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B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 危険源のリスト ················································································································ 4 

5 安全要求事項及び/又はその方策 ························································································ 4 

6 使用上の情報 ··················································································································· 5 

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本工作機器工業会(JMAA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6150:2015 

(ISO 16156:2004) 

工作機械の安全性−工作物把握用チャックの 

設計及び構造に関する安全要求事項 

Machine-tools safety-Safety requirements for the design and  

construction of work holding chucks 

序文 

この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 16156を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,工作物把握用チャックの危険源を取り除く又は危険源を制限するための要求事項及び/又

は方策について規定する。 

この規格は,箇条4に掲げるチャック及びその構成部品に関連する全ての危険源に適用する。 

この要求事項は,工作物把握用チャックの設計者,製造業者,販売業者及び輸入業者に関係する。 

この規格は,製造業者が使用者に提供しなければならない情報も含んでいる。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 16156:2004,Machine-tools safety−Safety requirements for the design and construction of work 

holding chucks(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0905 回転機械−剛性ロータの釣合い良さ 

注記 対応国際規格:ISO 1940-1,Mechanical vibration−Balance quality requirements for rotors in a 

constant (rigid) state−Part 1: Specification and verification of balance tolerances 

JIS B 6006-1 工作機械−ツーピースジョー付自己求心チャックの寸法及び静的精度検査−第1部:ク

ロスキー形手動チャック 

注記 対応国際規格:ISO 3442-1,Machine tools−Dimensions and geometric tests for self-centring 

chucks with two-piece jaws−Part 1: Manually operated chucks with tongue and groove type jaws 

JIS B 6006-2 工作機械−ツーピースジョー付自己求心チャックの寸法及び静的精度検査−第2部:ク

ロスキー形パワーチャック 

注記 対応国際規格:ISO 3442-2,Machine tools−Dimensions and geometric tests for self-centring 

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

chucks with two-piece jaws−Part 2: Power-operated chucks with tongue and groove type jaws 

JIS B 6006-3 工作機械−ツーピースジョー付自己求心チャックの寸法及び静的精度検査−第3部:セ

レーション形パワーチャック 

注記 対応国際規格:ISO 3442-3,Machine tools−Dimensions and geometric tests for self-centring 

chucks with two-piece jaws−Part 3: Power-operated chucks with serrated jaws 

JIS B 6152 工作機械−ワンピースジョー付自己求心手動チャックの検査条件 

注記 対応国際規格:ISO 3089,Machine tools−Test conditions for self-centring, manually operated 

chucks with one-piece jaws 

JIS B 8361 油圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 4413,Hydraulic fluid power−General rules and safety requirements for systems 

and their components 

JIS B 8370 空気圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 4414,Pneumatic fluid power−General rules and safety requirements for 

systems and their components 

JIS B 9700 機械類の安全性−設計のための一般原則−リスクアセスメント及びリスク低減 

注記 対応国際規格:ISO 12100:2010,Safety of machinery−General principles for design−Risk 

assessment and risk reduction 

EN 1005-2,Safety of machinery−Human physical performance−Part 2: Manual handling of machinery and 

component parts of machinery 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

工作物把握用チャック(work holding chuck) 

工作物を保持する可動爪をもつ締付け装置(以下,チャックという。)。 

注記 チャックによっては,溝を設けたものもある。 

3.2 

手動チャック(manually operated chuck) 

手動操作によって工作物を把握するチャック。 

3.3 

パワーチャック(power-operated chuck) 

空圧,油圧又は電気的エネルギーによって工作物を把握するチャック。 

3.4 

遠心力補償チャック(centrifugally compensated chuck) 

遠心力による把握力損失を補償できるシステムをもつチャック。 

3.5 

ベースジョー(base jaw) 

トップジョーを取り付けるチャックの半径方向に動く部品。 

注記 マスタジョーと呼ぶこともある。 

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.6 

トップジョー(top jaw) 

ベースジョーに取り付ける,工作物を把握するための部品。 

3.7 

把握力(clamping force) 

チャックのそれぞれのジョーによって工作物に加える半径方向の力の総和。 

3.8 

静的把握力(static clamping force) 

回転する前のチャックの把握力。 

3.9 

最大静的把握力(maximum static clamping force) 

特定の設計によるチャックに対し,許容できる最大の入力(又はトルク)を入力したときに得られる最

大の把握力。 

3.10 

動的把握力(dynamic clamping force) 

チャックが回転しているときの実際の把握力。 

3.11 

チャック用シリンダ(clamping cylinder) 

空圧又は油圧によってチャックを作動させるシリンダ。 

3.12 

遠心力(centrifugal force) 

回転によって,チャックの回転軸から半径方向に遠ざかるように動かそうとする,全ての部品に発生す

る力。 

注記 遠心力(Fc)の単位は,ニュートン(N)で表す。 

2

2

2

c

30

=

=

=

n

mr

r

mv

mr

F

π

ω

ここに, 

m: 可動部分(通常は,ジョー)の質量(kg) 

r: 回転中心からの可動部分(通常は,ジョー)の重心まで

の距離(m) 

ω: 可動部分(通常は,ジョー)の重心の角速度(rad/sec) 

ν: 可動部分(通常は,ジョー)の重心の周速度(m/sec) 

n: 回転速度(min−1) 

3.13 

入力(input force) 

チャックの機構を作動させるために外部から加える力。 

3.14 

(入力)トルク(input torque) 

チャックの機構を作動させるために外部から加えるトルク。 

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.15 

回転バランス(rotational balance) 

回転軸に対して全ての質量の平衡状態(回転軸中心と重心との間の距離は,アンバランスの原因となる。)。 

3.16 

最大回転速度,nmax(maximum rotational speed) 

製造業者の指示に従って,標準の爪を使用したときの,チャックの毎分当たりの最大回転数(6.2参照)。 

3.17 

作業回転速度,nw(working rotational speed) 

作業時の加工条件下での毎分当たりの回転数(最大回転速度以下)。 

危険源のリスト 

重要危険源は,次による。 

− 押しつぶし 

− 巻込み 

− 引込み/捕捉 

− 衝撃 

− 任意の交換部品又は可動部品の飛出し 

安全要求事項及び/又はその方策 

5.1 

一般 

危険源にさらされる人を保護するために,チャックの設計・製造に際しては,次のa)〜d)に示す適切な

方策を講じなければならない。 

a) チャック及びその適切な作動をさせる設備(例えば,シリンダ)は,要求事項に適合するものでなけ

ればならない(6.1.9参照)。 

b) 釣合い良さの等級Gは,製造業者の使用説明書に従って提供しなければならない(JIS B 0905参照)。 

c) チャックのベースジョーは,遠心力によって放出されるのを(例えば,ロックピンによって)確実に

防がなければならない[JIS B 9700の3.28.7(機械的拘束装置)参照]。 

d) 質量が20 kgを超えるチャックは,その取扱いの方策[例えば,つ(吊)りタップ]を備えていなけ

ればならない(6.1.1参照)。 

検証は,関係する図面,検査及び形式証明書の確認による。 

5.2 

特別要求事項 

遠心力が補償されているチャックについては,nmaxは,製造業者が定めなければならない。 

遠心力が補償されていないチャックについては,nmaxは,製造業者の製造する標準ジョー(例えば,ハ

ードトップジョー)をベースジョーの定められた旋回半径に取り付けたとき,計算上の遠心力による損失

が実測の静的把握力の67 %に相当する回転速度を超えてはならない。 

検証は,関係する技術文書の確認による。 

5.2.1 

パワーチャック 

パワーチャック又はチャックの作動装置(シリンダ)は,把握力が有効に発生していることを保証する

装置を備えていなければならない(例えば,ストロークエンド前のストロークセンサ)。 

アクチュエータ又はシリンダへのエネルギー供給が中断しても,製造業者が定める時間,圧力を維持す

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る機器(例えば,チェックバルブ)を備えていなければならない(JIS B 8361及びJIS B 8370参照)。 

検証は,関係する図面の確認及び/又は検査による。 

5.2.2 

チャックレンチ及び同様の器具 

手動でジョーを固定する又は手動で締め付ける全ての種類のチャックレンチ又は同様の器具は,回転す

るチャックに残らないように設計しなければならない。レンチ,同様の器具又はそれらをチャック内部に

位置させる部分は,自己離脱するようにばねで加圧されているか,又はチャックに挿入されているときは

(インタロックによって)主軸の回転を防がなければならない。 

検証は,関係するチャック又はレンチの図面及び/又は回路図及び試験報告書の確認による。 

5.2.3 

溝付チャック 

チャック外周に開放された溝をもつチャックは,ストッパ,釣合いおもり又は同様の器具が遠心力によ

って溝から飛び出すのを防ぐための安全装置(例えば,ピン)を備えていなければならない。 

検証は,関係する適切な図面の確認及び/又は検査による。 

使用上の情報 

6.1 

一般 

次の情報は,取扱説明書に記載しなければならない{JIS B 9700の6.4(使用上の情報)及び特に6.4.5

[附属文書(特に,取扱説明書)]を参照}。 

6.1.1 

チャックの適切な使用のための安全の手引で,取扱方法(EN 1005-2を参照),機能,最大回転速

度 nmax,寸法,調整方法,取付部品,許容把握範囲及び作動手段の圧力又は力を含む。 

6.1.2 

加工作業に対するチャックの適合性を使用者が評価できるようにするための把握力の決定方法。 

6.1.3 

使用者が回転中の動的把握力を決定できるようにするための標準ジョー(例えば,ハードトップジ

ョー)を装着した状態でチャックが回転しているときの把握力変化の情報。 

6.1.4 

最大半径及び最大回転速度におけるジョー又はトップジョーの最大許容質量。 

6.1.5 

最高回転速度における標準ジョー(例えば,ハードトップジョー)の重心とチャックの回転軸との

距離。 

6.1.6 

特殊ジョーにおける把握力の決定方法。 

6.1.7 

給油及び静的把握力の確認の間隔を含むメンテナンスのための手引。 

6.1.8 

JIS B 6006-1,JIS B 6006-2,JIS B 6006-3及びJIS B 6152による構成部品の互換性情報。 

6.1.9 

チャックとそれを作動させる装置との間の接続において,満足されなければならない条件の記述。 

6.1.10 チャック質量の情報(kgで表示)。 

6.1.11 チャック及びその附属品の規格に対する適合性。 

検証は,使用の手引の確認による。 

6.2 

作業者のための手引 

次の情報は,製造業者の取扱説明書に含めなければならない。 

a) 危険源は,箇条5に規定する要求事項に適合したとしても,工作物自体及びチャックを装着している

機械本体からも発生する場合がある。したがって,使用者は,危険源の発生を取り除くために,工作

物の特性(例えば,寸法,質量,形状)及び機械の使用条件(例えば,運転速度,送り速度,切込み

量)を考慮しなければならない。 

b) 指定された加工を行うための最大許容速度は,必要とされる把握力を基礎に使用者が決定しなければ

ならない。この最大許容速度は,チャックの最大回転速度を超えてはならない。 

B 6150:2015 (ISO 16156:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 特殊なトップジョーについて,使用者は,製造業者から提供される取扱説明書に記載の方法に従って,

そのチャックの動的把握力を計算しなければならない。 

d) メンテナンスの手引に従ってメンテナンス状況を確認するために,静的把握力測定器を定期的に用い

なければならない。 

e) 十分な回転の釣合い良さを達成できない場合には,残留リスクがある場合がある。 

f) 

特定のチャックに過度な力が加えられるのを防ぐために,機械本体からチャックに加えられる力を小

さくしてもよい。 

検証は,使用の手引に基づいて確認する。 

6.3 

表示 

チャック,トップジョー及びシリンダには,次の表示をしなければならない。また,トップジョーを取

り付けることでチャックの性能に影響を与える場合には,そのトップジョーに別に表示しなければならな

い。 

表示は,明瞭で,消すことができないものであり,また,次のデータが含まれていなければならない。 

6.3.1 

チャック 

− 製造業者の名称又は商標 

− 形式名称又はシリアル番号 

− 最大許容入力又は最大許容入力トルク 

− チャックが新品の状態,かつ,製造業者の指示に従い給油された状態で,最大入力(又はトルク)

が供給されたときに測定した最大静的把握力 

− 最大回転速度,nmax 

検証は,検査による。 

6.3.2 

トップジョー 

− 製造業者の名称又は商標 

− 形式名称又はシリアル番号 

検証は,検査による。 

6.3.3 

チャック用シリンダ 

− 製造業者の名称又は商標 

− 形式名称又はシリアル番号 

− 最大回転速度,nmax 

− 最大操作力又は最大供給力の入力/出力(圧力) 

検証は,検査による。