B 1801:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 量記号···························································································································· 3
5 種類······························································································································· 3
6 呼び番号························································································································· 3
7 組立品及び構成部品の構造及び名称 ····················································································· 4
8 形状及び寸法 ··················································································································· 5
9 機械的特性 ······················································································································ 9
9.1 引張強さ ······················································································································ 9
9.2 チェーン長さの許容差 ···································································································· 9
9.3 部品の表面硬さ ············································································································· 9
10 試験方法 ······················································································································· 9
10.1 寸法測定 ····················································································································· 9
10.2 引張強さ試験 ··············································································································· 9
10.3 チェーン長さの測定 ····································································································· 10
10.4 表面硬さ試験 ·············································································································· 11
11 検査 ···························································································································· 11
12 製品の呼び方 ················································································································ 11
13 表示 ···························································································································· 12
13.1 製品の表示 ················································································································· 12
13.2 包装の表示 ················································································································· 12
附属書JA(参考)スプロケット ····························································································· 13
附属書JB(参考)アタッチメント ·························································································· 23
附属書JC(参考)1列チェーンの最小動的強度 ········································································· 27
附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 29
B 1801:2020
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,日本チエーン
工業会(JCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正す
べきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。
これによって,JIS B 1801:2014は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,令和2年11月19日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS B 1801:2014を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
B 1801:2020
伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン
Short-pitch transmission precision roller chains and bush chains
序文
この規格は,2015年に第4版として発行されたISO 606を基とし,技術的内容を変更して作成した日本
産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。
1
適用範囲
この規格は,一般の伝動に用いるショートピッチローラチェーン及びブシュチェーン(以下,チェーン
という。)について規定する。
チェーンに関連するスプロケット及びアタッチメントについては,参考として附属書JA及び附属書JB
に示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 606:2015,Short-pitch transmission precision roller and bush chains, attachments and associated
chain sprockets(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1812 チェーン,スプロケット及び附属品−用語
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS B 1812による。
3.1
ローラチェーン(roller chain)
2
B 1801:2020
ローラのあるチェーン。
(出典:JIS B 1812の4.1.1.2)
3.2
ショートピッチローラチェーン(short-pitch roller chain)
一般の伝動に用いるローラチェーン。ダブルピッチローラチェーンと対比させて,ショートピッチロー
ラチェーンと呼ぶことがある。
(出典:JIS B 1812の4.1.1.8)
3.3
ブシュチェーン(bush chain)
ローラのないチェーン。
(出典:JIS B 1812の4.1.1.3)
3.4
リンク(link)
チェーンを構成する単位要素の総称。この規格では,記号Lで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.1)
3.5
内リンク(inner link)
2個のブシュを2枚の内プレートに圧入したリンク。
ブシュ外側に回転できるローラのあるものを“ローラ形内リンク”,ローラのないものを“ブシュ形内リ
ンク”と呼ぶ。この規格では,ローラの有無にかかわらず,記号RLで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.2)
3.6
リベット形外リンク(rivet type outer link)
外リンクでピンの両端をかしめた形式のリンク。この規格では,記号RPで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.4)
3.7
割りピン形外リンク(cotter type outer link)
外リンクでピンの一端を割りピン又はその他のピンで止めた形式のリンク。この規格では,記号CPで
表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.5)
3.8
クリップ形継手リンク(spring clip connecting link)
2本のクリップ形継手ピンの一端を外プレートに圧入し,他端を容易に取付け及び取外しができる継手
プレート及びクリップをもつ継手リンク。一般にピッチが19.05 mm以下に用いる。この規格では,記号
CLCLで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.9)
3.9
割りピン形継手リンク(connecting link with cottered pin)
2本の割りピン形継手ピンの一端を外プレートに圧入し,他端を容易に取付け及び取外しができる継手
プレートと割りピンとを挿入した継手リンク。一般にピッチが25.40 mm以上に用いる。この規格では,
3
B 1801:2020
記号CPCLで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.10)
3.10
1ピッチ形オフセットリンク(single offset link)
奇数リンク用として,1個のブシュを2枚のオフセットプレートに圧入し,オフセットピンを容易に取
付け及び取外しができるリンク。この規格では,記号1POL又は記号OLで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.12)
3.11
2ピッチ形オフセットリンク(double offset link)
奇数リンク用として,1個のオフセットリンクと1個の内リンクとをリベット形ピンで連結したリンク。
この規格では,記号2POLで表す。
(出典:JIS B 1812の4.2.1.13)
4
量記号
この規格で用いる量記号は,次による。
b0 :プレート厚さ(mm)
b1 :内リンク内幅(mm)
b2 :内リンク外幅(mm)
b3 :外リンク内幅(mm)
b4 :ピン長さ(mm)
b7 :継手ピン付加長さ(mm)
d1 :ローラ外径(mm)
d2 :ピン外径(mm)
d3 :ブシュ内径(mm)
h2 :プレート高さ(内プレート)(mm)
h3 :プレート高さ(外プレート,中間プレート及び継手プレート)(mm)
l1
:オフセットプレート曲げ位置(ブシュ中心からの曲げ位置までの距離)(mm)
l2
:オフセットプレート曲げ位置(ピン中心からの曲げ位置までの距離)(mm)
p
:ピッチ(mm)
pt
:横ピッチ(mm)
Fu :最小引張強さ(kN)
5
種類
チェーンの種類は,チェーン各部の寸法及びチェーンの特性によって,A系,A系H級,A系HE級及
びB系の4種類に区分する。
6
呼び番号
チェーンの呼び番号は,表1〜表3による。
4
B 1801:2020
7
組立品及び構成部品の構造及び名称
チェーンとは,図1に示すように内リンクと外リンクとを交互に連結し,連結部が屈曲できる鎖の総称
で,その継手には通常,継手リンクを用いる。チェーン全体のリンク数が奇数リンクになる場合は,継手
部分に継手リンク及びオフセットリンク,又はオフセットリンクだけを用いる。各部の名称を図1に示す。
a) ローラチェーン
b) 内リンク(RL)
c) 外リンク
d) 継手リンク
e) オフセットリンク
図1−各部の構造例及び名称
5
B 1801:2020
8
形状及び寸法
チェーンの形状を図2に示す。寸法は,10.1に規定する寸法測定を行ったとき,表1〜表3の規定に適
合しなければならない。
図2−チェーンの形状
6
B 1801:2020
表1−A系チェーンの寸法,測定張力及び最小引張強さ
呼
び
番
号
ピ
ッ
チ
(
基
準
寸
法
)
ロ
ー
ラ
外
径
(
最
大
)
内
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
外
径
(
最
大
)
ブ
シ
ュ
内
径
(
最
小
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
内
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
外
プ
レ
ー
ト
・
中
間
プ
レ
ー
ト
・
継
手
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
オ
フ
セ
ッ
ト
プ
レ
ー
ト
曲
げ
位
置
(
最
小
)
横
ピ
ッ
チ
(
多
列
基
準
寸
法
)
内
リ
ン
ク
外
幅
(
最
大
)
外
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
長
さ
a)
(
最
大
)
継
手
ピ
ン
付
加
長
さ
(
最
大
)
プ
レ
ー
ト
厚
さ
(
参
考
)
測
定
張
力
最小引張強さ
1列
2列
3列
p
d1
b1
d2
d3
h2
h3
l1
l2
pt
b2
b3
b4
b7
b0
Fu
mm
N
kN
25
6.35
3.30 b)
3.10
2.31
2.33
6.02
5.21
2.65
3.08
6.4
4.80
4.85
9.1
2.5
0.75
50
3.5
7.0
10.5
35
9.525
5.08 b)
4.68
3.60
3.61
9.05
7.81
3.97
4.60
10.1
7.46
7.52
13.2
3.3
1.25
70
7.9
15.8
23.7
41 c) 12.70
7.77
6.25
3.60
3.62
9.91
8.51
4.35
5.03
−
9.06
9.12
14.0
2.0
1.25
80
6.7
−
−
40
12.70
7.92
7.85
3.98
4.00
12.07
10.42
5.20
6.1
14.4
11.17 11.23
17.8
3.9
1.5
120
13.9
27.8
41.7
50
15.875
10.16
9.40
5.09
5.12
15.09
13.02
6.61
7.62
18.1
13.84 13.89
21.8
4.1
2.0
200
21.8
43.6
65.4
60
19.05
11.91
12.57
5.96
5.98
18.10
15.62
7.90
9.15
22.8
17.75 17.81
26.9
4.6
2.4
280
31.3
62.6
93.9
80
25.40
15.88
15.75
7.94
7.96
24.13
20.83
10.55 12.20
29.3
22.60 22.66
33.5
5.4
3.2
500
55.6
111.2
166.8
100
31.75
19.05
18.90
9.54
9.56
30.17
26.04
13.16 15.24
35.8
27.45 27.51
41.1
6.1
4.0
780
87.0
174.0
261.0
120
38.10
22.23
25.22
11.11
11.14
36.20
31.24
15.80 18.27
45.4
35.45 35.51
50.8
6.6
4.8
1 110
125.0
250.0
375.0
140
44.45
25.40
25.22
12.71
12.74
42.23
36.45
18.42 21.32
48.9
37.18 37.24
54.9
7.4
5.6
1 510
170.0
340.0
510.0
160
50.80
28.58
31.55
14.29
14.31
48.26
41.66
21.04 24.33
58.5
45.21 45.26
65.5
7.9
6.4
2 000
223.0
446.0
669.0
180
57.15
35.71
35.48
17.46
17.49
54.30
46.86
23.65 27.36
65.8
50.85 50.90
73.9
9.1
7.1
2 670
281.0
562.0
843.0
200
63.50
39.68
37.85
19.85
19.87
60.33
52.07
26.24 30.36
71.6
54.88 54.94
80.3
10.2
8.0
3 110
347.0
694.0
1 041.0
240
76.20
47.63
47.35
23.81
23.84
72.40
62.49
31.45 36.40
87.8
67.81 67.87
95.5
10.5
9.5
4 450
500.0
1 000.0
1 500.0
注a) 多列チェーンの場合のピン長さは,b4+pt×(チェーン列数−1)で算出する。
b) この場合のd1は,ブシュ外径を示す。
c) 呼び番号41は,1列だけとする。
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0
7
B 1801:2020
表2−A系H級及びA系HE級チェーンの寸法,測定張力及び最小引張強さ
呼
び
番
号
ピ
ッ
チ
(
基
準
寸
法
)
ロ
ー
ラ
外
径
(
最
大
)
内
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
外
径
(
最
大
)
ブ
シ
ュ
内
径
(
最
小
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
内
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
外
プ
レ
ー
ト
・
中
間
プ
レ
ー
ト
・
継
手
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
オ
フ
セ
ッ
ト
プ
レ
ー
ト
曲
げ
位
置
(
最
小
)
横
ピ
ッ
チ
(
多
列
基
準
寸
法
)
内
リ
ン
ク
外
幅
(
最
大
)
外
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
長
さ
a)
(
最
大
)
継
手
ピ
ン
付
加
長
さ
(
最
大
)
プ
レ
ー
ト
厚
さ
(
参
考
)
測
定
張
力
最小引張強さ
1列
2列
3列
p
d1
b1
d2
d3
h2
h3
l1
l2
pt
b2
b3
b4
b7
b0
Fu
mm
N
kN
60H
19.05
11.91
12.57
5.96
5.98
18.10
15.62
7.90
9.15
26.1 19.43 19.48
30.2
4.6
3.2
280
31.3
62.6
93.9
80H
25.40
15.88
15.75
7.94
7.96
24.13
20.83 10.55 12.20
32.6 24.28 24.33
37.4
5.4
4.0
500
55.6
111.2
166.8
100H
31.75
19.05
18.90
9.54
9.56
30.17
26.04 13.16 15.24
39.1 29.10 29.16
44.5
6.1
4.8
780
87.0
174.0
261.0
120H
38.10
22.23
25.22
11.11
11.14
36.20
31.24 15.80 18.27
48.9 37.18 37.24
55.0
6.6
5.6
1 110
125.0
250.0
375.0
140H
44.45
25.40
25.22
12.71
12.74
42.23
36.45 18.42 21.32
52.2 38.86 38.91
59.0
7.4
6.4
1 510
170.0
340.0
510.0
160H
50.80
28.58
31.55
14.29
14.31
48.26
41.66 21.04 24.33
61.9 46.88 46.94
69.4
7.9
7.1
2 000
223.0
446.0
669.0
180H
57.15
35.71
35.48
17.46
17.49
54.30
46.86 23.65 27.36
69.2 52.50 52.55
77.3
9.1
8.0
2 670
281.0
562.0
843.0
200H
63.50
39.68
37.85
19.85
19.87
60.33
52.07 26.24 30.36
78.3 58.29 58.34
87.1
10.2
9.5
3 110
347.0
694.0
1 041.0
240H
76.20
47.63
47.35
23.81
23.84
72.40
62.49 31.45 36.40 101.2 74.54 74.60 111.4
10.5
12.7
4 450
500.0
1 000.0
1 500.0
60HE
19.05
11.91
12.57
5.96
5.98
18.10
15.62
7.90
9.15
26.1 19.43 19.48
30.2
4.6
3.2
280
41.5
83.0
124.5
80HE
25.40
15.88
15.75
7.94
7.96
24.13
20.83 10.55 12.20
32.6 24.28 24.33
37.4
5.4
4.0
500
69.2
138.4
207.6
100HE
31.75
19.05
18.90
9.54
9.56
30.17
26.04 13.16 15.24
39.1 29.10 29.16
44.5
6.1
4.8
780
104.0
208.0
312.0
120HE
38.10
22.23
25.22
11.11
11.14
36.20
31.24 15.80 18.27
48.9 37.18 37.24
55.0
6.6
5.6
1 110
146.0
292.0
438.0
140HE
44.45
25.40
25.22
12.71
12.74
42.23
36.45 18.42 21.32
52.2 38.86 38.91
59.0
7.4
6.4
1 510
194.0
388.0
582.0
160HE
50.80
28.58
31.55
14.29
14.31
48.26
41.66 21.04 24.33
61.9 46.88 46.94
69.4
7.9
7.1
2 000
250.0
500.0
750.0
180HE
57.15
35.71
35.48
17.46
17.49
54.30
46.86 23.65 27.36
69.2 52.50 52.55
77.3
9.1
8.0
2 670
311.0
622.0
933.0
200HE
63.50
39.68
37.85
19.85
19.87
60.33
52.07 26.24 30.36
78.3 58.29 58.34
87.1
10.2
9.5
3 110
416.0
832.0
1 248.0
240HE
76.20
47.63
47.35
23.81
23.84
72.40
62.49 31.45 36.40 101.2 74.54 74.60 111.4
10.5
12.7
4 450
664.0
1 328.0
1 992.0
注a) 多列チェーンの場合のピン長さは,b4+pt×(チェーン列数−1)で算出する。
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0
8
B 1801:2020
表3−B系チェーンの寸法,測定張力及び最小引張強さ
呼
び
番
号
ピ
ッ
チ
(
基
準
寸
法
)
ロ
ー
ラ
外
径
(
最
大
)
内
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
外
径
(
最
大
)
ブ
シ
ュ
内
径
(
最
小
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
内
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
プ
レ
ー
ト
高
さ
(
外
プ
レ
ー
ト
・
中
間
プ
レ
ー
ト
・
継
手
プ
レ
ー
ト
)
(
最
大
)
オ
フ
セ
ッ
ト
プ
レ
ー
ト
曲
げ
位
置
(
最
小
)
横
ピ
ッ
チ
(
多
列
基
準
寸
法
)
内
リ
ン
ク
外
幅
(
最
大
)
外
リ
ン
ク
内
幅
(
最
小
)
ピ
ン
長
さ
a)
(
最
大
)
継
手
ピ
ン
付
加
長
さ
(
最
大
)
プレート
厚さ
測
定
張
力
最小引張強さ
外
プ
レ
ー
ト
(
参
考
)
内
プ
レ
ー
ト
(
参
考
)
1列
2列
3列
p
d1
b1
d2
d3
h2
h3
l1
l2
pt
b2
b3
b4
b7
b0
Fu
mm
N
kN
05B
8.00
5.00
3.00
2.31
2.36
7.11
7.11
3.71
3.71
5.64
4.77
4.90
8.6
3.1 0.75 0.75 50
4.4
7.8
11.1
06B
9.525
6.35
5.72
3.28
3.33
8.26
8.26
4.32
4.32
10.24
8.53
8.66
13.5
3.3 1.0
1.3
70
8.9
16.9
24.9
081 b) 12.70
7.75
3.30
3.66
3.71
9.91
9.91
5.36
5.36
−
5.80
5.93
10.2
1.5 1.0
1.0
125
8.0
−
−
083 b) 12.70
7.75
4.88
4.09
4.14
10.30
10.30
5.36
5.36
−
7.90
8.03
12.9
1.5 1.3
1.3
125
11.6
−
−
084 b) 12.70
7.75
4.88
4.09
4.14
11.15
11.15
5.77
5.77
−
8.80
8.93
14.8
1.5 1.5
1.9
125
15.6
−
−
08B
12.70
8.51
7.75
4.45
4.50
11.81
10.92
5.66
6.12
13.92 11.30 11.43
17.0
3.9 1.5
1.5
120
17.8
31.1
44.5
10B
15.875 10.16
9.65
5.08
5.13
14.73
13.72
7.11
7.62
16.59 13.28 13.41
19.6
4.1 1.5
1.5
200
22.2
44.5
66.7
12B
19.05
12.07 11.68
5.72
5.77
16.13
16.13
8.33
8.33
19.46 15.62 15.75
22.7
4.6 1.7
1.8
280
28.9
57.8
86.7
16B
25.40
15.88 17.02
8.28
8.33
21.08
21.08 11.15 11.15
31.88 25.45 25.58
36.1
5.4 3.2
4.0
500
60.0
106.0
160.0
20B
31.75
19.05 19.56 10.19 10.24
26.42
26.42 13.89 13.89
36.45 29.01 29.14
43.2
6.1 3.5
4.5
780
95.0
170.0
250.0
24B
38.10
25.40 25.40 14.63 14.68
33.40
33.40 17.55 17.55
48.36 37.92 38.05
53.4
6.6 5.2
6.0
1 110
160.0
280.0
425.0
28B
44.45
27.94 30.99 15.90 15.95
37.08
37.08 19.51 19.51
59.56 46.58 46.71
65.1
7.4 6.3
7.5
1 510
200.0
360.0
530.0
32B
50.80
29.21 30.99 17.81 17.86
42.29
42.29 22.20 22.20
58.55 45.57 45.70
67.4
7.9 6.3
7.0
2 000
250.0
450.0
670.0
40B
63.50
39.37 38.10 22.89 22.94
52.96
52.96 27.76 27.76
72.29 55.75 55.88
82.6
10.2 8.0
8.5
3 110
355.0
630.0
950.0
48B
76.20
48.26 45.72 29.24 29.29
63.88
63.88 33.45 33.45
91.21 70.56 70.69
99.1
10.5 10.0
12.1
4 450
560.0
1 000.0
1 500.0
56B
88.90
53.98 53.34 34.32 34.37
77.85
77.85 40.61 40.61 106.60 81.33 81.46 114.6
11.7 12.3
13.6
6 090
850.0
1 600.0
2 240.0
64B
101.60
63.50 60.96 39.40 39.45
90.17
90.17 47.07 47.07 119.89 92.02 92.15 130.9
13.0 13.6
15.2
7 960
1 120.0
2 000.0
3 000.0
72B
114.30
72.39 68.58 44.48 44.53 103.63 103.63 53.37 53.37 136.27 103.81 103.94 147.4
14.3 15.7
17.4
10 100
1 400.0
2 500.0
3 750.0
注a) 多列チェーンの場合のピン長さは,b4+pt×(チェーン列数−1)で算出する。
b) 呼び番号081,083及び084は,1列だけとする。
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0
9
B 1801:2020
9
機械的特性
9.1
引張強さ
引張強さは,10.2で試験したとき,表1〜表3に示す最小引張強さ以上でなければならない。ただし,
継手リンク,オフセットリンク及びアタッチメント付きチェーンには適用しない。
なお,1列チェーンの最小動的強度を,参考として附属書JCに示す。
9.2
チェーン長さの許容差
チェーン長さの基準長さに対する許容差は,10.3によって測定したとき,表4の規定に適合しなければ
ならない。ただし,チェーンの基準長さは,チェーンピッチの基準寸法(p)×リンク数で算出した値とす
る。
なお,アタッチメント付きチェーンの長さの許容差は,参考値である。
表4−チェーン長さの許容差
区分
長さの許容差
%
アタッチメントなし
+0.15
0
アタッチメント付き
(参考)
+0.25
−0.05
9.3
部品の表面硬さ
チェーンの各部品の表面硬さは,10.4によって試験したとき,表5の表面硬さのいずれかに適合しなけ
ればならない。
表5−表面硬さ
部品名
各試験方法による表面硬さ
HV
HRC
HRA
HR30N
ピン
450以上
45以上
73以上
64以上
ブシュ
450以上
45以上
73以上
64以上
ローラ
390以上
40以上
70以上
59以上
10
試験方法
10.1
寸法測定
チェーン各部の寸法(チェーン長さを除く。)は,JIS B 7507に規定するノギス,JIS B 7502に規定する
マイクロメータ又はこれらと同等の精度が得られる測定器を用いて測定する。
10.2
引張強さ試験
10.2.1
装置
引張強さ試験に用いる装置は,次による。
a) 試験機 JIS B 7721で校正された引張試験機。
b) 試験片取付具 図3に示すようにチェーンに引張力を加えたときに,全てのリンクにねじれ,曲げな
どを生じさせない取付具。
10
B 1801:2020
10.2.2
測定手順
測定手順は,次による。
a) 試験片を,図3に示すように有効部分が5リンク以上になるように10.2.1 b) に規定する試験片取付具
に取り付ける。ただし,有効部分は両端の試験片取付具の間にあり,試験片取付具に取り付けられた
リンクを除いた部分とする。
b) 試験は,10.2.1 a) に規定する試験機を用いて試験片が破断に至るまで徐々に引っ張り,試験中の最大
張力を測定する。ただし,破断が有効部分以外で生じた試験片の測定値は,採用してはならない。
図3−試験片取付けの例
10.3
チェーン長さの測定
チェーン長さの測定は,次による。
a) 基準長さ
基準長さは,次による。
1) ピッチが19.05 mm以下のチェーンの場合は,610 mm以上。
2) ピッチが25.40 mm以上のチェーンの場合は,1 220 mm以上。
b) 試験機 チェーン長さ測定用のチェーンが全長にわたって水平に支持できるもので,チェーンの一端
を固定でき,また,他端に測定張力がかけられる図4に示すような試験機とする。
c) 測定張力 測定張力は,表1〜表3による。
なお,多列チェーンの測定張力は,表1〜表3に示す測定張力の列数倍とする。ただし,呼び番号
が56B,64B及び72Bの3列チェーンの場合の測定張力は,次による。
1) 56Bの3列チェーンの場合の測定張力は,20 000 Nとする。
2) 64Bの3列チェーンの場合の測定張力は,27 000 Nとする。
3) 72Bの3列チェーンの場合の測定張力は,33 500 Nとする。
d) 測定手順 b) に規定する試験機を用いて,塗油前のチェーンにc) に規定する測定張力を加えてチェー
ン長さを測定する。手順としては,基準長さとの相対差を測定できる測定器を用いてチェーン長さを
11
B 1801:2020
求める方法が一般的であるが,リニアスケールなどを用いてチェーン長さを直接測定してもよい。
図4−試験機の例
10.4
表面硬さ試験
硬さの試験方法は,次による。
a) ビッカース硬さは,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定する。
b) ロックウェル硬さは,JIS Z 2245に規定する試験方法によって測定する。
11
検査
チェーンの寸法及び機械的特性は,合理的な抜取検査方式を用いて箇条10の試験を行い,箇条8及び箇
条9に適合していることを確認する。
12
製品の呼び方
チェーン及びリンクの呼び方は,次による。
a) チェーンの呼び方は,例1の1) に示すように呼び番号,列数,外リンクの形式を表す記号及びリンク
の総数の順番とする。ただし,列数が1列の場合は列数を省略してもよい[例1の2) を参照]。
なお,リンクの総数が奇数の場合には,端部を表す形状をリンクの総数の後に括弧を付けて明記す
る[例1の3) を参照]。
例1 チェーンの場合
1) 100−2 CP 96L
リンクの総数
外リンクの形式を表す記号(割りピン形)
列数
呼び番号
2) 35 RP 160L
3) 24B CP 81L(OL付き)
b) リンクの呼び方は,例2に示すように呼び番号,列数,継手リンクの形式を表す記号及びリンクの名
称の順番とする。
12
B 1801:2020
例2 リンクの場合
120−2 CP CL
リンクの名称(継手リンク)
継手リンクの形式を表す記号(割りピン形)
列数
呼び番号
13
表示
13.1
製品の表示
チェーンの外プレートに次の事項を表示する。ただし,呼び番号25のチェーンは除く。
a) 製造業者名,商標又はその略号
b) 呼び番号(A系HE級チェーンは,“HE”の表記の代わりに製造業者がカタログなどの表記に基づい
て,独自の記号を表示してもよい。)
13.2
包装の表示
チェーンの包装には,次の事項を表示する。
a) 製造業者名,商標又はその略号
b) 呼び番号
c) 列数
d) 外リンクの形式名(リベット形,割りピン形又はクリップ形の別)又は外リンクの記号(リベット形
の場合は,形式名又は記号RPを省略してもよい。)
e) リンクの総数
13
B 1801:2020
附属書JA
(参考)
スプロケット
JA.1 種類
スプロケットの種類は,形状によって区分し,図JA.1による。
a) 平板形
(A形)
b) 片ハブ形
(B形)
c) 両ハブ形
(C形)
d) ハブ分離形
(D形)
図JA.1−スプロケットの種類
JA.2 量記号
この附属書で用いる量記号は,次による。
a0 :歯底円弧の中心
a0' :歯底円弧の中心
b
:歯先円弧の中心
b1 :内リンク内幅(mm)
ba :面取り幅(mm)
bf1 :歯幅(mm)
bf2 :2列の歯幅(mm)
bf3 :3列の歯幅(mm)
bfn :n列の全歯幅(mm)
c
:歯元円弧の中心
d0 :ピッチ円直径(mm)
d1 :ローラ外径(mm)
da :歯先円直径(mm)
db :軸穴径(mm)
dc :歯底距離(mm)
df
:歯底円直径(mm)
dg :最大ハブ直径及び最大溝直径(mm)
dR :測定ピン外径(mm)
E
:歯元円弧半径(mm)
14
B 1801:2020
e
:歯溝の中央線とピッチ円との交点
F
:歯先円弧半径(mm)
h
:面取り深さ(mm)
h2 :プレート高さ(内プレート)(mm)
ha :ピッチ多角形状からの歯の高さ(mm)
K
:歯先円弧半径Fの起点の水平距離(mm)
MR :オーバピン寸法(mm)
n
:チェーンの列数
p
:歯形ピッチ(mm)
pt
:横ピッチ(mm)
Q
:歯元円弧半径Eの起点の水平距離(mm)
R
:歯底円弧半径(mm)
ra
:丸み(mm)
re
:歯先円弧半径(mm)
ri
:歯底円弧半径(mm)
rx
:面取り半径(mm)
T
:歯元円弧半径Eの起点の垂直距離(mm)
t1
:ピッチ面又は歯底面の円周振れ(mm)
t2
:側面の円周振れ(mm)
U
:位相長さ(mm)
V
:歯先円弧半径Fの起点の垂直距離(mm)
XY :ピッチ円に接する水平線
xy :歯元円弧部
yw :最小圧力角直線部
z
:歯数
α
:歯底円弧の挟角(°)
JA.3 各部量記号
スプロケットの各部の量記号は,次による。
a) 径方向寸法の量記号は,図JA.2による。
b) S歯形及びU歯形の量記号は,図JA.3による。
c) ISO歯形の量記号は,図JA.4による。
d) 横歯形1) の量記号は,図JA.5による。
注1) 歯幅方向の形状を示す。
15
B 1801:2020
a) スプロケット概略図
b) 偶数歯
c) 奇数歯
図JA.2−径方向寸法の量記号
16
B 1801:2020
a) S歯形
b) U歯形
c) U歯形e点部分の拡大図
図JA.3−S歯形及びU歯形の量記号
17
B 1801:2020
図JA.4−ISO歯形の量記号
図JA.5−横歯形の量記号
JA.4 径方向寸法
JA.4.1 径方向寸法の求め方
径方向寸法は,表JA.1の計算式によって求める。
18
B 1801:2020
表JA.1−径方向寸法の計算式
単位 mm
項目
S歯形及びU歯形径方向寸法の計算式
ISO歯形径方向寸法の計算式
ピッチ円直径 d0
z
p
d
°
=
180
sin
0
歯先円直径 da
°
+
=
z
p
d
180
cot
6.0
a
最大
1
0
a
25
.1
d
p
d
d
−
+
=
最小
1
0
a
6.1
1
d
z
p
d
d
−
−
+
=
歯底円直径 df
1
0
f
d
d
d
−
=
歯底距離 dc
偶数歯
f
c
d
d=
奇数歯
1
0
c
90
cos
d
z
d
d
−
°
=
1
2
180
sin
2
1
d
z
p
−
°
=
最大ハブ直径及び
最大溝直径 dg
76
.0
1
180
cot
g
−
−
°
=
z
p
d
呼び番号25及び35
a
2
g
2
00
.1
05
.1
180
cot
r
h
z
p
d
−
−
−
°
=
その他のチェーン
76
.0
04
.1
180
cot
2
g
−
−
°
=
h
z
p
d
JA.4.2 歯底円直径及び歯底距離の測定方法
図JA.2に示す歯底円直径及び歯底距離の測定方法は,次による。
a) 直接測定法 偶数歯では相対する歯底に,奇数歯では相対する位置に近接する歯底にポイントマイク
ロメータなどを直接当てて測定する。
b) オーバピン法 偶数歯では相対する歯底に,奇数歯では相対する位置に近接する歯底に二つの測定ピ
ンを挿入し,マイクロメータなどを直接当ててピンの外側寸法を測定する。測定値をMRとすると歯
底距離(dc)は,次の式によって算出する。
偶数歯
(
)
R
R
f
c
2d
M
d
d
−
=
=
奇数歯
R
R
c
2d
M
d
−
=
なお,測定ピン外径dRは,チェーンのローラ外径(d1)を超えてはならない。
JA.4.3 寸法許容差
歯底円直径及び歯底距離の寸法許容差は,表JA.2による。
19
B 1801:2020
表JA.2−歯底円直径及び歯底距離の寸法許容差
単位 mm
歯底円直径及び歯底距離
寸法許容差
歯底円直径及び歯底距離
寸法許容差
127以下
0
−0.25
800を超え 1 000以下
0
−0.56
127を超え
250以下
0
−0.3
1 000を超え 1 250以下
0
−0.66
250を超え
315以下
0
−0.32
1 250を超え 1 600以下
0
−0.78
315を超え
400以下
0
−0.36
1 600を超え 2 000以下
0
−0.92
400を超え
500以下
0
−0.4
2 000を超え 2 500以下
0
−1.1
500を超え
630以下
0
−0.44
2 500を超え 3 150以下
0
−1.35
630を超え
800以下
0
−0.5
JA.5 基本歯形
JA.5.1 S歯形及びU歯形の歯形寸法の求め方
S歯形及びU歯形の歯形寸法は,表JA.3の計算式によって求める。
表JA.3−S歯形及びU歯形の寸法計算式
単位 mm
項目
計算式
歯形の寸法
歯底円弧の半径
2
076
.0
005
.1
1+
=
d
R
歯元円弧半径Eの起点の水平距離
°
+
°
=
z
d
Q
60
35
cos
8.0
1
歯元円弧半径Eの起点の垂直距離
°
+
°
=
z
d
T
60
35
sin
8.0
1
歯元円弧の半径
038
.0
5
302
.1
1+
=
=
d
cy
E
歯先円弧半径Fの起点の水平距離
z
d
K
°
=
180
cos
4.1
1
歯先円弧半径Fの起点の垂直距離
z
d
V
°
=
180
sin
4.1
1
歯先円弧の半径
038
.0
5
302
.1
64
17
cos
4.1
56
18
cos
8.0
1
−
−
°
−
°
+
°
−
°
=
z
z
d
F
位相長さ
(
)
051
.0
07
.0
1+
−
=
d
p
U
ただし,S歯形ではU=0
20
B 1801:2020
JA.5.2 ISO歯形の歯形寸法の求め方
ISO歯形の歯形寸法は,表JA.4の計算式によって求める。
表JA.4−ISO歯形の寸法計算式
単位 mm
項目
計算式
歯形の寸法
最小形状
歯先円弧の半径最大値
(
)2
12
.0
1
e
+
=
z
d
r
歯底円弧の半径最小値
1
i
505
.0
d
r=
歯底円弧の挟角最大値(°)
z
°
−
°
=
90
140
α
最大形状
歯先円弧の半径最小値
(
)
180
008
.0
2
1
e
+
=
z
d
r
歯底円弧の半径最大値
3
1
1
i
069
.0
505
.0
d
d
r
+
=
歯底円弧の挟角最小値(°)
z
°
−
°
=
90
120
α
ピッチ多角形状からの
歯の高さ
最大値
p
z
d
p
h
8.0
5.0
625
.0
1
a
+
−
=
最小値
(
)
1
a
5.0
d
p
h
−
=
JA.6 横歯形
JA.6.1 横歯形の歯形寸法の求め方
横歯形の歯形寸法は,表JA.5の計算式によって求める。
表JA.5−横歯形の寸法計算式
単位 mm
項目
計算式
歯幅 bf1
(最大) チェーンピッチ12.70 mm以下の
場合
1列
bf1=0.93b1
2,3列
bf1=0.91b1
4列以上
bf1=0.89b1(参考)
チェーンピッチ12.70 mmを超え
る場合
1列
bf1=0.95b1
2,3列
bf1=0.93b1
4列以上
bf1=0.91b1(参考)
全歯幅 bfn
bfn=pt (n−1)+bf1
面取り幅 ba
(約)
チェーン呼び番号081,083,084
及び41の場合
ba=0.06 p
その他のチェーンの場合
ba=0.13 p
面取り深さ h (参考) h=0.5 p
面取り半径 rx (参考) rx=p
丸み ra a)
(最大) ra=0.04 p
注a) 丸み(最大)は,ハブ直径及び溝直径の最大値を用いたときの値である。
21
B 1801:2020
JA.6.2 歯幅及び全歯幅の測定方法
図JA.5に示す歯幅及び全歯幅は測定する箇所に,歯厚マイクロメータなどを直接当てて測定する。
JA.6.3 歯幅及び全歯幅の寸法許容差
歯幅及び全歯幅の寸法許容差は,表JA.6による。
表JA.6−歯幅及び全歯幅の寸法許容差
単位 mm
歯幅及び全歯幅
寸法許容差
歯幅及び全歯幅
寸法許容差
3以下
0
−0.25
80を超え 120以下
0
−0.87
3を超え
6以下
0
−0.3
120を超え 180以下
0
−1
6を超え 10以下
0
−0.36
180を超え 250以下
0
−1.15
10を超え 18以下
0
−0.43
250を超え 315以下
0
−1.3
18を超え 30以下
0
−0.52
315を超え 400以下
0
−1.4
30を超え 50以下
0
−0.62
400を超え 500以下
0
−1.55
50を超え 80以下
0
−0.74
JA.7 スプロケット各部の円周振れ
JA.7.1 測定方法
ピッチ円直径(ピッチ面)又は歯底円直径(歯底面),及び歯側面の円周振れは,テーパーマンドレルを
軸穴に挿入したスプロケットを芯押し台に取り付けてJIS B 7503に規定するダイヤルゲージを用いて測定
する。
JA.7.2 許容値
スプロケット各部の円周振れの許容値は,表JA.7による。
22
B 1801:2020
表JA.7−スプロケット各部の円周振れの許容値
注a) PDは,ピッチ円直径(ピッチ面)に対する円周振れの適用を意味する。
b) LDは,歯底円直径(歯底面)に対する円周振れの適用を意味する。
単位 mm
歯底円直径 df
ピッチ面又は歯底面
の円周振れ t1
側面の円周振れ t2
90以下
0.15
0.25
90を超え 190以下
0.000 8df+0.08
190を超え 850以下
0.000 9df+0.08
850を超え 1 180以下
0.76
1 180を超えるもの
1.14
23
B 1801:2020
附属書JB
(参考)
アタッチメント
JB.1 量記号
この附属書で用いる量記号は,次による。
b0 :プレート厚さ(mm)
b5 :延長ピン突出し長さ(mm)
d2 :ピン外径(mm)
d4 :ベントアタッチメント穴径(mm)
d5 :取付け穴1個のストレートアタッチメント穴径(mm)
d6 :取付け穴2個のストレートアタッチメント穴径(mm)
f
:ベントアタッチメント取付け穴中心距離(mm)
h4 :ベントアタッチメント取付け高さ(mm)
h5 :取付け穴1個のストレートアタッチメント取付け穴高さ(mm)
h6 :取付け穴2個のストレートアタッチメント取付け穴高さ(mm)
g
:アタッチメント穴ピッチ(mm)
JB.2 種類
アタッチメント1) の種類は,形状によって区分し,表JB.1による。
注1) アタッチメントとは,内プレート及び/又は外プレートに相当するプレートを延長して舌状に
突き出させたもの及びピンを延長して外プレートから突き出させたものをいう。
表JB.1−アタッチメントの種類
区分
種類
記号
取付け穴の数
適用するチェーンb)
I形
ストレートアタッチメント
SA1
SK1
1
A系チェーンだけに適用する。
ベントアタッチメント
A1
K1
延長ピンアタッチメント
D1
−
II形a)
ストレートアタッチメント
M1
1
A系及びB系チェーンに適用する。
M2
2
ベントアタッチメント
K1
1
K2
2
延長ピンアタッチメント
X c)
−
Y
注a) アタッチメントII形は,ISO 606の規定による。
b) A系H級及びA系HE級には適用しない。
c) 記号“X”の延長ピンは2列用ピンを用いる。
24
B 1801:2020
JB.3 形状及び寸法
A系チェーンのI形アタッチメントの形状及び寸法は表JB.2に,また,A系チェーン及びB系チェーン
のII形アタッチメントの形状及び寸法は,表JB.3による。
表JB.2−A系チェーンのI形アタッチメントの形状及び寸法
a) ストレートアタッチメント
A1
K1
b) ベントアタッチメント
D1
c) 延長ピンアタッチメント
25
B 1801:2020
表JB.2−A系チェーンのI形アタッチメントの形状及び寸法(続き)
単位 mm
呼び
番号
ベントアタ
ッチメント
穴径
(最小)
ストレート
アタッチメ
ント穴径
(最小)
ベントアタ
ッチメント
取付け高さ
ストレート
アタッチメ
ント取付け
穴高さ
ベントアタ
ッチメント
取付け穴
中心距離
ピン外径
(最大)
延長ピン
突出し長さ
プレート
厚さ
(参考)
d4
d5
h4
h5
f
d2
b5
b0
25
2.6
2.6
4.8
7.9
14.3
2.31
6.0
0.75
35
2.6
2.6
6.4
9.5
19.0
3.60
9.5
1.25
40
3.3
3.3
7.9
12.7
25.4
3.98
9.5
1.5
50
5.1
5.1
10.3
15.9
31.8
5.09
11.9
2
60
5.1
5.1
11.9
18.3
38.1
5.96
14.3
2.4
80
6.6
6.6
15.9
24.6
50.8
7.94
19.0
3.2
100
8.2
8.2
19.8
31.8
63.5
9.54
23.8
4
120
9.8
9.8
23.0
36.5
76.2
11.11
28.6
4.8
140
11.4
11.4
28.6
44.4
88.9
12.71
33.3
5.6
160
13.1
13.1
31.8
50.8
101.6
14.29
38.1
6.4
200
16.3
16.3
42.9
63.5
127.0
19.85
47.6
8
表JB.3−A系及びB系チェーンのII形アタッチメントの形状及び寸法
a) ストレートアタッチメント
b) ベントアタッチメント
26
B 1801:2020
表JB.3−A系及びB系チェーンのII形アタッチメントの形状及び寸法(続き)
c) 延長ピンアタッチメント
単位 mm
呼び
番号
アタッチ
メント
穴ピッチ
ベントア
タッチメ
ント穴径
(最小)
ストレート
アタッチメ
ント穴径
(最小)
ベントア
タッチメ
ント取付
け高さ
ストレート
アタッチメ
ント取付け
穴高さ
ベントア
タッチメ
ント取付
け穴中心
距離
ピン外径
(最大)
延長ピン
突出し長さ
X c)
Y
g
d4
d5,d6 a)
h4
h5,h6 b)
f
d2
b5
05B
8.00
−
−
−
−
−
2.31
7.1
−
35
9.525
2.6
2.6
6.4
9.5
19.0
3.60
12.3
10.2
06B
9.525
−
−
−
−
−
3.28
12.2
−
40
12.70
3.3
3.3
7.9
12.7
25.4
3.98
16.5
10.2
08B
12.70
4.3
4.3
8.9
13.0
25.4
4.45
15.5
−
50
15.875
5.1
5.1
10.3
15.9
31.8
5.09
20.6
12.7
10B
15.875
5.3
5.3
10.3
16.5
31.8
5.08
18.5
−
60
19.05
5.1
5.1
11.9
18.3
38.1
5.96
25.7
15.2
12B
19.05
6.4
6.4
13.5
21.0
38.1
5.72
21.5
−
80
25.40
6.6
6.6
15.9
24.6
50.8
7.94
32.2
20.3
16B
25.40
6.4
6.4
15.9
23.0
50.8
8.28
34.5
−
100
31.75
8.2
8.2
19.8
31.8
63.5
9.54
39.1
25.4
20B
31.75
8.4
8.4
19.8
30.5
63.5
10.19
39.4
−
120
38.10
9.8
9.8
23.0
36.5
76.2
11.11
48.9
30.5
24B
38.10
10.5
10.5
26.7
36.0
76.2
14.63
51.4
−
140
44.45
11.4
11.4
28.6
44.4
88.9
12.71
−
35.6
28B
44.45
13.1
13.1
28.6
−
88.9
−
−
−
160
50.80
13.1
13.1
31.8
50.8
101.6
14.29
−
40.6
32B
50.80
13.1
13.1
31.8
−
101.6
−
−
−
200
63.50
16.3
16.3
42.9
63.5
127.0
−
−
−
注a) ストレートアタッチメントの場合,穴1個はd5,穴2個はd6で表す。
b) ストレートアタッチメントの場合,穴1個はh5,穴2個はh6で表す。
c) 記号“X”の延長ピンは2列用ピンを用いる。
27
B 1801:2020
附属書JC
(参考)
1列チェーンの最小動的強度
1列チェーンの最小動的強度を,表JC.1に示す
表JC.1−1列チェーンの最小動的強度
ISOチェーン(A系及びB系)
A系−H級
A系−HE級
呼び番号
最小動的強度(N)a)
呼び番号
最小動的強度(N)a)
呼び番号
最小動的強度(N)a)
25
630
−
−
−
−
35
1 410
−
−
−
−
05B
820
−
−
−
−
06B
1 290
−
−
−
−
40
2 480
−
−
−
−
08B
2 480
−
−
−
−
081
−
−
−
−
−
083
−
−
−
−
−
084
−
−
−
−
−
41
1 340
−
−
−
−
50
3 850
−
−
−
−
10B
3 330
−
−
−
−
60
5 490
60H
6 330
60HE
6 330
12B
3 720
−
−
−
−
80
9 550
80H
10 700
80HE
10 700
16B
9 530
−
−
−
−
100
14 600
100H
16 000
100HE
16 000
20B
13 500
−
−
−
−
120
20 500
120H
22 200
120HE
22 200
24B
19 700
−
−
−
−
140
27 300
140H
29 200
140HE
29 200
28B
27 100
−
−
−
−
160
34 800
160H
36 900
160HE
36 900
32B
29 900
−
−
−
−
180
44 500
180H
46 900
180HE
46 900
200
53 600
200H
58 700
200HE
58 700
40B
41 800
−
−
−
−
240
73 100
240H
84 400
240HE
84 400
48B
63 600
−
−
−
−
56B
88 900
−
−
−
−
64B
106 900
−
−
−
−
72B
132 700
−
−
−
−
注a) 3×106回における疲労強度
28
B 1801:2020
参考文献 JIS B 7503 ダイヤルゲージ
29
B 1801:2020
附属書JD
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1801:2020 伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン
ISO 606:2015,Short-pitch transmission precision roller and bush chains, attachments and
associated chain sprockets
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 ショートピッチロ
ーラチェーン及び
ブシュチェーンの
特性を規定。
1
ローラチェーン及びブシ
ュチェーンだけでなくス
プロケット及びアタッチ
メントの寸法についても
規定。
変更
JISでは,従来からスプロケット及
びアタッチメントを附属書で運用
しているが,技術的な内容に差異は
ない。
国内事情が異なり,スプロケット
及びアタッチメントをチェーンの
規格として運用することが難しい
(運用方法が異なるので)。
対策はとらない。
2 引用規格
3 用語及び
定義
3.1〜3.11
−
−
追加
JISでは,規格の内容を理解しやす
いように用語及び定義をJIS B
1812に合わせて規定した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
4 量記号
−
−
追加
JISでは,規格の内容を理解しやす
いように量記号をJIS B 1812に合
わせて規定した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
5 種類
−
−
追加
JISでは,規格の内容を理解しやす
いように種類を規定した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
6 呼び番号
−
−
追加
JISでは,表1〜表3で規定してい
る。技術的な内容に差異はない。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
7 組立品及
び構成部品
の構造及び
名称
3.1
JISとほぼ同じ。
削除
JISでは,多列チェーンの図示を外
リンクで代表させ,本体の表示を削
除した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
8 形状及び
寸法
3.3
JISとほぼ同じ。
変更
JISでは,多列チェーンのピン長さ
の規定を数式で規定したが技術的
内容に差異はない。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0
30
B 1801:2020
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 機械的特
性
9.1 引張強さ
9.2 チェーン長さの
許容差
9.3 部品の表面硬さ
3.4
JISとほぼ同じ。
変更
JISでは,部品の表面硬さを機械的
特性の規定事項として追加した。
JISでは,対応国際規格で規定して
いるプレロードの性能上の効果が
不明確なため削除した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
ISO規格の見直しの際にプレロー
ドの目的の明確化を提案する。
10 試験方
法
10.1 寸法測定
10.2 引張強さ試験
10.3 チェーン長さ
の測定
10.4 表面硬さ試験
−
−
追加
JISでは,製品規格のため追加した。 ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
11 検査
−
−
追加
JISでは,製品規格のため追加した。 ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
12 製品の
呼び方
−
−
追加
JISでは,製品規格のため追加した。 ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
13 表示
13.1 製品の表示
13.2 包装の表示
3.5
製品の表示だけを規定。
追加
JISでは,包装の表示についても規
定した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
3.6
オフセットリンクの負荷
の大きな伝動での使用制
限。
削除
JISでは,負荷の基準が定量的では
ないため,削除した。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
附属書JA
(参考)
スプロケット
5
JISとほぼ同じ。
変更
JISでは,参考として記載。
国内事情が異なり,規格として運
用することが難しい。
対策はとらない。
附属書JB
(参考)
アタッチメント
4
JISとほぼ同じ。
変更
JISでは,参考として記載。
国内事情が異なり,規格として運
用することが難しい。
対策はとらない。
附属書JC
(参考)
1列チェーンの最小
動的強度
3.4.5
Table 1にて計算上の単列
最小動的強度を規定。
変更
JISでは,参考値として記載。
ISO規格の見直しの際に提案を検
討する。
−
−
Annex A
ピッチ円直径について規
定。
削除
JISでは,附属書JAに計算式を記
載した。
ISO規格の見直しの際に提案す
る。
−
−
Annex B
チェーン呼び番号につい
て記載。
削除
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0
31
B 1801:2020
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
−
−
Annex C
最小動的強度の計算式に
ついて記載。
削除
JISでは,計算式の裏付けとなるデ
ータが乏しく,規定することができ
ないので,計算式によって求められ
た数値だけ参考として,附属書JC
に記載した。
ISO規格に整合するよう‚次回の
改正時までには‚十分審議し‚
JIS化の準備を検討する。
−
−
Annex D
動的強度確認試験時の最
大試験荷重の決定方法に
ついて記載。
削除
JISでは,JIS B 1811に該当する計
算式が記載されているが,記号及び
数値の整合がとれていないため,十
分検証を行うまで削除する。
次回改正まで十分審議しJIS化の
準備を検討する。
Annex E
引張強さ試験中の応力増
加速度の制御方法の例。
削除
JISでは,速度制御方法の裏付けと
なるデータが乏しいため,十分検証
を行うまで削除する。
次回改正まで十分審議しJIS化の
準備を検討する。
Annex F
多列チェーンの最小動的
強度の計算方法について
記載。
削除
JISでは,計算式の裏付けとなるデ
ータが乏しいため,十分検証を行う
まで削除する。
次回改正まで十分審議しJIS化の
準備を検討する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 606:2015,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
B
1
8
0
1
:
2
0
2
0