B 4127-4:2018
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 寸法······························································································································· 1
4 定義及び表記 ··················································································································· 4
5 材料······························································································································· 5
6 設計······························································································································· 5
6.1 クランプ方式 ················································································································ 5
6.2 コーナ半径rε ················································································································· 5
6.3 調整ねじ ······················································································································ 6
7 製品の範囲 ······················································································································ 6
8 表示······························································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
B 4127-4:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本機械工具工業会(JTA)及び一般財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS B 4127:1998
は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 4127の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 4127-1 第1部:一般事項
JIS B 4127-2 第2部:切れ刃の形状記号F
JIS B 4127-3 第3部:切れ刃の形状記号G
JIS B 4127-4 第4部:切れ刃の形状記号J
JIS B 4127-5 第5部:切れ刃の形状記号K
JIS B 4127-6 第6部:切れ刃の形状記号L
JIS B 4127-7 第7部:切れ刃の形状記号R
JIS B 4127-8 第8部:切れ刃の形状記号S
JIS B 4127-9 第9部:切れ刃の形状記号T
JIS B 4127-10 第10部:切れ刃の形状記号U
JIS B 4127-11 第11部:切れ刃の形状記号W
JIS B 4127-12 第12部:切れ刃の形状記号Y
日本工業規格 JIS
B 4127-4:2018
刃先交換チップ用カートリッジ−Aタイプの
形状・寸法−第4部:切れ刃の形状記号J
Cartridges, type A, for indexable inserts-Part 4: Style J
序文
この規格は,2015年に第1版として発行されたISO 5611-4を基に,我が国の実情を反映し,技術的内容
を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,刃先交換チップ(以下,チップという。)を保持する刃先交換チップ用カートリッジ(以下,
カートリッジという。)で,切込み角κr=93°をもつ,切れ刃の形状記号Jのカートリッジについて規定す
る。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 5611-4:2015,Cartridges, type A, for indexable inserts−Part 4: Style J(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 4120 刃先交換チップの呼び記号の付け方
注記 対応国際規格:ISO 1832:2012,Indexable inserts for cutting tools−Designation
JIS B 4125 刃先交換チップ用ホルダ−角シャンク及びカートリッジの呼び記号の付け方
注記 対応国際規格:ISO 5608:2012,Turning and copying tool holders and cartridges for indexable
inserts−Designation
JIS B 4127-1 刃先交換チップ用カートリッジ−Aタイプの形状・寸法−第1部:一般事項
注記 対応国際規格:ISO 5611-1:2015,Cartridges, type A, for indexable inserts−Part 1: General survey,
correlation and determination of dimensions
3
寸法
寸法の一般事項は,次による。また,カートリッジの形状及び寸法は,図1〜図6及び表1による。
a) 工具全長l1,刃先距離f及び刃先の高さh1の定義については,JIS B 4127-1による。
2
B 4127-4:2018
b) カートリッジの呼び記号については,JIS B 4125による。
注記 図は右勝手を示す。左勝手は,左右反転の図となる。
注記 図中にない寸法は,図3を参照。
図1−刃先の高さh1=6 mmのカートリッジ(80°ひし形)
注記 図中にない寸法は,図3を参照。
図2−刃先の高さh1=8 mmのカートリッジ(55°ひし形)
単位 mm
図3−刃先の高さh1=8 mm,10 mm,12 mm,16 mm及び20 mmのカートリッジ(正三角形)
3
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単位 mm
注記 図中にない寸法は,図3を参照。
図4−刃先の高さh1=25 mmのカートリッジ(正三角形)
図5−刃先の高さh1=6 mm,8 mm,10 mm及び12 mmのカートリッジのA-A断面形状
図6−刃先の高さh1=16 mm,20 mm及び25 mmのカートリッジのA-A断面形状
4
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表1−カートリッジの形状及び寸法(80°ひし形,55°ひし形及び正三角形)
単位 mm
呼び記号a)
h1
±0.08
l4
(約)
b
0
−0.2
d1b)
最小
d2c)
H13
e
f
0
−0.08
h2
0
−0.2
l1
l2
最小
l3
t
±0.13
締付け
ねじ
SCJPR06CA−04
6
4.8
6
20
4
12
8
8.5
25
16
4.5
3.5
M3.5
SCJPL06CA−04
SCJPR06CA−05
6
5.6
6
20
4
12
8
8.5
25
16
4.5
3.5
M3.5
SCJPL06CA−05
SDJCR08CA−07
8
7.8
8
25
4.5
17
10
11
32
21.5
6
4.5
M4
SDJCL08CA−07
STJCR08CA−11
8
11
8
25
4.5
17
10
11
32
21.5
6
4.5
M4
STJCL08CA−11
STJCR10CA−11
10
11
11
40
7
20
14
15
50
26
8
5
M6
STJCL10CA−11
CTJPR12CA−11
12
11
16
50
7
20
20
20
55
26
8
6
M6
CTJPL12CA−11
STJCR12CA−16
12
16.5
16
50
7
20
20
20
55
26
8
6
M6
STJCL12CA−16
PTJNR12CA−16
PTJNL12CA−16
CTJPR16CA−16
16
16.5
20
60
9
25
25
25
63
32.5
8
−
M8
CTJPL16CA−16
PTJNR16CA−16
PTJNL16CA−16
STJCR16CA−22
STJCL16CA−22
PTJNR20CA−22
20
22
20
70
9
30
25
30
70
37.5
10
−
M8
PTJNL20CA−22
PTJNR25CA−27
25
27.5
25
100
11
30
32
35
100
59
10
−
M10
PTJNL25CA−27
注a) ピンロック式にクランプ駒を追加して,二重クランプ式にすることができる(記号PをMに置き換える。)。
b) 最小加工径。
c) 取付け穴は,製造業者によって長穴にすることができる。
4
定義及び表記
この規格に適合するカートリッジに対し,次のように定義及び表記する。
a) 刃先交換チップ用カートリッジと呼ぶ。
b) JIS B 4127-4と表記する。
c) チップのクランプ方式の記号は,JIS B 4125による。
d) チップの形状記号は,JIS B 4120による。
e) 切れ刃の形状記号は,JIS B 4125による。
f)
チップの逃げ角記号は,JIS B 4120による。
g) カートリッジの勝手は,JIS B 4125による。
h) 刃先の高さ(カートリッジのシャンクの高さ及び切れ刃の高さ)記号は,JIS B 4125による。
i)
ホルダ及びカートリッジの幅記号は,JIS B 4125による。
5
B 4127-4:2018
j)
工具全長記号は,JIS B 4125による。
k) チップの切れ刃長さ又は内接円記号は,JIS B 4120による。
例 スクリュオン式(S),チップの形状記号T(T),切れ刃の形状記号J(J),チップの逃げ角7°(C),
右勝手のカートリッジ(R),刃先の高さh1=12 mm(12),Aタイプカートリッジ(CA),工具全
長l1=55 mm(−)及び切れ刃の長さl4=16.5 mm(16)のカートリッジは,次のように表記する。
カートリッジJIS B 4127-4-STJCR 12CA−16
5
材料
カートリッジ材料については,引張強さ1 200 MPa以上の鋼材が望ましい。
6
設計
6.1
クランプ方式
最初の文字記号は,チップのクランプ方式で,次による。
a) チップの逃げ角αn=7°をもつカートリッジ (4番目の文字記号は,チップの逃げ角記号Cである。)
− スクリュオン式の文字記号はSである。例えば,SCJCR。
b) チップの逃げ角αn=11°をもつカートリッジ (4番目の文字記号は,チップの逃げ角記号Pである。)
− クランプオン式の文字記号はCである。例えば,CTJPR。
c) チップの逃げ角αn=0°をもつカートリッジ (4番目の文字記号は,チップの逃げ角記号Nである。)
− ピンロック式の文字記号はPである。例えば,PTJNR。
6.2
コーナ半径rε
この規格に適合するそれぞれのカートリッジは,表1に示す切れ刃の長さl4のチップを装着することが
できる。ただし,その切れ刃は任意のコーナ半径をもつことができる。
表1で示したfの値は,表2に示すコーナ半径rεのチップを用いるカートリッジに適用する。
表2に定義した以外のコーナ半径のチップを用いるカートリッジに対しては,fの値はJIS B 4127-1によ
って決定する。
h1及びfの許容差は,マスタチップ及びマスタ敷板を用いた測定値に適用する。
6
B 4127-4:2018
表2−切れ刃の長さl4及びコーナ半径rε
単位 mm
l4
rε a)
Cb)
Tb)
Db)
4.8
−
−
0.4
5.6
−
−
−
−
7.8
−
9.6
−
−
11.0
−
−
16.5
−
0.8
−
22.0
−
−
27.5
−
1.2
注a) コーナ半径rεは,呼び値を示しているが,実際はインチ系の値から換算したrε=0.397
mm,rε=0.794 mm及びrε=1.191 mmを用いる。
b) JIS B 4120によるチップの形状記号で,“C”はひし形(80°),“T”は正三角形,“D”
はひし形(55°)を表す。
6.3
調整ねじ
カートリッジを,f方向に調整する調整ねじの装着は,製造業者の裁量による。
7
製品の範囲
カートリッジは,チップを除き,クランプ装置と調整ねじとを装着し出荷する。
8
表示
カートリッジには,その呼び記号,及び製造業者名又は商標を表示する。製造業者による説明などの追
加の表示については,製造業者の裁量による。
参考文献 JIS B 0107 バイト用語
JIS B 0170 切削工具用語(基本)
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
ISO/TS 13399-2,Cutting tool data representation and exchange−Part 2: Reference dictionary for the
cutting items
ISO/TS 13399-3,Cutting tool data representation and exchange−Part 3: Reference dictionary for tool
items
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 4127-4:2018 刃先交換チップ用カートリッジ−Aタイプの形状・寸法−第
4部:切れ刃の形状記号J
ISO 5611-4:2015,Cartridges, type A, for indexable inserts−Part 4: Style J
(I)JISの規定
(II)国際
規格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 寸法
寸法の一般事項を
規定
3
JISにほぼ同じ。
追加
JISは,ISO規格にはない切れ刃の
形状記号Cを追加。
我が国の実情に合わせ追加した。
次回の国際規格見直しの際,追加
提案を行う。
6 設計
6.2 コーナ半径
コーナ半径を規定
6.2
JISにほぼ同じ。
追加
JISは,ISO規格にはないチップの
形状記号Cを追加。
我が国の実情に合わせ追加した。
次回の国際規格見直しの際,追加
提案を行う。
変更
表2において,ISO規格はチップの
形状記号Cとしているが,JISでは,
チップの形状記号Dとした。
ISOの間違いなので,次回の国際
規格の見直しの際,ISOに改正提
案を行う。
8 表示
表示について規定
8
JISにほぼ同じ。
変更
対応国際規格に示す事項を削除し
た。
我が国の事情によるが,今後一致
に向けて検討する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 5611-4:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
B
4
1
2
7
-4
:
2
0
1
8