2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4709 - 1997
木工機械用平かんな刃
Planer knives for woodworking machines
1. 適用範囲 この規格は,木工機械用の回転かんな胴に使用する平かんな刃(以下,かんな刃という。)
について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0651 触針式表面粗さ測定器
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7514 直定規
JIS B 7524 すきまゲージ
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験機
JIS B 7727 ショア硬さ試験機
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JI S G4403 高速度工具鋼鋼材
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
JIS Z 2246 ショア硬さ試験方法
2. 種類 及び記号かんな刃の種類及び記号は取付け穴の有無によって,表1のとおり区分する。
表1 種類及び記号
種類
記号
備考
A形
A
取付け穴があるもの
B形
B
取付け穴がないもの
3. 品質
3.1
外観 かんな刃の外観は表面が平滑であって,地きず,割れ,ねじれ,接着不良,有害なまくれ,
さびなどの欠陥がなく,仕上げは良好でなければならない。
3.2
表面粗さ かんな刃の刃裏面の表面粗さは,6.1によって測定したときJIS B 0601に規定する
0.8μmRa以下でなければならない。
3.3
硬さ かんな刃の刃金部及び台金部の硬さは,6.2によって試験を行い,表2の値でなければならな
い。
2
B 4709 - 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 刃金部及び台金部の硬さ
項目
硬さ
硬さ
硬さのばらつき
刃金部
62HRC以上
2HRC以下
85HS以上
4HS以下
台金部
99HRB以下
−
35HS以下
−
備考 硬さはHRC, HRB又はHSのいずれか
とする。
3.4
曲がりかんな刃のがりは,次による(図1参照)
図1 かんな刃の曲がり
(1) 長さ方向の曲がり 長さ方向の曲がりの許容値は,6.3によって測定し表3の値以下でなければならな
い。
(2) 厚さ方向の曲がり 厚さ方向の曲がりの許容値は,6.3によって測定し表4の値以下でなければならな
い。
(3) 幅方向の曲がり 刃裏面は,6.3によって測定し図1に示すような中高であってはならない。
表3 長さ方向の曲がり
単位mm
長さL
許容値
100〜300
0.10
305〜510
0.15
表4 厚さ方向の曲がり
単位mm
長さL
許容値
100〜300
0.4
305〜510
0.6
3.5
質量のばらつき かんな胴に取り付ける一組のかんな刃の質量のばらつきは,6.4によって測定し,
表5の値以下でなければならない。
表5 質量のばらつき
単位g
長さL (mm)
質量のばらつき
100〜300
4
305〜510
5
4. 形状・寸法 かんな刃の形状及び寸法は,付表1及び付表2による。
5. 材料
3
B 4709 - 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.1
刃金部の材料 かんな刃の刃金部は,JIS G 4403に規定するSKH51又は使用上これと同等以上の性
能をもつものとする。
5.2
台金部の材料 かんな刃の台金部は,JIS G 3101又はJIS G 4051に規定する鋼材,又は使用上これ
と同等以上の性能をもつものとする。
6. 試験方法
6.1
表面粗さ かんな刃の刃裏面の表面粗さは,JIS B 0651に規定する測定器,又は同等以上の性能を
もつ測定器を用いて測定する。
6.2
硬さ かんな刃の刃金部及び台金部の硬さは,JIS B 7726又はJIS B 7727に規定する試験機を用い
て,JIS Z 2245又はJIS Z 2246の試験方法によって測定する。ただし刃金部については,刃金幅中心付近
の所を長さ方向の両端から,20mm付近と中央部付近の3か所を測定し,中央部付近の値を刃金部の硬さ
の測定値とし,3か所の測定値の最大差を刃金部の硬さのばらつきとする。
6.3
曲がり かんな刃の曲がりは表6に示す方法で測定する。
表6 曲がりの測定方法
項目
測定方法
測定方法図
測定器具
曲がり
測定箇所を平らな面に当て
て,最大すきまをすきまゲー
ジで測定する。
JIS B 7524のす
きまゲージ,定
盤
又はJIS B 7514
のB級の直定規
6.4
質量のばらつき かんな胴に取り付ける一組のかんな刃の質量のばらつきは,最小目盛が0.5gの計
量器で測定する。
6.5
形状・寸法 かんな刃の形状及び寸法は,表7によって測定する。
4
B 4709 - 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表7 形状・寸法の測定方法
番号
項目
測定方法
測定方法図
測定器具
1
長さ
ノギスで中央部付近の1か所
を測定し,その値を測定値と
する。
JIS B 7507
のノギス
2
幅及び幅の
ばらつき
ノギスで両端から10mm付
近と中央部付近の3か所を測
定し,中央部付近の値を幅の
測定値とする。また3か所の
測定値の最大差を幅のばら
つきとする。
JIS B 7507のノ
ギス
3
厚さ及び厚
さのばらつ
き
外側マイクロメータでみね
部から約10mm以下の所を
両端から10mm付近と中央
部付近の3か所を測定し,中
央部付近の値を厚さの測定
値とする。また3か所の測定
値の最大差を厚さのばらつ
きとする。
JIS B 7502の外
側マイクロメー
タ
4
刃物角
分度器又はこれに代わるゲ
ージを用いて,長さ方向の1
か所を測定し,その値を測定
値とする。
分度器又はゲー
ジ
7. 検査 かんな刃の検査は,外観,表面粗さ,硬さ,曲がり,形状・寸法,及び質量のばらつきについ
て行い,それぞれ3.1〜3.5及び4.の規定に適合しなければならない。
8. 製品の呼び方 かんな刃の呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類又は記号,刃金部の材料記号及
び寸法(長さ×幅×厚さ)による。
例
JIS B 4709
木工機械用平かんな刃
A
B形
SKH51 305×75×9.5
SKH51 300×32×6.4
9. 表示
9.1
製品の表示 製品には,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 寸法(長さ×幅×厚さ)
(2) 刃金部の材料記号
(3) 製造業者名又はその略号
9.2
包装の表示 包装には,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 種類又は記号
(2) 寸法(長さ×幅×厚さ)
(3) 刃金部の材料記号
(4) 製造業者名又はその略号
5
B
4
7
0
9
-
1
9
9
7
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 形状・寸法(A形)
単位mm
長さL
幅W
厚さT
刃金部
参考
刃物角θ
刃金部
取付穴の寸法
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許
容
差
ばらつき
基準
寸法
許容差
ばらつき
幅a
厚さb
基準角度
許容
差
l
θ'−θ
W (75) ×T
(9.5)
W (70) ×T
(8)
W (50) ×T
(8)
P
E
取
付
穴
数
(最小) (最小)
D
H
h
D
H
h
D
H
h
100
±0.5
50
±0.5
0.2以下
6.4
±0.05
0.05以下
24
1.5
38°〜55°
±1°
0.7以下
1°以下
17
42
6
13
42
6
13
38
6
50
25
2
160
70
8.0
14
50
30
3
203
75
9.5
75
26.5
3
250
65
27.5
4
254
70
22
305
±0.7
0.3以下
76
38.5
330
84
39
355
76
25.5
5
390
68
25
6
400
85
30
5
406
90
23
426
33
450
95
35
457
38.5
460
40
備考1. 刃表のみね部は,必要に応じて面取りをすることができる。
2. 長さ (L) の基準寸法は,受渡当事者間の協定によって付表1以外の寸法とすることができる。
6
B 4709 - 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 形状・寸法(B形)
単位mm
長さL
幅W
厚さT
刃金部
参考
刃物角θ
刃金部
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
ばらつき
基準
寸法
許容差
ばらつき
幅a
厚さb
基準角度
許容差
l
θ'−θ
(最小)
(最小)
130
±0.5
28
±0.5
0.2以下
3.2
±0.05
0.05以下
18
1.0
38°〜55°
±1°
0.7以下
1°以下
150
32
4.0
160
35
4.8
180
5
185
6.4
230
250
254
300
305
±0.7
0.3以下
310
350
355
400
410
450
457
464
500
508
510
備考 長さ (L) の基準寸法は,受渡当事者間の協定によって付表2以外の寸法とすることができる。
7
B 4709 - 1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会構成表
氏名
所属
(委員長)
丸 山 弘 志
東京理科大学
藤 野 達 雄
通商産業省機械情報産業局
大 島 清 冶
工業技術院標準部
因 幸二郎
財団法人日本規格協会
◎ 古 田 寛
兼房株式会社
高 橋 正 夫
東洋刃物株式会社
○ 高 橋 弘 志
木村刃物製造株式会社
大 澄 謹 也
株式会社オリオン工具製作所
中 村 彰 雄
庄田鉄工株式会社
宇 塚 正
株式会社ウロコ製作所
下 坂 知
株式会社名南製作所
○ 近 藤 昌 三
株式会社太洋製作所
○ 佐 藤 正 之
株式会社日立工機原町
川 島 正 行
株式会社平安コーポレーション
村 上 勝
社団法人全国木工機械工業会
(事務局)
○ 箱 田 大 幸
日本機械鋸・刃物工業会
備考 ○印は木工機械用平かんな刃JIS原案作成分科会委員を
兼ねる。
◎印は同分科会長を示す。