B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本バルブ工業会(JVMA)から,工業標準原
案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60534-8-1:1986,Industrial-process
control valves−Part 8 : Noise considerations−Section One : Laboratory measurement of noise generated by
aerodynamic flow through control valvesを基礎として用いた。
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 2005-8-1:2004
(IEC 60534-8-1:1986)
工業プロセス用調節弁−第8部:騒音−
第1節:調節弁の空気力学的流動騒音の
実験室における測定
Industrial-process control valves−Part 8: Noise considerations−
Section One:Laboratory measurement of noise generated by aerodynamic
flow through control valves
序文 この規格は,1986年に第1版として発行されたIEC 60534-8-1:1986,Industrial-process control valves
−Part 8 : Noise considerations−Section One : Laboratory measurement of noise generated by aerodynamic flow
through control valvesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で
ある。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,圧縮性流体が調節弁及び関連する固定絞りを含む配管系を通過する流れによ
って発生する空気伝ぱ音圧レベルを実験室において測定するための装置,方法及び手順について規定する。
備考1. この規格は,大気に直接放出する調節弁には適用しない。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60534-8-1:1986,Industrial-process control valves−Part 8:Noise considerations−Section One :
Laboratory measurement of noise generated by aerodynamic flow through control valves (IDT)
2. 目的 この規格は,調節弁の騒音特性試験の方法について規定する。バルブとその配管から発生する
騒音の測定方法の統一化は,いろいろな測定結果を比較することができるので,使用者及び製造業者の双
方にとって有益である。騒音の基準は,考慮対象のバルブの音圧レベル(SPL)で表示する。音響パワーレベ
ルの使用は,実際的ではないのでこの規格の適用範囲外とする。
騒音特性を決めることは,次のことに役立つ。
1) 異なるバルブの性能を比較する。
2) 騒音の低減を図る。
3. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。
2
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 2005-2-3 工業用プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験方法
備考 IEC 60534-2-3:1983 Industrial-process control valves− Part 2:Flow capacity− Section Three
−Test Proceduresが,この規格と一致している。
IEC 60534-2-2:1980 Industrial-process control valves−Part 2:Flow capacity−Section Two−Sizing
equations for compressible fluid flow under installed conditions
参考 IEC 60534-2-2は,現在廃止され,IEC60534-2-1:1998に統合されており,JIS B 2005-2-1が一致
している。
参考 IEC 60534-2-3は,1997年版が発行されている。
JIS C 1502:1990 普通騒音計
JIS C 1505:1988 精密騒音計
参考 IEC 60651:1979 Sound level meters
ISO 7/1:1982 Pipe threads where pressure-tight joints are made on the threads ‒ Part 1:Designation,
dimensions and tolerances
ISO 65:1981 Carbon steel tubes suitable for screwing in accordance with ISO 7/1
ISO 3744:1981 Acoustics − Determination of sound power levels of noise sources − Engineering
methods for free-field conditions over a reflecting plane
ISO 3745:1977 Acoustics − Determination of sound power levels of noise sources − Precision methods
for anechoic and semi- anechoic rooms
ISO 4200:1985 Plain end steel tubes, welded and seamless − General tables of dimensions and masses per
unit length
4. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 2005の規格群のすべての部によるほか次による。
4.1
供試品(Test specimen) 試験データが必要とするバルブ単体又はバルブとレジューサ,エキスパ
ンダ又はその他の継手との組合せをいう。
備考 この規格による試験で弁開度の設定は,駆動部よりも手動装置によるのが望ましい。
5. 試験システム 試験システムは図1により,次の項目を含む。
a) 圧力調整装置(オプション)
b) 供試品
c) 試験区間の配管
d) 圧力タップ
e) 騒音減衰装置(オプション)
f)
音響的環境の制御手段(測定室は,オプション)
g) 計測器
別の試験システムを図2a及び図2bに示す。
5.1
圧力調整装置 上流側又は下流側の圧力調整装置若しくは双方が,試験圧力を調整するため使用す
る。
流れによる大きな騒音の原因となる圧力降下を防ぐように注意しなければならない。このような圧力降
下が避けられない場合には,サイレンサの使用を推奨する。
3
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
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5.2
供試品 供試品は,遮音してはならない。ただし,配管及び/又はバルブの遮音効果を測定するた
めに別の試験を行ってもよい。
5.3
試験配管 供試品に接続する上流側及び下流側の配管の最大長さには,制限を設けない。音響的環
境の中に露出している下流側又は上流側の配管は,フランジ,継手,その他の管壁補強材などのない一体
構造で,少なくとも2 mの長さが必要である。これは,下流側騒音試験の場合は下流側配管に,上流側騒
音試験の場合は,上流側配管に適用する。
PN 100以下の圧力レーティングをもっているバルブに対して,供試品の両側の配管は,表1による。表
1の範囲外のバルブに接続する配管内径と供試品の入口径及び出口径とが不一致の部分は,実際的な範囲
で極力最小になるようにする。配管は,遮音されていないものを使用する。他の配管厚さ,材料及び遮音
配管を使用してもよいが,その試験データには任意の試験であることを記録しなければならない。
5.4
圧力タップ 圧力測定のために,圧力タップを設ける。圧力タップは,JIS B 2005-2-3 による。
5.5
音響的環境 音響的試験環境は,暗騒音,反射音又はその他の外部からの騒音が,試験区域より少
なくとも10 dB以下に制御する。試験システム及び試験環境によっては,上流側及び下流側にサイレンサ
が必要になることもある。音響的環境に対する一般的注意は,ISO 3745及びISO 3744による。外部騒音
に対する音圧レベルの補正を行ってはならない。
5.6
計測器 音圧レベル測定用計測器は,JIS C 1502及びJIS C 1505による。
マイクロホン特性は,JIS C 1502及びJIS C 1505による。マイクロホンの校正及び感度試験の結果は,
海抜条件で補正する。
6. 試験手順
6.1
試験流体 試験を行う場合には,空気を使うのがよい。ただし,空気の代わりに他の圧縮性流体を
使用してもよい。流体は,氷結によって試験結果に影響を及ぼさないように十分に乾燥していなければな
らない。飽和蒸気のデータが必要でない限り,飽和蒸気は,試験流体として使用してはならない。
6.2
マイクロホンの位置 マイクロホンは,最も近い配管表面から1 mの位置に配置する。下流側の距
離は,試験配管の露出区間の始まりから最小1 mで,かつ,供試品と試験配管との接続箇所から出口側配
管径の6倍以上でなければならない(図2a及び図2bを参照)(備考参照)。配管に対するマイクロホンの
方向はマイクロホン製造業者の指示による。
備考 複数の流路をもつ供試品の場合,この配管径の6倍を供試品最大流路の水力半径の40倍に変え
てもよい。いかなる断面に対しても,水力半径は,流路面積を流路のぬれ縁で除したものであ
る。
6.3
ブローダウン試験の制限(1) ブローダウン試験の結果は,定常状態における結果を模擬しようとす
るものである。ブローダウンによる試験を採用する場合,音響的データの採取時間が,音響計測器の応答
時間の少なくとも10倍になるようにブローダウン率(2)を制限する。
注(1) ブローダウン試験においては,供試品に対する入口圧力は試験中に降下する。
(2) ブローダウン率は,供試品の入口圧力の変化率である。
6.4
試験デ−タの精度 流量,圧力,トラベル及び温度の測定精度は,JIS B 2005-2-3 による。
7. 試験デ−タ 次の供試品及び装置のデータの仕様を記録する。
a) 上流側絶対圧力
kPa 又は bar
b) 差圧及び/又は下流側圧力
kPa 又は bar
4
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
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c) 上流側流体温度
℃ 又は K
d) 測定状態での流量
m3/h注(3)
e) 気圧
kPa又は bar
f)
相対トラベル
無名数
g) 音響的データ
dB
A特性音圧レベル及び 180 Hz (250 Hz オクターブバンド又は 200 Hz の1/3オクターブ中心周波
数)から22 400 Hz (16 000 Hz オクタ−ブバンド又は 20 000 Hz の1/3オクタ−ブ中心周波数)までの
1/3オクターブバンド又はオクターブバンド周波数分析の記録をとる。A特性での測定値は,dB(A)と
表示する。
h) 供試品(少なくとも次の事項を含む。)
1) バルブの呼び径
2) 継手
3) 流れ方向
4) 定格容量係数(AV,KV,CV)
(JIS B 2005-1参照)
5) 定格トラベル
mm
i)
試験設備(次の事項を含む。)
1) 配管及び計測器の配置概要
2) 配管の呼び径及び肉厚
3) 配管材料
4) 環境室(特定のものであれば)
5) 試験設備の寸法概要
j)
試験流体(次の事項の一つを含む。)
1) 分子量
無名数
2) 密度
kg/m3
k) 計測器
l)
マイクロホン位置
m) 試験トラベルにおける容量係数(AV,KV,CV)
(JIS B 2005-1参照)
1) 調節弁の差圧比係数 (レジューサ,エキスパンダ なし) xT
無名数
2) 調節弁の差圧比係数 (レジューサ,エキスパンダ 付) xTP
無名数
3) 配管補正係数 FP
無名数
4) この規格からの逸脱事項
注(3) 体積流量m3/hは,101.325 kPa(1.013 25 bar)で0 ℃又は15.5 ℃のいずれかの標準状態とする。
5
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 1
呼び径
(DN)
管の外径
(mm)
管の呼び厚さ
PN 100
(mm)
スケジュール 40
(mm)
コラム1
コラム2
コラム3
コラム4
10
17.2
2.3*
2.31
15
21.3
2.8*
2.77
20
26.9
2.9*
2.87
25
33.7
3.2
3.38
32
42.4
3.6
3.56
40
48.3
3.6
3.68
50
60.3
4.0
3.91
65
76.1
5.0
5.16
80
88.9
5.6
5.49
100
114.3
6.3
6.02
125
139.7
6.3
6.55
150
168.3
7.1
7.11
200
219.1
8.0
8.18
250
273.0
10.0
9.27
300
323.9
10.0
10.31
備考1. コラム2の管の外径は,ISO 7/1によるねじ接続用の管には適用しない。ねじの接続用の
管は,ISO 65から選定する。
2. コラム2の寸法及びコラム3(*印を除く)のすべての寸法は,ISO 4200による。
3. *印の値を除き,ISO 4200のシリ−ズFは,表1のコラム3と一致する。管の呼び厚さ
は,スケジュール40に最も近いミリメートルに換算した値である。この厚さは,PN 100
以下のレーティングに適用する。
4. コラム4の管の呼び厚さは,クラス600以下に適用し,ミリメートルに換算したスケジ
ュ−ル40の値と一致する。
6
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
システム要素
1 = 高圧源
2 = 上流側絞り弁 [注(6)]
3 = 上流側インラインサイレンサ[注(6)]
4 = 流量測定装置 [注(5)]
5 = 温度測定装置
6 = 圧力測定装置
7
8
9
10
11
12
= 供試品
= 試験区間の配管
= 音響的環境(測定室) [注(4),注(6)
= 下流側インラインサイレンサ [注(6)]
= 下流側絞り弁 [注(6)]
= マイクロホン [注(4)]
注(4) 12 (マイクロホン)と9 (音響的環境)の設置については,図2a及び図2bを参照。
(5) 4(流量測定装置)は,オプション。
(6) 2,3,9,10及び11は,場合によってオプション。
図 1 調節弁の騒音試験−システム要素
7
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
システム要素
6
7
8
9
12
= 圧力測定装置
= 供試品
= 試験区間の配管 [注(9)]
= 音響的環境(測定室)
= マイクロホン [注(8)]
注(7) D =出口側配管の呼び径 (mm)
(8) マイクロホンは,配管の外表面から1 mの距離に配置し,最も近い測定室の表面から0.5 m以上離
さなければならない。
(9) 試験測定室内の試験区間の配管は,フランジ,継手又はその他の管壁補強材がなく,連続していな
ければならない。
(10) 150 mm(6インチ)以下の供試品は,最小1.0 m,最大3.0 mとする。150 mmを超える場合は,最小6
D,最大20 Dとする(詳細説明は,6.2を参照)。
図 2a 音響的環境の外側に供試品がある場合の配置
8
B2005-8-1:2004 (IEC 60534-8-1:1986)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
7
8
9
12
= 圧力測定装置
= 供試品
= 試験区間の配管 [注(13)]
= 音響的環境(測定室)
= マイクロホン [注(12)]
注(11) D=出口側配管の呼び径 (mm)
(12) マイクロホンは,配管の外表面から1 mの距離に配置し,最も近い測定室の表面から0.5 m以上離さなければ
ならない。
(13) 試験測定室内の試験区間の配管は,フランジ,継手又はその他の管壁補強材がなく連続していなければならな
い。
(14) 150 mm(6インチ)以下の供試品は,最小1.0 m,最大3.0 mとする。150 mmを超える場合は,最小6 D,最大20
Dとする(詳細説明は,6.2を参照)。
図 2b 音響的環境の内側に供試品がある場合の配置
9
解 0
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