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B 2402-3:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 保管······························································································································· 1 

5 包装······························································································································· 2 

6 取扱い···························································································································· 2 

7 取付け···························································································································· 3 

附属書JA(参考)保護ジグを適用できない場合のオイルシールの取付け ········································ 7 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 8 

B 2402-3:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

自動車部品工業会(JAPIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。 

これによって,JIS B 2402-3:2002は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 2402の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 2402-1 第1部:寸法及び公差 

JIS B 2402-2 第2部:用語 

JIS B 2402-3 第3部:保管,取扱い及び取付け 

JIS B 2402-4 第4部:性能試験方法 

JIS B 2402-5 第5部:外観欠陥 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

B 2402-3:2013 

オイルシール−第3部:保管,取扱い及び取付け 

Rotary shaft lip-type seals incorporating elastomeric sealing elements-  

Part 3: Storage, handling and installation 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたISO 6194-3を基とし,対応する部分(保管,取扱い及

び取付け)については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,回転軸用オイルシール(以下,オイルシールという。)の保管,取扱い及び取付けについて

規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6194-3:2009,Rotary shaft lip-type seals incorporating elastomeric sealing elements−Part 3: 

Storage, handling and installation(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 2402-1 オイルシール−第1部:寸法及び公差 

注記 ISO 6194-1:2007,Rotary shaft lip-type seals incorporating elastomeric sealing elements−Part 1:

Nominal dimensions and tolerances(MOD) 

JIS B 2402-2 オイルシール−第2部:用語 

注記 ISO 6194-2:2009,Rotary shaft lip-type seals incorporating elastomeric sealing elements−Part 2:

Vocabulary(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 2402-2による。 

保管 

4.1 

機械部品の寿命は,オイルシールの性能に左右されるので,オイルシールは注意して保管する。 

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B 2402-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

オイルシールの不具合要因として,温度(4.2参照),オゾン(4.4参照),湿度(4.2参照),放射能物質

(4.5参照),煙霧(4.5参照),昆虫(4.6参照),ねずみ(4.6参照),ちり(4.7参照),砂(4.7参照),機

械的な損傷(4.7参照)などが挙げられる。 

4.2 

オイルシールの保管場所は,温度30 ℃以下,平均相対湿度40〜70 %を保持する。 

過度の熱及びオゾンは,シール部材の早期劣化を促進させるので避ける。 

過度の湿度は,金属環及びばねに腐食損傷を生じたり,シール部材を劣化させる場合があるので避ける。 

4.3 

オイルシールを保管する場合には,先入れ及び先出しが望ましい。 

4.4 

直射日光若しくは反射日光が当たる場所又はオゾンを発生する電気製品の周囲は,オイルシールの

保管場所としては不適切なので避ける。 

4.5 

シール部分の劣化の原因となる放射能物質及び煙霧から,オイルシールを保護する。 

4.6 

オイルシールは,ゴムを食べる昆虫及びねずみから,保護する。 

4.7 

オイルシールを作業場に保管する場合は,密封された容器を用い,装置及び落下物による機械的な

損傷だけではなく,ちり,砂及び汚染物質から保護するように十分配慮する。 

4.8 

オイルシールをボール紙の箱に入れて積み重ねると,底部のものが重さによって変形などの損傷を

生じる場合があるので,過度の積み重ねは避ける。 

4.9 

オイルシールの保管期限の目安を,表1に示す。 

表1−オイルシールの保管期限(目安) 

ゴム材質 

保管期限(年) 

ふっ素ゴム(FKM) 

10 

アクリルゴム(ACM又はAEM) 

ニトリルゴム(NBR) 

水素化ニトリルゴム(HNBR) 

包装 

5.1 

包装は,製造業者から使用者までの,流通過程及び保管中における損傷及び異物から,オイルシー

ルを保護するために行う。 

5.2 

包装から解くときには,ナイフ,ドライバなどの鋭い道具でシール部材を損傷しないように注意す

る。 

5.3 

包装からの取出しは,保護及び間違い防止のために,オイルシールの取付け準備完了後に行う。 

取扱い 

6.1 

包装から解かれたオイルシールの取扱いは,取付け前に損傷しないように注意する。シールリップ

は非常に損傷しやすく,また,僅かな損傷でも漏れにつながる可能性があるため,特に注意する。 

6.2 

オイルシールをワイヤ又は糸でつり下げたり,くぎ又はねじ込みフックに掛けることは,シールリ

ップが変形を生じたり,きずが付く原因となるので避ける。 

6.3 

外周金属オイルシールを取り扱う場合には,金属の端部を他のオイルシールのゴム部分に接触させ

てきず付けたりすることがあるので注意する。 

6.4 

作業台などの上にオイルシールを放置すると,オイルシールの表面に砂ぼこり,切くずなどが付着

するので注意する。特に,予備潤滑したオイルシールは,異物が付着して油漏れの原因となり,被害を受

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

けやすいので注意する。 

6.5 

オイルシールの洗浄が必要な場合には,製造業者に適切な洗浄剤について問い合わせる。研磨剤入

りクリーナ,溶剤,腐食性のある液体,化学的な洗浄液などを用いてはならない。 

取付け 

7.1 

オイルシールを取り付ける前に,オイルシールが汚れていないか,損傷がないかを確認する。 

7.2 

シールリップには,適切で正常な潤滑油を塗布する。ダストシールとして利用する場合には,適切

なグリースをシールリップ間に充塡する。 

7.3 

シールリップは,通常,密封する流体に接していることが望ましい。 

また,オイルシールの外周面に清浄な潤滑剤を薄く塗布することによって,ハウジングへの挿入が容易

になる。 

ただし,外周ゴムシールの場合,内圧,振動などによって抜け出すことがないよう注意が必要である。 

オイルシールのハウジングへの取付けは,スプリングバックを防ぐために,オイルシールを一定の速さ

及び圧力で押し込み,底まで圧入することが望ましい。 

注記 軸に対して直角に取り付けることは,オイルシールの機能上重要である。直角に装着するには,

ハウジングの穴の前面に対して正しくオイルシールを圧入するか,ハウジング穴の肩部に底突

きさせることが望ましい。 

7.4 

軸端面及びハウジング穴入口に,JIS B 2402-1で規定する面取りを施す。 

7.5 

オイルシールをハウジング穴に圧入するときに,図1に示すような取付けジグを用いる。 

 取付けジグを機械加工したハウジング穴の前面に突き当てる。 

図1−オイルシールの取付け 

7.6 

オイルシールをハウジング穴の前面に対して正しく取り付けるか,又は肩部の底に当てるかして,

常に機械加工面を基準にして位置決めする(図2及び図3参照)。 

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B 2402-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 オイルシールを機械加工したハウジング穴の肩部に突き当てる。 

図2−オイルシールの取付け−底付きハウジング穴 

 取付けジグを軸の端面に突き当てる。 

図3−オイルシールの取付け−貫通ハウジング穴 

7.7 

オイルシールをハウジング穴に逆向きに取り付ける場合を,図4のa)〜c)に示す。 

 オイルシールを,機械加工したハウジング穴の肩部に突き当てる。 

a) 底付きハウジング穴の場合 

図4−オイルシールをハウジング穴に逆向きに取り付ける場合の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

オイルシールを,機械加工したハウジング穴の肩部に突き当てる。 

b) 底付きハウジング穴の場合 

取付けジグを,ハウジング穴に直角に機械加工された穴の前面に突き当てる。 

c) 貫通ハウジング穴の場合 

図4−オイルシールをハウジング穴に逆向きに取り付ける場合の例(続き) 

7.8 

取付け中にシールリップが滑る面は,全て滑らかで,凹凸がないようにする。 

7.9 

シール部材がスプライン,キー溝又は穴の上を滑る場合には,シールリップの損傷を防ぐために特

殊な保護ジグを用いる(図5参照)。 

この保護ジグにきずがあると,ジグ自体がシールリップを損傷させるので,ジグにはきずがあってはな

らない。アルミニウムのような柔らかい金属は,傷つきやすいので用いない。 

図5−シールリップがスプライン,キー溝又は穴の上を滑る場合に用いる特殊な取付けジグ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.10 プレスはめあいするベアリングなどの構成部品が,軸上のリップ当たり面を通過しなければならな

い構造の場合には,リップ当たり面の軸径を0.2 mm小さくする(図6参照)。 

図6−プレスはめあいする構成部品が,軸上のリップ当たり面を通過する場合 

7.11 外周ゴムオイルシールを使用する場合には,ハウジングへの圧入を容易にするために,適切な潤滑

油を外周部に塗布する。オイルシールのハウジングへの取付けは,スプリングバッグを防ぐために,オイ

ルシールを一定の速さ及び圧力で押し込み,底まで圧入することが望ましい。 

7.12 オイルシールを低温(氷点下)で取り付ける場合には,オイルシールを50 ℃を超えない清浄で適切

な液体中に10〜15分間浸せきして,シールリップの柔軟性を回復させてから行うことが望ましい。 

7.13 オイルシールを交換する場合には,新品のオイルシールを用いる。新品のオイルシールのリップ先

端が,前に使用した接触跡と重ならないように,スペーサを取り付けるか,シャフトブッシュ若しくはレ

ースリングを交換するか,又はオイルシールを圧入するハウジング穴の深さを変えることによって,リッ

プ先端を密封流体側に少しずらし,装着する(図7参照)。 

図7−スペーサを用いてリップの接触跡をずらす例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

保護ジグを適用できない場合のオイルシールの取付け 

オイルシールが装着された重いハウジングを組み込んだり,先端にスプラインが設けられていて保護ジ

グが使用できないような重い長い軸を組み込む場合などは,シールリップの一部に軸が強く当たったり,

きずを付けるおそれがあるので,正確にオイルシールの中心に軸を挿入できるように,図JA.1に示すガイ

ドを用いる。 

図JA.1−ガイドを用いて長い軸を組み込む方法の例 

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附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 2402-3: 2013 オイルシール−第3部:保管,取扱い及び取付け 

ISO 6194-3:2009 Rotary shaft lip-type seals incorporating elastomeric sealing 
elements−Part 3: Storage, handling and installation 

 
(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番
号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7.3 

オイルシールのハ
ウジングへの挿入
性 

7.3 

JISとほぼ同じ 
 

追加 

挿入性改善のために,オイル
シールの外周面に潤滑剤を
塗布した場合の注意点を記
載した。 

欧米と違い,外周ゴムシールを多く
使用している日本において,オイル
シールの外周面に潤滑剤を塗布した
場合,使用環境によっては抜け出す
危険があることを明記した。 

7.10 

プレスはめあいす
る構成部品 

7.10 

JISとほぼ同じ 
 

変更 

構成部品の具体的名称例を
記載した。 

具体的な例を挙げることで,より分
かりやすくした。 

7.5〜7.13 

各図 

7.5 
〜7.13 

JISとほぼ同じ 

変更 

図面の形状及び配置だけが
異なる。 

技術的にはISO規格と同じで,文字
及び図面の配置を一緒にして見やす
くした。 

7.12 

低温(氷点下)での
オイルシールの取
付け 

7.12 

JISとほぼ同じ 
 

変更 

用語“低温下”を“低温(氷
点下)”に変更した。 

低温下ということばの意味を分かり
やすくするため,表現の見直しを行
った。 

附属書JA
(参考) 

保護ジグを適用で
きない場合のオイ
ルシールの取付け 

追加 

附属書として記載のあった
項目を新たに附属書JAとし
て追加。 

シールリップに損傷を与える可能性
のある組付け環境に対応する手段と
してJISに残す。 

 
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6194-3:2009,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

B

 2

4

0

2

-3

2

0

1

3

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。