B 5114:2003
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本金型
工業会 (JDMA)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 5114 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8694 : 1998 Tools for moulding−
Shouldered ejector pinsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 5114:2003には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
B 5114:2003
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 種類及び記号 ·················································································································· 1
3. 材料及び硬さ ·················································································································· 2
4. 形状及び寸法 ·················································································································· 2
5. 表示 ······························································································································ 5
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ······································································ 6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 5114:2003
モールド用段付きエジェクタピン
Shouldered ejector pins for moulds
序文 この規格は,1998年に第2版として発行されたISO 8694,Tools for moulding−Shouldered ejector pins
を元に,対応する部分(ISOの形状・寸法,材料・硬さ及び表示)については対応国際規格を翻訳し,技
術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定内
容を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,主にダイカスト金型,プラスチック用金型などのモールド型に用いられる段
付きエジェクタピンについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 8694:1998,Tools for moulding−Shouldered ejector pins (MOD)
2. 種類及び記号 エジェクタピンの種類及び記号は,表1のとおり区分する。
表 1 種類及び記号
種類
記号
B1形
B1
B2形
B2
BJ1形
BJ1(ダイカスト型)
BJ2形
BJ2(プラスチック型)
BH形
BH
2
B 5114:2003
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3. 材料及び硬さ エジェクタピンの材料及び硬さは,表2による。
表 2 材料及び硬さ
種類
材料
硬さ(1)
しゅう動部
つば部
B1形
熱間工具鋼
表面硬化層(2)
950 HV(深さ0.3 mm)
45±5 HRC
(熱間鍛造)
B2形
冷間合金工具鋼
60±2 HRC
BJ1形
合金工具鋼SKD61又は同等以上
の性質をもつものとする。
表面硬化層
900 HV以上
硬さは受渡当事者間の
協定による。
BJ2形
BH形
高速度工具鋼SKH51又は同等以
上の性質をもつものとする。
60±2 HRC
注(1) 硬さの測定範囲は製造業者の一任とする。
(2) 材料強さは1 400 MPa(近似値:硬さ43 HRC)以上とする。
4. 形状及び寸法
4.1
B1形及びB2形の形状並びに寸法は,表3による。
表 3 形状及び寸法(B1形及びB2形)
注(3) この位置の一定範囲は,表面粗さ及びD1の寸法公差に規定値を適用しない。
(4) D1とD2の同しん度0.05は,段部から10 mmの間で測定する。
(5) 段の形状は,60°テーパーか,R10以下とし,形状は受渡当事者間の協定による。
(6) 熱間工具鋼は,Ra 0.8(B1形),冷間合金工具鋼は,Ra 0.4(B2形)を用いる。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
D3
H
R
L
100
125
160
200
250
(D1×D2)
寸法 許容差 寸法 許容差
L1
50
50
63
80
100
0.8 ×2
0.8
−0.002
−0.006
2
0
−0.05
4
2
0.2
○
○
○
0.9 ×2
0.9
○
○
○
1 ×2
1
○
○
○
1.2 ×2
1.2
○
○
○
1.5 ×3
1.5
3
6
3
0.3
○
○
○
○
1.6 ×3
1.6
○
○
○
○
2 ×3
2
○
○
○
○
○
2.2 ×3
2.2
○
○
○
○
○
2.5 ×3
2.5
○
○
○
○
○
3
B 5114:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2
BJ1形の形状及び寸法は,表4による。
表 4 形状及び寸法(BJ1形)
注(3)〜(5)は表3の注参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
D3
H
L
100
125
150
200
250
300
400
(D1×D2)
寸法 許容差 寸法 許容差
L1
50
50
60
70
100
150
200
2 × 6
2
−0.03
−0.05
6
−0.03
−0.06
10
6
○
○
○
○
2.5 × 6
2.5
○
○
○
○
3 × 6
3
○
○
○
○
3.5 × 8
3.5
−0.03
−0.06
8
13
8
○
○
○
4 × 8
4
○
○
○
○
4.5 ×10
4.5
10
15
○
○
○
5 ×10
5
○
○
○
6 ×12
6
12
17
○
○
7 ×12
7
○
○
8 ×15
8
15
20
○
○
10 ×15
10
○
○
4
B 5114:2003
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4.3
BJ2形の形状及び寸法は,表5による。
表 5 形状及び寸法(BJ2形)
注(3)〜(5)は表3の注参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
D3
H
L
100
125
150
200
250
300
(D1×D2)
寸法 許容差 寸法 許容差
L1
40
50
60
70
100
150
0.8 ×2
0.8
−0.01
−0.02
2
−0.01
−0.03
5
4
○
○
○
0.8 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1 ×2
1
2
5
○
○
○
1 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.2 ×2
1.2
2
5
○
○
○
1.2 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.5 ×2
1.5
2
5
○
○
○
1.5 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.5 ×3
3
○
○
○
1.8 ×2.5
1.8
2.5
○
○
○
1.8 ×3
3
○
○
○
○
3 ×2
2
○
○
○
2.5 ×3
2.5
○
○
○
3 ×4
3
4
8
6
○
○
○
5
B 5114:2003
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4.4
BH形の形状及び寸法は,表6による。
表 6 形状及び寸法(BH形)
注(3)〜(5)は表3の注参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
D3
H
L
100
125
150
200
250
300
(D1×D2)
寸法 許容差 寸法 許容差
L1
40
50
60
70
100
150
0.8 ×2
0.8
0
−0.005
2
0
−0.03
5
4
○
○
○
0.8 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1 ×2
1
2
5
○
○
○
1 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.2 ×2
1.2
2
5
○
○
○
1.2 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.5 ×2
1.5
2
5
○
○
○
1.5 ×2.5
2.5
6
○
○
○
1.5 ×3
3
○
○
○
1.8 ×2.5
1.8
2.5
○
○
○
1.8 ×3
3
○
○
○
○
3 ×2
2
○
○
○
2.5 ×3
2.5
○
○
○
3 ×4
3
4
8
○
○
○
5. 表示 この規格に適合した段付きエジェクタピンの表示は,次による。
a) 規格名称
b) 規格番号
c) 種類又はその記号
d) 呼び寸法 (
)
2
1D
D×
e) 長さ (
)
1L
L×
f)
材料
例1. モールド用段付きエジェクタピン JIS B 5114 B1 2×3×150×50 SKD61
例2. モールド用段付きエジェクタピン JIS B 5114 BJ1 2×3×150×50 SKD61
6
B 5114:2003
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附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 5114 : 2003 モールド用段付きエジェクタピン
ISO 8694 : 1998 モールド用段付きエジェクタピン
(I) JISの規定
(II) 国際規
格番号
(III) 国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示個所:本体
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 ダイカスト金型・プ
ラスチック用金型な
どのモールド型に用
いられる段付きエジ
ェクタピンを規定。
ISO 8694
1. 適用範囲 圧縮成形型,射出成形
型,ダイカスト型に用
いられる段付きエジェ
クタピンを規定。
IDT
−
2. 種類及び
記号
ダイカスト用及びプ
ラスチック用を分
け,B1形,B2形,
BJ1形,BJ2形,BH
形を規定。
なし
MOD/追加 種類の区分を明確にし,そ
の記号を決めた。
用途別に寸法許容差が異なるために,
1形(ISO形)と2形(JIS形)に分類した。
また,使用上の混乱を避けるため,当
面JISの併記とし,将来は国際規格へ
一本化する予定。
3. 材料及び
硬さ
種類別に材料と硬さ
を規定。
3. 材料及び
硬さ
材料は,熱間工具鋼又
は冷間合金工具鋼。硬
さは材料別に数値を規
定。
MOD/追加 JISで追加された種類の
材料を追加規定した。
使用上混乱するおそれがあるため,当
面JISの併記とし,将来は国際規格へ
一本化する予定。
4. 形状及び
寸法
種類に対応した呼び
寸法,基準寸法,許
容差などを規定。
2. 寸法
呼び寸法,基準寸法,
許容差などを規定。
MOD/追加 追加された種類の寸法・形
状を追加規定した。
用途別に寸法許容差が異なるために,
1形(ISO形)と2形(JIS形)に分類した。
また,使用上の混乱を避けるため,当
面JISの併記とし,将来は国際規格へ
一本化する予定。
5. 表示
規格名称,番号,種
類,呼び寸法,長さ,
材質を規定。
4. 表示
規格名称,番号,ピン
径,長さ,材質を規定。
IDT
−
2
B
5
11
4
:
2
0
0
3
2
B
5
11
4
:
2
0
0
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
B 5114:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−IDT………………………… 技術的差異がない。
−MOD/追加 ……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD ……………………… 国際規格を修正している。
2
B
5
11
4
:
2
0
0
3
2
B
5
11
4
:
2
0
0
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。