B 4648:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 形状・寸法 ······················································································································ 2
4 機械的性質及び試験方法 ···································································································· 3
4.1 硬さ ···························································································································· 3
4.2 保証トルク ··················································································································· 3
5 検査······························································································································· 5
6 製品の呼び方 ··················································································································· 5
7 表示······························································································································· 6
7.1 製品の表示 ··················································································································· 6
7.2 包装の表示 ··················································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 7
B 4648:2008
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会
(JFRI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 4648:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
B 4648:2008
六角棒スパナ
Hexagon socket screw keys
序文
この規格は,2001年に第5版として発行されたISO 2936を基に作成した日本工業規格であるが,六角穴
付きねじ部品の製品規格に整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,六角棒スパナ(以下,スパナという。)について規定する。
この規格のスパナは,JIS B 1051及びJIS B 1054-1で規定する強度区分の六角穴付きおねじ部品の締付け,
並びにJIS B 1053及びJIS B 1054-3に規定する強度区分の六角穴付き止めねじの締付けに用いる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 2936:2001,Assembly tools for screws and nuts−Hexagon socket screw keys (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引
用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト
注記 対応国際規格:ISO 898-1:1999,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 1: Bolts, screws and studs (IDT)
JIS B 1053 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第5部:引張力を受けない止めねじ及び類
似のねじ部品
注記 対応国際規格:ISO 898-5:1998,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy
steel−Part 5: Set screws and similar threaded fasteners not under tensile stresses (IDT)
JIS B 1054-1 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト
注記 対応国際規格:ISO 3506-1,Mechanical properties of corrosion-resistant stainless-steel fasteners−Part
1: Bolts , screws and studs (IDT)
JIS B 1054-3 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質−第3部:引張力を受けない止めねじ及び類
似のねじ部品
注記 対応国際規格:ISO 3506-3,Mechanical properties of corrosion-resistant stainless-steel fasteners−Part
3: Set screws and similar fasteners not under tensile stress (IDT)
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法
2
B 4648:2008
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注記 対応国際規格:ISO 6508-1:1999,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method
(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD)
3
形状・寸法
スパナの形状・寸法は,図1及び表1による。
注a) スパナの端面は,面取りなし,丸面取り又は平面取りのいずれでもよいが,丸面取りの半径及び平面取りの大きさ
fは,それぞれ,対角距離eの最大値と二面幅sの最小値との差の1/2を超えてはならない。
2
最小
最大
最大
s
e
f
−
=
両端面は,それぞれの軸心に対して直角で,角度許容差±1°とする。
b) rは1.5 mm以上,又はr ≧s
c) s ≦ 17 mmの場合は,
°
+°
−°21
90
s > 17 mmの場合は,
°
+°
−°31
90
図1−スパナの形状
3
B 4648:2008
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表1−スパナの寸法
単位 mm
二面幅
s
対角距離
e a)
長柄の長さ
l1
短柄の長さ
l2
呼び
最大
最小
最大
最小
標準形
M形
L形
許容差
基準寸法
許容差
0.7
0.71
0.70
0.79
0.76
33
−
−
0
−2
7
0
−2
0.9
0.89
0.88
0.99
0.96
33
−
−
11
1.3
1.27
1.24
1.42
1.37
41
63.5
81
13
1.5
1.50
1.48
1.68
1.63 b)
46.5
63.5
91.5
15.5
2
2.00
1.96
2.25
2.18 c)
52
77
102
18
2.5
2.50
2.46
2.82
2.75 c)
58.5
87.5
114.5
0
−4
20.5
3
3.00
2.96
3.39
3.31 c)
66
93
129
23
4
4.00
3.95
4.53
4.44 c)
74
104
144
29
5
5.00
4.95
5.67
5.58 d)
85
120
165
33
6
6.00
5.95
6.81
6.71 d)
96
141
186
0
−6
38
8
8.00
7.94
9.09
8.97
108
158
208
44
10
10.00
9.94
11.37
11.23
122
180
234
50
12
12.00
11.89
13.65
13.44
137
202
262
57
14
14.00
13.89
15.93
15.70
154
229
294
0
−7
70
0
−3
17
17.00
16.89
19.35
19.09
177
262
337
80
19
19.00
18.87
21.63
21.32
199
−
−
89
22
22.00
21.87
25.05
24.71
222
−
−
0
−12
102
0
−5
24
24.00
23.87
27.33
26.97
248
−
−
114
27
27.00
26.87
30.75
30.36
277
−
−
127
32
32.00
31.84
36.45
35.98
347
−
−
157
36
36.00
35.84
41.01
40.50
391
−
−
176
41
41.00
40.84
46.71
46.15
435
−
−
195
46
46.00
45.84
52.41
51.80
480
−
−
215
注a) e最大=1.14s最大−0.03(1.5≦s≦46)
e最小=1.13s最小(8≦s≦46)
b) e最小=1.13s最小−0.04
c) e最小=1.13s最小−0.03
d) e最小=1.13s最小−0.02
4
機械的性質及び試験方法
4.1
硬さ
スパナの硬さは,JIS Z 2245に規定する試験方法によって行い,表3による。
4.2
保証トルク
図2に示すように,スパナの短い方の柄を六角穴付きアダプタに挿入する。アダプタの六角穴の寸法及び
ロックウェル硬さは,表3による。表3で規定する最小保証トルクに達するまで,長い柄の端からm[m=( l1/3)
±2 mm]の位置に滑らかに力を負荷する。そのとき,力のかけ始めから最後まで,負荷フォルダとスパナの
柄とは,表2に示す力点の幅bの全領域にわたって固定されていなければならない。力は柄の軸に対して直
角に負荷し,トルクは力の作用点と六角穴付きアダプタの軸線との距離によって計算する。表3の最小保証
トルク以下で,スパナの使用を損なう損傷又は変形が生じてはならない。
二面幅が14 mm以下のスパナは,少なくとも60°のねじり角度までにねじり破断せず,そして破断する
前に永久変形が生じなければならない。
4
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注a) 六角穴付きアダプタ
b) m=( l1 / 3)±2 mm
c) 負荷フォルダ
図2−保証トルク試験
表2−負荷フォルダ
単位 mm
二面幅
s
呼び
力点の幅(図2参照)
b
±1
0.7≦s≦5
10
5<s≦17
20
s>17
50
5
B 4648:2008
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表3−スパナのロックウェル硬さ及び保証トルク
二面幅の呼び
s
mm
スパナ
保証トルク試験用六角穴付きアダプタc)
最小
ロックウェル硬さa)
HRC
最小保証トルクb)
Md
N・m
穴の二面幅
mm
はめあい長さt d)
mm
最大
最小
基準寸法
許容差
0.7
52
0.08
0.724
0.711
1.5
1
0
+
0.9
0.18
0.902
0.889
1.7
1.3
0.53
1.295
1.270
2
1.5
0.82
1.545
1.520
2
2
1.9
2.045
2.020
2.5
2.5
3.8
2.560
2.520
3
3
6.6
3.080
3.020
3.5
4
16
4.095
4.020
5
5
30
5.095
5.020
6
6
52
6.095
6.020
8
8
120
8.115
8.025
10
10
48
220
10.115
10.025
12
2
0
+
12
370
12.142
12.032
15
14
590
14.142
14.032
17
17
45
980
17.230
17.050
20
19
1 360
19.275
19.065
23
22
2 110
22.275
22.065
26
24
2 750
24.275
24.065
29
27
3 910
27.275
27.065
32
32
4 000
32.330
32.080
38
36
4 000
36.330
36.080
43
41
4 000
41.330
41.080
48
46
4 000
46.330
46.080
53
注a) スパナは,全長にわたって軸の心部まで硬化させる。
b) s=27 mm以下のMdは,Md=0.85(0.7Rm)(0.224 5s 3)によって算出した値である。ただし,Rmはスパナの最小ロッ
クウェル硬さから近似した引張強さである。
c) 保証トルク試験用六角穴付きアダプタの最小硬さは,次による。
s≦17 mmの場合:60HRC
s>17 mmの場合:55HRC
六角穴付きアダプタの対角は,e最小=e最大(表1)+0.05
d) はめあい長さtは,約1.2s,ただし,s<1.5 mmの場合は,約1.5s。tの値は,保証トルク試験だけのもので,実
際のねじ締付けには適用しない。
5
検査
スパナの検査は,合理的な抜取りによって形状・寸法及び機械的性質について行い,箇条3及び箇条4の
規定に適合しなければならない。
6
製品の呼び方
スパナの呼び方は,次による。
a) 規格名称
b) 規格番号
c) 二面幅の呼び
6
B 4648:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 長柄の長さの記号(M形及びL形の場合)
例1 二面幅s =10 mm,長柄の長さが標準形のスパナの製品の呼び方
六角棒スパナ JIS B 4648−10
例2 二面幅s =10 mm,長柄の長さがM形のスパナの製品の呼び方
六角棒スパナ JIS B 4648−10 M
例3 二面幅s =10 mm,長柄の長さがL形のスパナの製品の呼び方
六角棒スパナ JIS B 4648−10 L
7
表示
7.1
製品の表示
二面幅sが3 mm以上のスパナには,見やすい箇所に二面幅の呼び及び製造業者名又はその略号を,刻印
などによって表示しなければならない。
7.2
包装の表示
包装には,外面に次の事項を表示しなければならない。
a) 規格番号又は規格名称
b) 二面幅の呼び
c) 長柄の長さの記号(M形及びL形の場合)
d) 材料
e) 数量
f)
製造業者名又はその略号
注記 略号には,できるだけ登録商標を用いるのがよい。
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 4648:0000 六角棒スパナ
ISO 2936:2001,Assembly tools for screws and nuts−Hexagon socket screw keys
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
六角棒スパナの特性
について規定
1 適用範囲
鋼製の六角棒ス
パナの特性につ
いて規定
追加
鋼製に加えステンレス鋼製を追
加。
棒スパナは,鋼製のねじ部品だ
けではなく,ステンレス製のね
じ部品にも使用されることか
ら追加した。
2 引用規格
JIS B 1051,
JIS B 1053,
JIS B 1054-1,
JIS B 1054-3を引用。
2 引用規格
ISO 898-1,
ISO 898-5を引
用。
追加
JISでは,ISO規格が引用してい
ないステンレス製ボルトの機械
的性質の規格も引用。
棒スパナは,鋼製のねじ部品だ
けではなく,ステンレス製のね
じ部品にも使用されることか
ら追加した。
3 形状・寸法
二面幅の呼び0.7〜46
の形状・寸法を規定
3 寸法
0.7〜36の寸法を
規定
削除
及び
追加
JIS及びISO規格の六角穴付きお
ねじ部品の製品規格で使用して
いない二面幅のサイズ
0.5,4.5,7,9,11,
13,15,16,18,21,23,29,30は削除し,
おねじ部品の製品規格で使用し
ている41及び46を追加規定。
JISは,対応するISO規格のす
べてを変更することなく必要
に応じた規格を規定した。
4 機械的性質及
び試験方法
硬さ及び保証トルク
を規定
4 試験方法
保証トルクの試
験方法を規定
追加
JISでは,ISO規格に規定されて
いない硬さの試験方法の箇条を
追加した。
JISは,対応するISO規格に規
定がない条項を追加した。
5 検査
検査について規定
−
−
追加
JISではISO規格に規定されてい
ない検査の箇条を追加した。
JISは,対応するISO規格に規
定がない事項を追加した。
6 製品の呼び方
製品の呼び方を規定
5 製品の呼
び方
一致
7
B
4
6
4
8
:
0
0
0
0
7
B
4
6
4
8
:
0
0
0
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 表示
製品の表示及び包装
の表示を規定
6 表示
製品の表示だけ
規定
追加
JIS認証において包装表示が必要
であるために追加した。
JISは,対応するISO規格に規
定がない条項を追加した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2936:2001,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD················ 国際規格を修正している。
7
B
4
6
4
8
:
0
0
0
0
7
B
4
6
4
8
:
0
0
0
0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。