日本工業規格
JIS
B
6010
-1977
工作機械の回転数及び送り
Machine Tool Speeds and Feeds
1.
適用範囲 この規格は,工作機械の回転数及び送りについて規定する。ただし,次に掲げる場合を除
く。
(1)
電動機軸をそのまま主軸とした場合。
(2)
ある種の極数変換電動機を使用する場合。
(3)
無段変速の場合。
(4)
送りを等差級数とすることが適当な場合。
(5)
その他,この規格を適用することが技術的見地から,著しく不適当である場合。
引用規格:
JIS Z 8601
標準数
2.
用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1)
回転数 単位時間当たりの回転数をいう。一般の工作機械では,毎分の回転数で表す。
(2)
送り 送り速度と送り量とを総称して送りという。先送り速度は,工作機械の直線運動部の毎分の移
動量 (mm) であり,送り量は,毎回転又は毎ストロークの移動量 (mm) である。
(3)
基準値 機械の銘板上に記入される回転数又は送りの負荷時の値をいう。
(4)
実際値 回転数又は送り速度の実際値は,無負荷時の実測値を次の式により負荷時に換算した値とす
る。送り量の実際値は,この換算を必要としない。
回転数又は送り速度の実際値=無負荷時の実測値×N
c
/N
g
ここに
N
c
: 電動機の銘板に記入されている定格出力時の電動機毎分回転
数
N
g
: 無負荷で機械を運転しているとき実測した電動機毎分回転数
3.
回転数の基準値及び実際値
(1)
回転数の基準値は,
表に示す数値の中から選ぶ。
(2)
回転数の実際値は,
表 1 に示す総合許容限界内になければならない。
(3)
表 1 を上下に拡張するには,10 又は 10 の整数乗で乗除する。
(4)
主切削運動の毎分当たりのストローク数又は毎分当たりの線速度についても
表 1 を準用する。
2
B 6010-1977
表 1 回転数の基準値及び実際値の許容限界
単位 rpm
実際値の許容限界
総合許容限界(
2
)
機械的許容限界(
3
)
基準値(
1
)
最小値
最大値
最小値
最大値
100 98 106 98 103
112
110 119
110 116
125
123 133
123 130
140
138 150
138 145
160
155 168
155 163
180
174 188
174 183
200
196 212
196 206
224
219 237
219 231
250
246 266
246 259
280
276 299
276 290
315
310 335
310 326
355
348 376
348 365
400
390 422
390 410
450
438 473
438 460
500
491 531
491 516
560
551 596
551 579
630
618 669
618 650
710
694 750
694 729
800
778 842
778 818
900
873 945
873 918
1000 980 1060 980 1030
注(
1
)
基準値は,JIS Z 8601(標準数)の R 20によっている。
基準値を,やむをえず丸めた場合にも,実際値は,この
表の対応す
る許容限界内になければならない。
(
2
)
総合許容限界は,機械的原因に基づく誤差(基準値の根拠となった標
準数の計算値の約−2∼+3%を限界とする。
)と,電気的原因に基づ
く誤差(標準数の計算値の約 0∼+3%を限界とする。
)とを含む。
(
3
)
駆動装置の総合変速比の計算には,入力側の速度を電動機の同期速度
より 6%低くとる。
入力側における速度を
表中の最小値又は最大値で除した商が,それ
ぞれ総合変速比り限界値である。
4.
送りの基準値及び実際値
(1)
送りの基準値は,
表 2 に示す数値の中から選ぶ。
(2)
送りの実際値は,
表 2 に示す許容限界内になければならない。
(3)
表 2 を上下に拡張するには,10 又は 10 の整数乗で乗除する。
3
B 6010-1977
表 2 送りの基準値及び実際値の許容限界
実際値の許容限界
送り速度(
3
)mm/min
送り量 mm/rev 又は mm/行程
基準値(
1
)
最小値
最大値
最小値
最大値
1 0.98
1.06
0.98
1.03
1.12 1.10 1.19 1.10 1.16
1.25 1.23 1.33 1.23 1.30
1.4 1.38 1.50
1.38 1.45
1.6 1.55 1.68
1.55 1.63
1.8 1.74 1.88
1.74 1.83
2 1.96
2.12
1.96
2.06
2.24 2.19 2.37 2.19 2.31
2.5 2.46 2.66
2.46 2.59
2.8 2.76 2.99
2.76 2.90
3.15 3.10 3.35 3.10 3.26
3.55 3.48 3.76 3.48 3.65
4 3.90
4.22
3.90
4.10
4.5 4.38 4.73
4.38 4.60
5 4.91
5.31
4.91
5.16
5.6 5.51 5.96
5.51 5.79
6.3 6.18 6.69
6.18 6.50
7.1 6.94 7.50
6.94 7.29
8 7.78
8.42
7.78
8.18
9 8.73
9.45
8.73
9.18
10 9.80
10.6
9.80
10.3
注(
1
)
基準値は,JIS Z 8601の R20によっている。
基準値を,やむをえず丸めた場合にも,実際値はこの
表の対応する
許容限界内になければならない。
(
3
)
駆動装置の総合変速比の計算には,入力側の速度を電動機の同期速度
より 6%低くとる。
入力側における速度を
表中の最小値又は最大値で除した商が,それ
ぞれ総合変速比の限界値である。
参考
(1)
送りの基準値を,25.4mm を 1 単位として表す場合には,送りの基準値は,次の
表に示す数値
の中から選ぶ。
(
2
)
送りの実際値は,次の
表に示す許容限界内になければならない。
(
3
)
次の
表を上下に拡張するには,10 又は 10 の整数乗で乗除する。
4
B 6010-1977
表 送りの基準値及び実際値の許容限界
実際値の許容限界
送り速度(
2
)mm/min
送り量 mm/rev 又は mm/行程
基準値(
1
)
最小値
最大値
最小値
最大値
0.040 0.0386 0.0417 0.0386 0.0406
0.045 0.0433 0.0469 0.0433 0.0457
0.050 0.0484 0.0524 0.0484 0.0512
0.056 0.0543 0.0591 0.0543 0.0571
0.063 0.0610 0.0661 0.0610 0.0642
0.071 0.0685 0.0740 0.0685 0.0721
0.080 0.0772 0.0835 0.0772 0.0811
0.090 0.0862 0.0933 0.0862 0.0909
0.100 0.097 0.105 0.097 0.102
0.112 0.109 0.118 0.109 0.115
0.125 0.122 0.132 0.122 0.128
0.140 0.137 0.148 0.137 0.144
0.160 0.154 0.166 0.154 0.162
0.180 0.172 0.186 0.172 0.181
0.200 0.193 0.209 0.193 0.203
0.224 0.217 0.235 0.217 0.228
0.250 0.243 0.263 0.243 0.256
0.280 0.273 0.295 0.273 0.287
0.315 0.306 0.331 0.306 0.322
0.355 0.344 0.372 0.344 0.362
0.400 0.386 0.417 0.386 0.406
注(
1
)
基準値は,JIS Z 8601の R20によっている。
基準値を,やむをえず丸めた場合にも,実際値はこの
表の対応する
許容限界内になければならない。
(
2
)
駆動装置の総合変速比の計算は,入力側の速度を電動機の同期速度よ
り 6%低くとる。
入力側における速度を
表中の最小値又は最大値で除した商が,それ
ぞれ総合変速比の限界値である。