B 5201 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS B 5201-1989は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,日本工業規格と国際規格との整合化を目的とし,国際規格を採用するとともに,一部
従来の規定を追加することによって,改正を行った。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 5201には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) ジグ用ブシュ並びにその附属品の品質,材料,記号,製品の呼び方及び表示
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 5201 : 1998
ジグ用ブシュ及びその附属品
Jig bushes and accessories
序文 この規格は,1977年に第1版として発行されたISO 4247, Jig bushes and accessories for drilling purposes
−Dimensions及び1978年に第1版として発行されたISO 4248, Jig bushes−Definitions and nomenclatureを
元に,対応する部分(2.定義,3.ブシュ及び附属品の名称並びにブシュの種類,4.寸法許容差及び5.形状・
寸法)については対応国際規格の技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,種類な
どについて,対応国際規格には規定されていない規定内容(寸法系列J形)を日本工業規格として追加し
ている。
1. 適用範囲 この規格は,ドリル及びリーマの案内として使用する固定ブシュ及び差込みブシュ,それ
らを案内する固定ライナ(以下,これらを総称してブシュという。)並びにその附属品(止め金及び止めね
じ)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 4247 : 1977 Jig bushes and accessories for drilling purposes - Dimensions
ISO 4248 : 1978 Jig bushes−Definitions and nomenclature
2. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 固定プシュ (press-fit bush) ブシュの交換を必要としない場合又は隣接するジグプレート穴の距離
によって差込みブシュの使用が制限される場合にジグプレートに直接取り付け,ドリル又はリーマを
案内するためのブシュ。固定ブシュには,つばなし及びつば付きがある。
b) 差込みブシュ (renewable bush) 固定ライナに取り付け,ドリル又はリーマを案内するための交換可
能なブシュ。差込みブシュには,固定手段をもたない丸形と,固定のための切欠きを備えた切欠き形
がある。
c) 固定ライナ (liner) 差込みブシュを案内するために,ジグプレートに取り付けるブシュ。固定ライナ
には,つばなし及びつば付きがある。
3. ブシュ及び附属品の名称並びにブシュの種類
3.1
名称 この規格で用いるブシュ及び附属品の主な名称は,図1による。
2
B 5201 : 1998
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図1 名称
3
B 5201 : 1998
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3.2
種類 この規格で用いるブシュの種類は,形状,用途及び寸法系列によって表1のとおりとする。
表1 種類
種類
形状
用途
寸法系列
固定ブシュ
つばなし
ドリル用
リーマ用
I形
J形
つば付き
差込みブシュ
丸形
右回り切欠き形
左回り切欠き形
切欠き形
固定ライナ
つばなし
ブシュ用
つば付き
備考 I形はISO対応形である。
4. 寸法許容差 ブシュの寸法許容差は,表2による。
表2 寸法許容差
種類
用途
I形
J形
つば外径
d2
内径d1
外径d
内径d1
外径d
固定ブシュ
ドリル用
F7
n6
G6
p6
h13
リーマ用
−
−
F7
差込みブシュ
ドリル用
F7
m6
G6
m5
リーマ用
−
−
F7
固定ライナ
ブシュ用
F7
n6
p6
備考 ジグプレートの穴の寸法許容差は,H7とする。
5. 形状・寸法
5.1
固定ブシュ 固定ブシュの形状及び寸法は,表3による。
表3 固定ブシュ
4
B 5201 : 1998
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表3 固定ブシュ(続き)
単位 mm
I形
J形
d2
h13
l2
最大
l3 (1)
最大
同心度
V
d1
d
l1
l
d1
d
l1
lJ
を超え 以下
を超え 以下
− 1 3 2
6
9
− 1 3 2
6
8
6 1
1
0.01
1
1.8 4
1 1.5 4
7
1.5 2 5
6
8
10
12
1.8 2.6 5
8
2 3 7 2.5
8
10
12
16
2.6 3.3 6 2.5
8
12 16
9
3 4 8
3.3 4 7
10
4
5 8
4 6 10 3
10
12
16
20
11
5
6 10 3
10
16 20
13 1.25 1.5
0.02
6
8 12
6 8 12
15
8
10 15
12
20 25 8 10 15
12
16
20
25
18 1.5 2
10
12 18 4
10 12 18 4
22
12
15 22
16
28 36 12 15 22
16
20 (25) 28
36 26
15
18 26
15 18 26
20
25 (30) 36
45 30
18
22 30 5
20
36 45 18 22 30 5
34 2.5 3
22
26 35
22 26 35
39
26
30 42
25
45 56 26 30 42
25 (30) 36
45
56 46
30
35 48
30 35 48 6
52
0.04
35
42 55
30
56 67 35 42 55
30
35
45
56
59 3
3.5
42
48 62 6
42 48 62
66
48
55 70
48 55 70
74
55
63 78
35
67 78 55 63 78
35
45
56
67
82
4
63
70 85
63 70 85
90
70
78 95
40
78 105 70 78 95
40
56
67
78
100
78
85 105
78 85 105
110
85
95 l15
45
89 112 85 95 115
45
56
67
89
120
95
105 125
95 105 125
130
注(1) l3を半径とする丸みを付けてもよい。
備考 表中のlJ寸法に括弧を付けたものは,なるべく用いない。
参考 l及びlJの許容差は,05.0
−mmとし,l1の許容差は,JIS B 0405(普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ
寸法及び角度寸法に対する公差)に規定するm級(中級)とする。
5
B 5201 : 1998
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5.2
差込みブシュ 差込みブシュの形状及び寸法は,表4〜6による。
表4 差込みブシュ(丸形)
単位 mm
d1
d
d2
h13
d3
0
−0.25
l
l1
l2
最大
l3(1)
最大
l4
0
−0.25
同心度
V
を超え 以下
I形
J形
−
4
8
15
12
10 16
10 12 16
8 1.25 1.0
1
0.02
4
6
10
18
15
12
20
25
12 16 20 25
1.5
1.5
6
8
12
22
18
10
8
10
15
26
22
16
28
36 16 20 (25)
28 36
2
10
12
18
30
26
12
15
22
34
30
20
36
45 20 25 (30)
36 45 12
2.5
15
18
26
39
35
18
22
30
46
42
25
45
56 25 (30)
36 45 56
3
22
26
35
52
46
1.5
0.04
26
30
42
59
53
30
56
67
30 35 45 56
3.0
30
35
48
66
60
16
2
35
42
55
74
68
3.5
42
48
62
82
76
35
67
78
35 45 56 67
48
55
70
90
84
55
62
78
100
94
40
78
105
40 56 67 78
4
62
70
85
110
104
70
78
95
120
114
45
89
112
45 50 67 89
78
85
105
130
124
備考 表中のl寸法に括弧を付けたものは,なるべく用いない。
参考 lの許容差は,05.0
−mmとし,l1の許容差は,JIS B 0405に規定するm級(中級)とする。
6
B 5201 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5 差込みブシュ(切欠き形)
単位 mm
d1
l5
C1
最大
r
α
(度)
を超え
以下
−
4
3
4.5
7.0
65
4
6
6
6
8
4
7.5
8.5
60
8
10
9.5
50
10
12
11.5
12
15
5.5
13
10.5
35
15
18
15.5
18
22
19
30
22
26
22
26
30
25.5
30
35
7
28.5
12.5
35
42
32.5
25
42
48
36.5
48
55
40.5
55
62
45.5
62
70
50.5
20
70
78
55.5
78
85
60.5
備考 上の表に規定されていない部分の寸法は,表4の丸形による。
7
B 5201 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6 差込みブシュ(止め金又は止めねじとの中心距離)
単位 mm
d1
C
最少
を超え
以下
−
4
11.5
4
6
13
6
8
16
8
10
18
10
12
20
12
15
23.5
15
18
26
18
22
29.5
22
26
32.5
26
30
36
30
35
41
35
42
45
42
48
49
48
55
53
55
62
58
62
70
63
70
78
68
78
85
73
8
B 5201 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3
固定ライナ 固定ライナの形状及び寸法は,表7による。
表7 固定ライナ
単位 mm
d1
d
d2
h13
l1
l
l2
最大
l3(1)
最大
同心
度
V
I形
J形
8
12
15
3
10
16
10
12
16
1.25
1.5
0.02
10
15
18
12
20
25
12
16
20
25
1.5
2
12
18
22
4
15
22
26
16
28
36
16
20
(25)
28
36
18
26
30
22
30
34
5
20
36
45
20
25
(30)
36
45
2.5
3
26
35
39
30
42
46
25
45
56
25
(30)
36
45
56
35
48
52
0.04
42
55
59
30
56
67
30
35
45
56
3.0
3.5
48
62
66
6
55
70
74
62
78
82
35
67
78
35
45
56
67
4
70
85
90
78
95
100
40
78
105
40
56
67
78
85
105
110
95
115
120
45
89
112
45
50
67
89
105
125
130
備考 表中のl寸法に括弧を付けたものは,なるべく用いない。
参考 lの許容差は,05.0
−mmとし,l1の許容差は,JIS B 0405に規定するm級(中級)とする。
9
B 5201 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.4
附属品附属品の形状及び寸法は,表8及び表9による。
表8 止め金
単位 mm
差込みブシュ
の穴径d1
l6
l7
l8
d4
d5
d6
r1
l9
六角穴
付き
ボルト
の呼び
つばなし固
定ライナ使
用時
つば付き固
定ライナ使
用時
つばなし固
定ライナ使
用時
つば付き固
定ライナ使
用時
を超え
以下
−
6
8
11
3
6
4
13
10
5.1 9.5
3.7
M5
6
12
10
14
4
8
5
16
12
6.1 15
4.7
M6
12
30
12
17
5.5
10.5
5
20
15
8.1 30
6.2
M8
30
85
16
22
7
13
7
24
18
10.1 80
7.5
M10
参考 d4,d5,d6,l6,l7及びl9の許容差は,JIS B 0405に規定するm級(中級)とする。
表9 止めねじ
単位 mm
差込みブシュ
の穴径d1
l10
l11
l12
d7
最大
d8
d9
つばなし固定
ライナ使用時
つば付き固定
ライナ使用時
つばなし固定
ライナ使用時
つば付き固定
ライナ使用時
を超え
以下
−
6
15
18
3
6
9
13
7.5
M5
6
12
18
22
4
8
10
16
9.5
M6
12
30
22
27
5.5
10.5
11.5
20
12
M8
30
85
32
38
7
13
18.5
24
15
M10
参考 d7,d8及びl10の許容差は,JIS B 0405に規定するm級(中級)とし,それ以外の寸法許容差はc級(粗級)
とする。
10
B 5201 : 1998
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附属書(参考) ジグ用ブシュ並びにその附属品の品質,
材料,記号,製品の呼び方及び表示
序文 この附属書(参考)は,従来のJISに規定されてあった項目のうち,対応国際規格に規定されてい
ない項目(品質,材料,記号,製品の呼び方及び表示)についてまとめて記述するものであり,規定の一
部ではない。
1. 品質
1.1
表面粗さ ブシュの内外円筒面の表面粗さは,JIS B 0601(表面粗さ−定義及び表示)に規定する
0.80μmRaとする。
1.2
硬さ ブシュの硬さは,60HRC (697HV) 以上とする。
2. 材料 ブシュ及びその附属品の材料は,附属書表1のもの又は使用上これらと同等以上の性能をもつ
ものとする。
附属書表1 材料
種類
材料
ブシュ
JIS G 4105(クロムモリブデン鋼鋼材)のSCM415
JIS G 4401(炭素工具鋼鋼材)のSK3
JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)のSKS3,SKS21
JIS G 4805(高炭素クロム軸受鋼鋼材)のSUJ2
附属品 止め金
JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材)のS45C
止めねじ JIS G 4105のSCM435
3. 記号 ブシュ及びその附属品の記号は,附属書表2による。
附属書表2 記号
種類
形状
用途
寸法系列
固定ブシュ PB
つばなし
A
ドリル用 D
リーマ用 R
I形 I
J形 J
つば付き
B
差込みブシュ RB
丸形
C
右回り切欠き形
D
左回り切欠き形
E
切欠き形
F
固定ライナ LI
つばなし
G
ブシュ用 B
つば付き
H
止め金
R
止めねじ
T
備考 附属書表2に示す記号は,製品又は包装に種類などを表示する場合に
用いる。表示に際して,記号の一部(1)は省略してもよい。
注(1) 種類,用途のうち,ドリル用及びブシュ用並びに寸法系列のJ形
の記号。
11
B 5201 : 1998
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4. 製品の呼び方
4.1
ブシュ ブシュの呼び方は,規格番号(又は規格の名称),種類,形状,用途及び寸法系列の記号,
穴径 (d1) 及び長さ(l又はlJ)による。
例1.
J形リーマ用つば付き固定ブシュの場合
例2.
I形ドリル用差込みブシュ(右回り切欠き形)の場合
例3.
J形つばなし固定ライナの場合
備考 種類,用途のうち,ドリル用及びブシュ用並びに寸法系列のJ形の記号を省略する場合は,次
による。
例1.の場合 JIS B 5201 BR 3×12
例2.の場合 JIS B 5201 DI 10×28
例3.の場合 JIS B 5201 G 18×28
4.2
附属品 附属品の呼び方は,規格番号(又は規格名称),種類,使用する固定ライナの形状記号及び
適用ねじの呼び寸法数値による。
例 JIS B 5201 RH 6
12
B 5201 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 表示
5.1
製品の表示 ブシュ及び附属品には,製品の適当な箇所に次の事項を表示する。ただし,附属品で
表示が困難な場合は,省略してもよい。
a) 穴径
b) 製造業者名又はその略号
5.2 包装の表示 ブシュ及び附属品の包装には,4.に示した事項及び製造業者名又はその略号を明記する。
JIS B 5201(ジグ用ブシュ及びその附属品)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
竹 原 康
東京都立科学技術大学
水 原 清 司
工業技術院機械技術研究所
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
尾 関 由起夫
日産自動車株式会社
舘 下 忠 夫
社団法人日本産業機械工業会
近 藤 充
日立精機株式会社
佐 藤 建 彦
社団法人日本電機工業会
片 桐 泰 典
株式会社不二越
加 藤 正 之
津田駒工業株式会社
石 川 均
エヌティーツール株式会社
森 寿
株式会社ナベヤ
小 沢 恭 生
株式会社イマオコーポレーション
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
(事務局)
堺 弘 司
社団法人日本工作機器工業会