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B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号······························································································································· 3 

5 代表的な固有流量特性 ······································································································· 3 

6 固有レンジアビリティ ······································································································· 3 

7 実際の固有流量特性と製造業者提示の固有流量特性との許容差 ················································· 3 

7.1 容量係数の許容差 ·········································································································· 3 

7.2 傾きの許容差 ················································································································ 4 

B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

バルブ工業会(JVMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 2005-2-4:2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 2005の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 2005-1 第1部:調節弁用語及び一般的必要条件 

JIS B 2005-2-1 第2部:流れの容量−第1節:取付け状態における流れのサイジング式 

JIS B 2005-2-3 第2部:流れの容量−第3節:試験手順 

JIS B 2005-2-4 第2部:流れの容量−第4節:固有流量特性及びレンジアビリティ 

JIS B 2005-3-1 第3部:寸法−第1節:フランジ形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法及び

アングル形グローブ調節弁の中心-面間寸法 

JIS B 2005-3-2 第3部:寸法−第2節:バタフライ弁を除く回転形調節弁の面間寸法 

JIS B 2005-3-3 第3部:寸法−第3節:突合せ溶接形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法 

JIS B 2005-4 第4部:検査及び試験 

JIS B 2005-5 第5部:表示 

JIS B 2005-6-1 第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第1節:直線運動駆動部へのポジシ

ョナの取付け 

JIS B 2005-6-2 第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第2節:回転運動駆動部へのポジシ

ョナの取付け 

JIS B 2005-7 第7部:調節弁データシート 

JIS B 2005-8-1 第8部:騒音−第1節:調節弁の空気力学的流動騒音の実験室における測定 

JIS B 2005-8-2 第8部:騒音−第2節:調節弁の液体流動騒音の実験室における測定 

JIS B 2005-8-3 第8部:騒音−第3節:調節弁の空気力学的流動騒音の予測方法 

JIS B 2005-8-4 第8部:騒音−第4節:調節弁の液体流動騒音の予測方法 

  

日本工業規格          JIS 

B 2005-2-4:2019 

(IEC 60534-2-4:2009) 

工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量− 

第4節:固有流量特性及びレンジアビリティ 

Industrial-process control valves-Part 2-4: Flow capacity- 

Inherent flow characteristics and rangeability 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたIEC 60534-2-4を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

JIS B 2005規格群のこの部は,全ての種類の工業プロセス調節弁について適用し,代表的な調節弁の固

有流量特性及び固有レンジアビリティの表し方について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を次に示す。 

IEC 60534-2-4:2009,Industrial-process control valves−Part 2-4: Flow capacity−Inherent flow 

characteristics and rangeability(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 2005-1:2012 工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件 

注記 対応国際規格:IEC 60534-1:2005,Industrial-process control valves−Part 1: Control valve 

terminology and general considerations 

JIS B 2005-2-3 工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験手順 

注記 対応国際規格:IEC 60534-2-3,Industrial-process control valves−Part 2-3: Flow capacity−Test 

procedures 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 2005-1によるほか,次による。 

B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

  

3.1 

容量係数(flow coefficient) 

JIS B 2005-1の4.6参照。 

3.2 

定格容量係数(rated flow coefficient) 

JIS B 2005-1の4.6.3参照。 

3.3 

相対容量係数,Φ(relative flow coefficient) 

JIS B 2005-1の4.6.4参照。 

Φoは,相対トラベル0 %における相対容量係数である。 

3.4 

トラベル(travel) 

JIS B 2005-1の4.5.2参照。 

3.5 

定格トラベル(rated travel) 

JIS B 2005-1の4.5.3参照。 

3.6 

相対トラベル,h(relative travel) 

JIS B 2005-1の4.5.4参照。 

3.7 

呼びの傾き(nominal slope) 

固有流量特性の最適な傾き。 

理想の固有リニア特性に対しては,呼びの傾きmは, 

 m=(Φ−Φ0)/h 

理想の固有イコールパーセンテージ流量特性に対しては,呼びの傾きnは, 

 n=loge(1/Φ0) 

3.8 

固有流量特性(inherent flow characteristic) 

JIS B 2005-1の4.9参照。 

3.8.1 

理想の固有リニア特性(ideal inherent linear flow characteristic) 

JIS B 2005-1の4.9.1参照。 

3.8.2 

理想の固有イコールパーセンテージ流量特性(ideal inherent equal percentage flow characteristic) 

JIS B 2005-1の4.9.2参照。 

3.9 

固有レンジアビリティ(inherent rangeability) 

製造業者が提示した固有流量特性から,箇条7に規定している許容偏差を超えない範囲での最大開度容

量係数Φmaxと最小開度容量係数Φminとの比(JIS B 2005-1の4.11を修正のうえ引用)。 

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B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

記号 

この規格で使用する記号の一覧を,表1に示す。 

表1−記号 

記号 

意味 

単位 

Φ 

相対容量係数 

無次元 

弁口径 

mm 

相対トラベル 

無次元 

代表的な固有流量特性 

製造業者が指定した調節弁の口径,形式及びトリム形状に対する代表的な固有流量特性とn,m及びΦ0

との値は,図又は表で示さなければならない。 

表で示す場合は,次のトラベル位置での固有の容量係数を示さなければならない。すなわち,定格トラ

ベルの5 %,10 %,20 %及び100 %に至る10 %間隔の位置に対して容量係数を示さなければならない(図

1及び図2参照)。 

製造業者は,これらのトラベル位置以外での容量係数を追加して明示してもよい。 

さらに,製造業者はJIS B 2005-1の用語及び定義に従い,“リニア”及び“イコールパーセンテージ”の

ように,特定の流量特性に一般的な名称を明示するのがよい。 

容量係数が定格容量係数より小さい場合には,製造業者は,箇条7の規定に適合する最大の容量係数を

示さなければならない(図1及び図2参照)。 

固有レンジアビリティ 

製造業者が示す調節弁の固有レンジアビリティは,単に閉止部品とバルブの流量調節絞り部との相互作

用に関連するものである。ここで得た値は,調節弁が取り付けられているときには適用しない。特定の使

い方に対して,取付け時のレンジアビリティを予測するときは,駆動部の位置精度又は接続する配管の流

体流動抵抗による影響のような他の要素も考慮する。 

表2に示す制限した容量係数の範囲内で,容量係数の許容差及び傾きの許容差は,固有レンジアビリテ

ィを評価するときに適用する。この範囲(表2参照)外では,傾きの許容差だけを適用する。 

実際の固有流量特性と製造業者提示の固有流量特性との許容差 

7.1 

容量係数の許容差 

JIS B 2005-2-3による流量試験に基づいて,個々に試験した容量係数は,製造業者の提示する流量特性

における容量係数値に対して±10×(1/Φ) 0.2 %を超えてはならない。 

この関係は,0<Φ≦1.0の相対容量係数に対して許容差を計算するために使用してもよい。これに基づ

き計算した便宜上の許容差を表3に示す。 

製造業者提示の容量係数が,指定されたトラベル位置で表2に示す下限値を下回るか又は上限値を上回

る場合には,表3の許容差は適用できない。 

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B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

  

表2−容量係数の制限値 

容量係数 

下限 

上限 

Kv 
Cv 

4.3 

(4.0×10−2)d2 
(4.7×10−2)d2 

注記 d=弁口径 mm(計算上DN値に等しい。) 

表3−容量係数許容差 

定格容量係数 % 

相対容量係数 Φ 

許容差 

%(±) 

Φの範囲 

下限 

上限 

  5 
 10 
 20 
 30 
 40 
 50 
 60 
 70 
 80 
 90 
100 

 0.05 

0.1 
0.2 
0.3 
0.4 
0.5 
0.6 
0.7 
0.8 
0.9 
1.0 

18.2 
15.8 
13.8 
12.7 
12.0 
11.5 
11.1 
10.7 
10.4 
10.2 
10.0 

0.040 9 
0.084 2 
0.172 
0.262 
0.352 
0.443 
0.533 
0.625 
0.717 
0.808 
0.900 

0.059 1 
0.116 
0.227 
0.338 
0.448 
0.557 
0.667 
0.775 
0.883 
0.992 
1.10 

7.2 

傾きの許容差 

トラベル増加に対応した試験データを図示したとき,調節弁の固有流量特性には勾配に大きな偏差があ

ってはならない。 

二つの隣接する計測点を結ぶ線の傾きが,製造業者の提示する線の傾き(同じ相対トラベルにおける相

対容量係数を結ぶ線の傾き)に対して,2倍以上又は0.5倍以下の場合,大きな偏差が存在すると定義する

(図1及び図2参照)。 

表2に示す容量係数の制限値は,勾配の偏差に関する許容条件には適用しない。 

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B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

 記号 

A 許容差の幅 
B 許容差幅以内で許容勾配条件を満たす最小相対容量係数Φ(=0.025 3) 
C 供試弁の実測値 
D 製造業者提示の特性 

許容勾配条件を満たす最大相対容量係数Φ(=1.0) 

相対トラベル 

Φ 相対容量係数 

供試弁の固有レンジアビリティ 

Φmax/Φmin=1.000/0.025 3=39.5 

図1−製造業者の提示した流量特性及び供試弁イコールパーセンテージ流量特性の比較例 

最小傾き 

(0.5倍の場合) 

最大傾き 

(2倍の場合) 

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B 2005-2-4:2019 (IEC 60534-2-4:2009) 

  

 記号 

A 許容差の幅 
B 許容差の幅を満たす最小相対容量係数Φ(=0.004 1) 
C 供試弁の実測値 
D 製造業者提示特性 

顕著に許容偏差を超える点 

許容勾配条件を満たす最大相対容量係数Φ(=0.89) 

相対トラベル 

Φ 相対容量係数 

供試弁の固有レンジアビリティ 

Φmax/Φmin=0.89/0.004 1=217 

図2−製造業者の提示した流量特性及び供試弁リニア特性の比較例 

最大傾き 

(2倍の場合) 

最小傾き 

(0.5倍の場合)