B 4413 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS B 4413-1987は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際整合化を図るため,ISO 236/II : 1976, Long fluted machine reamers, Morse taper Shanks
(マシンリーマ)を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 4413には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) J形マシンリーマ
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4413 : 1998
マシンリーマ
Reamers−Machine reamers
序文 この規格は,1976年に第1版として発行されたISO 236/II, Long fluted machine reamers, Morse taper
shanksを基に作成した日本工業規格であり,対応国際規格と対応する部分については,技術的内容を変更
することなく作成しているが,対応国際規格には規定されていない規定項目(定義,品質,試験方法,検
査,製品の呼び方及び表示)及び規定内容(等級におけるA級及び附属書に規定するJ形マシンリーマ)
を追加している。
1. 適用範囲 この規格は,直径が6mmを超え85mm以下のマシンリーマ(以下,リーマという。)につ
いて規定する。
備考1. この規格の本体によらないリーマを,附属書(規定)に規定する。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 236/II : 1976 Long fluted machine reamers, Morse taper shanks
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0021 製品の幾何特性仕様 (GPS) −幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
JIS B 0173 リーマ用語
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0659 比較用表面粗さ標準片
JIS B 1011 センタ穴
JIS B 1501 玉軸受用鋼球
JIS B 3301 モールステーパゲージ
JIS B 4003 モールステーパ部をもつシャンク及びソケット−形状・寸法
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7540 Vブロック
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験−試験機の検証
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験−試験機の検証
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
2
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS G 4403 高速度工具鋼鋼材
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0173による。
4. 種類・等級 リーマの種類は,刃のねじれによって,直刃及びねじれ刃の2種類とし,表1のとおり
とする。リーマの等級は,直径の許容差によって,A級及びB級(1)の2等級とする。
注(1) B級は,ISO 236/IIに一致している。
表1 リーマの種類
刃のねじれ
名称
直刃
マシンリーマ (直刃)
ねじれ刃
マシンリーマ ねじれ刃
備考 紛らわしくない場合は,表中の名称
に括弧を付けた文字を省略しても
よい。
5. 形状・寸法 リーマの形状及び寸法は,表2による。
表2 マシンリーマの形状及び寸法
3
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 マシンリーマの形状及び寸法(続き)
単位 mm
直径D
全長
刃長
モール
ステー
パ番号
参考
推奨寸法
直径D許容差の等級
寸法範囲
食付き
の長さ
lc
刃数
A級
m5
B級
m6
を超え
以下
L
l
Z
−
+0.012
+0.006
+0.015
+0.006
6.0
6.7
130
50
1
1
6
7
6.7
7.5
134
54
8
7.5
8.5
138
58
9
8.5
9.5
142
62
10
9.5
10.0
146
66
−
+0.015
+0.007
+0.018
+0.007
10.0
10.6
11
10.6
11.8
151
71
12
11.8
13.2
156
76
13
8
14
13.2
14.0
161
81
15
14.0
15.0
181
2
1.5
16
15.0
17.0
187
87
17
18
17.0
18.0
193
93
19
+0.017
+0.008
+0.021
+0.008
18.0
19.0
20
19.0
21.2
200
100
21
22
21.2
23.02
207
107
23
−
23.02
23.6
234
3
24
23.6
26.5
242
115
25
26
10
27
26.5
30.0
251
124
28
30
−
+0.020
+0.009
+0.025
+0.009
30.0
31.75
260
133
32
31.75
33.50
293
4
34
33.50
37.5
302
142
2
35
36
38
37.5
42.5
313
152
40
12
42
44
42.5
47.5
323
163
45
4
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 マシンリーマの形状及び寸法(続き)
単位 mm
直径D
全長
刃長
モール
ステー
パ番号
参考
推奨寸法 直径D許容差の等級
寸法範囲
食付き
の長さ
lc
刃数
A級
m5
B級
m6
を超え
以下
L
l
Z
46
+0.020
+0.009
+0.025
+0.009
42.5
47.5
323
163
4
2
12
48
47.5
50.0
334
174
50
−
+0.024
+0.011
+0.030
+0.011
50.0
50.8
5
52
50.8
53.0
371
55
53.0
60.0
381
184
2.5
14
56
58
60
62
60.0
67.0
391
194
63
67
71
67.0
75.0
400
203
−
75.0
76.2
409
212
−
76.2
80.0
479
6
−
+0.028
+0.013
+0.035
+0.013
80.0
85.0
3
16
備考1. 直径Dの許容差は,JIS B 0401-2による。
2. 直刃の場合は,原則として刃溝を不等分割にするが,直径の測定を容易にするため,
相対する刃は軸心を含む同一平面にすることが望ましい。
3. センタ穴は,JIS B 1011による。
4. モールステーパシャンクは,JIS B 4003による。
5. 全長L及び刃長lの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)とする。
6. 直径Dには,原則として長さ100mmにつき0.03mmのバックテーパを付けること
が望ましい。
参考1. 形状は,ISO 236/IIでは,ねじれ刃だけを表示している。
2. 量記号は,ISO 236/IIでは,直径をd,刃長をl1と表示している。
6. 品質
6.1
外観 リーマの外観は,地きず,割れ,有害なまくれ,きず,さび,接合不良などの欠点がなく,
仕上げは良好でなければならない。
6.2
表面粗さ リーマの刃部の表面粗さは,8.1の試験を行ったとき,マージンでJIS B 0601に規定する
0.40μmRa (1.6μmRy) 以下,すくい面で1.60μmRa (6.3μmRy) 以下とする。
6.3
硬さ リーマの刃部の硬さは,8.2による試験を行ったとき,63HRC以上又は772HV以上とする。
シャンクは,有害な変形又は損傷を起こさないよう適切な熱処理を施さなければならない。
6.4
振れ リーマの刃部の振れは,8.3による試験を行ったとき表3による。
5
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 マシンリーマの刃部の振れの公差
備考 図示方法は,JIS B 0021による。
単位 mm
直径Dの範囲
外周の振れの
公差
tr
食付きの振れ
の公差
tc
を超え
以下
6
31.75
0.02
0.02
31.75
85
0.03
0.03
7. 材料 リーマの材料は,JIS G 4403に規定するSKH51,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。
なお,溶接リーマのシャンクの材料は,JIS G 4051に規定するS55C,又はこれと同等以上の性能をもつ
ものとする。
8. 試験方法
8.1
表面粗さ リーマの表面粗さは,目視によってJIS B 0659に規定する比較用表面粗さ標準片と比較
測定する。
8.2
硬さ リーマの刃部の硬さは,JIS B 7726に規定するロックウェル硬さ試験機を用いて,JIS Z 2245
に規定する試験方法によって測定する。ただし,ロックウェル硬さ試験機によって測定できない場合は,
JIS B 7725に規定するビッカース硬さ試験機を用いて,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定して
もよい。
なお,試験機による測定が困難な場合は,やすりによる比較測定を行ってもよい。
8.3
振れ リーマの刃部の振れは,図1のように,リーマを精密定盤上に置いたセンタ台に取り付け,
切れ刃に垂直にダイヤルゲージを当て,矢の方向に回しながらダイヤルゲージの指針の動きを読む。読み
の最大値と最小値との差を測定値とする。
備考1. 精密定盤は,JIS B 7513に規定する1級とする。
2. ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定する目量0.01mmダイヤルゲージとする。
3. Vブロックは,JIS B 7540に規定する1級とする。
4. 測定用ゲージはテーパ穴をもち,その精度はJIS B 3301による。
測定用ゲージの外周の真円度及びテーパ部と外周との同軸度は,それぞれ2μm以下とする。
5. 鋼球は,JIS B 1501による。
6
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 リーマ刃部の振れの測定方法
9. 検査 リーマの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び振れについて行い,それぞれ5.及び
6.1〜6.4の規定に適合しなければならない。
10. 製品の呼び方 リーマの呼び方は,名称,直径,等級又は直径の許容差,モールステーパ番号及び刃
部の材料記号(2)による。
例1. マシンリーマ 12 A級 MT1 SKH51
例2. マシンリーマ 12 m5 MT1 HSS
例3. マシンリーマ ねじれ刃 12 B級 MT1 HSS-Co
注(2) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合は,HSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合に
はHSS-Coと呼んでもよい。
11. 表示
11.1 製品の表示 リーマには,刃部を下又は左側にして,次の事項を横書きに表示する。
例
a) 直径
: 20
b) 等級又は直径の許容差
: A又はm5
c) モールステーパ番号
: MT2
d) 刃部の材料記号(3)
: SKH51
e) 製造業者名又はその略号
注(3) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合は,HSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合に
はHSS-Coと表示してもよい。
11.2 包装の表示 リーマの包装には,名称及び11.1に規定する事項を表示する。
7
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(規定) J形マシンリーマ
1. 適用範囲 この附属書は,直径が3mmを超え52mm以下のJ形マシンリーマ(以下,J形リーマとい
う。)について規定する。
2. 形状・寸法 リーマの形状及び寸法は,附属書表1による。
附属書表1 J形マシンリーマの形状及び寸法
8
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書表1 J形マシンリーマの形状及び寸法(続き)
単位 mm
直径D
全長
刃長
モールス
テーパ番号
参考
推奨寸法 許容差
m5
L
l
食付きの長さ
lc
刃数
Z
3
+0.006
+0.002
110
35
1
0.5
6
3.5
+0.009
+0.004
4
4.5
120
45
5
1
5.5
6
130
50
6.5
+0.012
+0.006
7
140
55
7.5
8
150
60
8.5
9
160
70
9.5
10
10.5
+0.015
+0.007
11
170
75
11.5
12
12.5
180
80
13
8
13.5
190
85
14
14.5
210
90
2
1.5
15
16
215
95
17
220
100
18
225
105
19
+0.017
+0.008
20
230
110
21
240
120
22
23
250
130
24
270
3
25
9
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書表1 J形マシンリーマの形状及び寸法(続き)
単位 mm
直径D
全長
刃長 モールス
テーパ番号
参考
推奨寸法 許容差
m5
L
l
食付きの長さ
lc
刃数
Z
26
+0.017
+0.008
280
140
3
1.5
10
28
30
290
150
32
+0.020
+0.009
300
160
34
325
4
2
36
330
165
38
40
12
42
335
170
44
46
340
175
48
350
180
50
385
5
52
+0.024
+0.011
備考1. 直径Dの許容差は,JIS B 0401-2による。
2. 直刃の場合は,原則として刃溝を不等分割にするが,直径の測定
を容易にするため,相対する刃は軸心を含む同一平面にすること
が望ましい。
3. センタ穴は,JIS B 1011による。
4. モールステーパシャンクは,JIS B 4003による。
5. 全長L及び刃長lの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c
(粗級)とする。
6. 直径Dには,原則として長さ100mmにつき0.03mmのバックテ
ーパを付けることが望ましい。
3. 品質
3.1
振れ J形リーマの刃部の振れは,本体8.3による試験を行ったとき附属書表2による。
附属書表2 J形リーマの刃部の振れの公差
備考 図示方法は,JIS B 0021による。
単位 mm
直径Dの範囲
外周の振れの
公差
tr
食付きの振れの
公差
tc
を超え
以下
3
30
0.02
0.02
30
52
0.03
0.03
10
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 製品の呼び方 J形リーマの呼び方は,名称,記号J,直径,モールステーパ番号及び刃部の材料記号
(1)による。
例1. マシンリーマ J 10 MT1 SKH51
例2. マシンリーマ ねじれ刃 J 20 MT2 HSS-Co
注(1) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合はHSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Coと呼んでもよい。
5. 表示
5.1
製品の表示 J形リーマには,刃部を下又は左にして,次の事項を横書きに表示する。
例
a) 記号
: J
b) 直径
: 10
c) モールステーパ番号
: MT1
d) 刃部の材料記号(2)
: SKH51
e) 製造業者名又はその略号
注(2) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合はHSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Coと表示してもよい。
5.2
包装の表示 J形リーマの包装には,名称及び5.1に規定する事項を表示する。ただし,直刃の場合
の種類は省略してもよい。
11
B 4413 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
村 田 良 司
東京理科大学工学部
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
工業技術院標準部
伊 藤 哲
工業技術院機械技術研究所
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
野 上 彰
株式会社不二越
羽 山 隆 貫
日立ツール株式会社
片 桐 泰 典
株式会社不二越
日下部 祐 次
神鋼コベルコツール株式会社
宮 林 光 行
株式会社彌満和製作所
倉 持 建
日本高周波鋼業株式会社
舞 田 靖 司
社団法人日本機械工業連合会
岡 安 英 雄
社団法人日本工作機械工業会
西 村 欣 也
社団法人日本歯車工業会
石 川 侑 男
社団法人日本金型工業会
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
手 取 正 輝
いすゞ自動車株式会社川崎工場
小 峰 武 夫
コベルコツールエンジニアリング株式会社
白
秀 明
オーエスジー株式会社
佐 藤 直 彦
理研製鋼株式会社
木 村 育 夫
株式会社三興製作所
(事務局)
平 野 武 治
日本工具工業会
西 垣 吉麻呂
日本工具工業会