B 1812:2019
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 分類······························································································································· 1
4 用語及び定義 ··················································································································· 2
4.1 チェーンの種類 ············································································································· 2
4.2 チェーンの構成部品 ······································································································ 19
4.3 チェーンの基本寸法 ······································································································ 31
4.4 チェーンの性能・特性 ··································································································· 34
4.5 スプロケット ··············································································································· 37
4.6 チェーンの附属品 ········································································································· 41
4.7 チェーンの選定 ············································································································ 42
4.8 チェーンの取付け・保守 ································································································ 43
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 45
B 1812:2019
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本チエーン
工業会(JCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正す
べきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS B 1812:2015は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
日本産業規格 JIS
B 1812:2019
チェーン,スプロケット及び附属品−用語
Glossary of terms relating to chains, sprockets and accessories
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 13203を基に,対応する用語及び図については,日
本の実情に合わせ,追加・削除し,対応国際規格には規定されていない定義を日本産業規格として追加し
ている。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の一覧表に
その説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,伝動用,搬送用に使用するチェーン,スプロケット及びその附属品に関する用語及び定義
について規定する。
注記1 この規格の対応国際規格では,用語及び関連図だけを規定しているが,この規格では,全て
の用語に定義を追加した。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 13203:2005,Chains, sprockets and accessories−List of equivalent terms(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
対象となる引用規格はない。
3
分類
チェーン用語の分類は,次による。
a) チェーンの種類
1) 構造別
2) 用途別
b) チェーンの構成部品
1) リンク
2) プレート
3) ピン
4) ブシュ
5) ローラ
2
B 1812:2019
6) アタッチメント
c) チェーンの基本寸法
1) チェーン本体
2) アタッチメント
d) チェーンの性能・特性
e) スプロケット
f)
チェーンの附属品
g) チェーンの選定
h) チェーンの取付け・保守
4
用語及び定義
分類(箇条3)に基づき用語及び定義を次に示す。
併せて4.3,4.4,4.5及び4.7は,量記号も示す。
なお,参考として対応英語を示す。
4.1
チェーンの種類
4.1.1
構造別
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.1
チェーン
外リンクと内リンクとを交互に連結し,連結部が屈曲
できる鎖の総称。
−
chain
4.1.1.2
ローラチェー
ン
ローラのあるチェーン。
JIS B 1801
roller chain
4.1.1.2.1
A系チェーン 米国のASME規格を基にした呼び番号のローラチェー
ン。
JIS B 1801
A series chain
4.1.1.2.2
A系H級チェ
ーン
A系チェーンの外プレート及び内プレートの厚さを1
サイズ大きくして最小動的強度を高くしたローラチェ
ーン。
JIS B 1801
A series heavy chain
4.1.1.2.3
A系HE級チ
ェーン
A系H級チェーンと同一寸法で最小引張強さを高くし
たローラチェーン。
JIS B 1801
A series extra heavy
chain
4.1.1.2.4
B系チェーン
欧州のBS/DIN規格を基にした呼び番号のローラチェ
ーン。
JIS B 1801
B series chain
4.1.1.3
ブシュチェー
ン
ローラのないチェーン。
JIS B 1801
bush chain
3
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.4
1列ローラチ
ェーン
1列のローラチェーン。
JIS B 1801
simplex roller chain
4.1.1.5
2列ローラチ
ェーン
1列のローラチェーン2本分をピン長手方向に重ねて一
体としたチェーン。
JIS B 1801
duplex roller chain
4.1.1.6
3列ローラチ
ェーン
1列のローラチェーン3本分をピン長手方向に重ねて一
体としたチェーン。
JIS B 1801
triplex roller chain
4.1.1.7
多列ローラチ
ェーン
2列以上の列数をもつローラチェーンの総称。
JIS B 1801
multiplex roller
chain
4.1.1.8
ショートピッ
チローラチ
ェーン
JIS B 1801に規定するローラチェーン。
注記 一般の伝動に用いるローラチェーンで,ダブルピ
ッチローラチェーンと対比させて,ショートピッ
チローラチェーンと呼ぶことがある。
JIS B 1801
ISO 606
short-pitch roller
chain
4
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.9
ダブルピッチ
ローラチェ
ーン
ショートピッチローラチェーンのピッチを2倍にした
ローラチェーン。
JIS B 1803
double-pitch roller
chain,
double-pitch
conveyor chain
4.1.1.10
リーフチェー
ン
プレートを重ねてピンだけで連結したチェーン。
JIS B 1804
leaf chain
4.1.1.11
サイドボーチ
ェーン
ピン長手方向に円弧状に曲がることができるようにし
たチェーン。
−
side bow roller
chain
4.1.1.12
サイレントチ
ェーン
スプロケットにか(噛)み合う歯付きプレートを積み
重ね,外れ防止のガイドプレートとピンとで構成した
チェーン。
表
裏
−
silent chain inverted
tooth chain
4.1.1.13
シールチェー
ン
外プレートと内プレートとの間にシールリングを入れ
て,ピンとブシュとの間に潤滑剤を密封したチェーン。
−
sealed chain
シールリング
5
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.14
ブシュレスロ
ーラチェー
ン
ブシュのないローラチェーン。
JIS D 9417
bushless roller chain
4.1.1.15
ガルチェーン プレートとピンとで構成した,ピンがスプロケットと
か(噛)み合うチェーン。
−
galle chain
4.1.1.16
ピントルチェ
ーン
リンク(プレートとブシュとが一体)とピンとで構成
したチェーン。
−
pintle chain
4.1.1.17
デタッチャブ
ルチェーン
リンクとピンとが一体構造となっており,簡単に分離
及び組立ができるチェーン。
−
detachable link
chain
6
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.18
ブロックチェ
ーン
内リンクを1個又は複数のブロックで構成したチェー
ン。
−
block chain
4.1.1.19
フラットトッ
プチェーン
連結部が丁番状になっており,平たんなプレート部を
もつチェーン。
表
裏
ISO 4348
flat top chain
4.1.1.20
トッププレー
トチェーン
上部に平板を取り付けたチェーン。
表
裏
−
top plate chain
4.1.1.21
クレセントチ
ェーン
プレートと平行に三日月状の平板を取り付け,水平面
に曲線状で移動できるようにしたチェーン。
表
裏
−
crescent chain
4.1.1.22
ホローピンチ
ェーン
ピンが中空になっているチェーンで,この孔を利用し,
種々の附属品を取り付けられるチェーン。
ISO 1977
hollow pin roller
chain,
hollow pin conveyor
chain
7
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.23
アタッチメン
ト付きチェ
ーン
アタッチメントを付けることによって,搬送用として
使用するチェーンの総称。
JIS B 1803
chain with
attachment
4.1.1.24
ベントアタッ
チメント付
きチェーン
プレートを延長して,舌状に突出させた部分を直角に
折り曲げたアタッチメントをもつチェーン。
注記 ごくまれに,使用用途に合わせて直角以外の角度
に折り曲げたアタッチメントもある。
JIS B 1803
bent attachment
chain
4.1.1.25
ストレートア
タッチメン
ト付きチェ
ーン
プレートを延長して,舌状に突出させた部分を折り曲
げないアタッチメントをもつチェーン。
JIS B 1803
straight attachment
chain
4.1.1.26
延長ピンアタ
ッチメント
付きチェー
ン
ピンを延長してプレート面から突出させたアタッチメ
ントをもつチェーン。
JIS B 1803
extended pin
attachment chain
4.1.1.27
サイドローラ
付きチェー
ン
プレートの外側に,延長したピンにローラを取り付け
たチェーン。
−
conveyor chain with
outboard rollers
8
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.28
トップローラ
付きチェー
ン
チェーンのピッチ間中央部のプレートを延長して舌上
に突き出したアタッチメントにピンでローラを組み込
んだチェーン。
−
top roller chain
4.1.1.29
センターロー
ラチェーン
スプロケットにか(噛)み合うローラを両サイドに配
置し,中央に大形ローラを配置したチェーン。
−
center roller chain
4.1.1.30
倍速チェーン 小径ローラと大径ローラとを組み合わせ,チェーンの
走行速度よりも速い速度で搬送できるチェーン。
−
double speed chain
4.1.1.31
ガイドローラ
チェーン
ガイドローラを,アタッチメントを介して取り付け,
蛇行防止,又は横曲がり部の抵抗を小さくしたチェー
ン。
−
guide roller chain
9
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.32
クロスバーチ
ェーン
2本のローラチェーンを長いピンで継ぎ,一体化したチ
ェーン。
−
cross bar chain,
twin strand
conveyor chain
4.1.1.33
ディープリン
クチェーン
プレートの高さを高くして,プレートに直接積載でき
るようにしたチェーン。
ISO 1977
deep link chain,
deep link conveyor
chain
4.1.1.34
コンビネーシ
ョンチェー
ン
鋳鉄,鋳鋼,樹脂などで一体化した内リンクと,鋼製
の外リンクとから構成する,異材の部品を組み合わせ
たチェーン。
−
combination chain,
combination
conveyor chain
4.1.1.35
ノーバックベ
ンドチェー
ン
プレート又はアタッチメントによって干渉させて,片
側方向だけ屈曲しないようにして押す力を伝えること
ができるチェーン。
−
non back bend
chain,
pusher chain
10
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.36
スリーブチェ
ーン
ピンとブシュとの間の摩耗を防ぐため,ピンとブシュ
との間に自己潤滑性のあるスリーブを入れたチェー
ン。
−
sleeve chain
4.1.1.37
鍛造リベット
レスチェー
ン
鍛造のセンターリンクとサイドバーとを両端頭付きピ
ンで連結したチェーン。
ISO 6973
drop forged rivetless
chain
4.1.1.38
ドラグチェー
ン
オフセットプレートと,スクレーパの役目を果たすブ
シュとを溶接して一体化したリンクをピンで連結した
チェーン。
ISO 6971
welded type cranked
link drag chain,
drag chain
4.1.1.39
オフセット形
溶接チェー
ン
オフセットプレートとブシュとを溶接して一体化した
リンクをピンで連結したチェーン。
−
welded type cranked
link chain
サイドバー
センターリンク
スリーブ
11
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.1.40
スティッカー
チェーン
先のとがった三角形状のアタッチメント付きプレート
をもつチェーン。
−
sticker chain
4.1.1.41
重荷重チェー
ン
重荷重用としてオフセットリンクだけで構成し,1ピッ
チごとにリンク数を調整できるようにしたチェーン。
ISO 3512
heavy duty cranked
link chain,
cranked link chain
4.1.2
用途別
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.1
伝動用ローラ
チェーン
原動機の駆動力を被動機に伝達する目的で使用するチ
ェーン。
JIS B 1801
ISO 606
short-pitch roller
chain
4.1.2.2
コンベヤチェ
ーン
物体を搬送する目的で使用するチェーン。
ISO 1977
conveyor chain,
solid pin conveyor
chain
12
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.3
自転車用チェ
ーン
自転車の後輪を駆動するチェーン。
注記 多段変速用としてはブシュレスチェーンを使用
することが多い。
JIS D 9417
cycle chain
4.1.2.4
モータサイク
ル用チェー
ン
モータサイクルの後輪駆動用のドライブチェーン及び
エンジン内で使用するチェーン。
ISO 10190
motorcycle chain
4.1.2.5
自動車用チェ
ーン
主に,自動車のエンジン内で使用するチェーン。
注記 ローラチェーン及びサイレントチェーンがある。
−
automotive chain
4.1.2.6
タイミングチ
ェーン
エンジンの吸排気弁の開閉を行う目的で使用するチェ
ーン。
注記 ローラチェーン及びサイレントチェーンがある。
−
timing chain
13
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.7
農機用S形及
びC形チェ
ーン
農作物を収穫する機械に使用するチェーン。
注記 S形はプレートがひょうたん形状をし,C形は小
判形状をしている。
S形
C形
ISO 487
type S and C
agricultural roller
chain
4.1.2.8
農機用フィー
ドチェーン
コンバインに使用する,三角状のアタッチメント間に
稲の茎部を挟んで搬送するチェーン。
JIS B 9204
agricultural feed
chain
4.1.2.9
フォークリフ
トトラック
チェーン
フォークリフトのフォークを上昇及び下降させるチェ
ーン。
JIS B 1804
fork lift truck chain
4.1.2.10
ホイストチェ
ーン
ホイストのつり下げに使用するチェーン。
注記 一般には,リーフチェーンを使用する。
JIS B 1804
hoist chain
4.1.2.11
立駐チェーン 立体駐車場の自動車を積載するパレット,バケットな
どを上昇,下降及び水平移動させるチェーン。
注記 図は垂直循環方式立体駐車場で使用するチェー
ンであり,他の形式ではショートピッチローラチ
ェーンも使用する。
−
parking chain
14
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.12
ドローベンチ
チェーン
冷間引抜機の引抜材引張用チェーン。
注記 サイドローラ形,ブロックチェーン形,及びリー
フチェーン形もある。
−
draw bench chain
4.1.2.13
水門チェーン 水門の開閉に使用するゲートを上昇及び下降させるチ
ェーン。
−
water gate chain
4.1.2.14
レーキチェー
ン
海水除じん(塵)装置として使用し,スクリーンにか
かったごみを取り除くレーキ(熊手)を駆動するチェ
ーン。
−
rake chain
4.1.2.15
キャタピラチ
ェーン
キャタピラ駆動に使用するドック付きチェーン。
−
caterpillar drive
chain
15
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.16
トレンチャチ
ェーン
主に,農地の溝掘りの機械(トレンチャ)に使用する
チェーン。
−
trencher chain
4.1.2.17
シュガーミル
チェーン
砂糖きびから砂糖原料を取り出す機械に使用するチェ
ーンの総称。
注記 ケーンキャリアチェーン,中間キャリアチェーン
及びバガスキャリアチェーンがある。
−
sugar mill chain
4.1.2.18
ケーンキャリ
アチェーン
砂糖きびの茎を搬送するチェーン。
−
cane carrier chain
4.1.2.19
中間キャリア
チェーン
ケーンキャリアとバガスキャリアとの中間の搬送機械
に使用するチェーン。
−
intermediate carrier
chain
4.1.2.20
バガスキャリ
アチェーン
砂糖きびの搾りかす(バガス)を搬送するチェーン。
−
bagasse carrier
chain
16
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.21
エスカレータ
ステップチ
ェーン
エスカレータのステップを動かすチェーン。
−
escalator step chain
4.1.2.22
トロリコンベ
ヤチェーン
品物をつるす金具を取り付け,トロリを循環させて搬
送するチェーン。
−
trolley conveyor
chain
4.1.2.23
コイルコンベ
ヤチェーン
製鉄所で製造するコイルを積載して搬送するチェー
ン。
−
coil conveyor chain
4.1.2.24
デリバリーチ
ェーン
特殊な突出ピン付きプレートをもつ印刷機の紙搬送用
チェーン。
−
delivery chain
17
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.25
ピンオーブン
チェーン
アルミニウム缶又はスチール缶を印刷した後の焼付乾
燥炉で使用するチェーン。
−
pin oven chain
4.1.2.26
シートオーブ
ンチェーン
スチール缶のシート材を印刷した後の焼付乾燥をする
工程に使用するチェーン。
−
sheet oven chain
4.1.2.27
テンターチェ
ーン
布の生地又はフィルムを挟んで搬送するチェーン。
−
tenter chain
4.1.2.28
レンチチェー
ン
レンチの代わりに使用するチェーン。
注記 両側突出ピン付き及び特殊歯付きプレートのチ
ェーンがある。
−
wrench chain
18
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.29
カップリング
チェーン
チェーンカップリングに使用する2列ローラチェーン。
継手ピン1本で取付け及び取外しができる。
JIS B 1456
flexible coupling
chain
4.1.2.30
ソーチェーン 木材,肉などを切断するために使用する刃付きチェー
ン。
−
saw chain
4.1.2.31
フリーフロー
チェーン
アキュームレーション(チェーンを動かしながら搬送
物を滞留させる)機能をもつ搬送用ローラ付きチェー
ンの総称。
注記 サイドローラ付きチェーン,トップローラ付きチ
ェーン,センターローラチェーン及び倍速チェー
ンがある。
−
power and free
conveyor chain
4.1.2.32
バケットエレ
ベータチェ
ーン
ばら物(セメント,石炭,穀物等の粉体及び粒体の集
合体)を垂直搬送させるバケットエレベータに使用す
るチェーン。
−
bucket elevator
chain
19
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.1.2.33
水処理装置チ
ェーン
汚泥かき寄機,除じん機などの水処理装置に使用する
チェーン。
−
water treatment
chain
4.1.2.34
ATC
(automatic
tool changer)
チェーン
工作機械の自動工具交換装置に使用するチェーン。
−
tool carrier chain
4.2
チェーンの構成部品
4.2.1
リンク
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.1.1
リンク
チェーンを構成する単位要素の総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
link
4.2.1.2
内リンク
2個のブシュを2枚の内プレートに圧入したリンク。
注記 ブシュ外側に回転できるローラをもつものを“ロ
ーラ形内リンク”,ローラのないものを“ブシュ
形内リンク”と呼ぶ。
ローラ形内リンク
ブシュ形内リンク
JIS B 1801
JIS B 1803
inner link,
bush link
4.2.1.3
外リンク
2本のピンを2枚の外プレートに圧入したリンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
outer link
20
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.1.4
リベット形外
リンク
外リンクでピンの両側をかしめた形式のリンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
rivet type outer link
4.2.1.5
割りピン形外
リンク
外リンクでピンの一端を割りピン又はその他のピンで
止めた形式のリンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
cotter type outer link
4.2.1.6
継手リンク
チェーンのつなぎ部分に用いるリンクの総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
connecting link
4.2.1.7
すきまばめ継
手リンク
継手プレートと継手ピンとのはめ合いが,すきまばめ
となっている継手リンク。
−
loose fit connecting
link
4.2.1.8
しまりばめ継
手リンク
継手プレートと継手ピンとのはめ合いが,しまりばめ
となっている継手リンク。
−
press fit connecting
link
4.2.1.9
クリップ形継
手リンク
2本のクリップ形継手ピンの一端を外プレートに圧入
し,他端を容易に取付け及び取外しができる継手プレ
ート及びクリップをもつ継手リンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
spring clip
connecting link
クリップ
21
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.1.10
割りピン形継
手リンク
2本の割りピン形継手ピンの一端を外プレートに圧入
し,他端を容易に取付け及び取外しができる継手プレ
ートと割りピンとを挿入した継手リンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
connecting link with
cottered pin
4.2.1.11
オフセットリ
ンク
ローラチェーン又はブシュチェーンの総リンク数が奇
数になるときに用いるリンクの総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
offset link
4.2.1.12
1ピッチ(わ
んぴっち)
形オフセッ
トリンク
奇数リンク用として,1個のブシュを2枚のオフセット
プレートに圧入し,オフセットピンを容易に取付け及
び取外しができるリンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
single offset link
4.2.1.13
2ピッチ(つ
ーぴっち)
形オフセッ
トリンク
奇数リンク用として,1個のオフセットリンクと1個の
内リンクとをリベット形ピンで連結したリンク。
JIS B 1801
JIS B 1803
double offset link
4.2.2
プレート
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.2.1
プレート
チェーンのリンクを構成する板形状の部品の総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
plate
割りピン
22
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.2.2
外プレート
チェーンの外リンク構成部品で,ピンを圧入するプレ
ート。
JIS B 1801
JIS B 1803
outer plate
4.2.2.3
内プレート
チェーンの内リンク構成部品で,ブシュを圧入するプ
レート。
JIS B 1801
JIS B 1803
inner plate
4.2.2.4
中間プレート 多列チェーンの外リンク構成部品で,外プレート以外
の中間にあるプレート。
JIS B 1801
intermediate plate
4.2.2.5
継手プレート チェーンの継手リンク構成部品で,容易に取付け及び
取外しができるプレート。
JIS B 1801
JIS B 1803
connecting plate,
detachable plate
4.2.2.6
すきまばめ継
手プレート
継手ピンとのはめ合いの穴寸法が,すきまばめとなっ
ている継手プレート。
−
loose fit connecting
plate
4.2.2.7
しまりばめ継
手プレート
継手ピンとのはめ合いの穴寸法が,しまりばめとなっ
ている継手プレート。
−
press fit connecting
plate
継手プレート
中間プレート
内プレート
外プレート
23
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.2.8
オフセットプ
レート
オフセットリンクの構成部品で,一方にブシュを圧入,
他方にピンを挿入又は圧入する段付きプレート。
JIS B 1801
JIS B 1803
offset plate
4.2.2.9
ひょうたん形
プレート
形状がひょうたん形をしているプレート。
−
waisted plate
4.2.2.10
ストレート形
プレート
形状が小判形をしているプレート。
−
straight sided plate
4.2.3
ピン
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.3.1
ピン
チェーンの外リンクを構成する円柱状部品の総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
pin
4.2.3.2
リベット形ピ
ン
外プレートに圧入され,ピン両端をかしめて使用する
ピン。
JIS B 1801
JIS B 1803
rivet type pin
リベット形ピン
ストレート形プレート
ひょうたん形プレート
オフセットプレート
24
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.3.3
割りピン形ピ
ン
外プレートに圧入され,ピンの一端をかしめ他端は割
りピンなどを挿入できる孔があるピン。
JIS B 1801
JIS B 1803
cotter type pin
4.2.3.4
継手ピン
継手リンクに使用するピンの総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
connecting pin
4.2.3.5
クリップ形継
手ピン
クリップ形継手リンクに使用するピン。
JIS B 1801
JIS B 1803
spring clip
connecting pin
4.2.3.6
割りピン形継
手ピン
割ピン形継手リンクに使用するピン。
JIS B 1801
JIS B 1803
cottered connecting
pin
4.2.3.7
オフセットピ
ン
オフセットリンクに使用するピン。
JIS B 1801
JIS B 1803
offset link pin
4.2.4
ブシュ
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.4.1
ブシュ
内プレートに圧入され,中空形状をもつ軸受の役目を
果たす部品の総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
bush
4.2.4.2
巻きブシュ
板材を巻いた継目のあるブシュ。
−
curled bush
継目
巻きブシュ
オフセットピン
割りピン形継手ピン
クリップ形継手ピン
割りピン形ピン
25
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.4.3
シームレスブ
シュ
継目のないブシュ。
−
seamless bush
4.2.4.4
段付きブシュ 内プレートに圧入される部分が,一段小さくなったブ
シュ。
−
shouldered bush
4.2.5
ローラ
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.5.1
ローラ
スプロケット歯部又はレールと直接接触し回転する部
品の総称。
JIS B 1801
JIS B 1803
roller
4.2.5.2
巻きローラ
板材を巻いた継目のあるローラ。
−
curled roller
4.2.5.3
シームレスロ
ーラ
継目のないローラ。
−
seamless roller
シームレスローラ
継目
巻きローラ
段付きブシュ
シームレスブシュ
26
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.5.4
小形ローラ
プレート高さより小さい外径をもち,ブシュ外側を自
由に回転するローラ。
JIS B 1803
small roller
4.2.5.5
大形ローラ
プレート高さより大きい外径をもち,ブシュ外側を自
由に回転するローラ。
JIS B 1803
large roller
4.2.5.6
フランジロー
ラ
蛇行を防止するつばのついたローラ。
−
flanged roller
4.2.6
アタッチメント
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.1
アタッチメン
ト
通常の形状から変形させたチェーンの構成部品の総
称。
JIS B 1801
JIS B 1803
attachment
4.2.6.2
ベントアタッ
チメント
プレートを延長して,舌状に突出させた部分を直角に
折り曲げたアタッチメント。
注記 ごくまれに,使用用途に合わせて直角以外の角度
に折り曲げたアタッチメントもある。
JIS B 1801
JIS B 1803
bent attachment
大形ローラ
小形ローラ
27
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.3
Aアタッチメ
ント
リンクの対をなすプレートのいずれか一方にベントア
タッチメントを取り付けたアタッチメント。
注記 ベントアタッチメント1か所に取付け穴の数が
一つのアタッチメントをA1,二つのアタッチメ
ントをA2という。図は,A1の例。
−
A attachment
4.2.6.4
Kアタッチメ
ント
リンクの対をなすプレートの両方にベントアタッチメ
ントを取り付けたアタッチメント。
注記 ベントアタッチメント1か所に取付け穴の数が
一つのアタッチメントをK1,二つのアタッチメ
ントをK2という。図は,K1の例。
−
K attachment
4.2.6.5
WAアタッチ
メント
Aアタッチメントにおいて,舌状突出部の幅をプレー
ト全長とほぼ同等にしたアタッチメント。
注記 取付け穴の数によってWA1,WA2などがある。
図は,WA2の例。
−
WA attachment
28
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.6
WKアタッチ
メント
Kアタッチメントにおいて,舌状突出部の幅をプレー
ト全長とほぼ同等にしたアタッチメント。
注記 取付け穴の数によってWK1,WK2などがある。
図は,WK2の例。
−
WK attachment
4.2.6.7
ストレートア
タッチメン
ト
プレートを延長して,舌状に突出させた部分を折り曲
げないアタッチメント。
JIS B 1801
JIS B 1803
straight attachment
4.2.6.8
SAアタッチ
メント
リンクの対をなすプレートのいずれか一方にストレー
トアタッチメントを取り付けたアタッチメント。
注記 ストレートアタッチメント1か所に取付け穴が
一つのアタッチメントをSA1,二つのアタッチメ
ントをSA2という。図は,SA1の例。
−
SA attachment
4.2.6.9
SKアタッチ
メント
リンクの対をなすプレートの両方にストレートアタッ
チメントを取り付けたアタッチメント。
注記 ストレートアタッチメント1か所に取付け穴が
一つのアタッチメントをSK1,二つのアタッチメ
ントをSK2という。図は,SK1の例。
−
SK attachment
29
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.10
WSAアタッ
チメント
SAアタッチメントにおいて,舌状突出部の幅をプレー
ト全長とほぼ同等にしたアタッチメント。
注記 取付け穴の数によってWSA1,WSA2などがあ
る。図は,WSA2の例。
−
WSA attachment
4.2.6.11
WSKアタッ
チメント
SKアタッチメントにおいて,舌状突出部の幅をプレー
ト全長とほぼ同等にしたアタッチメント。
注記 取付け穴の数によってWSK1,WSK2などがあ
る。図は,WSK2の例。
−
WSK attachment
4.2.6.12
ディープリン
クアタッチ
メント
プレートの高さを高くして,プレート上の積載物が,
ローラと干渉しないようにしたアタッチメント。
−
deep link attachment
4.2.6.13
Gアタッチメ
ント
プレートの胴部に取付け穴を設けたアタッチメント。
−
G attachment
30
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.14
GAアタッチ
メント
リンクの対をなすプレートのいずれか一方をGアタッ
チメントとしたアタッチメント。
注記 1枚のプレートで取付け穴が一つのアタッチメ
ントをGA1,二つのアタッチメントをGA2とい
う。図は,GA1の例。
−
GA attachment
4.2.6.15
GKアタッチ
メント
リンクの対をなすプレートの両方をGアタッチメント
としたアタッチメント。
注記 1枚のプレートで取付け穴が一つのアタッチメ
ントをGK1,二つのアタッチメントをGK2とい
う。図は,GK1の例。
−
GK attachment
4.2.6.16
延長ピンアタ
ッチメント
ピンを延長してプレート面から突出させたアタッチメ
ント。
JIS B 1801
JIS B 1803
extended pin
attachment
4.2.6.17
D1アタッチ
メント
外リンクのピンの2本のうち1本が片側に突出したア
タッチメント。
−
D1 attachment
4.2.6.18
D3アタッチ
メント
外リンクのピンの2本が片側に突出したアタッチメン
ト。
−
D3 attachment
31
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.2.6.19
ホローピンア
タッチメン
ト
中空形状のピンを用いたアタッチメント。
−
hollow pin
attachment
4.3
チェーンの基本寸法
4.3.1
チェーン本体
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.3.1.1
ピッチ
1リンクのピン中心間距離。
注記 チェーン長さの基準となる寸法であり,
呼び番号ごとに基準寸法が規定されてい
る[図1 a),図1 b) 及び図1 c)]。
p
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
JIS B 1810
JIS B 1811
pitch
4.3.1.2
内リンク内幅 内リンクの内側寸法。最小寸法で表す[図1 a) ,
図1 b) 及び図1 c)]。
b1
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1810
minimum width
between inner
plates
4.3.1.3
ローラ外径
ローラの外径寸法。最大値で表す。
ローラチェーンではローラ外径,ダブルピッチ
チェーンでは小形ローラ外径を表す。
なお,ブシュチェーンではブシュの外径を表す
[図1 a) ,図1 b) 及び図1 c)]。
d1
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1810
maximum roller
diameter
4.3.1.4
大形ローラ外
径
大形ローラの外径寸法。最大値で表す。
[図1 f)]。
d7
JIS B 1803
maximum large
roller diameter
4.3.1.5
横ピッチ
多列チェーンの各列チェーンの中心線の間隔
[図1 c)]。
pt
JIS B 1801
JIS B 1804
transverse pitch
4.3.1.6
プレート高さ 外プレート,内プレート,中間プレート,継手
プレート及びオフセットプレートにおけるプレ
ートの高さ。
最大値で表す[図1 d) 及び図1 e)]。
h2
h3
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
JIS B 1810
h2: maximum inner
plate depth,
h3: maximum outer
plate depth
4.3.1.7
ピン外径
ピンの直径。最大値で表す[図1 a),図1 b),
図1 c) 及び図2 h)]。
d2
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
JIS B 1810
maximum bearing
pin body diameter
4.3.1.8
ブシュ内径
内プレートに圧入されたブシュの内径。最小値
で表す[図1 d) 及び図1 e)]。
d3
JIS B 1801
JIS B 1803
minimum bush bore
4.3.1.9
内リンク外幅 内リンクの外幅寸法。最大値で表す[図1 a),
図1 b) 及び図1 c)]。
b2
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1810
maximum width of
over inner link
4.3.1.10
外リンク内幅 外リンクの内幅寸法。最小値で表す[図1 a) 及
び図1 b)]。
b3
JIS B 1801
JIS B 1803
minimum width
between outer
plates
4.3.1.11
ピン長さ
ピンの長さ寸法。最大値で表す[図1 a)]。
b4
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
maximum width
over bearing pin
32
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.3.1.12
継手ピン付加
長さ
本体ピンと継手ピンとの長さの差。最大値で表
す[図1 a)]。
b7
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
maximum additional
width for joint
fastener
4.3.1.13
プレート厚さ プレートの板厚[図1 a),図1 b) 及び図1 c)]。
b0
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
plate thickness
4.3.1.14
オフセットプ
レート曲げ
位置
ピン又はブシュ中心からの曲げ位置までの距
離。最小値で表す[図1 d) 及び図1 i)]。
l1
l2
l
JIS B 1801
JIS B 1803
minimum offset link
dimensions
4.3.2
アタッチメント
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.3.2.1
ベントアタッ
チメント穴
径
ベントアタッチメントの取付け穴直径。最小値
で表す[図2 a),図2 b),図2 d) 及び図2 e)]。
d4
JIS B 1801
JIS B 1803
minimum hole
diameter
4.3.2.2
ストレートア
タッチメン
ト穴径
ストレートアタッチメントの取付け穴直径。最
小値で表す。
取付け穴1個の場合:d5[図2 f)]
取付け穴2個の場合:d6[図2 g)]
d5
d6
JIS B 1801
JIS B 1803
minimum hole
diameter
4.3.2.3
ベントアタッ
チメント取
付け高さ
チェーン中心からベントアタッチメントの上面
までの高さ[図2 c)]。
h4
JIS B 1801
JIS B 1803
platform height
4.3.2.4
アタッチメン
ト幅
アタッチメント部分の横幅寸法
[図2 a) 及び図2 f)]。
w
−
attachment width
4.3.2.5
アタッチメン
ト長さ
アタッチメント端部のチェーン中心からの距離
[図2 a)]。
e
−
attachment distance
4.3.2.6
ベントアタッ
チメント取
付け穴中心
距離
Kアタッチメントの取付け穴中心距離。記号f
で表す[図2 b) 及び図2 e)]。Aアタッチメン
トの場合は,チェーンの中心からの距離で,量
記号f / 2で表す[図2 a) 及び図2 d)]。
f
JIS B 1801
JIS B 1803
transverse distance
between hole
centers
4.3.2.7
アタッチメン
ト高さ
チェーン中心からストレートアタッチメントの
先端までの高さ[図2 f)]。
i
−
straight attachment
height
4.3.2.8
ストレートア
タッチメン
ト取付け穴
高さ
ストレートアタッチメントのチェーン中心から
取付け穴中心までの高さ。
SA1及びSK1の場合:h5[図2 f)]
SA2及びSK2の場合:h6[図2 g)]
h5
h6
JIS B 1801
JIS B 1803
height from chain
center line
4.3.2.9
アタッチメン
ト穴ピッチ
A2,SA2,K2及びSK2の各アタッチメントの
二つの取付け穴の間隔[図2 d),図2 e) 及び図
2 g)]。
g
JIS B 1801
JIS B 1803
longitudinal distance
between hole
centers
4.3.2.10
延長ピン突出
し長さ
プレート面から延長ピン先端までの突出部分の
長さ[図2 h)]。
b5
JIS B 1801
pin extension
33
B 1812:2019
図1−チェーンの各部の寸法
34
B 1812:2019
h)
図2−アタッチメント各部の寸法
4.4
チェーンの性能・特性
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.4.1
引張強さ
チェーンが破断に至るまで徐々に引っ張ったと
きの最大張力。
−
JIS B 1801
tensile strength
35
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.4.2
最小引張強さ 引張試験の結果を統計処理して設定した最小
値。
Fu
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
JIS B 1811
minimum tensile
strength
4.4.3
平均引張強さ 引張試験の結果の平均値。
−
−
average tensile
strength
4.4.4
保証引張強さ 製造業者が保証する引張強さ。
−
−
warranted tensile
strength
4.4.5
荷重伸び
引張試験においてチェーンに加えた張力によっ
て生じる長さの変化量。
−
−
load elongation
4.4.6
弾性伸び
チェーンに加えた張力によって,チェーンがど
の程度弾性的に伸びるかを示したもの。張力を
取り除くと,元に戻る。
−
−
elastic elongation
4.4.7
塑性伸び
チェーンに加えた張力によって生じる永久伸
び。
−
−
plastic elongation
4.4.8
F−N線図
縦軸に張力振幅を,横軸に破断までの繰返し数
をとって描いた線図。
−
JIS B 1811
FN diagram
4.4.9
疲労強度
疲労限度及び時間強度の総称。
−
−
fatigue strength
4.4.10
時間強度
疲労強度のうち,F−N線図の傾斜部における疲
労強度。
−
−
fatigue strength at N
cycles
4.4.11
疲労限度
疲労強度のうち,F−N線図の水平部における疲
労強度,すなわち,無限回数の繰返しに耐える
応力の上限値。耐久限度ともいう。
−
−
fatigue limit,
endurance limit
4.4.12
最小疲労強度 時間強度と疲労限度とを合わせた総合的なもの
で,試験結果を統計処理して設定した最小値。
−
−
minimum fatigue
strength
4.4.13
最小疲労限度 最小疲労強度のうち,疲労限度に対する最小値。 Fdx
JIS B 1811
minimum fatigue
limit
4.4.14
耐久繰返し数 チェーンが破壊しなくても疲労試験を終了す
る,あらかじめ決められた繰返し数。
−
JIS B 1811
number of cycles at
endurance
4.4.15
最大許容張力 動的強度を基に設定したチェーンの許容張力の
最大値。
−
−
maximum allowable
tension
4.4.16
すきまばめ
常にすきまのあるはめ合い。
注記 一般的には,ピンと継手プレート穴,ピ
ンと中間プレート穴及びローラとブシュ
との組合せがこれに相当する。
−
−
loose fit
4.4.17
しまりばめ
常にしめしろのあるはめ合い。
注記 一般的には,ピンと外プレート穴及びブ
シュと内プレート穴との組合せがこれに
相当する。
−
−
press fit
4.4.18
コーダルアク
ション
チェーンがスプロケットにか(噛)み合ったと
き,ピッチ円に対し多角形になる現象。
−
−
chordal action
4.4.19
速度変動
コーダルアクションによって,駆動スプロケッ
トが等速回転しても,チェーンの速度が変動す
る現象。
−
−
speed variation
4.4.20
チェーンの摩
耗
チェーンがスプロケットとか(噛)み合うとき
に,ピンとブシュとの間で発生する,すべり摩
擦によってピン及びブシュが摩耗する現象。
−
−
wear
4.4.21
チェーンの耐
摩耗性
チェーンがその摩耗に対して耐える性質。
−
−
wear resistance
36
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.4.22
摩耗伸び限界 チェーンとスプロケットとのか(噛)み外れが
始まる摩耗伸び限度。
−
−
wear elongation
limit
4.4.23
初期摩耗伸び チェーンの摩耗伸びで,定常摩耗伸びに移る前
の初期に摩耗伸びが大きくなる状態(図3)。
−
−
initial wear
elongation
4.4.24
定常摩耗伸び 初期伸びの後,急激な伸びが始まるまでの緩や
かな伸びの状態(図3)。
−
−
standard wear
elongation
4.4.25
急激な摩耗伸
び
急激に摩耗伸びが大きくなる状態(図3)。
−
−
extreme wear
elongation
4.4.26
ブシュ・ロー
ラ耐久寿命
ローラがスプロケット歯面と衝突し,ブシュ又
はローラが疲労破壊を起こすまでの繰返し数。
−
−
life span durability
4.4.27
屈曲性
外リンクと内リンクとがピンを介して屈曲する
程度。
−
−
flexibility
4.4.28
横曲がり
チェーン各部のすきまによって,ピン長手方向
に曲がろうとする現象。
−
JIS D 9417
side bow
4.4.29
横曲がり半径 チェーンを定盤の上に置き,強制的に横曲がり
させたときの円弧の半径。
−
−
minimum side bow
radius
4.4.30
圧出力
プレートからピン又はブシュを抜くのに要する
力。
−
JIS D 9417
push out force
4.4.31
しゃくり
チェーンを使用したとき,スティックスリップ
によって,チェーンが脈動する現象。
−
−
stick slip
4.4.32
蛇行
走行中のチェーンが,進行方向の左右に揺動す
る現象。
−
JIS D 9417
snaking
4.4.33
ねじれ
チェーンを垂れ下がる状態にしたとき,軸方向
に生じる回転のずれ。
−
JIS D 9417
twisting
4.4.34
ゴーリング
高速域で,ピン及びブシュが焼付きを起こす現
象。
−
−
galling
4.4.35
基準長さ
チェーンピッチの基準寸法×リンク数で算出し
た値。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
basic length
4.4.36
長さの許容差 チェーンの基準長さに対して許容される長さの
範囲。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
tolerance of overall
length
4.4.37
張力階差
チェーンの最小疲労限度を決める,ステアケー
ステストにおける隣どうしの張力差であり,有
限寿命試験で求められる標準偏差。
d
JIS B 1811
step size
4.4.38
最大張力
疲労試験でチェーンに加える,試験のための繰
返し張力の最大値。
Fmax
JIS B 1811
maximum force
4.4.39
最小張力
疲労試験でチェーンに加える,試験のための繰
返し張力の最小値。
Fmin
JIS B 1811
minimum force
4.4.40
平均張力
疲労試験でチェーンに加える,最大張力と最小
張力との和の1/2。
Fm
JIS B 1811
mean force
4.4.41
張力振幅
疲労試験でチェーンに加える,最大張力と最小
張力との差の1/2。
Fa
JIS B 1811
force amplitude
4.4.42
平均疲労強度 耐久繰返し数において50 %破壊確率に相当す
る,最小張力を0に合わせて補正した場合の試
験張力。
Fb
JIS B 1811
mean fatigue
strength
4.4.43
試験張力
疲労試験で用いた,最小張力を0に合わせて補
正した場合の最大張力。
Fd
JIS B 1811
test force
4.4.44
繰返し数
疲労試験中に加えた張力のサイクル数。
N
JIS B 1811
number of cycles
4.4.45
標準偏差
ステアケーステストデータの標準偏差。
S
JIS B 1811
standard deviation
37
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.4.46
測定張力
チェーン長さの測定時に加える張力。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
measuring force
4.4.47
最小動的強度 繰返し数3×106回における疲労強度
−
JIS B 1801
JIS B 1803
JIS B 1804
JIS B 1811
minimum dynamic
strength
図3−チェーン摩耗伸び線図
4.5
スプロケット
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.5.1
スプロケット チェーン伝動装置において,軸に取り付け,チ
ェーンとか(噛)み合って回転する鎖車の総称。
−
JIS B 1801
sprocket
4.5.2
駆動スプロケ
ット
チェーン伝動において,駆動軸に取り付けたス
プロケット。歯数は記号z1で表す。
−
JIS B 1810
driving sprocket
4.5.3
被動スプロケ
ット
チェーン伝動において,被動軸に取り付けたス
プロケット。歯数は記号z2で表す。
−
JIS B 1810
driven sprocket
4.5.4
アイドラスプ
ロケット
動力伝達に直接関係なく空転し,チェーンの緩
み,巻付角の調整などのために用いるスプロケ
ット。
−
JIS B 1810
idler sprocket
4.5.5
1列スプロケ
ット
1列チェーンとか(噛)み合うスプロケット。
−
JIS B 1801
sprocket for simplex
chain
4.5.6
2列スプロケ
ット
2列チェーンとか(噛)み合うスプロケット。
−
JIS B 1801
sprocket for duplex
chain
4.5.7
3列スプロケ
ット
3列チェーンとか(噛)み合うスプロケット。
−
JIS B 1801
sprocket for triplex
chain
4.5.8
多列スプロケ
ット
2列以上の列数をもつチェーンとか(噛)み合
うスプロケットの総称。
−
JIS B 1801
multiplex sprocket
4.5.9
大スプロケッ
ト
一連のチェーンとか(噛)み合う駆動,及び被
動スプロケットのうち,歯数の多いスプロケッ
ト。
−
−
large sprocket
4.5.10
小スプロケッ
ト
一連のチェーンとか(噛)み合う駆動,及び被
動スプロケットのうち,歯数の少ないスプロケ
ット。歯数は記号zsで表す。
−
JIS B 1810
small sprocket
38
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.5.11
平板形スプロ
ケット
ハブのない平板のスプロケット。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
plate sprocket
4.5.12
片ハブ形スプ
ロケット
平板の片側にハブのあるスプロケット。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
sprocket with hub
on one side
4.5.13
両ハブ形スプ
ロケット
平板の両側にハブのあるスプロケット。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
sprocket with hub
on both side
4.5.14
ハブ分離形ス
プロケット
平板に脱着可能なハブを取り付けたスプロケッ
ト。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
sprocket with
separated hub
39
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.5.15
シングルカッ
トスプロケ
ット
小形ローラ形のダブルピッチチェーンに用い,
歯形ピッチがチェーンピッチと等しいスプロケ
ット。
−
JIS B 1803
single cut sprocket
4.5.16
ダブルカット
スプロケッ
ト
小形ローラ形のダブルピッチチェーンに用い,
歯形ピッチがチェーンピッチの約1/2のスプロ
ケット。
−
JIS B 1803
double cut sprocket
4.5.17
ピッチ円直径 スプロケットの歯形ピッチに外接する円の直径
(図4)。
d0
JIS B 1801
JIS B 1803
pitch circle diameter
4.5.18
歯先円直径
スプロケットの歯先部の最大直径(図4)。
da
JIS B 1801
JIS B 1803
tip circle diameter
4.5.19
歯底円直径
スプロケットの歯底部の最大直径(図4)。
df
JIS B 1801
JIS B 1803
root circle diameter
4.5.20
歯底距離
スプロケットの相対する歯底間距離のうちの最
大寸法(図4)。
dc
JIS B 1801
JIS B 1803
root distance
4.5.21
最大ハブ直径
及び最大溝
直径
チェーンとか(噛)み合わせたときに,チェー
ンと干渉しないハブの最大直径(図4)。
dg
JIS B 1801
JIS B 1803
maximum hub
diameter
4.5.22
歯幅
1列のチェーンとか(噛)み合う歯の幅寸法(図
4)。ダブルピッチチェーンでは歯幅は記号bfで
表す。
bf1
bf
JIS B 1801
JIS B 1803
tooth width
4.5.23
全歯幅
多列スプロケットの歯の外幅寸法(図4)。
注記 量記号bfnのnはチェーンの列数を示す。
bfn
JIS B 1801
total tooth width of
n lines
4.5.24
総幅
スプロケットの最大幅寸法。
−
−
hub length
4.5.25
直接測定法
偶数歯では相対する歯底に,奇数歯では相対す
る位置に近接する歯底に直接ポイントマイクロ
メータなどを当てて測定する方法。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
direct measurement
40
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.5.26
オーバピン法 偶数歯では相対する歯底に,奇数歯では相対す
る位置に近接する歯底に二つのピンを挿入し,
マイクロメータなどを当ててピンの外径を測定
する方法。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
over pins
measurement
4.5.27
歯底の振れ
スプロケットを回転させたときの歯底面の振れ
の最大値。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
radial run out of
tooth root
4.5.28
横振れ
スプロケットを回転させたときの歯底の近くの
側面の振れの最大値。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
axial run out of
tooth side surface
4.5.29
歯形
スプロケット軸直角平面での歯の断面の形状。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
tooth profile
4.5.30
S歯形
歯底に直線部分のない歯形。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
S tooth profile
4.5.31
U歯形
歯底に直線部分をもつ歯形。
−
JIS B 1801
U tooth profile
4.5.32
ISO歯形
歯底に直線部分をもち,かつ,歯先部分がカッ
トされた歯形。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
ISO tooth profile
4.5.33
歯形ピッチ
隣り合った歯形の中心間距離。チェーンピッチ
に等しい。ただし,ダブルカットスプロケット
の歯形ピッチはチェーンピッチの約1/2とする。
p
JIS B 1801
chordal pitch equal
to chain pitch
4.5.34
横ピッチ
隣り合った歯幅の中心間距離。チェーンの横ピ
ッチに等しい(図4)。
pt
−
transverse pitch
41
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.5.35
圧力角
歯形ピッチ中心線と,ローラ接触面に直角に作
用するローラ中心線とがなす角度。
注記 ブシュチェーンでは,ローラをブシュと
読み替える。
αz
JIS B 1801
pressure angle
4.5.36
横歯形
スプロケット軸を含む平面における歯の断面形
状。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
transverse tooth
profile
4.5.37
歯数
歯の総数。
z
JIS B 1801
JIS B 1803
number of teeth
4.5.38
作用歯数
チェーンとスプロケットとのか(噛)み合い有
効歯数。
zw
JIS B 1803
number of working
teeth
4.5.39
偶数歯
歯数が偶数のスプロケット。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
even number of
teeth
4.5.40
奇数歯
歯数が奇数のスプロケット。
−
JIS B 1801
JIS B 1803
odd number of teeth
4.5.41
整数歯
ダブルピッチチェーン用の作用歯数が整数のス
プロケット。
−
JIS B 1803
integral teeth
4.5.42
分数歯
ダブルピッチチェーン用の作用歯数が分数のス
プロケット。
−
JIS B 1803
fractional teeth
図4−スプロケット寸法図
4.6
チェーンの附属品
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.6.1
テンショナ
チェーンに張りを与えるための方式の総称。ばね式,
ねじ式,重すい(錘)式,油圧式,空圧式などがある。
−
tensioner
4.6.2
切継工具
チェーンを切断したり,連結するときに用いる工具。
−
connect and
disconnect tool
φ
d
a
pt
bf1
bfn
bf1
φ
d
0
42
B 1812:2019
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.6.3
リーフチェー
ン取付け金
具
リーフチェーンの端末に取り付ける金具。
JIS B 1804
clevis
4.6.4
滑車
リーフチェーンを巻き上げたり,方向を変えたりする
ための案内車。
JIS B 1804
sheave
4.7
チェーンの選定
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.7.1
伝動能力選定
法
伝動能力図によって,チェーンを選定する方法。
−
JIS B 1810
maximum kW rating
selection
4.7.2
伝動能力
チェーンが伝達し得る動力。kWで表す。
Pd
JIS B 1810
maximum kW rating
4.7.3
チェーン張力 チェーンに作用する張力。
−
−
chain tension
4.7.4
補正チェーン
張力
チェーンに作用する張力を補正係数で補正した
張力。
−
−
corrected chain
tension
4.7.5
緩み側張力
チェーンの緩み側に生じる張力。
注記 これは,チェーンが歯飛びを起こさない
ために必要な張力である。
−
−
slack side tension
4.7.6.1
伝達動力
チェーンが実際に伝達する動力。
P
JIS B 1810
input power
4.7.6.2
補正伝達動力 駆動機及び被動機の特性並びにスプロケットの
歯数を考慮して補正した伝達動力。
Pc
JIS B 1810
corrected input
power
4.7.7
安全係数
チェーンの引張強さをチェーンに作用する使用
張力で除した値。
−
−
safety factor
4.7.8
チェーン速度 運転しているチェーンの速さ。
v
JIS B 1810
chain speed
4.7.9
補正係数
チェーンの使用条件に応じて補正する係数の総
称。
−
−
corrected factor
4.7.10
多列係数
1列チェーンの伝動能力を1としたときの多列
チェーンの伝動能力比。
−
−
multi strand factor
4.7.11
使用係数
負荷変動の大小によって,伝動動力を補正する
係数。
f1
JIS B 1810
service factor
4.7.12
速度係数
速度の大小によって,チェーン張力を補正する
係数。
−
−
speed factor
4.7.13
歯数係数
スプロケット歯数の大小によって,チェーン張
力を補正する係数。
f2
JIS B 1810
teeth factor
4.7.14
衝撃係数
原動機と被動機械との慣性比の大小と,伝動装
置のあそびの大小とによって,チェーン張力を
補正する係数。
−
−
shock factor
4.7.15
アンバランス
荷重係数
複数本のチェーンに作用する張力の不均等を補
正する係数。
−
−
unbalance load
factor
4.7.16
ローラ許容負
荷
与えられた条件下で許容できるローラの負荷。
−
−
maximum allowable
load of roller
4.7.17
速度補正係数 ピンとブシュとの焼付きで決まる伝動能力を求
める計算式において,チェーンのピッチに応じ
てチェーン速度を補正する係数。
KPS
JIS B 1810
speed modification
factor
4.7.18
伝達トルク
チェーンが伝達し得るトルク。
T
JIS B 1810
input torque
4.7.19
計算チェーン
リンク数
チェーンの長さをリンク数に換算した値。
X0
JIS B 1810
calculated number
of pitches in chain
4.7.20
チェーンリン
ク数
計算チェーンリンク数をオフセットリンクを用
いないように切り上げたリンク数。
X
JIS B 1810
number of pitches in
chain
43
B 1812:2019
番号
用語
定義
量記号 参考規格
対応英語(参考)
4.7.21
リンク数係数 大小スプロケット歯数の差によって軸間距離を
補正する係数。
f4
JIS B 1810
factor for the
calculation of the
centre distance
with different
number of teeth
4.7.22
最大軸間距離 2軸の中心間距離の最大値。
a
JIS B 1810
maximum sprocket
centre distance
4.7.23
おおよその軸
間距離
チェーンのゆるみを考慮した2軸の中心間距
離。
a0
JIS B 1810
approximate centre
distance
4.7.24
軸間距離係数 大小スプロケット歯数の差によって計算チェー
ンリンク数を補正する係数。
f3
JIS B 1810
factor for
calculation of the
number of links
with different
number of teeth
4.7.25
回転速度比
駆動スプロケット回転速度に対する被動スプロ
ケット回転速度の比。
i
JIS B 1810
speed ratio
4.7.26
駆動スプロケ
ット回転速
度
駆動スプロケットの回転速度。
n1
JIS B 1810
driving sprocket
speed
4.7.27
被動スプロケ
ット回転速
度
被動スプロケットの回転速度。
n2
JIS B 1810
driven sprocket
speed
4.7.28
小スプロケッ
ト回転速度
小スプロケットの回転速度。
ns
JIS B 1810
small sprocket speed
4.8
チェーンの取付け・保守
番号
用語
定義
参考規格
対応英語(参考)
4.8.1
軸の平行度
2軸の平行の程度(2軸間の距離のずれ)。
−
parallel
measurement
4.8.2
軸の水平度
軸の水平面に対するずれの角度。
−
axial measurement
4.8.3
たるみ量
チェーンの緩み側のたるみの量。
−
slack
4.8.4
潤滑形式
チェーンの速度及びチェーンの呼び番号に応じて推奨
する潤滑の方法。
注記 油差し又はブラシを用いた頻繁な手差し給油,滴
下給油,オイルバス,ディスク給油,強制給油な
どがある。
JIS B 1810
methods of
lubrication
4.8.5
歯飛び
チェーンがスプロケットの歯を飛び越す現象。
−
jumping the
sprocket teeth
44
B 1812:2019
参考文献 JIS B 1456:1989 ローラチェーン軸継手
JIS B 1801:2014 伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン
JIS B 1803:2018 伝動用及び搬送用ダブルピッチローラチェーン
JIS B 1804:2015 リーフチェーン
JIS B 1810:2018 伝動用ローラチェーンの選定指針
JIS B 1811:2018 伝動用ローラチェーン及びリーフチェーンの疲労試験方法
JIS B 9204:1994 農業機械用フィードチェーン
JIS D 9417:2004 自転車用チェーン
ISO 487:1998,Steel roller chains, types S and C, attachments and sprockets
ISO 606:2015,Short-pitch transmission precision roller and bush chains, attachments and associated
chain sprockets
ISO 1977:2006,Conveyor chains, attachments and sprockets
ISO 3512:1992,Heavy-duty cranked-link transmission chains
ISO 4348:1983,Flat-top chains and associated chain wheels for conveyors
ISO 6971:2002,Cranked-link drag chains of welded construction, attachments and sprockets
ISO 6973:1986,Drop-forged rivetless chains for conveyors
ISO 10190:2008,Motorcycle chains−Characteristics and test methods
45
B 1812:2019
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1812:2019 チェーン,スプロケット及び附属品−用語
ISO 13203:2005,Chains, sprockets and accessories−List of equivalent terms
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 全ての用語に定義を規定
1
用語及び関連図
だけを規定
追加
JISでは一般的に使われる用語を明
確に定義した。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
3 分類
分類を規定し,その項目別に用語と
定義を規定した。
−
追加
チェーンの性能・特性,チェーンの
選定,チェーンの取付け・保守を追
加した。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
4 用語及び
定義
−
2.2.1.5
2.2.2.5
agricultural chain
削除
type S or C agricultural chainを指し
ており,上記具体例を記載したため
削除。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.11
anti-backbend
plate
削除
プレート単体の記載では,チェーン
用語としては,活用範囲が狭いた
め,用途としてのチェーンにて記
載。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.1.5.8
biplanar chain
削除
日本市場での使用用途が不明であ
ったため削除。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.3.1.2
cotter
削除
チェーンに特別に使われるもので
はないため削除。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.2.3.8
elevator chain
削除
リーフチェーンで記載。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.3
extended pin
削除
ピン単体ではなく延長ピン付きア
タッチメントとして記載。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.5
F attachment plate
削除
使用用途が日本市場において不明
なため。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
3
8
B
1
8
1
2
:
2
0
1
9
46
B 1812:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 用語及び
定義(続き)
−
2.3.4.6
G attachment plate
削除
使用用途が日本市場において不明
なため。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.5
grooved pin
削除
クリップ形継手ピンに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.5.5
guide rail
削除
形状,材質など様々であり,規定が
難しいため。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.3
holed attachment
plate
削除
Gアタッチメントに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.2
hollow pin
削除
ホローピンアタッチメントに統合。 ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.7
K attachment plate
削除
Kアタッチメントに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.8
M attachment plate 削除
SK1アタッチメントに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.2.2.6
overhead conveyor
chain
削除
トロリコンベヤチェーンとして記
載。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.6
pin with fastener
hole
削除
割りピン形継手ピンに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.4
pin with threaded
end
削除
ねじ付きピンは一般用用途ではな
いため削除。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.9
pusher attchment
plate
削除
ドックなどで代用し,該当するよう
なアタッチメントが日本市場に存
在しないため。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.4.10
scraper attachment
plate
削除
用途が不明なため。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.5.1
solid pin
削除
チェーンに使われる一般的なもの
であるため,ピンに統合。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
−
2.3.3.2.2
spring clip
削除
チェーンに特別に使われるもので
はないため削除。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
3
8
B
1
8
1
2
:
2
0
1
9
47
B 1812:2019
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び今
後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 用語及び
定義(続き)
4.1.1.1,4.1.1.2,4.1.1.2.1〜4.1.1.2.4,
4.1.1.20,4.1.1.24〜4.1.1.26,4.1.1.28
〜4.1.1.31,4.1.1.36,4.1.1.39,4.1.1.40,
4.1.2.5,4.1.2.8,4.1.2.11,4.1.2.13,
4.2.1.14,4.1.2.16,4.1.2.22〜4.1.2.24,
4.1.2.26,4.1.2.27,4.1.2.32,4.1.2.33,
4.2.1.1,4.2.1.4〜4.2.1.8,4.2.1.11,
4.2.2.1,4.2.2.5〜4.2.2.7,4.2.3.2〜
4.2.3.4,4.2.4.2〜4.2.4.4,4.2.6.1〜
4.2.6.19,4.3,4.4,4.5.1〜4.5.10,4.5.14
〜4.5.42,4.6.2,4.7,4.8
追加
日本独自に規定した。
ISO規格の見直し時に提
案を検討する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13203:2005,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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