B 2005-5:2004 (IEC 60534-5:1982)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本バルブ工業会(JVMA)から,工業標準原
案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60534-5:1982,Industrial-process
control valves−Part 5: Markingを基礎として用いた。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 2005-5:2004
(IEC 60534-5:1982)
工業プロセス用調節弁−第5部:表示
Industrial-process control valves−Part 5 : Marking
序文 この規格は,1982年に第1版として発行されたIEC 60534-5:1982,Industrial-process control valves−
Part 5: Markingを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
工業プロセス制御に使用する調節弁にとって,適切な形式の識別ができるように調節弁の重要なパラメ
タ情報を調節弁上に表示する必要がある。この表示方法は,ISO 5209に基づき,規定している。
1. 適用範囲 この規格は,調節弁の必須及び補足表示について規定する。必須表示項目の中には特殊設
計された調節弁では不適切なものがあり,補足表示の中には,特定形式の調節弁にだけ適しているものが
ある。受渡当事者間で特に協定がなければ,この規格による表示を推奨する。
必須表示は,恒久的に残るような表示方法とする。
必須表示はバルブ ボディと一体化されたものか,又はバルブ ボディに確実に固定された銘板(一般的な
識別銘板とは異なる。)に表示する。
補足表示の表示位置についても規定する。通常,補足表示は識別銘板に表示する。
この規格は,IEC 60534-1の5.4に代わるものである。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60534-5:1982,Industrial-process control valves−Part 5: Marking (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 2005-1 工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 2005-1による。
4. 表示の仕様
4.1
呼び圧力の表示 ISO 7005に該当する呼び圧力の表示は,次による。
PN 2.5,PN 6,PN 10,PN 16,PN 25,PN 40,PN 50,PN 64,PN 100,PN 150,PN 250及びPN 420
尚、クラスについての呼び圧力の表示は,次による。
クラス125及びクラス150は,PN 20と表示する(備考2.参照)。
クラス250及びクラス300は,PN 50と表示する(備考2.参照)。
クラス400は,PN 64と表示する。
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B 2005-5:2004(IEC 60534-5:1982)
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クラス600は,PN 100と表示する。
クラス900は,PN 150と表示する。
クラス1500は,PN 250と表示する。
クラス2500は,PN 420と表示する。
備考1. ISOの推奨分類が確認されるまでは,調節弁には暫定的に該当する”クラスxx”と表示してよ
い。
2. クラス125及びクラス250の鋳鉄製調節弁は,それぞれクラス150及び300と同一ボルト締
めの寸法である。
4.2
表示の位置 調節弁の必す表示及び補足表示は表1による。
4.2.1
バルブ ボディの必す表示 必す表示として表1に記載されている表示は,バルブ ボディに一体化
するか,又は十分なスペースがないときを除いて,銘板に表示してバルブ ボディに確実に取り付ける(4.2.4
参照)。
表1の項目1から5までは,すべての調節弁のバルブ ボディに表示すべき必す表示であり,項目6,7,
8,11,及び12は,特殊構造又は特殊用途の調節弁に表示すべき必す表示である。
4.2.2
フランジ又は接続端の必す表示 表1の項目9及び10は,フランジ又は接続端の適している方の
どちらか一方に表示する。
4.2.3
補足表示 表1に補足表示として記載されている表示は,銘板に記載し,調節弁の適切な箇所に取
り付ける。表示が,使用者によって変更される可能性がある場合には,取り外しができる銘板で作ること
が望ましい。
補足表示は,設計上固有のものか,又は受渡当事者間の協定によるものに用いる。表1に記載されてい
ない表示は,受渡当事者間の協定によって補足表示として追加してもよい。
4.2.4
利用可能なスペース 調節弁の物理的な寸法のため,表示のスペースが十分でない場合がある。
DN 50未満の調節弁でバルブ ボディ上に表示できない場合には,項目1,6及び3の順に必す表示事項を
省略してもよい。このような場合には,省略した項目を4.2.3に規定た銘板に表示する。
4.2.5
その他の表示 製造業者は,前述の表示のいずれにも抵触しない限り,任意に,その他の表示をし
てもよい。前述の必要諸条件に適合している限り,製造業者は前述に規定されている箇所以外に任意の表
示事項を追加表示してもよい。例えば,バルブ ボディ上に表示した事項を4.2.3に規定した銘板に表示し
ても差し支えない。
4.2.6
安全に関する表示 酸素用,原子力用など,特殊な処理を施した調節弁は,適切な表示によって識
別する。
5. 表示記号 調節弁の製造に用いる多くの材料では,表示スペースの制限上,略号を用いる必要を生じ
るのが一般的である。このような場合には,ISO 2604に規定されている略号を用いるのがよい。
備考 暫定的には,各国で用いている記号によってもよいが,国際的に認められたものでなければな
らない。例えば,18 % Cr,10 % Ni,2.5 % Moステンレス鋼に用いられている”CF8M”又は”316”
などの略号を用いる。
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B 2005-5:2004 (IEC 60534-5:1982)
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表 1 バルブの表示
項目
種 類
分類
M=必須
S=補足
位 置
備 考
1
呼び径(DN···)
M
バルブ ボディ
5.2.1 及び5.2.5参照
2
呼び圧力(PN···)
M
バルブ ボディ
5.2.1参照
3
バルブ ボディ材料
M
バルブ ボディ
5.2.1及び5.2.5参照
4
製造業社名又は商標
M
バルブ ボディ
5.2.1参照
5
製造番号又はそれに代わるもの
M
バルブ ボディ及び銘板
5.2.1参照
6
溶解の識別
M
適用する場合には
バルブ ボディ
5.2.1及び5.2.5参照
7
流れ方向
M
適用する場合には
バルブ ボディ
5.2.1及び備考1.参照
8
検査者印
M
適用する場合には
バルブ ボディ
5.2.1
9
リング ジョイント番号
(ISO 7005を適用する。)
M
適用する場合には
フランジ
5.2.2参照
10
ねじ又はフランジの識別
M
適用する場合には
ボディ接続端
5.2.2参照
11
最高許容使用温度−K又は℃
M
適用する場合には
銘板
備考1.参照
12
最高許容使用圧力−kPa又はbar
M
適用する場合には
銘板
備考2.参照
13
最高許容使用差圧−kPa又はbar
S
銘板
備考3.参照
14
製造者形式又は識別番号
S
銘板
15
定格トラベル
S
銘板
16
定格容量係数( Av,Kv,Cv)
S
銘板
17
固有流量特性
(例:リニア,イコール パーセンテイジ,
その他)
S
銘板
18
トリム材料
S
銘板
19
機器番号
S
銘板
20
動力喪失時の位置
S
銘板
21
許容取付姿勢
S
銘板
姿勢に制限がある場合
22
バルブ ライニングの材料
S
銘板
23
駆動部のスプリング レンジ
S
銘板
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表 1 バルブの表示(つづき)
備考1. バルブが使用上,いずれの流れ方向に用いてもよいものであれば,流れ方向が逆になっても,使用者が表示され
た流れ方向を反転できるよう銘板に表示してもよい。
2. 設計,製造方法,ライニング又は内部材料によって,項目2及び10の定格を下回るような制限がある場合に限り,
項目11及び12が必要である。
3. 機能上,上限のある調節弁の場合に限り指定する。
4. 表1に規定した項目は,この規格の範囲内で参照する番号であって,これらの番号とISO 5208に規定されている
番号との相互関係はない。
5
解 0
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