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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 4625-1995 

斜めニッパ 

Slant edge cutting nippers 

1. 適用範囲 この規格は,主に電子機器などの配線及び組立て修理のとき,銅線類の切断に用いる斜め

ニッパ(以下,ニッパという。)について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 7725 ビッカース硬さ試験機 

JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験機 

JIS B 7734 微小硬さ試験機 

JIS C 3102 電気用軟銅線 

JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材 

JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法 

JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法 

JIS Z 2251 ヌープ硬さ試験方法 

2. 種類 ニッパの種類は,2枚合わせ及び3枚合わせの2種類とする。 

3. 等級 ニッパの等級は,品質によって,強力級及び普通級の2等級とする。 

なお,等級を表す記号は,強力級の場合はH,普通級の場合はNとする。 

4. 形状・寸法 ニッパの形状及び寸法は,次のとおりとする。 

(1) ニッパの形状は,原則として図1による。 

(2) ニッパの寸法は,表1による。 

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B 4625-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 形状 

表1 寸法 

単位 mm 

呼び寸法 

a1 

a2 

a3 

寸法 許容差 寸法 許容差 寸法 許容差 最大 寸法 許容差 

125 

14 

±0.7 

23 

±1.5 

10 

±0.7 

50 

130 

±4 

150 

15 

25 

11 

52 

155 

5. 品質 

5.1 

外観 ニッパの外観は,割れ,有害なきず,まくれ,さび,その他使用上有害な欠点がなく,仕上

げの程度は良好でなければならない。 

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B 4625-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.2 

機能 

5.2.1 

接合部 ニッパの結合部の滑り接触面は,すきまが少なく,開閉が円滑でなければならない。 

5.2.2 

切れ味 ニッパの刃部のほぼ中央に表2の試験用銅線(1)を挟み,柄部に荷重を加えたとき,試験用

銅線を表2の荷重以下で切断できなければならない。 

注(1) 試験用銅線は,JIS C 3102の電気用軟銅線とする。 

表2 試験用銅線及び荷重 

単位 mm 

試験用銅線 

試験用銅線をくわえる点の
荷重 (N) 

線径 

強力級 

普通級 

2.0 

785 

981 

5.3 

機械的性質 

5.3.1 

変形 ニッパの永久ひずみは,7.1によって試験を行ったとき,柄部最大幅の1 %以下でなければ

ならない。 

5.3.2 

耐衝撃性 ニッパ(普通級は除く。)の耐衝撃性は,7.2によって試験を行ったとき,刃部に抜け,

割れ,著しい圧こんなどの異常があってはならない。 

5.3.3 

硬さ ニッパの刃部の硬さは,7.3によって試験を行ったとき,54〜62 HRC (577〜746 HV) とする。 

6. 材料 ニッパ本体の材料は,JIS G 4401のSK7,又は5.に規定する品質と同等以上の材料とする。 

7. 試験方法 

7.1 

変形試験 ニッパの変形試験は,図2に示す刃部根元に,直径6 mmの試験用鋼棒を挟み,柄部最

大幅のところに荷重を加えて表3のトルクを約1分間与え,荷重を加える前の寸法の読みと荷重を除いた

後の寸法の読みとの差を測定する。 

図2 変形試験 

単位 mm 

表3 変形試験のトルク 

単位 N・m 

呼び寸法 

トルク 

強力級 

普通級 

125 

21.6 

16.7 

150 

24.5 

19.6 

7.2 

衝撃試験 ニッパの衝撃試験は,ニッパを図3に示すような衝撃装置に固定し,刃部のほぼ中央に

3.9 Jの衝撃を与え,刃部に異常があるかどうかを調べる。ただし,このときの試験棒は,硬さが45 HRC

以上の鋼材とする。 

備考 1 J=1 N・m 

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B 4625-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 衝撃装置 

7.3 

硬さ試験 ニッパの刃部の硬さは,JIS B 7726に規定する試験機を用いて,JIS Z 2245の試験方法に

よって測定する。ただし,ロックウェル硬さ試験機によって測定できない場合は,JIS B 7725に規定する

試験機を用いて,JIS Z 2244の試験方法によって測定するか,又はJIS B 7734に規定する試験機を用いて,

JIS Z 2251の試験方法によって測定してもよい。 

8. 検査 ニッパの検査は,次による。 

(1) 形状・寸法検査 ニッパの形状及び寸法の検査は,直尺,ノギスなどを用いて行い,4.に適合しなけ

ればならない。 

(2) 外観検査 ニッパの外観検査は,目視によって行い,5.1に適合しなければならない。 

(3) 接合部検査 ニッパの接合部検査は,適切な用具又は感触によって行い,5.2.1に適合しなければなら

ない。 

(4) 切れ味検査 ニッパの切れ味検査は,5.2.2に適合しなければならない。 

(5) 変形検査 ニッパの変形検査は,5.3.1に適合しなければならない。 

(6) 耐衝撃性検査 ニッパ(普通級は除く。)の耐衝撃性検査は,5.3.2に適合しなければならない。 

(7) 硬さ検査 ニッパの硬さ検査は,5.3.3に適合しなければならない。 

B 4625-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 製品の呼び方 ニッパの呼び方は,規格番号又は規格名称(2),種類,呼び寸法,及び等級による。 

注(2) 規格名称は,ニッパと略してもよい。 

例1. JIS B 4625 2枚合わせ 125 強力級 

例2. ニッパ 

3枚合わせ 150 普通級 

10. 表示 ニッパには,適切な箇所に,次の事項を表示する。 

なお,材料記号を表示することが望ましい。 

(1) 等級を表す記号 

(2) 製造業者名又はその略号 

ニッパ原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

築 添   正 

大阪大学名誉教授 

竹 原   康 

東京都立科学技術大学 

吹 譯 正 憲 

通商産業省機械情報産業局鋳鍛造品課 

森 田 昭 三 

工業技術院標準部機械規格課 

吉 満 行 孝 

通商産業省通商産業検査所検査部機械課 

瀬 倉 久 男 

防衛庁装備局調達補給課 

佐々木 賢 市 

株式会社東芝府中工場ロボット開発課 

鷹 野 武 次 

日産自動車株式会社品質管理部第一品質管理課 

永 瀬 和 彦 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

仁 宮 尚 之 

日本電信電話株式会社筑波技術開発センター 

田 中   貢 

花園工具株式会社 

野 崎 誠 二 

フジ矢ペンチ株式会社 

長谷川   直 

株式会社マルト長谷川工作所 

小 山 鐵 郎 

株式会社小山鉄工所 

安 藤   勇 

東立産業株式会社 

山 口 太 郎 

全国作業工具工業組合