B 4407 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS B 4407-1964は改正されるとともに,JIS B 4408-1964は廃止され,
この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際整合化を図るため,ISO 2402 : 1972, Shell reamers with taper bore [taper bore 1 : 30
(included)] with slot drive and arbors for shell reamers(テーパ穴付きシェルリーマ及びアーバ)を基礎として
用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 4407には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) J形シェルリーマ用アーバ
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4407 : 1998
シェルリーマ用アーバ
Arbors for shell reamers
序文 この規格は,1972年に第1版として発行されたISO 2402, Shell reamers with taper bore [taper bore 1 : 30
(included) ] with slot drive and arbors for shell reamersを基に作成した日本工業規格であり,対応国際規格と対
応する部分については,技術的内容を変更することなく作成しているが,対応国際規格には規定されてい
ない規定項目(定義,品質,材料,試験方法,検査,製品の呼び方及び表示)及び規定内容(附属書に規
定するJ形シェルリーマ用アーバ)を追加している。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 4406に規定するシェルリーマ用のアーバ(以下,アーバという。)につ
いて規定する。
備考1. この規格の本体によらないシェルリーマ用アーバについては,附属書(規定)に規定する。
2. この規格本体の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2402 : 1972 Shell reamers with taper bore [taper bore 1 : 30 (included)] with slot drive and
arbors for shell reamers
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0021 製品の幾何特性仕様 (GPS) −幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
JIS B 0173 リーマ用語
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0614 円すい公差方式
JIS B 0659 比較用表面粗さ標準片
JIS B 1011 センタ穴
JIS B 1501 玉軸受用鋼球
JIS B 3301 モールステーパゲージ
JIS B 4003 モールステーパ部をもつシャンク及びソケット−形状・寸法
JIS B 4406 シェルリーマ
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7540 Vブロック
2
B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験−試験機の検証
JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な出語の定義は,JIS B 0173による。
4. 種類 アーバの種類は,テーパシャンクの1種類とし,名称はシェルリーマ用テーパシャンクアーバ
とする。
5. 形状・寸法 アーバの形状及び寸法は,表1による。
表1 シェルリーマ用テーパシャンクアーバの形状及び寸法
単位mm
シェルリーマ
の直径の範囲
全長 リーマ取付部
の長さ
モール
ステー
パ番号
基準径
端面キーの幅 端面キーの
高さ
面取り長さ つば
の径
L
l
D1(1)
a
F1
E1
C1
d1
r1
を超え 以下
基準
寸法
許容差
h16
最小 最大 基準
寸法
許容差
h12
基準
寸法
許容差
h12
基準
寸法
許容差 最大 最大
19.9
23.6
220
40
0
−1.60
2
10
0.8
1.2
4
0
−0.12
4.6
0
−0.12
0.3
+0.1
0
18
0.3
23.6
30.0
250
45
3
13
0.9
1.4
21
30.0
35.5
261
50
16
5
5.6
0.4
27
0.4
35.5
42.5
298
56
0
−1.90
4
19
1.1
1.7
6
6.7
0
−0.15
0.5
32
0.5
42.5
50.8
312
63
22
7
0
−0.15
7.7
39
50.8
60.0
359
71
5
27
8
8.8
0.6
+0.2
0
46
0.6
60.0
71.0
376
80
32
1.4
2.2
10
9.8
56
71.0
85.0
396
90
0
−2.20
40
12
0
−0.18
11.0
0
−0.18
0.8
65
0.8
85.0
101.6
416
100
50
14
12.0
80
注(1) 基準径D1は,基準となる寸法で,aの範囲内になければならない。
備考1. モールステーパシャンクは,JIS B 4003による。
2. センタ穴は,JIS B 1011による。
3. リーマ取付け部のテーパの精度は,JIS B 0614に規定するAT7とする。
4. リーマ取付け部の長さl,端面キーの幅F1,端面キーの高さE1の許容差は,JIS B 0401-2に
よる。
3
B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 全長Lの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)とする。
参考 量記号は,ISO 2402では基準径をd1,aをa2,端面キーの幅をb1,端面キーの高さをl2,面取
り長さをe,つばの径をd2と表示している。
6. 品質
6.1
外観 アーバの外観は,地きず,割れ,有害なまくれ,きず,さびなどの欠点がなく,仕上げは良
好でなければならない。
6.2
表面粗さ アーバの表面粗さは,8.1による試験を行ったとき,リーマ取付部でJIS B 0601に規定す
る0.8μmRa (3.2μmRy) とする。
6.3
硬さ アーバのリーマ取付部の硬さは,8.2による試験を行ったとき,400HV以上とする。
6.4
振れ アーバの振れの公差は,8.3による試験を行ったとき,図1による。
備考
図示方法は,JIS B 0021による。
図1 アーバの振れの公差
7. 材料 アーバの材料は,JIS G 4401に規定するSK7又は使用上これと同等以上の性能をもつものとす
る。
8. 試験方法
8.1
表面粗さ アーバの表面粗さは,目視によってJIS B 0659に規定する粗さ標準片と比較測定する。
8.2
硬さ アーバのリーマ取付部の硬さは,JIS B 7725に規定するビッカース硬さ試験機を用いて,JIS Z
2244に規定するビッカース硬さ試験方法によって測定する。また,試験機による測定が困難な場合は,や
すりによる比較測定を行ってもよい。
8.3
振れ アーバの振れは,図2のように,アーバを測定用ゲージに取り付け,精密定盤の上に置いた
Vブロックで支え,アーバに垂直にダイヤルゲージを当て,回しながらダイヤルゲージの指針の動きを読
む。読みの最大値と最小値との差を測定値とする。
備考1. 精密定盤は,JIS B 7513に規定する1級とする。
2. ダイヤルゲージは,JIS B 7503による。
3. Vブロックは,JIS B 7540に規定する1級とする。
4. 測定用ゲージは,テーパ穴をもち,その精度はJIS B 3301による。測定用ゲージの外周の真
円度及びテーパ部と外周との同軸度は,それぞれ2μm以下とする。
5. 鋼球は,JIS B 1501による。
4
B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図2 テーパシャンクアーバの振れの測定方法
9. 検査 アーバの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び振れについて行い,それぞれ5.及び
6.1〜6.4の規定に適合しなければならない。
10. 製品の呼び方 アーバの呼び方は,名称及びアーバの基準径D1による。
例 シェルリーマ用テーパシャンクアーバ
10
11. 表示
11.1 製品の表示 アーバには,なるべくリーマ取付部を下又は左にして,首部に次の事項を横書きに表
示する。
例
a) アーバの基準径
:
10
b) リーマの取付部のテーパ
:
30
1
c) 製造業者名又はその略号
11.2 包装の表示 アーバの包装には,名称及び11.1に規定する事項を表示する。
5
B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(規定) J形シェルリーマ用アーバ
1. 適用範囲 この附属書は,JIS B 4406の附属書(規定)J形シェルリーマに対するJ形シェルリーマ用
アーバ(以下,J形アーバという。)について規定する。
2. 種類 J形アーバの種類は,シャンクの形状によって,ストレートシャンク及びテーパシャンクの2
種類とし,名称は附属書表1による。
附属書表1 種類
シャンクの形状
名称
ストレートシャンク
J形シェルリーマ用ストレートシャンクアーバ
モールステーパシャンク
J形シェルリーマ用テーパシャンクアーバ
3. 形状・寸法 J形アーバの形状及び寸法は,附属書表2及び附属書表3による。
6
B
4
4
0
7
:
1
9
9
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書表2 J形シェルリーマ用ストレートシャンクアーバの形状及び寸法
単位mm
シェルリーマの
直径の範囲
全長
L
リーマ
取付部
の長さ
l
基準径
D1(1)
a
端面キーの幅
F1
端面キーの長さ
E1
面取
長さ
C1
シャンク径
d
つばの
径
d1
端面
キーの
丸み
r1
シャンク
の長さ
ls
参考
を超え 以下
最小 最大 基準
寸法
許容差
h11
基準
寸法
許容差
h11
基準
寸法
許容差
h7
最大
最大
l1
d2
l2
h
i
t
20以上
23
280
50
12
0.96 1.6
4.7
0
−0.075
6
0
−0.075
0.3
16
0
−0.018
19
1
115
40
4
19 15.3 6
12
23
32
310
60
15
1.2
2.0
5.6
7
0
−0.090
0.4
20
0
−0.021
22
130
45
22 19.1 8
16
32
40
340
70
20
1.56 2.6
6.6
0
−0.090
8
0.5
25
31
140
50
5
31 24
10
20
40
50
370
80
25
7.6
9
0.6
30
39
150
55
6
39 28.8 12.5
25
50
62
400
90
32
1.98 3.3
8.6
11
0
−0.110
35
0
−0.025
49
2
155
60
8
49 33.5 15
30
62
75
430
100
38
9.6
12
0.8
40
61
160
65
61 38
17.5
35
75
88
460
110
44
2.52 4.2
11.6
0
−0.110
14
46
74
170
70
10
74 43.5 20
40
88
100
490
120
50
52
0
−0.030
85
175
75
85 49
22.5
45
注(1) 基準径D1は,基準となる寸法で,aの範囲内になければならない。
備考1. センタ穴は,JIS B 1011による。
2. つばの取付け方法は,変更してもさしつかえない。
3. リーマ取付部のテーパの精度は,JIS B 0614に規定するAT7とする。
4. 端面キーの幅F1,は紙面キーの高さE1,シャンク径dの許容差は,JIS B 0401-2による。
7
B
4
4
0
7
:
1
9
9
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 全長L,リーマ取付部の長さl及びシャンクの長さlsの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)とする。
附属書表3 J形シェルリーマ用テーパシャンクアーバの形状及び寸法
備考 図は,モールステーパシャンクの基準径よりd2が小さな場合を示す。
単位mm
シェルリーマの
直径の範囲
全長
L
リーマ
取付部
の長さ
l
モールス
テーパ番
号
基準径
D1(2)
a
端面キーの幅
F1
端面キーの高さ
E1
面取長さ
C1
つばの径
d1
r1
参考
を超え 以下
最小
最大 基準寸法 許容差
h11
基準寸法 許容差
h11
最大
最大
d2
d3
l1
i
l
20以上
23
280
50
2
12
0.96
1.6
4.7
0
−0.075
6
0
−0.075
0.3
19
1
16
4
19 6
12
23
32
310
60
3
15
1.2
2
5.6
7
0
−0.090
0.4
22
20
22 8
16
32
40
340
70
4
20
1.56
2.6
6.6
0
−0.090
8
0.5
31
25
5
31 10
20
40
50
370
80
25
7.6
9
0.6
39
30
6
39 12.5
25
50
62
400
90
5
32
1.98
3.3
8.6
11
0
−0.110
49
2
35
8
49 15
30
62
75
430
100
38
9.6
12
0.8
61
40
61 17.5
35
75
88
460
110
44
2.52
4.2
11.6
0
−0.110
14
74
46
10
74 20
40
88
100
490
120
50
85
52
85 22.5
45
注(2) 基準径D1は,基準となる寸法で,aの範囲内になければならない。
備考1. モールステーパシャンクは,JIS B 4003による。
2. センタ穴は,JIS B 1011による。
3. つばの取付け方法は,変更しても差し支えない。
4. リーマ取付部のテーパの精度は,JIS B 0614に規定するAT7とする。
5. 端面キーの幅F1,端面キーの高さE1の許容差は,JIS B 0401-2による。
6. 全長L及びリーマ取付部の長さlの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)とする。
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B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 品質
4.1
振れ シェルリーマ用ストレートシャンクアーバの振れの公差は,5.1による試験を行ったとき附属
書図1による。
附属書図1 アーバの振れの公差
5. 試験方法
5.1
振れ シェルリーマ用ストレートシャンクアーバの振れは,附属書図2のようにアーバを精密定盤
の上に置いたセンタ台に取付け,リーマ取付部の外周面又はストレートシャンクに垂直にダイヤルゲージ
を当て,回しながらダイヤルゲージの指針の動きを読む。読みの最大値と最小値との差を測定値とする。
附属書図2 ストレートシャンクアーバの振れの測定方法
6. 製品の呼び方 J形アーバの呼び方は,名称,記号J及びアーバの基準径による。
例1. J形シェルリーマ用ストレートシャンクアーバ
J 12
例2. J形シェルリーマ用テーパシャンクアーバ
J 12
7. 表示
7.1
製品の表示 J形アーバには,なるべくリーマ取付部を下又は左にして,首部に右へ横書きに表示す
る。
例
a) 記号
:
J
b) J形アーバの基準径
:
12
c) リーマ取付部のテーパ
:
50
1
d) 製造業者名又はその略号
7.2
包装の表示 J形アーバの包装には,名称及び7.1に規定する事項を表示する。
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B 4407 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
村 田 良 司
東京理科大学理工学部
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
工業技術院標準部
伊 藤 哲
工業技術院機械技術研究所
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
野 上 彰
株式会社不二越
羽 山 隆 貫
日立ツール株式会社
片 桐 泰 典
株式会社不二越
日下部 祐 次
神鋼コベルコツール株式会社
宮 林 光 行
株式会社彌満和製作所
倉 持 建
日本高周波鋼業株式会社
舞 田 靖 司
社団法人日本機械工業連合会
岡 安 英 雄
社団法人日本工作機械工業会
西 村 欣 也
社団法人日本歯車工業会
石 川 侑 男
社団法人日本金型工業会
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
手 取 正 輝
いすゞ自動車株式会社川崎工場
小 峰 武 夫
コベルコツールエンジニアリング株式会社
白
秀 明
オーエスジー株式会社
佐 藤 直 彦
理研製鋼株式会社
木 村 育 夫
株式会社三興製作所
(事務局)
平 野 武 治
日本工具工業会
西 垣 吉麻呂
日本工具工業会