B 5117: 2003
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本金型
工業会 (JDMA) / 財団法人日本規格協会 (JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 5117 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8405 : 1998 Tools for moulding−
Ejector sleeves with cylindrical head−Basic series for general purposesを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 5117:2003には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
B 5117:2003
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 種類及び記号 ·················································································································· 1
4. 材料及び硬さ ·················································································································· 1
5. 形状及び寸法 ·················································································································· 2
6. 表示 ······························································································································ 4
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ······································································ 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 5117:2003
モールド用エジェクタスリーブ
Ejector sleeves for moulds
序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 8405,Tools for moulding−Ejector sleeves with
cylindrical head−Basic series for general purposesを元に,対応する部分(ISOの形状・寸法,材料・硬さ及
び表示)については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である
が,対応国際規格には規定されていない規定内容を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,主にダイカスト金型,プラスチック用金型などのモールド型に用いるエジェ
クタスリーブについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 8405:1998,Tools for moulding−Ejector sleeves with cylindrical head−Basic series for general
purposes (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 5103 モールド用エジェクタピン
備考 ISO 6751 : 1998 Tools for moulding−Ejector pins with cylindrical headからの引用規格は,この規
格の該当事項と同等である。
3. 種類及び記号 エジェクタスリーブの種類及び記号は,表1のとおり区分する。
表 1 種類及び記号
種類
記号
A形
A
AJ形
AJ
4. 材料及び硬さ エジェクタスリーブの材料及び硬さは,表2による。
2
B 5117:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 2 材料及び硬さ
種類
材料
硬さ(1)
しゅう動部
つば部
A形
熱間工具鋼
表面硬化層(2)
950 HV(深さ0.3 mm)
45±5 HRC
(熱間鍛造)
冷間合金工具鋼
60±2 HRC
AJ形
合金工具鋼SKD61又は
同等の性能をもつもの
とする。
900 HV以上
内部硬さ30 HRC以上
硬さは受渡当事者間の
協定とする。
注(1) 硬さの測定範囲は,製造業者の一任とする。
(2) 材料強さは,1 400 MPa(近似値:硬さ43 HRC)以上とする。
5. 形状及び寸法
5.1
A形のエジェクタスリーブの形状及び寸法は,表3による。
3
B 5117:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 3 形状及び寸法(A形)
注(3) 熱間工具鋼:Ra 0.8,冷間合金工具鋼:Ra 0.4
(4) t=0.012×0.1×L1(mm)
単位 mm
呼び寸法
(D1×D2)
D1
D2
D3 D4
L1 H (5) R
L
寸法 許容差
(H5) 寸法 許容差
(g6)
75 100 125 150 175 200 225 250 275 300
2×4
2
+0.004
0
4
−0.004
−0.012
2.5 8
35
3 0.3
○ ○ ○
2.2×4
2.2
○ ○ ○
2.5×5
2.5
5
3
10
○ ○ ○
2.7×5
2.7
○ ○ ○
3×5
3
+0.005
0
3.5
45
○ ○ ○ ○
3.2×5
3.2
○ ○ ○ ○
4×8
4
8 −0.005
−0.014
4.5
14
5 0.5
○ ○ ○ ○ ○ ○
4.2×8
4.2
○ ○ ○ ○ ○ ○
5×8
5
5.5
○ ○ ○ ○ ○ ○
5.2×8
5.2
○ ○ ○ ○ ○ ○
6×10
6
+0.006
0
10
6.5 16
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6.2×10
6.2
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8×12
8
12
−0.006
−0.017
8.5 20
7 0.8
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8.2×12
8.2
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
10×14
10
+0.008
0
14
11
22
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
10.2×14
10.2
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
12×16
12
16
13
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
12.5×16
13
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
注(5) 軸径が16<D2≦32の場合,つば部の形状はJIS B 5103 A1形のエジェクタピンと同様とする。
4
B 5117:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
AJ形のエジェクタスリーブの形状及び寸法は,表4による。
表 4 形状及び寸法(AJ形)
単位 mm
呼び寸法
(D1×D2)
D1
D2
D3
D4
H
L
75 100 125 150 175 200 225 250 275 300
寸法 許容差
(H7)
寸法 許容差
L1
35
40
50
60
70
2 ×4
2.0
+0.010
0
4.0
−0.01
−0.02
2.5
8
6
○ ○ ○ ○
2 ×5
5.0
9
○ ○ ○ ○
2.5 ×5
2.5
3.0
○ ○ ○ ○
2.5 ×6
6.0
10
○ ○ ○ ○ ○
3 ×5
3.0
5.0
3.5
9
○ ○ ○ ○ ○
3 ×6
6.0
10
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
3.5 ×6
3.5
+0.012
0
4.0
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
3.5 ×7
7.0
11
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4 ×6
4.0
6.0
4.5
10
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4 ×7
7.0
11
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4 ×8
8.0
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4.5 ×7
4.5
7.0
5.0
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4.5 ×8
8.0
13
8
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
5 ×8
5.0
5.5
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6 ×10
6.0
10.0
6.5
15
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
7 ×10
7.0 +0.015
0
7.5
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8 ×12
8.0
12.0 −0.01
−0.03
8.5
17
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
10 ×15
10.0
15.0
10.5
20
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6. 表示 エジェクタスリーブの表示は,次による。
a) 規格名称
b) 規格番号
c) 種類又はその記号
d) 呼び寸法 (D1×D2)
e) 長さ (L)
f)
材料記号
例 モールド用エジェクタスリーブ JIS B 5117 AJ 2×4×100 SKD61
5
B 5117:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 5117 : 2001 モールド用エジェクタスリーブ
ISO 8405 : 1998 Tools for moulding−Ejector sleeves with cylindrical
head−Basic series for general purposes
(I) JISの規定
(II) 国際規
格番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容
表示個所:本体
表示方法:点線の下線又は実線の
側線
(V) JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲
ダイカスト金型,プ
ラスチック用金型な
どのモールド型に用
いるエジェクタスリ
ーブについて規定。
ISO 8405
1. 適用範囲 圧縮成形型,射出成形
型,ダイカスト型に用い
られるエジェクタスリ
ーブについて規定。
IDT
−
2. 引用規格
関連規格を表示。
2. 参照
関連規格を表示。
IDT
−
3. 種類及び記
号
A形,AJ形を規定。
なし
MOD/追加
種類の区分を明確に
し,その記号を決め
た。
使用上混乱するおそれがあるた
め,ISO形とJIS形に分類した。
当面JISの併記とし,将来は国
際規格へ一本化する予定。
4. 材料及び硬
さ
A形,AJ形それぞれ
に使用材料の種類及
び部位別の硬さを規
定。
4. 材料及び
硬さ
材料は,熱間工具鋼又は
冷間合金工具鋼を使用
し,それぞれ軸部及び頭
部の硬さを規定。
MOD/追加
JISで追加された種類
の材料を追加規定し
た。
使用上混乱するおそれがあるた
め,ISO形とJIS形に分類した。
当面JISの併記とし,将来は国
際規格へ一本化する予定。
5. 形状及び寸
法
A形,AJ形の呼び寸
法,基準寸法及び許
容差を規定。
3. 寸法
各部の寸法及び許容差
を規定。
MOD/追加
追加された種類の寸
法・形状を追加規定し
た。
JIS B 5114と組み合わせて使用
される。従って,そのはめあい
公差に合った寸法を追加規定し
た。
6. 表示
規格名称,番号,種
類,呼び寸法,長さ,
材料記号などを規
定。
5. 表示
規格名称,番号,呼び寸
法長さ,材料を規定。
MOD/追加
種類を表記するよう
にした。
使用上混乱するおそれがあるた
め,当面JISの併記とし,将来
は国際規格へ一本化する予定。
2
B
5
11
7
:
2
0
0
3
6
B 5117:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ……………… 技術的差異がない。
− MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD……………… 国際規格を修正している。
2
B
5
11
7
:
2
0
0
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。