サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

B 1584-3:2010  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号及び単位 ··················································································································· 2 

5 油穴,油溝及び油だまりの共通事項 ····················································································· 2 

6 油穴の形状及び寸法 ·········································································································· 2 

7 油溝······························································································································· 4 

7.1 一般 ···························································································································· 4 

7.2 油溝の形状及び寸法 ······································································································· 4 

8 油だまり························································································································· 6 

附属書A(参考)油だまりの形状及び寸法 ················································································ 7 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10 

B 1584-3:2010  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本機械学会(JSME)及び財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 1584の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 1584-1 第1部:寸法 

JIS B 1584-3 第3部:油穴,油溝及び油だまり 

JIS B 1584-4 第4部:材料 

日本産業規格          JIS 

B 1584-3:2010 

滑り軸受ー巻きブシュー 

第3部:油穴,油溝及び油だまり 

Plain bearings-Wrapped bushes-Part 3: Lubrication holes, 

grooves and indentations 

序文 

この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 3547-3を基に作成した日本産業規格であるが,我

が国の実状を反映させるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,巻きブシュの油穴及び油溝の形状及び寸法並びに油だまりの形状について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3547-3:2006,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 3: Lubrication holes,grooves and 

indentations (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0162-1 滑り軸受−用語,定義及び分類−第1部:設計,軸受材料及びその特性 

注記 対応国際規格:ISO 4378-1,Plain bearings−Terms, definitions and classification−Part1: Design, 

bearing materials and their properties (MOD) 

JIS B 0163-2 滑り軸受−記号−第2部:応用記号 

JIS B 1584-1 滑り軸受−巻きブシュ−第1部:寸法 

注記 対応国際規格:ISO 3547-1,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 1: Dimensions(MOD) 

ISO 3547-7,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 7: Measurement of wall thickness of thin-walled bushes 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0162-1及びJIS B 0163-2による。 

background image

B 1584-3:2010  

記号及び単位 

この規格で用いる記号及び単位は,表1による。 

表1−記号及び単位 

記号 

意味 

単位 

ブシュ幅 

mm 

Di 

ブシュ内径 

mm 

dL 

油穴の直径 

mm 

油溝と油溝との距離 

mm 

n1,n2 

油溝の幅 

mm 

油溝の半径 

mm 

s3 

肉厚 

mm 

s4 

油溝の底厚 

mm 

油穴,油溝及び油だまりの共通事項 

油穴,油溝及び油だまりの共通事項は,次による。 

a) 油穴,油溝及び油だまりは,成形加工の前に平板の状態で加工する場合もある。 

b) 平板を成形することによって,油穴,油溝及び油だまりの寸法の変化があってもよい。 

c) スタンピングによる油溝及び油だまり加工の影響がブシュ背面に認められる場合もある。 

d) 油溝及び油だまり内における軸受材料の微小なクラックは,軸受材料の欠落がなければ許容される。 

e) 特別に指示のない寸法は,受渡当事者間の協定による。 

f) 

油穴,油溝の形状及び寸法は,表2〜表6による。 

油穴の形状及び寸法 

油穴の形状及び寸法は,表2による。ただし,表2のb) に示すハッチング部には油穴を設けないほう

がよい。 

background image

B 1584-3:2010  

表2−油穴の形状及び寸法 

単位 mm 

a) L形油穴 

b)  L形油穴の設定を推奨しない位置 

ブシュ内径 Diの区分 

油穴の直径 dLa) 

14を超え 22以下 

22を超え 40以下 

40を超え 50以下 

50を超え100以下 

100を超える 

注a) 成形後の最小サイズ。 

background image

B 1584-3:2010  

油溝 

7.1 

一般 

油溝の一般事項は,次による。 

a) 油穴部,ブシュ合わせ目及びブシュ端面付近での油溝の広がりはあってもよい。 

b) 一般的に油溝の形状及び寸法は,ブシュを展開した形で表示される。 

c) 油溝加工後にブシュの成形加工を行う場合は,成形工程中に油溝形状にひずみが生じる場合がある。 

d) 油溝深さの測定を容易にするために,ブシュ油溝底の厚さを管理寸法として指定する場合がある。 

7.2 

油溝の形状及び寸法 

7.2.1 

M1形油溝 

M1形油溝の形状及び寸法は,表3による。また,M1形の油溝は,断面形状によってM1A形とM1B形

とに区分し,それぞれの断面形状及び寸法は,表4による。 

表3−M1形油溝の形状及び寸法 

単位 mm 

油穴の直径 dLは,表2による。 

ブシュ内径 Diの区分 

溝幅 n1及びその許容差 

圧入後機械加工しない場合 

圧入後機械加工する場合 

シリーズA,B,D及びW 

(JIS B 1584-1による) 

シリーズC及びE 

(JIS B 1584-1による) 

14を超え22以下 

4±0.5 

5±0.5 

22を超え40以下 

5±0.5 

6±0.5 

40を超え50以下 

6±0.5 

7±0.5 

50を超え100以下 

7±0.5 

8±0.5 

100を超える 

8±0.5 

9±0.5 

background image

B 1584-3:2010  

表4−M1A形及びM1B形の油溝の断面形状及び寸法 

単位 mm 

a) M1A形 

b) M1B形 

肉厚s3 

0.75 

1.5 

2.5 

油溝の底厚 

s4 

の区分 

M1A形 

0.45〜0.65 

0.65〜0.85 

1.1〜1.3 

1.5〜1.7 

2.0〜2.2 

M1B形 

− 

0.5〜0.7 

0.9〜1.1 

1.4〜1.6 

1.9〜2.1 

油溝の半径R 

− 

10 

12 

7.2.2 

M2形油溝 

M2形油溝の形状及び寸法は,表5による。また,M2形の油溝は,断面形状によってM2A形とM2B形

とに区分し,それぞれの断面形状及び寸法は,表6による。 

表5−M2形油溝の形状及び寸法 

単位 mm 

ブシュ内径 Diの区分 

油溝と油溝

との距離 

溝幅 n2及びその許容差 

圧入後機械加工しない場合 

圧入後機械加工する場合 

シリーズA,B,D及びW 

(JIS B 1584-1による) 

シリーズC及びE 

(JIS B 1584-1による) 

18を超え26以下 

32 

3±0.5 

4±0.5 

background image

B 1584-3:2010  

表5−M2形油溝の形状及び寸法(続き) 

ブシュ内径 Diの区分 

油溝と油溝

との距離 

溝幅 n2及びその許容差 

圧入後機械加工しない場合 

圧入後機械加工する場合 

シリーズA,B,D及びW 

(JIS B 1584-1による) 

シリーズC及びE 

(JIS B 1584-1による) 

26を超え 36以下 

45 

3±0.5 

4±0.5 

36を超え 50以下 

70 

5±0.5 

6±0.5 

50を超え 70以下 

100 

5±0.5 

6±0.5 

70を超え100以下 

130 

6±0.5 

7±0.5 

100を超える 

140 

7±0.5 

8±0.5 

表6−M2A形及びM2B形の油溝の断面形状及び寸法 

単位 mm 

a) M2A形 

b) M2B形 

肉厚 s3 

0.75 

1.5 

2.5 

油溝の底厚 

s4 

の区分 

M2A形 

0.45〜0.65 

0.65〜0.85 

1.1〜1.3 

1.5〜1.7 

2.0〜2.2 

M2B形 

− 

0.5〜0.7 

0.9〜1.1 

1.4〜1.6 

1.9〜2.1 

油溝の半径R 

− 

10 

12 

油だまり 

油だまりは,形状によって円形状の油だまり,だ円形状の油だまり及びひし形状の油だまりに区分する。 

油だまりの形状及び寸法を,附属書Aに示す。 

background image

B 1584-3:2010  

附属書A 

(参考) 

油だまりの形状及び寸法 

A.1 油だまりの形状及び寸法 

巻きブシュの油だまりの形状及び寸法を,参考として次に示す。 

油だまりは肉厚が1 mm以上のブシュに適用される。 

図A.1〜図A.3は,油だまりのパターンの例である。 

これら油だまりのパターンは,供給者の判断によって変えてもよい。 

注記 油だまりは,単独,又は穴及び/若しくは油溝と共に用いることができる。 

a) N1形 この種の油だまりは油潤滑又はグリース潤滑に使用される。形状及び寸法は,図A.1を参照。 

単位 mm 

注a) 断面A-Aは拡大図である。 

肉厚の許容差の区分 
(JIS B 1584-1参照) 

油だまりの直径 db 

油だまりの深さ t 

シリーズ A,B,D,W  

1.5〜3 

0.4±0.2 

シリーズ C,E  

0.55±0.2 

図A.1−N1A形及びN1B形油だまり 

b) N2形 この種の油だまりは固体潤滑又はグリース潤滑に使用される。形状及び寸法は,図A.2を参照。 

だ円形状の油だまりN2形は,JIS B 1584-1によるシリ−ズA,B,D及びWに適用され,受渡当事

者間の協定によって選定される。 

background image

B 1584-3:2010  

単位 mm 

注a) 断面B-Bは拡大図である。 

図A.2−N2形油だまり 

c) N3形 この種の油だまりは固体潤滑又はグリース潤滑に使用される。形状及び寸法は,図A.3を参照。 

ひし形状の油だまりN3形は,JIS B 1584-1によるシリ−ズA,B,D及びWに適用され,受渡当事

者間の協定によって選定される。 

単位 mm 

注a) 断面C-Cは拡大図である。 

ブシュ内径 Diの範囲 

ひし形油だまりの

端部長さ c 

油だまりの深さ 

油だまりの 

レイアウト α 

Di <22 

1.9 

0.4±0.2 

20° 

Di ≧22 

2.4 

0.6±0.2 

23° 

図A.3−N3形油だまり 

B 1584-3:2010  

A.2 製品の呼び方 

製品の呼び方を,参考として例1及び例2に示す。 

例1 円筒巻きブシュ (Type C:wrapped cylindrical bush) 

内径 Di  

: 30 mm 

肉厚の許容差 

: シリーズA(JIS B 1584-1参照) 

外径 Do  

: 34 mm 

幅 B 

: 20 mm 

軸受材料分類 

: S5(JIS B 1584-4参照) 

穴及び溝  

: M1A(表4参照) 

油だまり  

: N1B[A.1のa)参照] 

外径測定  

: Test A(ISO 3547-2参照) 

肉厚測定  

: ISO 3547-7による測定方法“S” 

呼び方:Bush ISO 3547 ‒ C30 A 34 × 20 ‒ S5 ‒ M1A N1B ‒ AS 

例2 円筒巻きブシュ (Type C:wrapped cylindrical bush) 

内径 Di  

: 30 mm 

肉厚の許容差 

: シリーズD(JIS B 1584-1参照) 

外径 Do  

: 34 mm 

幅 B 

: 16 mm 

軸受材料分類 

: P2(JIS B 1584-4参照) 

油穴 

: L(表2参照) 

油だまり  

: N1B[A.1のa)参照] 

外径測定  

: Test A(ISO 3547-2参照) 

内径測定  

: Test C(ISO 3547-2参照) 

呼び方:Bush ISO 3547−C30 D 34 × 16−P2−L N1B−AC 

参考文献 ISO 3547-2,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 2: Test data for outside and inside diameters 

background image

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 1584-3 : 2010 滑り軸受−巻きブシュ−第3部:油穴,油溝及び油だまり 

ISO 3547-3 : 2006 Plain bearings−Wrapped bushes−Part 3: Lubrication holes,
grooves and indentations 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

規定内容はJISとほぼ同
じであるが製品の呼び
方についても規定して
いる。 

削除 

JISでは,製品の呼び方につ
いてはこの規格で規定する内
容ではないと判断し,附属書
(参考)に記載した。 

規格使用者の利便性を考えて附
属書として示したもので,技術的
な差異はない。 

2 引用規
格 

3 用語及
び定義 

引用規格をJIS B 
0162-1及びJIS B 
0163-2と規定。 

引用規格としてISO 
4378-1だけを規定して
いる。 

追加 

JISでは,用語及び定義での
引用規格としてJIS B 0163-2
を追加した。 

JISは使用者の理解を助けるため
に定義を設けた。 

4 記号及
び単位 

本文で用いる記号
及び単位を規定。 

規定内容は,JISとほぼ
同じだが,JISには不要
な記号及び単位を規定
している。 

削除 

JISでは,本文で用いない記
号及び単位を表中から削除し
た。 

規格使用者の利便性を考えて,削
除したものであり,技術的な差異
はない。 

5 油穴,
油溝及び
油だまり
の共通事
項 

規定内容は,JISとほぼ
同じ。 

変更 

JISでは,油穴,油溝及び油
だまりの共通事項を箇条で表
記した。 

規格使用者の利便性を考えて,変
更したものであり,技術的な差異
はない。 

6 油穴の
形状及び
寸法 

油穴の形状及び寸
法を規定。 

規定内容は,JISとほぼ
同じ。 

一致 
 

2

B

 1

5

8

4

-3

2

0

1

0

background image

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7 油溝 

油溝の形状及び寸
法について規定。 

規定内容は,JISとほぼ
同じ。 

一致 
 

8 油だま
り 

油だまりの形状を
規定。 

油だまりの種類,形状及
び寸法を規定。 

削除 

JISでは,油だまりの寸法に
ついてはこの規格で規定する
内容ではないと判断し附属書
(参考)に移した。 

規格使用者の利便性を考えて附
属書に移したもので,技術的な差
異はない。 

附属書A 
(参考) 

ISO規格で規定し
ている油だまりの
形状及び寸法並び
にブシュの製品の
名称をまとめた。 

― 

追加 

対応国際規格で規定している
油だまりの形状及び寸法並び
にブシュの製品の名称を,附
属書(参考)とした。 

規格使用者の利便性を考えて附
属書に移したもので,技術的な差
異はない。 

 
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3547-3:2006,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致……………… 技術的差異がない。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

B

 1

5

8

4

-3

2

0

1

0