B 1584-1:2010
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 量記号及び単位 ················································································································ 2
5 寸法及び許容差 ················································································································ 2
附属書A(参考)設計 ·········································································································· 14
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 17
B 1584-1:2010
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本機械学会(JSME)及び財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 1584の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 1584-1 第1部:寸法
JIS B 1584-3 第3部:油穴,油溝及び油だまり
JIS B 1584-4 第4部:材料
日本産業規格 JIS
B 1584-1:2010
滑り軸受−巻きブシュ−
第1部:寸法
Plain bearings-Wrapped bushes-Part 1: Dimensions
序文
この規格は,2006年に第2版として発行されたISO 3547-1を基に作成した日本産業規格であるが,我
が国の実状を反映させるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,巻きブシュの寸法について規定する。
注記1 附属書Aに軸の表面粗さ,ハウジング内面の表面粗さ,ハウジング内径の公差,並びにブシ
ュ内径の上限寸法及び下限寸法の計算例を示す。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3547-1:2006,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 1: Dimensions (MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0162-1 滑り軸受−用語,定義及び分類−第1部:設計,軸受材料及びその特性
注記 対応国際規格:ISO 4378-1,Plain bearings−Terms, definitions and classification−Part 1: Design,
bearing materials and their properties (MOD)
JIS B 0163-2 滑り軸受−記号−第2部:応用記号
JIS B 1584-4 滑り軸受−巻きブシュ−第4部:材料
注記 対応国際規格:ISO 3547-4,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 4: Materials (MOD)
ISO 3547-2,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 2: Test data for outside and inside diameters
ISO 3547-6,Plain bearings−Wrapped bushes−Part 6: Checking the inside diameter
ISO 12301,Plain bearings−Quality control techniques and inspection of geometrical and material quality
characteristics
2
B 1584-1:2010
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0162-1及びJIS B 0163-2による。
4
量記号及び単位
この規格で用いる量記号及び単位は,表1による。
表1−量記号及び単位
記号
定義
単位
B
ブシュ幅
mm
Ci
内径面取り幅
mm
Co
外径面取り幅
mm
D f l
ブシュつば径
mm
Di
ブシュ内径
mm
Di,ch
リングゲージに圧入したブシュ内径
mm
DH
ハウジング内径
mm
Do
ブシュ外径
mm
r b)
半径(つば部根元半径)
mm
Ra
表面粗さ
µm
s1
裏金厚さa)
mm
s2
ライニング厚さa)
mm
s3
肉厚a)
mm
s f 1
つば厚
mm
注a) ブシュの材料が単層材料の場合は,s1=s3又はs2=s3となる。
b) rの最大値は,s3と同じ寸法とする。
5
寸法及び許容差
巻きブシュは,形状によって円筒巻きブシュ及びつば付き巻きブシュに区分し,それぞれの寸法は,次
による。
a) 円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値は,表2〜表6による。
b) つば付き巻きブシュの内径,外径,肉厚,つば径,つば厚及びブシュ幅の推奨値は,表7による。
c) 外径面取り及び内径面取りの寸法は,表8による。
d) ブシュの肉厚の許容差は,表9による。
e) ブシュ内径が機械仕上加工されて供給されるブシュ(シリーズW)について,リングゲージに圧入し
た状態でのブシュ内径Di,chの許容差は,表10による。
f)
ブシュ外径Doの許容差は,表11による。
なお,受渡当事者間の協定によって,表2〜表11に示す許容差以外を使用してもよい。
ハウジングへ圧入した状態でのブシュ内径の最大値は,ハウジング径の最大値から肉厚(s3)の最小値の2
倍の値を差し引くことによって求める。同様に,ブシュ内径の最小値は,ハウジング径の最小値から肉厚
(s3)の最大値の2倍の値を差し引くことによって求める。これは,ブシュの圧入によるハウジング径の拡大
はないものと仮定している。実際には,拡大はハウジング,ブシュの剛性などの幾つかの要因に依存する。
ブシュ内径の計算例をA.6に示す。
肉厚許容差は,ブシュ内径の機械加工仕上代の有無及びJIS B 1584-4に規定する材料による。シリーズ
3
B 1584-1:2010
A,B,C,D及びEに対するブシュの肉厚許容差を,表9に示す。
ブシュ肉厚に代わりブシュ内径Di, chが指定される場合がある。Di, ch はブシュをリングゲージに圧入し
たときのブシュ内径寸法とする(リングゲージ手法によるブシュ内径の測定は,ISO 3547-2及びISO 3547-6
に示す。)。
検査すべき寸法として,ブシュ肉厚とブシュ内径とが同時に指定されることはない。
実際のハウジングに圧入されたときのブシュ内径公差は,Di, chの公差とハウジング内径公差との和とな
る。ブシュ肉厚から計算によってブシュ内径を求める場合は,ハウジング内径の拡大はないものと仮定し
ている。
4
B 1584-1:2010
表2−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が0.5 mm又は0.75 mmのもの)
注a) s3 = 0.5 mmの場合,0.2 mm以上。
単位 mm
肉厚 s3=0.5
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
3
4
5
6
7
8
10
12
15
20
25
30
40
2
3
0.5
±0.25
−
±0.25
3
4
0.5
±0.25
−
±0.25
±0.25
4
5
0.5
±0.25
±0.25
−
±0.25
5
6
0.5
−
±0.25
−
−
±0.25
±0.25
6
7
0.5
±0.25
−
±0.25
−
±0.25
±0.25
8
9
0.5
±0.25
−
±0.25
±0.25
±0.25
10
11
0.5
±0.25
±0.25
±0.25
肉厚 s3=0.75
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
3
4
5
6
7
8
10
12
15
20
25
30
40
2
3.5
0.75
±0.25
−
±0.25
3
4.5
0.75
±0.25
−
±0.25
±0.25
4
5.5
0.75
±0.25
±0.25
−
±0.25
−
−
±0.25
4
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表3−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が1.0 mmのもの)
単位 mm
肉厚 s3=1.0
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
3
4
5
6
7
8
10
12
15
20
25
30
40
3
5
1.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
4
6
1.0
±0.25
±0.25
−
±0.25
6
8
1.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
7
9
1.0
±0.25
−
±0.25
−
±0.25
±0.25
8
10
1.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
9
11
1.0
−
−
−
±0.25
−
10
12
1.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
12
14
1.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
13
15
1.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
−
14
16
1.0
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
15
17
1.0
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
16
18
1.0
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
17
19
1.0
−
−
±0.5
±0.5
−
18
20
1.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
±0.5
5
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表4−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が1.5 mmのもの)
単位 mm
肉厚 s3=1.5
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
3
4
5
6
7
8
10
12
15
20
25
30
40
8
11
1.5
±0.5
±0.5
10
13
1.5
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
12
15
1.5
±0.5
±0.5
±0.5
−
13
16
1.5
±0.5
±0.5
±0.5
±0.5
14
17
1.5
±0.5
±0.5
±0.5
±0.5
15
18
1.5
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
±0.25
16
19
1.5
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
±0.25
18
21
1.5
−
±0.25
±0.5
±0.5
20
23
1.5
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
22
25
1.5
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
24
27
1.5
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
25
28
1.5
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
28
31
1.5
±0.5
±0.5
±0.5
6
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表5−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が2.0 mmのもの)
単位 mm
肉厚 s3=2.0
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
15
20
25
30
40
50
60
70
80
100
115
28
32
2.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
−
±0.5
30
34
2.0
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
−
32
36
2.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
−
35
39
2.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
±0.5
37
40
2.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
−
38
42
2.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
−
40
44
2.0
±0.25
−
±0.5
±0.5
±0.5
7
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表6−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が2.5 mmのもの)
単位 mm
肉厚 s3=2.5
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
ブシュ幅 B
s3
15
20
25
30
40
50
60
70
80
100
115
45
50
2.5
±0.25
−
±0.25
±0.5
±0.5
50
55
2.5
±0.25
±0.25
±0.25
±0.5
±0.5
±0.5
55
60
2.5
±0.25
−
±0.25
±0.5
−
±0.5
60
65
2.5
±0.25
−
±0.25
±0.5
±0.5
−
±0.75
65
70
2.5
±0.25
−
±0.5
−
±0.75
70
75
2.5
±0.25
−
±0.5
−
±0.75
75
80
2.5
±0.5
−
±0.5
−
±0.75
80
85
2.5
±0.5
−
±0.5
−
±0.75
±0.75
85
90
2.5
±0.5
−
±0.5
−
±0.75
±0.75
90
95
2.5
±0.5
−
±0.5
−
−
±0.75
95
100
2.5
−
±0.5
−
−
±0.75
100
105
2.5
±0.5
±0.5
−
−
±0.75
±0.75
105
110
2.5
−
±0.5
−
−
±0.75
±0.75
110
115
2.5
−
±0.5
−
−
±0.75
±0.75
115
120
2.5
±0.5
±0.5
±0.5
−
±0.75
−
8
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表6−円筒巻きブシュの内径,外径,肉厚及びブシュ幅の推奨値(肉厚s3が2.5 mmのもの)(続き)
単位 mm
肉厚 s3=2.5
ブシュ
内径
Di
ブシュ
外径
Do
肉厚
s3
ブシュ幅 B
15
20
25
30
40
50
60
70
80
100
115
120
125
2.5
±0.5
±0.5
−
−
±0.75
125
130
2.5
±0.5
−
−
±0.75
130
135
2.5
±0.5
−
−
±0.75
135
140
2.5
±0.5
−
±0.5
±0.75
140
145
2.5
±0.5
−
−
±0.75
150
155
2.5
±0.5
−
±0.5
±0.75
160
165
2.5
±0.5
−
±0.5
±0.75
170
175
2.5
±0.75
180
185
2.5
±0.75
ブシュ幅Bは,ISO 12301に示す方法で検査する。
注記1 表2〜表6に示す以外のブシュ幅Bの公差は,受渡当事者間の協定による。
注記2 表中以外のブシュ幅Bを使用する場合,φDi=50 mmまではブシュ幅の末尾の数字を2,5又は8とし,φDi=50 mm以上の場合はブシュ幅の末尾の数字を5
とするのが望ましい。
9
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
表7−つば付き巻きブシュの内径,外径,肉厚,つば径,つば厚及びブシュ幅の推奨値
単位 mm
ブシ
ュ内
径
Di
ブシ
ュ外
径
Do
肉厚
s3
つば径Df l
つば
厚sf l
最大
丸み
寸法
rmax
ブシュ幅 B
基準
寸法
許容
差
4
5.5
7
7.5
8
9
9.5
11.5
12
16
16.5
17
21.5
22
26
6
8
1.0
12
+0.5
−0.8 0.8〜
1.05
1.0
±0.25
−
−
−
±0.25
8
10
15
±0.25
−
±0.25
−
−
±0.25
10
12
18
±0.25
−
−
±0.25
−
−
±0.25
−
−
±0.5
12
14
20
±0.25
−
−
±0.25
−
−
±0.25
−
−
±0.5
14
16
22
−
−
−
±0.25
−
−
±0.5
15
17
23
±0.25
−
−
±0.25
−
−
±0.5
16
18
24
−
±0.25
−
−
±0.5
18
20
26
−
±0.25
−
−
±0.5
−
±0.5
20
23
1.5
30
+1.0
−0.8
1.3〜
1.6
1.5
±0.25
−
−
±0.25
−
±0.5
−
25
28
35
±0.25
−
−
±0.25
−
±0.5
−
30
34
2.0
42
1.8〜
2.1
2.0
±0.25
−
−
−
−
±0.5
35
39
47
+2.0
−0.8
±0.25
−
−
−
−
±0.5
40
44
52
±0.25
−
−
−
−
±0.5
45
50
2.5
58
2.3〜
2.6
2.5
±0.25
−
−
−
−
±0.5
1
0
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
11
B 1584-1:2010
表8−外径面取り及び内径面取りの寸法
単位 mm
肉厚
s3
外径面取り寸法 Co
内径面取り寸法
Ci
切削加工
ロール加工
0.5
0.2±0.1
−0.05
−0.30
0.75
0.5±0.3
−0.1
−0.4
1.0
0.6±0.4
−0.1
−0.6
1.5
0.6±0.4
−0.1
−0.7
2.0
1.2±0.4
1.0±0.4
−0.1
−0.7
2.5
1.8±0.6
1.2±0.4
−0.2
−1.0
注記 圧入後に内径を機械加工するブシュの場合,Ci部はあらかじめ大きめにしておくのが
よい。
表9−ブシュの肉厚の許容差
単位 mm
肉厚s3
ブシュ外径Do
の区分
肉厚s3の許容差
圧入後に機械加工しない場合
圧入後に
機械加工する場合
シリーズA
シリーズB
シリーズD
シリーズC
シリーズE
0.5
3以上11以下
0
−0.015
0
−0.030
−
−
−
0.75
3を超え6以下
0
−0.015
0
−0.020
−
+0.25
+0.15
−
1.0
5以上20以下
0
−0.015
0.005
−0.020
−0.020
−0.045
+0.25
+0.15
+0.11
+0.07
1.5
11以上31以下
0
−0.015
0.005
−0.025
−0.025
−0.055
+0.25
+0.15
+0.11
+0.07
2.0
32以上44以下
0
−0.015
0.005
−0.030
−0.030
−0.065
+0.25
+0.15
+0.11
+0.07
2.5
80以下
0
−0.020
0.005
−0.040
−0.040
−0.085
+0.30
+0.15
+0.14
+0.07
80を超え120以下
0
−0.025
−0.010
−0.060
120を超え185以下
0
−0.030
−0.035
−0.085
注記 シリーズA,B,C,D及びEに対応した材料は,JIS B 1584-4の表1及び表2による。
製造工程によってブシュ背面に軽微な凹みが発生することがある。肉厚を測定する場合にはこのような
凹みを避けて測定する。
12
B 1584-1:2010
表10−リングゲージに圧入した状態でのブシュ内径の許容差(シリーズW −JIS B 1584-4)
単位 mm
単位 mm
ブシュ内径
Di
リングゲージに圧入し
た状態でのブシュ内径
Di, chの許容差
ブシュ内径
Di
リングゲージに圧入し
た状態でのブシュ内径
Di, chの許容差
2
+0.036
0
55
+0.074
0
3
60
4
65
5
70
6
75
7
80
8
85
+0.087
0
9
90
10
95
12
+0.043
0
100
13
105
14
110
15
115
16
120
17
125
+0.100
0
18
130
20
+0.052
0
135
22
140
24
150
25
160
28
170
30
180
32
+0.062
0
35
37
38
40
45
50
注記 特に規定のない限り,ブシュ外径と内径の同心度は0.05 mm以下とするのが望ましい。
13
B 1584-1:2010
表11−ブシュ外径の許容差
単位 mm
ブシュ外径
Do
許容差
ブシュ外径
Do
許容差
鋼又は
裏金が鋼の場合
アルミニウム合
金,銅合金又は裏
金がアルミニウ
ム合金若しくは
銅合金の場合
鋼又は
裏金が鋼の場合
アルミニウム合
金,銅合金又は裏
金がアルミニウ
ム合金若しくは
銅合金の場合
3
+0.055
+0.025
+0.075
+0.045
85
+0.120
+0.070
3.5
90
4
95
5
100
+0.140
+0.090
6
105
7
110
8
115
9
120
10
125
+0.170
+0.100
+0.190
+0.120
11
+0.065
+0.030
+0.080
+0.050
130
12
135
13
140
14
145
15
155
16
165
17
175
18
185
+0.255
+0.125
+0.245
+0.145
19
+0.075
+0.035
+0.095
+0.055
20
21
23
25
27
28
31
+0.085
+0.045
+0.110
+0.065
32
34
36
39
40
42
44
50
55
+0.100
+0.055
+0.125
+0.075
60
65
70
75
80
14
B 1584-1:2010
附属書A
(参考)
設計
序文
フリー状態での巻きブシュは完全な円筒でなく,合わせ目は開いている場合がある。一般に,巻きブシ
ュはハウジングに圧入することによってまるくなり,合わせ目が閉じる。 合わせ目にクリンチを用いるこ
とによって巻ブシュの合わせ目は,閉じることができる。合わせ目の設計は,製造業者によって行われる。
巻きブシュは,内径を機械加工する仕上代をもっている製品ともっていない製品とがある。機械加工の
仕上代をもっている巻きブシュは,ハウジングに圧入された後,使用者によって完成寸法に仕上加工が施
される。すべての巻きブシュの材料で仕上代が設けられるというわけではない。
JIS B 1584-4の材料による巻きブシュは,表9で示す肉厚の許容差(シリーズA,B,C,D及びE),又
は表10で示すリングゲージにブシュを圧入したときの内径の許容差(シリーズW)の状態で納入される。
油穴,油溝及び油だまりは,エンボス又はパンチングによって加工できるよう設計するのが望ましい。
その後の巻き工程によるひずみは,許容される。すべての端面及び面取り部には,有害なばりがないもの
とし,組付け及び機能に影響しない ばりは,許容される。
A.1 ハウジング内径の公差
ハウジング内径の公差域クラスは,表A.1による。
表A.1−ハウジング内径の公差域クラス
単位 mm
単位 mm
ブシュ外径
Do
ハウジング内径
DHの公差
ブシュ外径
Do
ハウジング内径
DHの公差
3
H6
27
H7
3.5
28
4
31
5
H7
32
6
34
7
36
8
39
9
40
10
42
11
44
12
50
13
55
14
60
15
65
16
70
17
75
18
>75
19
20
21
23
25
15
B 1584-1:2010
A.2 軸径の公差
軸径の公差は,軸材料及びアプリケーションによって選択される。
A.3 ハウジング内面の表面粗さ
ハウジング内面の表面粗さは,Ra 1.6〜Ra 3.2を推奨する。
A.4 軸の表面粗さ
軸の表面粗さは,Ra 0.2〜Ra 0.4を推奨する。
A.5 ブシュの表面粗さ
ブシュの表面粗さは,表A.2による。
表A.2−ブシュの表面粗さ
単位 μm
表面の区分
Ra
シリーズA
シリーズB
シリーズC及びE
シリーズD
シリーズW
ブシュ内面
0.8以下
1.6以下a)
6.3以下
1.6以下
1.6以下
ブシュ背面
1.6以下
1.6以下
1.6以下
1.6以下
1.6以下
他の部位
25以下
25以下
25以下
25以下
25以下
注記 材料分類の詳細は,JIS B 1584-4を参照。
注a) JIS B 1584-4による材料記号B1及びP1で製造するブシュについては,6.3 μm以下とする。
A.6 ブシュ内径の計算例
ブシュ外径34 mmで肉厚2 mmの巻きブシュをハウジングに圧入した状態での,ブシュ内径寸法の上限
寸法及び下限寸法の計算例を,次に示す。ただし,ブシュは圧入後に軸受内径を機械加工せず,裏金は鋼
の場合である。
計算例
ハウジング内径
DH=
025
.00
34+
mm
ブシュ外径
Do=
5
8
0.0
5
4
0.0
34++
mm
肉厚
s3=
0
15
0.0
2−
mm
ブシュ内径寸法の上限寸法
=ハウジング内径最大値−(2×肉厚最小値)
=34.025−(2×1.985)=30.055 mm
ブシュ内径寸法の下限寸法
=ハウジング内径最小値−(2×肉厚最大値)
=34.000−(2×2.000)=30.000 mm
注記1 ハウジング内径の公差域クラスは,表A.1を参照。
注記2 ブシュ外径Doの許容差は,表11を参照。
注記3 肉厚s3の許容差は,表9を参照。
注記4 ブシュを圧入した後のハウジング内径DHは,わずかに拡大する。これは,ハウジングの剛
性に依存する。剛性の高い鋼製ハウジングの場合,ブシュ圧入後のハウジング内径の拡大は,
近似的にブシュ外径Doの公差中央値とハウジング内径公差中央値との差の約6分の1程度と
考えることができる。
16
B 1584-1:2010
A.7 製品の呼び方
製品の呼び方を,参考として例1〜例3に示す。
例1 円筒巻きブシュ (Type C:wrapped cylindrical bush)
内径 Di
: 30 mm
肉厚の許容差
: シリーズA(表9参照)
外径 Do
: 34 mm
幅 B
: 20 mm
軸受材料記号
: S5(JIS B 1584-4参照)
穴及び溝
: M1A(JIS B 1584-3参照)
油だまり
: N1B(JIS B 1584-3参照)
外径測定
: Test A(ISO 3547-2参照)
肉厚測定
: ISO 3547-7による測定方法“S”
呼び方:Bush ISO 3547 ‒ C30 A 34 × 20 ‒ S5 ‒ M1A N1B ‒ AS
例2 つば付き巻きブシュ (Type F:wrapped flanged bush)
内径 Di
: 30 mm
肉厚の許容差
: シリーズB(表9参照)
外径 Do
: 34 mm
幅 B
: 16 mm
軸受材料記号
: P1(JIS B 1584-4参照)
外径測定
: Test A(ISO 3547-2参照)
内径測定
: Test C(ISO 3547-2参照)
呼び方:Bush ISO 3547 ‒ F30 B34 × 16 ‒ P1 ‒ AC
例3 円筒巻きブシュ (Type C:wrapped flanged bush)
内径 Di
: 30 mm
肉厚の許容差
: シリーズW(表10参照)
外径 Do
: 34 mm
幅 B
: 20 mm
軸受材料記号
: Y1(JIS B 1584-4参照)
外径測定
: Test A(ISO 3547-2参照)
内径測定
: Test C(ISO 3547-2参照)
呼び方:Bush ISO 3547 ‒ C30 W34 × 20‒ Y1 ‒ AC
参考文献 JIS B 0633 製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−表面性状評価の方式及び
手順
注記
対応国際規格:ISO 4288,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture:
Profile method−Rules and procedures for the assessment of surface texture (IDT)
JASO F503 自動車用巻ブシュ
JASO F506 自動車部品−樹脂製巻きブシュ
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS B 1584-1 : 2010 滑り軸受−巻きブシュ−第1部:寸法
ISO 3547-1 : 2006 Plain bearings−Wrapped bushes−Part 1: Dimensions
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲
巻きブシュの寸法
について規定。
1
ISO規格は,巻きブシュ
の寸法以外に,表面粗さ,
ハウジング公差,ブシュ
内径寸法の計算例及び製
品の名称に関しても規定
している。
変更
JISでは,設計に関する表面粗
さ,ハウジング公差,ブシュ内
径寸法の計算例及び製品の名
称についてはこの規格で規定
するのではなく,附属書(参考)
に記載した。
規格使用者の利便性を考えて,附
属書として示したもので,技術的
な差異はない。
2 引用規格
3 用語及び
定義
用語及び定義を規
定。
3
引用規格としてISO
4378-1だけを規定してい
る。
追加
JISでは,用語及び定義での引
用規格としてJIS B 0163-2を
追加した。
JISは,使用者の理解を助けるため
に定義を設けた。
4 量記号及
び単位
量記号及び単位を
規定。
4
規定内容は,JISとほぼ同
じだが,JISには不要な記
号も規定している。
削除
JISでは,技術的に関連のない
記号は削除した。
規格使用者の利便性を考えて,削
除したものであり,技術的な差異
はない。
5 寸法及び
許容差
寸法及び許容差に
ついて表2〜表11
で規定。
5
規定内容は,JISとほぼ同
じである。
追加
JISでは,寸法に関する表の説
明を箇条で表記し追加した。
規格使用者の利便性を考えて,追
加したものであり,技術的な差異
はない。
−
6
巻きブシュの設計を規定
している。
削除
附属書A(参考)に移した。
規格使用者の利便性を考えて,附
属書に移したもので,技術的な差
異はない。
−
7
ブシュ内径寸法の計算例
を記載している。
削除
附属書A(参考)に移した。
規格使用者の利便性を考えて,附
属書に移したもので,技術的な差
異はない。
1
7
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
−
8
製品の名称を規定してい
る。
削除
附属書A(参考)に移した。
規格使用者の利便性を考えて,附
属書に移したもので,技術的な差
異はない。
附属書A
(参考)
巻きブシュの設計
(軸受内径表面粗
さ及びハウジング
公差),ブシュ内径
寸法の計算例並び
に製品の名称につ
いて記載。
−
−
追加
JISでは,巻きブシュの設計(軸
受内径表面粗さ,ハウジング公
差),ブシュ内径寸法の計算例
及び製品の名称を附属書(参
考)に記載した。
規格使用者の利便性を考えて,附
属書として示したもので,技術的
な差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3547-1 : 2006,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
1
8
B
1
5
8
4
-1
:
2
0
1
0