B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 寸法······························································································································· 2
3.1 一般 ···························································································································· 2
3.2 中空テーパシャンク−A形······························································································· 2
3.3 中空テーパシャンク−C形······························································································· 4
4 設計······························································································································· 7
4.1 データチップ用穴 ·········································································································· 7
4.2 オリエンテーション用ノッチ ··························································································· 7
4.3 クランプ力 ··················································································································· 7
4.4 手動クランプ用穴 ·········································································································· 7
5 表示······························································································································· 7
附属書A(規定)逃げ詳細 ····································································································· 9
附属書B(参考)使用推奨条件 ······························································································ 10
B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
工作機器工業会(JMAA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS B 6064-1:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 6064の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 6064-1 第1部:中空テーパシャンク−寸法
JIS B 6064-2 第2部:主軸端−寸法
JIS B 6064-3 第3部:静止工具用中空テーパシャンク−寸法
JIS B 6064-4 第4部:静止工具用主軸端−寸法
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日本工業規格 JIS
B 6064-1:2013
(ISO 12164-1:2001)
2面拘束形中空テーパシャンク及び主軸端−
第1部:中空テーパシャンク−寸法
Hollow taper interface with flange contact surface-
Part 1: Shanks-Dimensions
序文
この規格は,2001年に第1版として発行されたISO 12164-1を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,工作機械(例えば,ターニングセンタ,マシニングセンタ,研削盤)に適用する2面拘束
形中空テーパシャンク(以下,中空テーパシャンクという。)の寸法について規定する。シャンクの大きさ
の範囲についても規定する。
この規格は,二つの形式の中空テーパシャンクについて規定する。A形は,自動工具交換用のV溝が付
いたフランジである。この中空テーパシャンクは,手動で交換することもできる。C形は,フランジにV
溝がなく,手動だけで交換する。A形及びC形の中空テーパシャンク部にある穴を使って手動でクランプ
できる。
トルクは,摩擦だけでなく,キーを介してシャンク端に伝達する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 12164-1:2001,Hollow taper interface with flange contact surface−Part 1: Shanks−Dimensions
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0021 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
注記 対応国際規格:ISO 1101,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−
Tolerances of form, orientation, location and run-out(MOD)
JIS B 0028 製図−寸法及び公差の表示方式−円すい
注記 対応国際規格:ISO 3040,Technical drawings−Dimensioning and tolerancing−Cones(MOD)
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
2
B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
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注記 対応国際規格:ISO 2768-1,General tolerances−Part 1: Tolerances for linear and angular
dimensions without individual tolerance indications(IDT)
3
寸法
3.1
一般
中空テーパシャンクの寸法は,A形については図1,表1及び附属書Aに,C形については図2,表1
及び附属書Aに規定する。バランス修正用穴及びバランス修正用平面の寸法,並びに望ましいバランス修
正領域の詳細は,附属書Bに示す。図1及び図2に規定していない細部の寸法は,適宜決める。形状,姿
勢,位置及び振れの公差の表示方式は,JIS B 0021による。円すいの寸法及び公差の表示方式は,JIS B 0028
による。規定していない公差は,JIS B 0405の公差等級“m”とする。
3.2
中空テーパシャンク−A形
中空テーパシャンク−A形の形状・寸法は,図1,表1及び附属書Aによる。
3
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単位 mm
表面粗さの単位 μm
図1−中空テーパシャンク−A形の形状
4
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1:切れ刃g)
2:データチップ用穴h)
3:切削油用パイプi)
4:逃げ(附属書A参照)
注a) 穴入り口 C0.5(最小)面取り
b) 又は,C0.3
c) ラップ仕上げ
d) 仕上げ旋削
e) 90°
f) r3の範囲
g) 右勝手バイトの切れ刃位置
h) オプション
i) 切削油用パイプは,切削油の漏れがなく,自動調心が可能で,僅かな力で角度±1°の範囲で動くようにするの
が望ましい。
j) データムA,B-Bで作られた座標系に対する角度を表す。
k) h1:データム軸直線Aからの(データムA,Bによって確立された直交座標系の)X軸方向の距離
l) h2:データム軸直線Aからの(データムA,Bによって確立された直交座標系の)Y軸方向の距離
m) h2:データム軸直線Aからの(データムA,Bによって確立された直交座標系の)X軸方向の距離
図1−中空テーパシャンク−A形の形状(続き)
3.3
中空テーパシャンク−C形
中空テーパシャンク−C形の形状・寸法は,図2,表1及び附属書Aによる。
l 9
5
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規定していない寸法は,図1参照。
1:切れ刃b)
注a) クランプ穴位置の印(拡大図)
b) 右勝手バイトの切れ刃位置
図2−中空テーパシャンク−C形の形状
6
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表1−中空テーパシャンク−A形及びC形の寸法
単位 mm
呼び寸法
32
40
50
63
80
100
125
160
b1 ±0.04
7.05
8.05
10.54
12.54
16.04
20.02
25.02
30.02
b2 H10
7
9
12
16
18
20
25
32
b3 H10
9
11
14
18
20
22
28
36
d1 h10
32
40
50
63
80
100
125
160
d2
24.007
30.007
38.009
48.010
60.012
75.013
95.016
120.016
d3 H10
17
21
26
34
42
53
67
85
d4 H11
20.5
25.5
32
40
50
63
80
100
d5
19
23
29
37
46
58
73
92
d6 (最大)
4.2
5
6.8
8.4
10.2
12
14
16
d7
1.00
−
17.4
21.8
26.6
34.5
42.5
53.8
−
−
d8
4
4.6
6
7.5
8.5
12
−
−
d9 (最大)
26
34
42
53
68
88
111
144
d10
1.00
−
26.5
34.8
43
55
70
92
117
152
d11
1.00
−
37
45
59.3
72.3
88.8
109.75
134.75
169.75
d12
4
4
7
7
7
7
7
7
d13 f8
6
8
10
12
14
16
18
20
d14
3.5
5
6.4
8
10
12
14
16
d15
M10×1
M12×1
M16×1
M18×1
M20×1.5
M24×1.5
M30×1.5
M35×1.5
e1
8.82
11
13.88
17.99
21.94
27.37
35.37
44.32
e2
0
05
.0
−
10.2
12.88
16.26
20.87
25.82
32.25
41.25
52.2
f1
1.00
−
20
20
26
26
26
29
29
31
f2 (最小)
35
35
42
42
42
45
45
47
f3 ±0.1
16
16
18
18
18
20
20
22
f4
15
.0
0
+
2
2
3.75
3.75
3.75
3.75
3.75
3.75
f5
10
10
12.5
12.5
16
16
−
−
h1
0
2.0
−
13
17
21
26.5
34
44
55.5
72
h2
0
3.0
−
9.5
12
15.5
20
25
31.5
39.5
50
h3
2.0
0
+
5.4
5.2
5.1
5
4.9
4.9
4.8
4.8
l1
0
2.0
−
16
20
25
32
40
50
63
80
l2
3.2
4
5
6.3
8
10
12.5
16
l3
2.0
0
+
5
6
7.5
10
12
15
19
23
l4
2.0
0
+
3
3.5
4.5
6
8
10
12
16
l5 JS10
8.92
11.42
14.13
18.13
22.85
28.56
36.27
45.98
l6
0
1.0
−
8
8
10
10
12.5
12.5
16
16
l7
3.0
0
+
0.8
0.8
1
1
1.5
1.5
2
2
l8 ±0.1
5
6
7.5
9
12
15
−
−
l9
03.0
−
6
8
10
12
14
16
18
20
l10
20
21.5
23
24.5
26
28
30
32
l11
2.5
2.5
3
3
3
3
3.5
3.5
l12
12
12
19
21
22
24
24
24
r1
0.6
0.8
1
1.2
1.6
2
2.5
3.2
r2
02.0
−
1
1
1.5
1.5
2
2
2.5
2.5
7
B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−中空テーパシャンク−A形及びC形の寸法(続き)
単位 mm
呼び寸法
32
40
50
63
80
100
125
160
r3 a) ±0.05
1.38
1.88
2.38
2.88
3.88
4.88
5.88
7.88
r4
4
5
6
8
10
12
16
20
r5
0.4
0.4
0.5
0.6
0.8
1
1.2
1.6
r6
0.5
1
1.5
1.5
2
2
−
−
r7
1
1
1
1.5
1.5
1.5
1.5
1.5
r8
2
2
2
3
3
3
3
3
r9 b)
3.5
4.5
6
8
9
10
5
5
t
0.002
0.002
0.002 5
0.003
0.004
0.004
0.005
0.005
逃げc)
0.2×0.1
0.4×0.2
0.6×0.2
0.6×0.2
1×0.2
1×0.2
1.6×0.3
1.6×0.3
Oリングd)
16×1
18.77×1.78 21.89×2.62 29.82×2.62 36.09×3.53 47.6×3.53
−
−
注a) r3はb1に接する。
b) r9は,b2とb3とに適用する。
c) 附属書A参照。
d) Oリングの必要性は,使用するクランプ装置による(Oリングは,クランプ装置に附属しない。)。
4
設計
4.1
データチップ用穴
データチップ用穴のない設計を標準とする。
データチップ用穴付きの設計をオプションとする。
4.2
オリエンテーション用ノッチ
ノッチ付きの設計を標準とする。
ノッチのない設計をオプションとする。
4.3
クランプ力
クランプ装置は,中空部を弾性変形させることによって,シャンク部をレシーバのテーパ穴に当て,か
つ,主軸端面とシャンクフランジ面との接触を確実にするのに十分なクランプ力を供給しなければならな
い。結合部のトルク伝達能力は,クランプ力の大きさによって決まる。
A形及びC形の中空テーパシャンクのクランプ力に関する指針は,附属書B参照。
4.4
手動クランプ用穴
手動クランプ用穴の付いた中空テーパシャンクの設計を標準とする。
手動クランプ用穴のない中空テーパシャンクの設計をオプションとする。
5
表示
この規格に従った中空テーパシャンク(HSK)の表示は,次による。
a) “中空テーパシャンク”
b) この規格の規格番号:JIS B 6064-1
c) “HSK”
d) 形式:A又はC
e) 呼び寸法,mm
例1 A形で呼び寸法50 mmの自動及び手動工具交換用中空テーパシャンク(HSK)の表示は,次に
8
B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
よる。
中空テーパシャンク JIS B 6064-1-HSK-A 50
例2 C形で呼び寸法50 mmの手動工具交換用中空テーパシャンク(HSK)の表示は,次による。
中空テーパシャンク JIS B 6064-1-HSK-C 50
9
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附属書A
(規定)
逃げ詳細
図A.1は,逃げの形状(図1の4参照)を示す。
逃げの寸法は,表A.1による。
ds=テーパシャンク直径
図A.1−逃げの形状
表A.1−逃げの寸法
単位 mm
r
t1
1.00
+
f
g≒
t2
05
.00
+
0.2
0.1
1
0.9
0.1
0.4
0.2
2
1.1
0.1
0.6
0.2
2
1.4
0.1
1
0.2
2.5
1.8
0.1
1.6
0.3
4
3.1
0.2
この規格に基づいた逃げの表示は,次による。
a) “逃げ”
b) 半径,r,mm
c) 深さ,t1,mm
例 半径r=0.6 mm,深さt1=0.2 mmの逃げの表示は,次による。
逃げ 0.6×0.2
10
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附属書B
(参考)
使用推奨条件
B.1
クランプ力
中空テーパシャンク及び主軸端の公差が本体に規定した範囲内で変わるとき,フランジ面に作用するク
ランプ力の割合は変化する。ただし,表B.1に示した力でクランプすると,フランジ面に作用する割合は
75 %以上になる。フランジ面に作用するクランプ力の大きさは,テーパ結合部のトルク伝達能力及び剛性
を決定する。
表B.1に示したクランプ力は,中空テーパシャンク−A形及びC形だけに適用する。
表B.1−推奨クランプ力
呼び寸法
mm
32
40
50
63
80
100
125
160
クランプ力 kN
5
6.8
11
18
28
45
70
115
軽負荷(例えば,仕上げ削りのような力)が作用する場合には,クランプ力は低くても十分であるが,
高負荷(例えば,重切削における力)が作用する場合には,より高いクランプ力が必要になる。
B.2
回転速度,トルク,曲げモーメント及び剛性に関する情報
製造業者は,許容できる回転速度,トルク伝達能力,曲げモーメント及び剛性に関する情報を提供する
のが望ましい。
B.3
材料及び熱処理に関する情報
中空テーパシャンクは,必要条件である強度,硬度,肌焼き深さ(そうでない場合は,ずぶ焼入れ),強
度及び摩耗を考慮して熱処理するのが望ましい。
B.4
バランス修正
工具又は装置をシャンクに組み付ける前に中空テーパシャンクのバランスを修正する必要がある場合に
は,図B.1及び表B.2に示す平面,及び図B.2及び表B.3に示す穴を使ってバランスを修正することがで
きる。
注記 バランス修正用平面は,オリエンテーション用ノッチの補正専用である。データチップ用穴の
バランス修正は,考慮していない。
工具又は装置をシャンクに組み付けた後にバランスを修正する必要がある場合には,図B.3に示すバラ
ンス修正領域でバランスを修正するのが望ましい。
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B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注a) α:データムA,Bによって確立された直交座標系からの角度
図B.1−バランス修正用平面の形状
表B.2−バランス修正用平面の寸法
単位 mm
呼び寸法
32
40
50
63
80
100
125
160
b4
6
6
6
6
6
8
8
8
l13
4
4
4
4
4
4
4
4
t1
1.2
1.3
1.6
1.7
2.6
2.8
3.8
5.6
α
45°
45°
45°
45°
45°
45°
45°
45°
図B.2−バランス修正用穴の形状
12
B 6064-1:2013 (ISO 12164-1:2001)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.3−バランス修正用穴の寸法
単位 mm
呼び寸法
32
40
50
63
80
100
125
160
d16
6.8
8
11
14
16
16
18
20
l14
−
−
−
−
−
−
15
19
t2
2.8
2.5
2.7
2.7
3
5.2
8.8
10.5
1:望ましいバランス修正領域
図B.3−バランス修正領域