B 5103:2003
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本金型
工業会(JDMA)/ 財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 5103:1995(ダイカスト金型用エジェクタピン)は改正され,また,JIS B 5108:
1995(プラスチック用金型のエジェクタピン)は廃止・統合され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6751:1998 Tools for moulding―
Ejector pins with cylindrical headを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 5103:2003には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
2
B 5103:2003
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 種類及び記号 ·················································································································· 1
3. 材料及び硬さ ·················································································································· 1
4. 形状及び寸法 ·················································································································· 2
5. 表示 ······························································································································ 5
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ······································································ 6
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 5103:2003
モールド用エジェクタピン
Ejector pins for moulds
序文 この規格は,1998年に第1版として発行されたISO 6751,Tools for moulding―Ejector pins with
cylindrical headを元に,対応する部分(形状・寸法,材料・硬さ及び表示)については対応国際規格を翻
訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていな
い規定内容を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一
覧表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,主にダイカスト金型,プラスチック用金型などのモールド型に用いられるエ
ジェクタピンについて規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 6751:1998,Tools for moulding―Ejector pins with cylindrical head(MOD)
2. 種類及び記号 エジェクタピンの種類及び記号は,表1のとおり区分する。
表 1 種類及び記号
種類
記号
A1形
A1
A2形
A2
AJ1形
AJ1(ダイカスト型)
AJ2形
AJ2(プラスチック型)
AH形
AH
3. 材料及び硬さ エジェクタピンの材料及び硬さは,表2による。
表 2 材料及び硬さ
種類
材料
硬さ(1)
しゅう動部
つば部
A1形
熱間工具鋼
表面硬化層(2)
950HV(深さ0.3 mm)
45±5HRC
(熱間鍛造)
A2形
冷間合金工具鋼
60±2HRC
AJ1形
合金工具鋼SKD61又は同等以
上の性質をもつものとする。
表面硬化層
900HV以上
硬さは受渡当事者間の
協定による。
AJ2形
AH形
高速度工具鋼SKH51又は同等
以上の性質をもつものとする。 60±2HRC
注(1) 硬さの測定範囲は製造業者の一任とする。
2
B 5103:2003
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 材料強さは1 400 MPa(近似値:硬さ43HRC)以上とする。
4. 形状及び寸法
4.1
A1形の形状及び寸法は,表3による。
表 3 形状及び寸法(A1形)
注(3) この位置の一定範囲は,表面粗さ及びD1の寸法公差に規定値を適用しない。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
H
R
L
寸法
許容差
100
125
160
200
250
315
400
500
630
800 1 000
2
2
−0.002
−0.008
4
2
0.2
○
○
○
○
2.2
2.2
○
○
2.5
2.5
5
0.3
○
○
○
○
2.7
2.7
○
○
3
3
6
3
○
○
○
○
○
○
3.2
3.2
−0.004
−0.012
○
○
○
3.5
3.5
7
○
○
○
○
○
○
3.7
3.7
○
○
○
4
4
8
○
○
○
○
○
○
○
4.2
4.2
○
○
○
○
5
5
10
○
○
○
○
○
○
○
○
5.2
5.2
○
○
○
○
6
6
12
5
0.5
○
○
○
○
○
○
○
○
○
6.2
6.2
−0.005
−0.014
○
○
○
○
○
8
8
14
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
8.2
8.2
○
○
○
○
○
10
10
16
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
10.2
10.2
−0.006
−0.017
○
○
○
○
○
○
12
12
18
7
0.8
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
12.5
12.5
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
16
16
22
○
○
○
○
○
○
○
○
○
20
20
−0.007
−0.020
26
10
1
○
○
○
○
○
○
○
○
○
25
25
32
○
○
○
○
○
○
○
○
32
32
−0.009
−0.025 40
○
○
○
○
○
○
○
(3)
3
B 5103:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.2
A2形の形状及び寸法は,表4による。
表 4 形状及び寸法(A2形)
注(3) 表3の注(3) 参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
H
R
L
寸法 許容差
80
100
125
160
200
250
315
400
1.5
1.5
−0.002
−0.008
3
1.5
0.2
○
○
○
○
1.6
1.6
○
○
○
○
2
2
4
2
○
○
○
○
○
2.2
2.2
○
○
○
2.5
2.5
5
0.3
○
○
○
○
○
2.7
2.7
○
○
○
3
3
6
3
○
○
○
○
○
○
3.2
3.2
−0.004
−0.012
○
○
○
3.5
3.5
7
○
○
○
○
○
○
3.7
3.7
○
○
○
4
4
8
○
○
○
○
○
○
○
4.2
4.2
○
○
○
○
5
5
10
○
○
○
○
○
○
○
5.2
5.2
○
○
○
○
6
6
12
5
0.5
○
○
○
○
○
○
○
6.2
6.2
−0.005
−0.014
○
○
○
○
8
8
14
○
○
○
○
○
○
○
8.2
8.2
○
○
○
○
10
10
16
○
○
○
○
○
○
○
10.2
10.2
−0.006
−0.017
○
○
○
○
12
12
18
7
0.8
○
○
○
○
○
○
○
12.5
12.5
○
○
○
○
○
○
○
16
16
22
○
○
○
○
○
○
○
20
20
−0.007
−0.020 26
8
1
○
○
○
○
○
○
(3)
4
B 5103:2003
(4)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
AJ1形及びAJ2形の形状及び寸法は,表5による。
表 5 形状及び寸法(AJ1形及びAJ2形)
注(3) 表3の注(3) 参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
H
L
寸法
AJ1
AJ2
許容差 許容差
100 125 150 200 250 300 350 400 450 500 600 700 800 1 000
2
2
−0.03
−0.05
−0.01
−0.02
5
4
○ ○ ○ ○
2.5
2.5
6
○ ○ ○ ○
3
3
○ ○ ○ ○ ○
3.5
3.5
−0.03
−0.06
7
○ ○ ○ ○ ○
4
4
8
6
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
4.5
4.5
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
5
5
9
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6
6
10
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
7
7
11
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8
8
13
8
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
10
10
15
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○
12
12
17
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○
15
15
20
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○
16
16
21
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○
20
20
25
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○
(3)
5
B 5103:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.4
AH形の形状及び寸法は,表6による
表 6 形状及び寸法(AH形)
注(3) 表3の注(3) 参照。
単位 mm
呼び寸法
D1
D2
H
L
寸法 許容差
100
125
150
200
250
300
350
400
1
1
0
−0.005
4
4
○
○
○
○
1.5
1.5
○
○
○
○
2
2
5
○
○
○
○
○
2.5
2.5
6
○
○
○
○
○
3
3
○
○
○
○
○
○
3.5
3.5
7
○
○
○
○
○
○
4
4
8
○
○
○
○
○
○
4.5
4.5
○
○
○
○
○
○
5
5
9
○
○
○
○
○
○
○
6
6
10
○
○
○
○
○
○
○
7
7
11
○
○
○
○
○
○
○
8
8
13
○
○
○
○
○
○
○
○
10
10
15
○
○
○
○
○
○
○
12
12
17
○
○
○
○
○
○
5. 表示 この規格に適合したエジェクタピンの表示は,次による。
a) 規格名称
b) 規格番号
c) 種類又は記号
d) 呼び寸法(D1)
e) 長さ(L)
f)
材料
例1. モールド用エジェクタピン JIS B 5103 A1 2×100 SKD61
例2. モールド用エジェクタピン JIS B 5103 AJ1 3×150 SKD61
(3)
6
B 5103:2003
(6)
附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 5103:2003 モールド用エジェクタピン
ISO 6751:1998 モールド用頭付きエジェクタピン
(I) JISの規定
(II) 国際規
格番号
(III) 国際規格の規定
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線又は実線の側線
(V) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごとの
評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 ダイカスト金型,プラ
スチック用金型など
のモールド型に用い
られるエジェクタピ
ンを規定。
1. 適用範囲 圧縮成形型,射出成形
型,ダイカスト型に用
いられるエジェクタピ
ンを規定。
IDT
−
2. 種類及び
記号
ダイカスト用及びプ
ラスチック用を分け,
A1形,A2形,AJ1形,
AJ2形AH形を規定。
なし
MOD/追加 種類の区分を明確にし,その
記号をきめた。
用途別に寸法許容差が異なるために,
1形(ISO形)と2形(JIS形)に分
類した。また,使用上の混乱を避ける
ため,当面JISの併記とし,将来は国
際規格へ一本化する予定。
3. 材料及び
硬さ
種類別に材料と硬さ
を規定。
3. 材料及び
硬さ
材料は,熱間工具鋼又
は冷間合金工具鋼。硬
さは材料別に数値を規
定。
MOD/追加 JISで追加された種類の材料
を追加規定した。
使用上混乱するおそれがあるため,当
面JISの併記とし,将来は国際規格へ
一本化する予定。
4. 形状及び
寸法
種類に対応した呼び
寸法,基準寸法,許容
差などを規定。
2. 寸法
呼び寸法,基準寸法,
許容差などを規定。
MOD/追加 追加された種類の寸法・形状
を追加規定した。
用途別に寸法許容差が異なるために,
1形(ISO形)と2形(JIS形)に分
類した。また,使用上の混乱を避ける
ため,当面JISの併記とし,将来は国
際規格へ一本化する予定。
5. 表示
規格名称,番号,種類,
呼び寸法,長さ,材料
を規定。
4. 表示
規格名称,番号,ピン
径,長さ,材質を規定。
IDT
−
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
6
B
5
1
0
3
:
2
0
0
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
B 5103:2003
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1.
項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT…………… 技術的差異がない。
− MOD/追加…… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
2. JISと国際規格との対応程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD…………
国際規格を修正している。
7
B
5
1
0
3
:
2
0
0
3