B 4053:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 呼び記号の付け方 ············································································································· 1
5 分類······························································································································· 3
5.1 被削材による大分類 ······································································································· 3
5.2 使用分類 ······················································································································ 3
6 注意事項························································································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
B 4053:2013
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,超硬工具協会
(JCTMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 4053:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 4053:2013
切削用超硬質工具材料の使用分類及び
呼び記号の付け方
Classification and application of hard cutting materials for metal removal with
defined cutting edges-Designation of the main groups and groups of
application
序文
この規格は,2004年に第3版として発行されたISO 513を基に,対応する部分については対応国際規格
を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されて
いない規定項目(引用規格及び用語)を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の一覧表にその説
明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,超硬合金1),セラミックス,ダイヤモンド及び窒化ほう素を含む切削用超硬質工具材料の,
用途による呼び記号の付け方について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 513:2004,Classification and application of hard cutting materials for metal removal with defined
cutting edges−Designation of the main groups and groups of application(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
注1) 超硬合金とは,超硬合金,サーメット,超微粒超硬合金及びこれらに炭化物,窒化物,酸化物
などを被覆した合金の総称である。ISO 513:2004では,Carbidesとしている。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0170 切削工具用語(基本)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0170による。
4
呼び記号の付け方
切削用超硬質工具材料の呼び記号の付け方は,表1〜表4に規定する材料記号を付け,−(ダッシュ)
2
B 4053:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
に続けて,表5に規定する使用分類記号を付ける。
例 呼び記号の使用例
HW−P10 又はP10 [超硬合金HWの場合は,材料記号及び−(ダッシュ)を省略してもよい。]
HC−K20
CA−K10
表1−超硬合金
材料記号
材料の分類
HW
金属及び硬質の金属化合物から成り,その硬質相中の主成分が炭化タングステンであり,硬質相粒の平
均粒径が1 μm以上であるもの。一般に,超硬合金という。
HF
金属及び硬質の金属化合物から成り,その硬質相中の主成分が炭化タングステンであり,硬質相粒の平
均粒径が1 μm未満であるもの。一般に,超微粒超硬合金という。
HT
金属及び硬質の金属化合物から成り,その硬質相中の主成分がチタン,タンタル(ニオブ)の,炭化物,
炭窒化物,窒化物であって,炭化タングステンの成分が少ないもの。一般に,サーメットという。
HC
上記の超硬合金の表面に炭化物,炭窒化物,窒化物(炭化チタン・窒化チタンなど),酸化物(酸化ア
ルミニウムなど),ダイヤモンド,ダイヤモンドライクカーボンなどを,1層又は多層に化学的又は物
理的に被覆させたもの。一般に,被覆超硬合金という。
表2−セラミックス
材料記号
材料の分類
CA
酸化物セラミックスから成り,その主成分が酸化アルミニウム(Al2O3)であるもの。
CM
酸化物以外の成分を含んだセラミックスから成り,その主成分が酸化アルミニウム(Al2O3)であるも
の。
CN
窒化物セラミックスから成り,その主成分が窒化けい素(Si3N4)であるもの。
CR
酸化物セラミックスから成り,その主成分が酸化アルミニウム(Al2O3)であり,ウィスカーなどで強
化されているもの。
CC
上記のセラミックスの表面に炭化物,炭窒化物,窒化物(炭化チタン・窒化チタンなど),酸化物(酸
化アルミニウムなど),ダイヤモンド,ダイヤモンドライクカーボンなどを,1層又は多層に化学的又
は物理的に被覆させたもの。
表3−ダイヤモンド
材料記号
材料の分類
DP
多結晶ダイヤモンド。
DM
単結晶ダイヤモンド。
表4−窒化ほう素
材料記号
材料の分類
BL
主成分が立方晶窒化ほう素であり,窒化ほう素の含有量が少ないもの。
BH
主成分が立方晶窒化ほう素であり,窒化ほう素の含有量が多いもの。
BC
上記の窒化ほう素の表面に炭化物,炭窒化物,窒化物(炭化チタン・窒化チタンなど),酸化物(酸化
アルミニウムなど),ダイヤモンド,ダイヤモンドライクカーボンなどを,1層又は多層に化学的又は物
理的に被覆させたもの。
3
B 4053:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表5−切削用超硬質工具材料の分類
大分類
使用分類a)
識別記号
識別色
被削材
使用分類記号
切削条件:
高速
工具材料:
高耐摩耗性
切削条件:
高送り
工具材料:
高じん(靭)性
P
青色
鋼:
鋼,鋳鋼(オーステナイト
系ステンレスを除く。)
P01
P10
P20
P30
P40
P50
P05
P15
P25
P35
P45
M
黄色
ステンレス鋼:
オーステナイト系,オース
テナイト/フェライト系,
ステンレス鋳鋼
M01
M10
M20
M30
M40
M05
M15
M25
M35
K
赤色
鋳鉄:
ねずみ鋳鉄,球状黒鉛鋳
鉄,可鍛鋳鉄
K01
K10
K20
K30
K40
K05
K15
K25
K35
N
緑色
非鉄金属:
アルミニウム,その他の非
鉄金属,非金属材料
N01
N10
N20
N30
N05
N15
N25
S
茶色
耐熱合金・チタン:
鉄,ニッケル,コバルト基
耐熱合金,チタン及びチタ
ン合金
S01
S10
S20
S30
S05
S15
S25
H
灰色
高硬度材料:
高硬度鋼,高硬度鋳鉄,チ
ルド鋳鉄
H01
H10
H20
H30
H05
H15
H25
注a) 使用分類の矢印の方向となるほど切削条件については高速又は高送り,工具材料については高耐摩耗性又は高
じん(靭)性となることを示す。
5
分類
5.1
被削材による大分類
切削用超硬質工具材料は,表5に示すように被削材によって六つに大分類し,識別記号と識別色とによ
って区別する。
5.2
使用分類
それぞれの大分類は使用分類に分ける。使用分類は,大分類の識別記号及び工具材料のグレードを示す
番号によって表示する。切削用超硬質工具材料の製造業者は,製造する材料を,相対的な耐摩耗性及びじ
ん(靭)性に基づく材料の使用分類に,整理された順序で配列することができる。
4
B 4053:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
注意事項
使用分類は,切削用超硬質工具材料の材料グレードと一致するものではない。異なる製造業者の製造す
る同じ使用分類に属する材料は,それらが使用分類及び性能レベルが同じであっても,材料としては異な
ることもあり得る。その結果,この規格は,材料比較表用のデータを与えるものではない。
5
B 4053:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 4053:2013 切削用超硬質工具材料の使用分類及び呼び記号の付け方
ISO 513:2004 Classification and application of hard cutting materials for metal
removal with defined cutting edges−Designation of the main groups and groups of
application
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範
囲
超硬合金,セラミッ
クス,ダイヤモンド
及び窒化ほう素を
含む切削用超硬質
工具材料の,用途に
よる呼び記号の付
け方について規定。
1
一致
2 引用規
格
−
−
追加
3 用語及
び定義
JIS B 0170による。
−
規定なし
追加
JISでは,用語及び定義につい
て,JIS B 0170を引用した。
技術的差異はない。
4 呼び記
号の付け
方
超硬合金,セラミッ
クス,ダイヤモン
ド,窒化ほう素の各
種材料の記号を規
定。
2
一致
5.1 分類
(被削材
による大
分類)
鋼,ステンレス鋼,
鋳鉄,非鉄金属,耐
熱合金・チタン,高
硬度材料に分類。
3.1
一致
4
B
4
0
5
3
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
B 4053:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.2 分類
(使用分
類)
切削条件,工具材料
の配列による分類
3.2
一致
6 注意事
項
使用分類は材料グ
レードと一致する
ものではない。
4
一致
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 513:2004,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
4
B
4
0
5
3
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。