角の丸み
直角度
平行度
くぼみ
3
以下
3
以下
1
以下
3
以下
4.3
硬さ ダイブロックの型彫面の硬さは,表 4 による。
表 4 ダイブロックの型彫面の硬さ
分類記号
ショア硬さ (HS)
ブリネル硬さ (HB)
A 50
∼55 341∼381
B 55
∼60 381∼419
C 60
∼65 419∼458
備考 HS, HB については,受渡し当事者間の協定によっ
ていずれか一方を使用する。
4.4
健全性 ダイブロックの内部の健全性は,6.5 の試験を行ったとき,使用上有害な欠陥があってはな
らない。
5.
材料 ダイブロックの材料は,JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)に規定する SKD 61,SKD 62 及び SKT 4,
又はこれと同等以上の性能をもつものとする。
6.
試験
6.1
直角度の測定 直角度の測定は各面ごとに行う。直角度は図 1 に示すように 2 面が成すりょう(稜)
の長さをほぼ等分する 2 点以上の位置において l を測定し,そのうちの最大値 (lmax) を測定値とする。こ
の l は,JIS B 7526(直角定規)に規定する直角定規,又は JIS B 7516(金属製直尺)に規定する直尺を用
いて測定する。
図 1 直角度の測定
6.2
平行度の測定 平行度は,型彫面とその反対面との四隅における厚さを JIS B 7507(ノギス)に規
定するノギスを用いて測定し,測定値中の最大値と最小値との差を測定値とする。
6.3
くぼみの測定 くぼみは,JIS B 7518(デプスゲージ)に規定するデプスゲージ又は,それ以上の性
能を有するものを用いて測定する。
4
B 6471-1987
6.4
硬さ試験 硬さ試験は,熱処理を完了した時点で図 2 に示す測定位置において JIS B 7727(ショア
かたさ試験機)に規定する試験機を用いて JIS Z 2246(ショア硬さ試験方法)に規定する試験方法,又は
JIS B 7724
(ブリネル硬さ試験機)に規定する試験機を用いて JIS Z 2243(ブリネル硬さ試験方法)に規定
する試験方法によって行う。
図 2 硬さ試験
6.5
超音波探傷試験 超音波探傷試験は,JIS Z 2344(金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方
法)に規定する試験方法によって型彫面を全面にわたって探傷する。
7.
検査 ダイブロックの検査は,次の項目について全数検査を行い,3.及び 4.の規定に適合しなければ
ならない。
(1)
形状・寸法
(2)
外観
(3)
面の精度
(4)
硬さ
(5)
健全性
8.
製品の呼び方 ダイブロックの呼び方は,規格番号又は規格名称,寸法 (H×W×L) 及び材料の種類
の記号とする。
例: JIS B 6471 205×305×405 SKD 61
型鍛造プレス用ダイブロック 205×305×405 SKD 61
9.
表示 ダイブロックには,次の事項を表示する。
(1)
寸法
(2)
材料の種類の記号
(3)
硬さ分類記号
(4)
製造業者名又はその略号
(5)
製造番号
(6)
型彫面
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B 6471-1987
工作機械部会ダイブロック専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
工 藤 英 明
横浜国立大学
篠 崎 吉太郎
機械技術研究所
古 林 英 一
金属材料技術研究所
吹 訳 正 憲
通商産業省機械情報産業局
森 田 昭 三
工業技術院標準部
長 屋 文 雄
財団法人鍛造技術研究所
江 川 満 夫
第一鍛造株式会社
榛 澤 千 尋
理研鍛造株式会社
飯 塚 忠 雄
飯塚鉄工株式会社
小 島 久 義
日産自動車株式会社
成 瀬 安 秀
トヨタ自動車株式会社
長 山 五 郎
新日本鍛工株式会社
泉 田 和 輝
関東特殊製鋼株式会社
吉 田 勝 彦
日立金属株式会社
望 月 俊 男
三菱製鋼株式会社
宮 野 滋
住友金属工業株式会社
大 木 武 博
大同特殊鋼株式会社
佐 藤 克 郎
日本鋳鍛鋼会
(事務局)
篠 崎 和 紀
工業技術院標準部機械規格課
佐 野 浩 一
工業技術院標準部機械規格課