B 4230 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS B 4230 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,対応国際規格であるISO 12197 : 1996, Woodruff keyseat cutters−Dimensionsとの整合化を
図るため改正を行った。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 4230には,次に示す附属書がある。
附属書1(参考) J形半月キー溝フライス
附属書2(参考) 半月キー溝フライスの形状・寸法以外の推奨技術仕様
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4230 : 1999
半月キー溝フライス
Milling cutters−Woodruff keyseat cutters
序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 12197 Woodruff keyseat cutters−Dimensionsを元
に作成した日本工業規格であり,対応国際規格と対応する部分については,技術的内容を変更することな
く作成しているが,対応国際規格には規定されていない規定項目(定義)を追加している。
なお,点線の下線の施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 1301(キー及びキー溝)に規定する半月キー及びキー溝の呼び寸法が1
×4〜10×32mmに対応するキー溝の加工に用いる半月キー溝フライス(以下,フライスという。)につい
て規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 12197 : 1996, Woodruff keyseat cutters−Dimensions
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。
これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0172 フライス用語
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 1011 センタ穴
JIS B 1301 キー及びキー溝
備考
ISO 3912, Woodruff keys and keywaysからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS B 4005 フライス用ストレートシャンク部−形状・寸法
備考
ISO 3338-1 : 1996, Cylindrical shanks for milling cutters−Part 1 : Dimensional characteristics of
plain cylindrical shanks
ISO 3338-2 : 1996, Cylindrical shanks for milling cutters−Part 1 : Dimensional characteristics of
flatted cylindrical shanksからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0172による。
4. 種類 フライスの種類は,取り付け方法によって,(プレイン)ストレートシャンクフライス及びフラ
ット付きストレートシャンクフライスの2種類とする。ただし,紛らわしくない場合は,括弧をつけた文
字は,省略してもよい。
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B 4230 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 形状・寸法 フライスの形状及び寸法は,表1による。
表1 ストレートシャンクフライスの形状及び寸法
単位 mm
呼び
幅 b
外径 D
シャンク径 d
首の径
全長
参考
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差
刃数
JIS B
1301の
キー
プレインストレー
トシャンク h8
フラット付きストレ
ートシャンク h6
b×D
e8
dn
L
Z
1×4
1
−0.014 4
+0.5
+0.4
6
0
−0.018
0
−0.008
1.8
50
6
1×1.4
1.5×7
1.5 −0.028 7
2.8
1.5×2.6
2×7
2
3.2
2×2.6
2×10
10
4.0
8
2×3.7
2.5×10
2.5
2.5×3.7
3×13
3
13
+0.5
+0.4
10
0
−0.022
0
−0.009
4.6
56
3×5
3×16
16
10
3×6.5
4×16
4
−0.020
−0.038
16
+0.5
+0.4
4.6
56
10
4×6.5
4×19
19
+0.5
+0.3
5.6
63
12
4×7.5
5×16
5
16
+0.5
+0.4
5.0
56
10
5×6.5
5×19
19
+0.5
+0.3
6.0
63
12
5×7.5
5×22
22
5×9
6×22
6
6.5
6×9
6×25
25
7.5
14
6×10
8×28
8
−0.025
−0.047
28
+0.5
+0.3
10
0
−0.022
0
−0.009
8.5
63
8×11
10×32
10
32
+0.5
+0.3
12
0
−0.027
0
−0.011
9.3
71
10×13
備考1. 表中の呼びは,JIS B 1301の付表6半月キー用のキー溝の形状及び寸法のキーの呼び寸法と対応する。
2. 幅b及びシャンク径dの許容差は,JIS B 0401-2による。
3. センタ穴は,JIS B 1011による。
4. 全長Lの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)による。
5. プレインストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005のR形による。
6. フラット付きストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005による。
7. 刃部には,JIS B 1301の付表6半月キー用のキー溝の形状及び寸法のr1を加工できる範囲で丸コーナを設け
てもよい。
参考 量記号は,ISO 12197では,外形Dをd1,シャンク径dをd2,全長Lをl,首の径dnをd3と表示している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(参考) J形半月キー溝フライス
序文 この附属書1は,本体に規定されていない形状及び寸法について記述するものであり,規定の一部
ではない。
1. 適用範囲 この附属書1は,JIS B 1301(キー及びキー溝)に規定する半月キー及びキー溝の括弧を
付けた呼び寸法に対応するキー溝の加工に用いるJ形半月キー溝フライス(以下,J形フライスという。)
の形状及び寸法について記述する。
2. 種類 J形フライスの種類は,取付け方法によって,(プレイン)ストレートシャンクJ形フライス及
びフラット付きストレートシャンクJ形フライスの2種類とする。
ただし,紛らわしくない場合は,括弧をつけた文字は,省略してもよい。
3. 形状・寸法 J形フライスの形状及び寸法は,附属書1表1による。
附属書1表1 ストレートシャンクJ形フライスの形状及び寸法
単位 mm
呼び
幅 b
外径 D
シャンク径 d
首の径
全長
参考
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
刃数
プレインストレー
トシャンク h8
フラット付きストレ
ートシャンク h6
b×D
e8
dn
L
Z
3×10
3
−0.014
−0.028
10
+0.30
+0.18
8
0
−0.022
0
−0.009
4.2
50
8
4×13
4
−0.020
13
+0.30
10
4.8
50
−0.038
+0.18
6×28
6
28
+0.35
12
0
0
8.5
60
14
+0.21
−0.027
−0.011
6×32
32
+0.43
65
+0.26
7×22
7
−0.025
−0.047
22
+0.35
+0.21
6.5
60
12
7×25
25
7.5
14
7×28
28
8.5
7×32
32
+0.43
65
7×38
38
+0.26
10.5
70
16
4
B 4230 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
呼び
幅 b
外径 D
シャンク径 d
首の径
全長
参考
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
刃数
プレインストレー
トシャンク h8
フラット付きストレ
ートシャンク h6
b×D
e8
dn
L
Z
7×45
45
11.5
75
8×25
8
25
+0.35
7.5
60
14
+0.21
8×32
32
+0.43
+0.26
8.5
65
8×38
38
10.5
70
16
10×45
10
45
11.5
78
備考1. 表中の呼びは,JIS B 1301の付表6半月キー用のキー溝の形状及び寸法のキーの呼び寸法と対応する。
2. 幅b及びシャンク径dの許容差は,JIS B 0401-2による。
3. センタ穴は,JIS B 1011による。
4. 全長Lの許容差は,JIS B 0405に規定する公差等級c(粗級)による。
5. プレインストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005のR形による。
6. フラット付きストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005による。
7. 刃部には,JIS B 1301の付表6半月キー溝の形状及び寸法のr1を加工できる範囲で丸コーナを設けてもよい。
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附属書2(参考) 半月キー溝フライスの
形状・寸法以外の推奨技術仕様
序文 この附属書2は,本体に規定されていないが,推奨される項目について記述するものであり,規定
の一部ではない。
1. 適用範囲 この附属書2は,品質,材料,試験方法,検査,製品の呼び方及び表示について記述する。
2. 引用規格
JIS B 0021 幾何公差の図示方法
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0659 比較用表面粗さ標準片
JIS B 1501 玉軸受用鋼球
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7540 Vブロック
JIS B 7725 ビッカース硬さ試験機
JIS B 7726 ロックウェル硬さ試験機
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4403 高速度工具鋼鋼材
JIS G 7405 工具鋼
備考
ISO 4957, Tool steelsが,この規格と一致している。
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
3. 品質
3.1
外観 フライスの外観は,地きず及び割れ並びに有害なまくれ,きず,さび,接合不良などの欠点
がなく,仕上げは,良好であること。
3.2
表面粗さ フライスの刃部の表面粗さは,5.1による試験を行ったとき,JIS B 0601に規定する1.60
μmRa(6.3μmRy) 以下とする。
3.3
硬さ フライスの刃部硬さは,5.2による試験を行ったとき,63HRC以上又は772HV以上とする。
シャンクは,有害な変形,損傷を起こさないよう適切な熱処理を施すこと。
3.4
振れ フライスの刃部の振れは,5.3による試験を行ったとき,附属書2図1による。
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備考 図示方法は,JIS B 0021による
附属書2図1 フライスの刃部の振れの公差
4. 材料 フライスの材料は,JIS G 4403に規定するSKH51若しくはJIS G 7405に規定するs1〜s5又はこ
れと同等以上の性能をもつものとする。
なお,溶接フライスのシャンクの材料は,JIS G 4051に規定するS55C又はこれと同等以上の性能をも
つものとする。
5. 試験方法
5.1
表面粗さ フライスの刃部の表面粗さは,目視によってJIS B 0659に規定する比較用表面粗さ標準
片と比較測定する。
5.2
硬さ フライスの刃部の硬さは,JIS B 7726に規定するロックウェル硬さ試験機を用いて,JIS Z
2245に規定するロックウェル硬さ試験方法によって測定する。ただし,ロックウェル硬さ試験機によって
測定できない場合は,JIS B 7725に規定するビッカース硬さ試験機を用いて,JIS Z 2244に規定するビッ
カース硬さ試験方法によって測定してもよい。
なお,試験機による測定が困難な場合は,やすりによる比較測定を行ってもよい。
5.3
振れ フライスの刃部の振れは,附属書2図2のように,精密定盤の上に置いたVブロックで支え,
外周刃及び側面に垂直にダイヤルゲージを当て,矢の方向に回しながらダイヤルゲージの指針の動きを読
む。
読みの最大値と最小値との差を測定値とする。
備考1. 精密定盤は,JIS B 7513に規定する1級とする。
2. ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定する目量0.01mmダイヤルゲージとする。
3. Vブロックは,JIS B 7540に規定する1級とする。
4. 鋼球は,JIS B 1501による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2図2 刃部の振れの測定方法
6. 検査 フライスの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び振れについて行い,それぞれ本体
の5. 附属書1の3.及び附属書2の3.1〜3.4に適合すること。
7. 製品の呼び方 フライスの呼び方は,種類,呼び及び刃部の材料記号(1)による。
例1. ストレートシャンク半月キー溝フライス 3×10 SKH51
例2. フラット付きストレートシャンク半月キー溝フライス 3×10 HSS-Co
例3. ストレートシャンク半月キー溝フライス 3×10 s1
注(1) 使用材料がSKH51若しくはs1〜s5又はこれと同等の場合は,HS又はHSSと呼び,また,SKH55
若しくはs6〜s8又はこれと同等の場合は,HSS-Coと呼んでもよい。
8. 表示
8.1
製品の表示 フライスには,刃部を下又は左にして,次の事項を横書きに表示する。
例
(1) 呼び
:10×55
(2) 刃部の材料記号(2)
:SKH51
(3) 製造業者名又はその略号
注(2) 使用材料がSKH51若しくはs1〜s5又はこれと同等の場合は,HS又はHSSと表示し,また,SKH55
若しくはs6〜s8又はこれと同等の場合は,HSS-Coと表示してもよい。
8.2
包装の表示 フライスの包装には,種類及び8.1の事項を表示する。
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
工具分野国際整合化調査研究委員会 構成表
氏名
所属
村 田 良 司
東京理科大学
中 嶋 誠
通商産業省機械情報産業局
本 間 清
工業技術院標準部
伊 藤 哲
工業技術院機械技術研究所
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
野 上 彰
株式会社不二越
羽 山 隆 貫
日立ツール株式会社
川 口 俊 充
株式会社不二越
日下部 祐 次
神鋼コベルコツール株式会社
宮 林 光 行
株式会社彌満和製作所
倉 持 建
日本高周波鋼業株式会社
舞 田 靖 司
社団法人日本機械工業連合会
岡 安 英 雄
社団法人日本工作機械工業会
西 村 欣 也
社団法人日本歯車工業会
石 川 侑 男
社団法人日本金型工業会
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
手 取 正 輝
いすゞ自動車株式会社
小 峰 武 夫
コベルコツールエンジニアリング株式会社
白 土 秀 明
オーエスジー株式会社
佐 藤 直 彦
理研製鋼株式会社
田 中 祐 弌
コベルコツールエンジニアリング株式会社
大 沢 秀 彦
オーエスジー株式会社
平 野 武 治
日本工具工業会
佐 野 保 次
日本工具工業会