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B 6016-2 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによってJIS B 6016 : 1990は廃止され,JIS B 6016-1及びJIS B 6016-2に置き換

えられる。 

今回の制定は,旧JIS B 6016 : 1990に対応する国際規格であるISO 5169,Machine tools−Presentation of 

lubrication instructions及びISO 5170,Machine tools−Lubrication systemsとの整合のため,それぞれに対応

するものとしてJIS B 6016-1(工作機械−潤滑指示図の表示方法)とJIS B 6016-2(工作機械−潤滑システ

ム)とに分割したものである。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 6016-2には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 潤滑システムの分類 

附属書2(規定) 集中潤滑方式の回路図 

附属書3(参考) 潤滑油の使用方法及び供給方式 

附属書4(参考) 潤滑回路用図記号 

附属書5(参考) 潤滑回路用図記号の組合せ表示例 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6016-2 : 1998 

工作機械−潤滑システム 

Machine tools−Lubrication systems 

序文 この規格は,1977年に第1版として発行されたISO 5170, Machine tools−Lubrication systemsを翻訳

し,対応する部分については,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際

規格にはない規定内容を追加した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある部分は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は 

− 工作機械の各種潤滑システムの分類 

− 構成要素に関する仕様 

− 制御及び監視方法 

− システム配置の実施 

− システムの保守 

について規定する。 

この規格は,潤滑方式を合理化する観点から,工作機械の製造業者及び使用者への指針を与えることを

目的としている。 

この規格は,他の一般機械にも適用できる。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 5170 : 1977 Machine tools−Lubrication systems 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの規格は,記載の発効年又は発行年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その

後の改正版・追補は適用しない。 

JIS B 0202 : 1982 管用平行ねじ 

JIS B 0203 : 1982 管用テーパねじ 

JIS B 0205 : 1982 メートル並目ねじ 

JIS B 0207 : 1982 メートル細目ねじ 

JIS B 1575 : 1994 グリースニップル 

JIS B 6016-1 : 1998 工作機械−潤滑指示図の表示方法 

備考 ISO 5169 : 1977 Machine tools−Presentation of lubrication instructionsからの引用事項は,この

規格の該当事項と同等である。 

JIS B 0125 油圧及び空気圧用図記号 

備考 ISO 1219 : 1976 Fluid power-systems and components−Graphic symbolsからの引用事項は,こ

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の規格の該当事項と同等である。 

ISO/TR 3498 : 1986 Lubricants, industrial oils and related products (class L)−Recommendations for the 

choice of lubricants for machine tools 

3. 定義 

3.1 

潤滑箇所 接触面を潤滑するために,潤滑油を供給する箇所。 

3.2 

作業箇所 一般に,潤滑システムの正常な運転ができるように,外部からの作業を行うことが望ま

しい潤滑システムの任意の箇所。 

例えば,潤滑油の補給(ニップル,タンクなど),レバーの操作。 

4. 潤滑方法[附属書2(規定)参照] 

4.1 

全損方式 潤滑油を潤滑点に供給し,使用後それを廃棄する方式。 

4.2 

循環方式 潤滑油を潤滑点に供給し,使用後それを再使用するため油タンクに戻す方式。 

4.3 

静圧方式 運動又は静止している二面間に外部から圧力をかけて液体を導入することによって,こ

れらの表面を分離する液体潤滑方式。 

5. システムの種類[附属書1(規定)参照] 

5.1 

個別潤滑 個別潤滑は,手持ち器具によって行う潤滑方式。 

個別潤滑は,簡単な機械や潤滑点がわずか10か所程度で,ほぼ50時間の間隔で潤滑が必要な機械に使

用できる。 

5.2 

集中方式 集中方式は,機械の2か所以上の潤滑点が共通の供給源からの同じ潤滑油を使用する方

式。集中方式は,特に機械が大量生産に用いられる場合,機械が複雑又は高価な場合に適用できる。 

集中方式は, 

a) 手動操作 

b) ポンプが手動で操作される半自動操作 

c) 全自動操作 

であってもよい。 

5.2.1 

抵抗式 抵抗式システムでは,分配する潤滑油の量は圧力及びオリフィスの大きさに比例する。 

5.2.2 

単管式 単管式システムでは,潤滑油を直接間欠圧力又は遅延間欠圧力のもとで単一の管路を通っ

てインゼクタに送り,各潤滑点に供給する。主管路は,潤滑油吐出後圧抜きするのが単管式の特性である。

これは計量分配器の作動のために必要である。 

5.2.3 

複管式 複管式システムでは,計量分配器を間隔をおいて接続した二つの主管のそれぞれに方向制

御弁を介して潤滑油を交互に強制供給する。計量分配器は主管内で交互に起こる潤滑油圧力の上昇と下降

とによって作動し,計量された潤滑油を潤滑点に供給する。 

5.2.4 

多系統式 多系統式システムでは,一つのポンプの複数の吐出口から計量された量だけ潤滑油を供

給する。それぞれの管は各吐出口からそれぞれの潤滑点まで通じる。 

5.2.5 

進行プランジャ式 この種のシステムでは,あらかじめ決められた順序で圧力によって作動する計

量分配器によって,潤滑油の量を潤滑点に供給する。 

5.2.6 

オイルミスト/エアゾル式 この種のシステムでは,潤滑油の微粒子を中央点で作って空気流に浮

遊させ潤滑点に管で送る。ここで特に設計された装置によってオイルミストを有効油分に還元する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2.7 

併用式 機械の設計によって必要があれば,上記の各種方式の併用が可能である。 

6. 構成部品の仕様 

6.1 

給油ニップル及び個別潤滑機器 給油ニップルは,携帯形ポンプによる直接噴射式,できれば油圧

式とする。給油ニップル及び個別潤滑機器は,ISO規格,JIS B 0202,JIS B 0203,JIS B 0205,JIS B 0207

又はJIS B 1575に規定するねじ穴に締め込まなければならない。 

6.2 

タンク 

6.2.1 

油タンク 

6.2.1.1 

タンクは,常に次の容量をもつものとする。 

a) 全損方式では,最低50作業時間は再補給を必要としない容量。 

b) 循環方式では,最低1 000作業時間はドレン抜き及び清掃を必要としない容量。 

タンクは,システムで用いられる総油量が入り,潤滑油を冷却するための装置(すなわち,熱交換器)

を取り付けなくても過度の発生熱を放散するのに十分な容量をもつものでなければならない。 

タンクには,正常運転時の最低及び最高液面及び全タンク容量を明確に表示しなければならない。 

6.2.1.2 

0.5lを超える容量をもったすべてのタンクには,タンクの実際の液面が常に最高から最低液面ま

で容易に点検できるように,可視液面計を取り付けなければならない。 

6.2.1.3 

自動集中全損方式では,最低液面の警報信号制御が必要である。 

6.2.1.4 

循環方式では,潤滑油が許容液面以下に下がったときは,機械の運転を停止する手段を講じなけ

ればならない(6.8.4参照)。 

6.2.1.5 

3lを超える容量をもったタンクは,すべての給油口に,十分に細かいが速やかに補給できるよう

な潤滑油の粘度に合った適当な大きさのメッシュストレーナを取り付けなければならない。また,異物の

侵入を防ぐためにキャップを取り付けなければならない。通気口は備えなければならないが,キャップ又

はカバーがその代わりとなってもよい。 

6.2.1.6 

給油口のキャップは誤って外れることのないもので,紛失防止のための対策を講じなければなら

ない。 

6.2.1.7 

3lを超える容量のすべてのタンクは,迅速に完全なドレン抜きができ,誤って外れることのない

ドレンプラグをもたなければならない。ねじは,ISO規格,JIS B 0202,JIS B 0203,JIS B 0205又はJIS B 

0207に規定するものを使用する。 

6.2.1.8 

内面の保護被覆は,潤滑油に適合したものとする。 

6.2.1.9 

タンクには,内部の清掃と保守ができるように開口部を設ける。 

6.2.1.10 循環方式のタンクでは,管端部は最低許容液面以下に沈めなければならない。さらに,吸入管と

戻り管の端部は,泡立ちや乳化の影響を最小にするためにできるだけ離さなければならない。 

6.2.1.11 電気加熱器を備えている場合は,発熱体表面の定格は通常12.5kW/m2を超えてはならない。 

6.2.2 

グリースタンク 

6.2.2.1 

グリースタンクは,ポンプに確実にグリースを送り込むことができる装置を備えていなければな

らない。 

6.2.2.2 

タンクは,補給中に空気が抜けるような手段を講じなければならない。 

6.2.2.3 

0.5lを超える容量をもったすべてのタンクは,タンクの実際の液面が常に最高から最低液面まで

容易に点検できるように設計しなければならない。 

6.2.2.4 

タンクとポンプとは一体で取り付けなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.2.5 

自動方式は潤滑油液面の下限を指示するために警報信号をもっていなければならない。 

6.2.2.6 

給油口のキャップは,誤って外れることのないもので,その紛失防止のための対策を講じなけれ

ばならない。 

フィルタの接続部にはメッシュストレーナを組み込み,その装置は速やかな給油ができなければならな

い。 

6.2.2.7 

大形タンクは排油及び内部清掃のための適当な設備をもつよう設計しなければならない。 

6.2.2.8 

内面の保護被覆は,潤滑油に適合したものとする。 

6.3 

ポンプ 

6.3.1 

ポンプには,次の駆動方式がある。 

− 電気式 

− 空気圧式 

− 油圧式 

− 機械式 

− 手動式 

6.3.2 

ポンプは単ピストン若しくは多ピストン形,歯車形,ベーン形,又はねじ形のものでもよい。 

6.3.3 

ポンプの回転方向,吐出口及び吸入口は明確に表示しなければならない。 

6.3.4 

ポンプには,次の事項を示す銘板をちょう(貼)付する。 

− 製造業者名 

− 形式名又は形式番号 

− 製造番号(できる場合) 

6.4 

配管 フレキシブル管又は硬質管を用いてもよいが,次の特徴をもつものでなければならない。 

6.4.1 

フレキシブル管 

6.4.1.1 

フレキシブル管は,潤滑油に対して化学的に不活性でなければならない。 

6.4.1.2 

フレキシブル管は,システムの最大使用圧力に適した機械的強度をもたなければならない。 

6.4.1.3 

フレキシブル管は,潤滑回路を変えることなく,突発的な過圧(例えば,サージ圧)に耐えるも

のでなければならない。 

6.4.2 

硬質管 

6.4.2.1 

硬質管は,酸化被膜の付かない鋼,プラスチック材料又はその他の適切な材料とする。 

6.4.2.2 

管が熱源にさらされる場所には,亜鉛めっき管の使用を避けなければならない。さらに,管が活

性又は遊離硫黄を含む切削油と接触している場所には,銅管の使用を避けなければならない。 

6.4.2.3 

グリース用管の内径は,主管は4mm未満,枝管は3mm未満とする。 

6.4.3 

オイルミスト/エアゾル式 オイルミスト/エアゾル式の場合,すべての管は,滑らかな内壁と断

面積の増減しない管継手とする。 

6.5 

管継手 

6.5.1 

管継手は,用いる方式,圧力及び管の種類に適したものとする。 

6.5.2 

ねじは,ISO規格,JIS B 0202,JIS B 0203,JIS B 0205又はJIS B 0207に規定するものとする。 

6.6 

フィルタ 

6.6.1 

方式の種類に関係なく,潤滑油は工作機械又はシステムの構成部品を損傷するおそれのある不純物

を含まないものとする。 

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6.6.2 

循環方式の場合,タンク内の潤滑油の汚染を防ぐためフィルタ装置(ポンプの吐出口にストレーナ

又は装置)を取り付ける。より厳密に汚染を防ぐために,タンクには,遠心分離装置のための接続口を設

けることが望ましい。 

6.6.3 

フィルタは不純物を通してはならない。したがって,フィルタの目詰まりを表示する手段を講じな

ければならない。 

6.7 

計量分配器 潤滑油の定格吐出量,又は調整可能形の場合は容量形装置による各ストロークで供給

される最大吐出量を装置に表示しなければならない。 

6.8 

制御及び安全装置 

6.8.1 

制御方式には, 

− 連続方式 

− 加工サイクルと関係なくプログラムされた間欠方式 

− 加工サイクルに関連させた周期的間欠方式 

がある。 

6.8.2 

各方式は,潤滑システムの異常圧力を表示する制御装置を取り付けなければならない。 

6.8.3 

必要があれば,システムのその他の故障を表示し,故障を局部に止める装置を取り付けてもよい。

これは,重要な機械で故障時間が長くて費用のかかる機械に特に適用する。 

6.8.4 

必要があれば,機械,工具及び作業者の重大な損傷を避けるために,故障の表示があったとき機械

を停止する手段を講じてもよい。 

6.8.5 

潤滑システムで用いられる圧力計は,緩衝器付き又は液体封入形のものとする。 

6.9 

電動機及び電気装置 電動機及びすべての電気装置は,IEC規格又は日本工業規格による。 

7. システム構成部品−レイアウトの実施 

7.1 

潤滑システム 

7.1.1 

システム設計では,切削油と潤滑システムとを完全に分離しなければならない。 

7.1.2 

油圧システムと潤滑システムは,選択した油が両方に適しているときにだけ組み合わせて使用する

ことができるが,この場合は不純物の除去の注意が必要である。 

7.2 

給油ニップル及び個別潤滑機器 

7.2.1 

これらは容易に近付くことのできる位置に置かなければならない。 

7.2.2 

同じ潤滑油を供給する潤滑箇所は容易に近付くことのできる共通のブロックに取り付けることが

便利であり,作業面から500mm以上1 200mmの間に配置することが望ましい。 

7.2.3 

灯心潤滑,滴下潤滑,その他の特殊な潤滑機器の使用はできる限り避けなければならない。 

7.3 

タンク 

7.3.1 

手動で補給するタンクの給油口は,容易に近付くことのできる位置にあり,作業面から500mm以

上1 200mmの間に配置することが望ましい。 

7.3.2 

ドレンプラグは,容易に近付くことができ,タンクから完全に,かつ容易に油抜きができるもので

なければならない。 

内部清掃のための開口部がある場合は,それに容易に近付くことができるものでなければならない。 

7.3.3 

液面計は,給油作業者に見えるところに取り付けなければならない。 

7.3.4 

タンクにグリースを補給するために,適当なストレーナを取り付けた補給ポンプの使用を強く推奨

する。 

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7.4 

ポンプ 

7.4.1 

ポンプは,タンクの内側又は外側に取り付けてもよいが,適切に保護され調整及び保守のために容

易に近付くことができなければならない。 

7.4.2 

手動ポンプは,容易に操作できる位置に配置する。 

7.5 

配管 

7.5.1 

配管は,適切に締め付け,保護し,他の機械構成部品への近付きの妨げになったり,近付けなくな

らないように配置する。 

7.5.2 

管路は,内部圧力以外による応力を受けてはならず,また大形システム構成部品の支持に用いては

ならない。 

7.5.3 

管の開口端は,すべて貯蔵,運搬及び組立中は適切に覆いをして密封し,運転開始前に完全に清掃

しなければならない。 

シール剤の使用は避けなければならない。 

7.5.4 

管路は,圧力損失が制限されたり,流れの過度の拘束がないように配置する。 

7.5.5 

循環方式では,戻り管路は送り管路より大きな適切な断面積をもつものとする。 

7.5.6 

オイルミスト/エアゾル式では,すべての主管路は,タンクに向けてこう(勾)配をつけ,管内に

潤滑油がたまらないように設置する。そのために,例えば,配管の一番低い箇所に約1mmのドリル穴を

あけるなどの手段を講じなければならない。 

フレキシブル管を使用する場合は,下方にたわませてはならない。 

7.5.7 

可能な場合はいつでも,管路の鋭い曲がりは避けなければならない。 

7.5.8 

フレキシブル管は,どのような過度のねじり応力も避けられるように設置しなければならない。 

7.6 

管継手 すべての管継手は,容易に近付くことができるように配置しなければならない。 

7.7 

フィルタ 

7.7.1 

すべてのフィルタは,容易に近付くことができるように配置しなければならない。 

7.7.2 

フィルタは,空気の停滞を防ぐように取り付けなければならない。 

7.7.3 

グリースストレーナは,ポンプの供給側に取り付けることが望ましい。 

7.8 

計量分配器 

7.8.1 

計量分配器の各吐出口は,オイルミスト/エアゾル式の場合を除いて,一つの潤滑箇所だけに接続

しなければならない。 

7.8.2 

計量分配器は,潤滑箇所のできるだけ近くに配置する。 

7.8.3 

調整可能形計量分配器は,容易に近付くことができる位置に配置する。 

7.9 

制御及び安全装置 

7.9.1 

圧力計,液面計,流量計などのすべての可視表示器は,作業者が容易に見える位置に配置する。 

7.9.2 

抵抗式計量分配器を取り付けた循環方式では,可視流量計を取り付けることが望ましい。 

7.10 作業箇所 すべての作業箇所には,JIS B 6016-1に従った適当な銘板を付けることが望ましい。 

8. 潤滑剤 

8.1 

潤滑剤は,工作機械製造業者がISO/TR 3498又はJIS B 6016-1の附属書2から選択する。 

8.2 

工作機械製造業者は,冷却液,切削油剤及び潤滑油の偶然の混入を避けるため特別な注意が必要で

ある。 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 潤滑作業者の安全 すべての作業箇所は,容易に近付くことができ,傷害を起こさないように配置し

なければならない。 

10. 工作機械製造業者が提供する文書 

10.1 構成部品表並びに製造業者又は供給業者の部品番号及び仕様の詳細 

10.2 JIS B 6016-1に従った潤滑指示図及び時間当たりに使用する潤滑油量の詳細 

10.3 6.8.1に規定するシステム運転方法 

10.4 潤滑システムの運転及び保守の取扱説明書 

11. 試験及び受取りシステム 試験及び受取りシステムは, 

− この規格 

− 規定された性能特性 

− 安全規格 

− 供給業者と購入者との間で同意した特別な必要条件 

に適合したものとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 潤滑システムの分類 

この附属書1(規定)は,規格本体の5.で規定する潤滑システムの分類について,図の形に整理し規定

するものである。 

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B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定) 集中潤滑方式の回路図(1) 

この附属書2(規定)は,集中潤滑方式の回路図の表し方について,回路図の例を用いて,規定するも

のである。 

全損方式 

循環方式 
















記号 

A 潤滑油タンクを 

  もったポンプ 

B 潤滑箇所 

C 絞り 

D 単管式計量分配器 

E 逃し管 

F 圧力管 

G 逃し弁 

H 主管 

K 送り管 

L 方向制御弁4/2 

M 圧縮空気管 

N 補助送り管 

O オイルミスト潤滑装置 

P 進行プランジャ計量分配器 

R 戻り管 

S 複管式計量分配器 

V コンデンサ 

注(1) これらの回路図は例として示してある。 

background image

10 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

名称 

文字記号 

図記号 

ISO 1219参照 

詳細 

簡略 

絞り 

− 

ページ13 
No.7.5.1 

絞りのグループ 

− 

− 

単管式計量分配器
1潤滑箇所の場合 

− 

− 

3潤滑箇所の場合 

− 

− 

複管式計量分配器
2潤滑箇所の場合 

− 

− 

6潤滑箇所の場合 

− 

− 

多系統式ポンプ 
5潤滑箇所の場合 

− 

進行プランジャ式
計量分配器 
6潤滑箇所の場合 

− 

− 

10潤滑箇所の場合 

− 

− 

コンデンサ 

− 

− 

H 主管 
K 送り管 
B 潤滑箇所 
N 補助送り管 

参考 附属書2(規定)で用いている詳細図記号は,JIS B 0125に従っていない。 

11 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3(参考) 潤滑油の使用方法及び供給方式 

この附属書3(参考)は,旧JIS B 6016 : 1990における潤滑油の使用方法及び供給方式を参考に示すも

のであって,規定の一部ではない。 

なお,項目番号の4.及び5.は本体の項目番号4.及び5.に対応している。 

4. 潤滑油の使用方法による分類 

4.1 

全損式 潤滑油を潤滑点に供給し,潤滑後回収しない方法。 

4.2 

循環式 潤滑油を潤滑点に供給し,使用後再使用するためタンクに戻す方法。静圧方式もこの方法

に含まれる。静圧方式とは,外部から二面間に供給する潤滑油の圧力によって二面を油膜で分離する潤滑

方式。 

5. 潤滑油の供給方式による分類(附属書4及び附属書5) 

5.1 

個別方式 手動携帯器具を使用して潤滑油を供給する方式。 

5.2 

集中方式 2か所以上の潤滑点がある工作機械に対し,潤滑油の共通な供給源から供給する方式。潤

滑点が多い工作機械にはこの方法を使用することが望ましい。潤滑油を分配する制御方式として次のもの

がある。 

5.2.1 

非定量式(抵抗式) 潤滑油を圧力と絞りの大きさとで各潤滑点に比例配分する抵抗式分配器を用

いて供給する方式(附属書5 番号1及び2参照)。 

5.2.2 

定量式 潤滑油を定量配分する計算分配器で,圧力・粘度の変化の影響を受けずにそれぞれの潤滑

点に一定量を供給する方式で,次に示すものがある。 

5.2.2.1 

単管式 単管式とは,潤滑油を間欠圧力で1本の主管路から計量分配器を経て,それぞれ潤滑点

に供給する方式。この方式では,計量分配器を作動させるために主管路の残圧抜きをしなければならない

(附属書5 番号3参照)。 

5.2.2.2 

インジェクション式 潤滑油を空気圧によって作動する計量分配器で,潤滑点に供給する方式

(附属書5 番号4参照)。 

5.2.2.3 

複管式 潤滑油を方向制御弁によって2本の主管路に交互に給油し,計量分配器を経てそれぞれ

の潤滑点に供給する方式(附属書5 番号5参照)。 

5.2.2.4 

進行式 加圧した潤滑油を,あらかじめ設定した順序に従って計量分配器を経てそれぞれの潤滑

点に供給する方式(附属書5 番号6参照)。 

5.2.3 

多系統式 潤滑油を幾つかの吐出口をもったポンプを使用して,それぞれの吐出口から計量された

量を潤滑点に供給する方式(附属書5 番号7参照)。 

5.3 

その他の方式 

5.3.1 

ポンプを使用しない供給方式として油浴方式,封入方式,滴下方式,灯心方式などがある。 

5.3.2 

特殊な潤滑方式として,次のものがある。 

5.3.2.1 

オイルミスト式 潤滑油を,1個のミスト発生装置で微細粒子化して空気流に浮遊させ,さらに,

これをコンデンサを通して有効油粒に凝集し潤滑点に供給する方式(附属書5 番号8参照)。 

5.3.2.2 

オイルエアー式 計量分配器から吐き出された潤滑油を混合室で圧縮空気と混合し,空気の流れ

を用いて微少量の油を移動させて潤滑点に供給する方式(附属書5 番号9参照)。 

12 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.3.2.3 

ジェット式 潤滑油を供給ポンプでノズルから潤滑点に噴射させ,潤滑点の冷却効果を高める方

式(附属書5 番号10参照)。 

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13 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4(参考) 潤滑回路用図記号 

この附属書4(参考)は,旧JIS B 6016 : 1990の工作機械の潤滑回路を示す場合の図記号を参考として

示すものであって,規定の一部ではない。 

番号 

名称 

記号 

参考 

対応英語 

潤滑点 

備考 d=5E  d:円の直径 
       E:線の太さ 

lubrication point 

非定量式(抵抗式)分配器  

fixed restrictor group 

 固定形 
 1連の場合 

 3連の場合 

(1) 詳細記号   (2) 簡略記号 

非定量式(抵抗式)分配器  

variable restrictor group 

 可変形 
 1連の場合 

 3連の場合 

(1) 詳細記号   (2) 簡略記号 

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14 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

名称 

記号 

参考 

対応英語 

単管式計量分配器 

single-line metering 

device 

 1連の場合 

(1) 基本形 (2) 作動表示器付 (3) 電気接点付 

 3連の場合 

(1) 基本形 (2) 作動表示器付 (3) 電気接点付 

複管式計量分配器 

two-line metering device 

 2連の場合 

(1) 基本形 (2) 作動表示器付 (3) 電気接点付 

 6連の場合 

(1) 基本形 (2) 作動表示器付 (3) 電気接点付 

進行式計量分配器 

progressive plunger 

metering device 

 6連の場合 

(1) 基本形 (2) 作動表示器付 (3) 電気接点付 

多系統ポンプ 

multiple-outlet pump for 5 

lubrication point 

 5ポートの場合 

備考 三角は液体の出口を示す。 

三角形の高さは円の直径 
の とする。 

タンク付グリースポンプ  

(1) stirrer type 
(2) follower piston type 

(1) スクレーパ付   (2) 補助ピストン付 

5

1

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15 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

名称 

記号 

参考 

対応英語 

オイルエアー計量分配器  

oil-air metering and 

mixing device 

 2連の場合 

(1) 詳細記号        (2) 簡略記号 

10 

インジェクション 
 計量分配器 
 1連の場合 

injection oiler metering 

device 

(1) 詳細記号     (2) 簡略記号 

 3連の場合 

(1) 詳細記号     (2) 簡略記号 

11 

コンデンサ 

condenser 

12 

ノズル(1流体) 

nozzle 

    (1) 横表示       (2) 縦表示 

13 

スプレイノズル(2流体)  

spray nozzle 

    (1) 横表示       (2) 縦表示 

14 

フローサイト 

flow sight 

15 

フロースイッチ 

flow switch 

16 

液面スイッチ 

oil level switch 

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16 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

名称 

記号 

参考 

対応英語 

17 

温度スイッチ 
(サーモスタット) 

temperature switch 
(thermostat) 

18 

接点付温度計 

temperature gauge with 

contact switch 

19 

接点付圧力計 

pressure gauge with 

contact switch 

20 

接点付フィルタ 
(目詰まり探知用) 

filter with contact switch 

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17 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書5(参考) 潤滑回路用図記号の組合せ表示例 

この附属書5(参考)は,旧JIS B 6016 : 1990の工作機械の潤滑回路用図記号の組合せ表示例を参考と

して示すものであって,規定の一部ではない。 

注 番号欄の[ ]付きの番号は,附属書3の対応する番号を示す。 

非定量式(抵抗式) 

番号 

全損方式 

循環方式 

手動式 

[5.2.1] 

− 

自動式 

[5.2.1] 

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18 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

定量式 

番号 

全損方式 

循環方式 

単管式

[5.2.2.1] 

インジェク 
 ション式 

[5.2.2.2] 

− 

複管式

[5.2.2.3] 

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19 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

全損方式 

循環方式 

進行式

[5.2.2.4] 

多系統式 

番号 

全損方式 

循環方式 

[5.2.3] 

その他の方式 

番号 

全損方式 

循環方式 

オイルミスト 
 式 

[5.3.2.1] 

− 

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20 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

全損方式 

循環方式 

オイルエアー 

 式 

[5.3.2.2] 

− 

10 

ジェット式 

[5.3.2.3] 

− 

21 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

工作機械−潤滑システムJIS原案作成委員会 構成表 

整合化推進委員会 

氏名 

所属 

(委員長) 

伊 達 隆 夫 

東芝機械株式会社 

鈴 木 義 光 

株式会社牧野フライス製作所 

吉 田 嘉太郎 

千葉大学 

米 谷   周 

株式会社森精機製作所 

井 上 洋 一 

日立精機株式会社 

馬 場   修 

オークマ株式会社 

龍 江 義 孝 

工業技術院機械技術研究所 

光 岡 豊 一 

東京科学電子工業専門学校 

米 田 孝 夫 

豊田工機株式会社 

榎 本   稔 

豊田工機株式会社 

大 泉 忠 夫 

株式会社牧野フライス製作所 

本 間   清 

工業技術院標準部 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

岡 安 英 雄 

社団法人日本工作機械工業会 

八 賀 聰 一 

社団法人日本工作機械工業会 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会 

機械関連分科会 

氏名 

所属 

(委員長) 

吉 田 嘉太郎 

千葉大学 

堤   正 臣 

東京農工大学 

上 野   滋 

機械振興協会技術研究所 

清 水 伸 二 

上智大学 

青 山 藤詞郎 

慶応義塾大学 

西 田 修 三 

元 社団法人日本工作機械工業会 

伊 沢 元 雄 

三井精機工業株式会社 

戸 川   悟 

日立精機株式会社 

山 内 政 行 

大阪機工株式会社 

槙 山 和 臣 

東芝機械株式会社 

米 谷   周 

株式会社森精機製作所 

丸 山 敏 男 

豊田工機株式会社 

水 野   脩 

株式会社カシフジ 

中 村 晋 哉 

日本精工株式会社 

竹 森 謙 三 

株式会社荏原製作所 

江 草 友 良 

NTN株式会社 

岡 田 直 人 

トヨタ自動車株式会社 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

高 橋   豊 

研究員 

武 野 仲 勝 

研究員 

(事務局) 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会 

松 本   将 

社団法人日本工作機械工業会 

田 仁   哲 

社団法人日本工作機械工業会 

22 

B 6016-2 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

潤滑通則WG 

氏名 

所属 

(委員長) 

伊 沢 元 雄 

三井精機工業株式会社 

志 村 和 夫 

株式会社不二越 

和 田 義 彦 

日立精工株式会社 

貝 原 雅 明 

大阪機工株式会社 

根 津 正 宏 

株式会社昌運工作所 

植 村   悟 

豊田工機株式会社 

(事務局) 

田 仁   哲 

社団法人日本工作機械工業会 

大 槻 文 芳 

社団法人日本工作機械工業会