B 4402 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS B 4402-1994は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際整合化を図るため,ISO 521 : 1975, Machine chucking reamers with parallel shanks or
Morse taper shanks(チャッキングリーマ)を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4402 : 1998
チャッキングリーマ
Reamers−Machine chucking reamers with
parallel shanks or Morse taper shanks
序文 この規格は,1975年に第1版として発行されたISO 521, Machine chucking reamers with parallel shanks
or Morse taper shanksを基に作成した日本工業規格であり,対応国際規格と対応する部分については,技術
的内容を変更することなく作成しているが,対応国際規格には規定されていない規定項目(定義,品質,
材料,試験方法,検査,製品の呼び方及び表示)及び規定内容(等級におけるA級)を追加している。
1. 適用範囲 この規格は,直径が1.32mmを超え50mm以下のチャッキングリーマ(以下,リーマとい
う。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 521 : 1975 Machine chucking reamers with parallel shanks or Morse taper shanks
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0021 製品の幾何特性仕様 (GPS) −幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示
方式
JIS B 0173 リーマ用語
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0659 比較用表面粗さ標準片
JIS B 1011 センタ穴
JIS B 1501 玉軸受用鋼球
JIS B 3301 モールステーパゲージ
JIS B 4003 モールステーパ部をもつシャンク及びソケット−形状・寸法
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7540 Vブロック
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験−試験機の検証
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験−試験機の検証
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4403 高速度工具鋼鋼材
2
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0173による。
4. 種類・等級 リーマの種類は,シャンクの形状によって,ストレートシャンク及びテーパシャンクの
2種類,刃のねじれによって,直刃及びねじれ刃の2種類とし,表1のとおりとする。
リーマの等級は,直径の許容差によって,A級及びB級(1)の2種類とする。
注(1) B級は,ISO 521と一致している。
表1 リーマの種類
シャンクの形状
刃のねじれ
名称
ストレートシャンク
直 刃
ストレートシャンクチャッキングリーマ(直刃)
ねじれ刃
ストレートシャンクチャッキングリーマ ねじれ刃
テーパシャンク
直 刃
テーパシャンクチャッキングリーマ(直刃)
ねじれ刃
テーパシャンクチャッキングリーマ ねじれ刃
備考 表中の名称で,紛らわしくない場合は,括弧を付けた文字は省略してもよい。
5. 形状・寸法 リーマの形状及び寸法は,表2及び表3による。
表2 ストレートシャンクチャッキングリーマの形状及び寸法
3
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
直径D
シャンク径d
全長L
刃長l
シャンクの長さls
参考
推奨寸法
許容差
寸法範囲
基準寸法
許容差
h9
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
刃数
Z
A級
m5
B級
m6
を超え
以下
1.4
+0.006
+0.002
+0.008
+0.002
1.32
1.5
1.4
0
−0.025
40
±1.5
8
±1
−
−
4
1.5
1.5
1.6
1.5
1.7
1.6
43
9
1.8
1.7
1.9
1.8
46
10
2
1.9
2.12
2.0
49
11
2.2
2.12
2.36
2.2
53
12
2.5
2.36
2.65
2.5
57
14
2.8
2.65
3
2.8
61
15
3
3.0
3.2
+0.009
+0.004
+0.012
+0.004
3.0
3.35
3.2
0
−0.030
65
16
6
3.5
3.35
3.75
3.5
70
18
4
3.75
4.25
4.0
75
19
32
±1.5
4.5
4.25
4.75
4.5
80
21
33
5
4.75
5.30
5.0
86
23
34
5.5
5.3
6.0
(5.5)
5.6
93
26
36
6
(6.0)
5.6
−
+0.012
+0.006
+0.015
+0.006
6.0
6.7
(6.0)
101
28
38
6.3
0
−0.036
7
6.7
7.5
(7.0)
7.1
109
31
±1.5
40
8
7.5
8.5
8.0
117
33
42
9
8.5
9.5
9.0
125
±2
36
44
10
9.5
10.6
10.0
133
38
46
11
+0.015
+0.007
+0.018
+0.007
10.6
11.8
142
41
12
11.8
13.2
151
44
13
14
13.2
14.0
(12.0)
12.5
0
−0.043
160
47
50
8
(15)
14.0
15.0
162
50
16
15.0
16.0
170
52
(17)
16.0
17.0
14.0
175
54
52
18
17.0
18.0
182
56
(19)
+0.017
+0.008
+0.021
+0.008
18.0
19.0
16.0
189
58
58
20
19.0
20.0
195
60
備考1. 直径Dが2.65mm以下の刃溝の形状は,四角にしても差し支えない。
2. 直径Dが3.75mm以下は,直径Dとシャンク寸法dを同一寸法とし,表中のシャンク径dは推奨寸法に対する
値を示す。
3. シャンク径dの許容差は,JIS B 0401-2による。
4. センタは,突出しセンタ又はJIS B 1011による。
5. 直径Dには,長さ100mmにつき0.03mmのバックテーパを付けることが望ましい。
6. 直径D及びシャンク径dに括弧を付けたものは,なるべく用いない。
参考1. 形状は,ISO 521では直刃だけ表示している。
2. 量記号は,ISO 521では直径をd,シャンク径をd1,シャンク長さをl1と表示している。
4
B 4402 : 1998
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表3 テーパシャンクチャッキングリーマの形状及び寸法
単位 mm
直径D
全長L
刃長l
参考
推奨寸法
許容差
寸法範囲
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
モールス
テーパ番号
刃数
Z
A級
m5
B級
m6
を超え
以下
5.5
+0.009
+0.004
+0.012
+0.004
5.3
6.0
138
±2
26
±1
1
6
6
−
+0.012
+0.006
+0.015
+0.006
6.0
6.7
144
28
7
6.7
7.5
150
31
±1.5
8
7.5
8.5
156
33
9
8.52
9.5
162
36
10
9.56
10.6
168
38
11
+0.015
+0.007
+0.018
+0.007
10.6
11.8
175
41
12
11.8
13.2
182
44
13
14
13.2
14.0
189
47
8
15
14.0
15.0
204
50
2
16
15.0
16.0
210
52
(17)
16.0
17.0
214
54
18
17.0
18.0
219
56
(19)
+0.017
+0.008
+0.021
+0.008
18.0
19.0
223
58
20
19.0
20.0
228
60
−
20.0
21.2
232
62
22
21.2
22.4
237
64
−
22.4
23.02
241
66
−
23.02
23.6
264
3
(24)
23.6
25.0
268
68
25
(26)
25.0
26.5
273
70
10
28
26.5
28.0
277
71
(30)
28.0
30.0
281
73
−
+0.020
+0.009
+0.025
+0.009
30.0
31.5
285
75
−
31.5
31.75
290
77
32
31.75
33.5
317
±3
4
(34)
33.5
35.5
321
78
5
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
直径D
全長L
刃長l
参考
推奨寸法
許容差
寸法範囲
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
モールス
テーパ番号
刃数
Z
A級
m5
B級
m6
を超え
以下
(35)
36
35.5
37.5
325
79
(38)
37.5
40.0
329
81
40
(42)
40.0
42.5
333
82
12
(44)
42.5
45.0
336
83
45
(46)
45.0
47.5
340
84
(48)
47.5
50.0
344
86
50
備考1. モールステーパシャンクは,JIS B 4003による。
2. センタは,突出しセンタ又はJIS B 1011による。
3. 直径Dには,長さ100mmにつき0.03mmのバックテーパを付けることが望ましい。
4. 直径Dに括弧を付けたものは,なるべく用いない。
参考1. 形状は,ISO 521では,直刃だけ表示している。
2. 量記号は,ISO 521では,直径をdと表示している。
6. 品質
6.1
外観 リーマの外観は,地きず,割れ,有害なまくれ,きず,さび,接合不良などの欠点がなく,
仕上げは良好でなければならない。
6.2
表面粗さ リーマの刃部の表面粗さは,8.1の試験を行ったとき,すくい面で,JIS B 0601に規定す
る1.60μmRa (6.3μmRy) 以下とする。
6.3
硬さ リーマの刃部の硬さは,8.2による試験を行ったとき,63HRC以上又は772HV以上とする。
テーパシャンクのタングは,有害な変形及び損傷を起こさないような適切な熱処理を施さなければならな
い。
6.4
振れ リーマの刃部及びシャンクの振れは,8.3による試験を行ったとき表4-1及び表4-2による。
表4-1 ストレートシャンクチャッキングリーマの刃部及びシャンクの振れの公差
備考 図示方法は,JIS B 0021による。
単位 mm
直径Dの範囲
外周の
振れの公差
tr
食付きの
振れの公差
tc
シャンクの
振れの公差
ts
を超え
以下
1.32
2.8
0.020
0.020
0.020
2.8
20
0.015
6
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4-2 テーパシャンクチャッキングリーマの刃部の振れの公差
備考 図示方法は,JIS B 0021による。
単位mm
直径Dの範囲
外周の
振れの公差
tr
食付きの
振れの公差
tc
を超え
以下
5.3
30
0.020
0.020
30
50
0.030
0.030
7. 材料 リーマの材料は,JIS G 4403に規定するSKH51,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。
なお,溶接リーマのシャンクの材料は,JIS G 4051に規定するS55C,又はこれと同等以上の性能をもつ
ものとする。
8. 試験方法
8.1
表面粗さ リーマの表面粗さは,目視によってJIS B 0659に規定する比較用表面粗さ標準片と比較
測定する。
8.2
硬さ リーマの刃部の硬さは,JIS B 7726に規定するロックウェル硬さ試験機を用いて,JIS Z 2245
に規定する試験方法によって測定する。ただし,ロックウェル硬さ試験機によって測定できない場合は,
JIS B 7725に規定するビッカース硬さ試験機を用いて,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定して
もよい。
なお,試験機による測定が困難な場合は,やすりによる比較測定を行ってもよい。
8.3
振れ リーマの刃部及びシャンクの振れは,ストレートシャンクの場合は,図1のように,リーマ
を精密定盤上に置いたセンタ台に取り付け,切れ刃又はシャンクに垂直にダイヤルゲージを当て,また,
テーパシャンクの場合は,図2のように,リーマを測定用ゲージに取り付け,測定定盤の上に置いたVブ
ロックで支え,切れ刃に垂直にダイヤルゲージを当て,矢の方向に回しながらダイヤルゲージの指針の動
きを読む。読みの最大値と最小値との差を測定値とする。
備考1. 精密定盤は,JIS B 7513に規定する1級とする。
2. ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定する目量0.001mmダイヤルゲージとする。
3. Vブロックは,JIS B 7540に規定する1級とする。
4. 測定用ゲージはテーパ穴をもち,その精度は,JIS B 3301による。測定用ゲージの外周の真
円度及びテーパ部と外周との同軸度は,それぞれ2μm以下とする。
5. 鋼球は,JIS B 1501による。
7
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 ストレートシャンクチャッキングリーマの刃部及びシャンクの振れの測定方法
図2 テーパシャンクチャッキングリーマの刃部の振れの測定方法
9. 検査 リーマの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び振れについて行い,それぞれ5.及び
6.1〜6.4の規定に適合しなければならない。
10. 製品の呼び方 リーマの呼び方は,名称,直径,等級又は直径の許容差及び刃部の材料記号(2)による。
例1. ストレートシャンクチャッキングリーマ 12 A級 SKH51
例2. ストレートシャンクチャッキングリーマ ねじれ刃 12 m5 SKH55
例3. テーパシャンクチャッキングリーマ ねじれ刃 20 B級 HSS-Co
注(2) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合はHSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Coと呼んでもよい。
11. 表示
11.1 製品の表示 リーマには,シャンク又は首部になるべく刃部を下,又は左側にして,次の事項を横
書きに表示する。
例
a) 直径
: 20
b) 等級又は直径の許容差
: A 又は m5
c) 刃部の材料記号(3)
: SKH51
d) 製造業者名又はその略号
8
B 4402 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注(3) 使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合はHSSと,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Coと表示してもよい。
11.2 包装の表示 リーマの包装には,名称及び11.1に規定する事項を表示する。
国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
村 田 良 司
東京理科大学理工学部
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
工業技術院標準部
伊 藤 哲
工業技術院機械技術研究所
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
野 上 彰
株式会社不二越
羽 山 隆 貫
日立ツール株式会社
片 桐 泰 典
株式会社不二越
日下部 祐 次
神鋼コベルコツール株式会社
宮 林 光 行
株式会社彌満和製作所
倉 持 建
日本高周波鋼業株式会社
舞 田 靖 司
社団法人日本機械工業連合会
岡 安 英 雄
社団法人日本工作機械工業会
西 村 欣 也
社団法人日本歯車工業会
石 川 侑 男
社団法人日本金型工業会
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
手 取 正 輝
いすゞ自動車株式会社川崎工場
小 峰 武 夫
コベルコツールエンジニアリング株式会社
白
秀 明
オーエスジー株式会社
佐 藤 直 彦
理研製鋼株式会社
木 村 育 夫
株式会社三興製作所
(事務局)
平 野 武 治
日本工具工業会
西 垣 吉麻呂
日本工具工業会