B 1536-4:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 スラスト保持器付き針状ころ ······························································································ 2
4.1 量記号 ························································································································· 2
4.2 主要寸法,許容差及び許容値 ··························································································· 2
4.3 ゲージ検査 ··················································································································· 4
5 スラストワッシャ ············································································································· 4
5.1 量記号 ························································································································· 4
5.2 主要寸法,許容差及び許容値 ··························································································· 4
5.3 ゲージ検査 ··················································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································· 7
B 1536-4:2008
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ベアリング工業会(JBIA)から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS B 1536:1999は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 1536の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 1536-1 第1部:寸法系列48,49及び69
JIS B 1536-2 第2部:内輪なしシェル形
JIS B 1536-3 第3部:ラジアル保持器付き針状ころ
JIS B 1536-4 第4部:スラスト保持器付き針状ころ及びスラストワッシャ
JIS B 1536-5 第5部:トラックローラ
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1536-4:2008
転がり軸受−針状ころ軸受の主要寸法及び公差−
第4部:スラスト保持器付き針状ころ及びスラスト
ワッシャ
Rolling bearings-Boundary dimensions and tolerances of needle roller
bearings-Part 4 : Thrust needle roller and cage assemblies, thrust washers
序文
この規格は,2000年に第3版として発行されたISO 3031を基に作成した日本工業規格であるが,用語
及び定義の追加並びに最新の量記号を採用するなど,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,スラスト保持器付き針状ころ及びスラストワッシャの主要寸法,許容差及び許容値,並び
にゲージ検査について規定する。
注記1 この規格は,針状ころ軸受の主要寸法及び公差について規定するものであるが,その主要寸
法及び公差に係る規定は,互換性を確保するために示すものであり,この規格によって適合
性評価を行うことは,意図していない。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3031:2000, Rolling bearings−Thrust needle roller and cage assemblies, thrust washers−Boundary
dimensions and tolerances (MOD)
なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0104 転がり軸受用語
注記 対応国際規格:ISO 5593:1997, Rolling bearings−Vocabulary (MOD)
JIS B 0124 転がり軸受用量記号
注記 対応国際規格:ISO 15241:2001, Rolling bearings−Symbols for quantities (MOD)
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
2
B 1536-4:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記 対応国際規格:ISO 286-2:1988, ISO system of limits and fits−Part 2 : Tables of standard tolerance
grades and limit deviations for holes and shafts (IDT)
JIS B 1506 転がり軸受−ころ
注記 対応国際規格:ISO 3096:1996, Rolling bearings−Needle rollers−Dimensions and tolerances
(MOD)
JIS B 1515-1 転がり軸受−公差−第1部:用語及び定義
注記 対応国際規格:ISO 1132-1:2000, Rolling bearings−Tolerances−Part 1 : Terms and definitions
(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0104及びJIS B 1515-1によるほか,次による。
3.1
スラストワッシャ (thrust washer)
スラスト保持器付き針状ころに使用する,プレス加工で造った軌道盤。
4
スラスト保持器付き針状ころ
4.1
量記号
この規格で用いる主な量記号は,JIS B 0124によるほか,次による。
図1に示す量記号及び表1の値は,許容差及び許容値を除き,特記しない限り,呼び寸法である。
Dc :保持器外径
Dcs max :保持器の最大実測外径
Dw :針状ころの直径
dc :保持器内径
dcs min :保持器の最小実測内径
VDcsp :保持器の平面内外径不同
Vdcsp :保持器の平面内内径不同
図1−スラスト保持器付き針状ころ
4.2
主要寸法,許容差及び許容値
スラスト保持器付き針状ころの主要寸法,許容差及び許容値を,表1に示す。
3
B 1536-4:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−スラスト保持器付き針状ころの主要寸法,許容差及び許容値
dc
mm
dcs minの許容差 a)
μm
Vdcsp
μm
Dc
mm
Dcs maxの許容差 b)
μm
VDcsp
μm
Dw c)
mm
上の許容差
下の許容差
最大
上の許容差
下の許容差
最大
6
+ 95
+20
75
19
−110
−320
210
2
7
+115
+25
90
20
−110
−320
210
2
8
+115
+25
90
21
−110
−320
210
2
9
+115
+25
90
22
−110
−320
210
2
10
+115
+25
90
24
−110
−320
210
2
12
+142
+32
110
26
−110
−320
210
2
14
+142
+32
110
27
−110
−320
210
2
15
+142
+32
110
28
−110
−320
210
2
16
+142
+32
110
29
−110
−320
210
2
17
+142
+32
110
30
−110
−320
210
2
18
+142
+32
110
31
−120
−370
250
2
20
+170
+40
130
35
−120
−370
250
2
22
+170
+40
130
37
−120
−370
250
2
25
+170
+40
130
42
−130
−380
250
2
28
+170
+40
130
45
−130
−380
250
2
30
+170
+40
130
47
−130
−380
250
2
32
+210
+50
160
49
−130
−380
250
2
35
+210
+50
160
52
−140
−440
300
2
40
+210
+50
160
60
−140
−440
300
3
45
+210
+50
160
65
−140
−440
300
3
50
+210
+50
160
70
−150
−450
300
3
55
+250
+60
190
78
−150
−450
300
3
60
+250
+60
190
85
−170
−520
350
3
65
+250
+60
190
90
−170
−520
350
3
70
+250
+60
190
95
−170
−520
350
4
75
+250
+60
190
100
−170
−520
350
4
80
+250
+60
190
105
−180
−530
350
4
85
+292
+72
220
110
−180
−530
350
4
90
+292
+72
220
120
−180
−530
350
4
100
+292
+72
220
135
−200
−600
400
4
110
+292
+72
220
145
−210
−610
400
4
120
+292
+72
220
155
−210
−610
400
4
130
+335
+85
250
170
−230
−630
400
5
140
+335
+85
250
180
−230
−630
400
5
150
+335
+85
250
190
−240
−700
460
5
160
+335
+85
250
200
−240
−700
460
5
注 a) この表の値は,dcs minとdcとの間の差の限界を示す。
b) この表の値は,Dcs maxとDcとの間の差の限界を示す。
c) 針状ころのころ径とゲージは,JIS B 1506を参照。
4
B 1536-4:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
ゲージ検査
スラスト保持器付き針状ころの保持器の内径及び外径は,通り及び止りゲージで検査してもよい。
保持器内径(dc)用のプラグゲージの通り側の寸法は,保持器の最小実測内径(dcs min)の下の許容差の値に
等しく,止り側は,dcs minの上の許容差の値に等しい値とする。
保持器外径(Dc)用のリングゲージの通り側の寸法は,保持器の最大実測外径(Dcs max)の上の許容差の値に
等しく,止り側は,Dcs maxの下の許容差の値に等しい値とする。
プラグゲージ及びリングゲージが,スラスト保持器付き針状ころの寸法を検証する効果的な工具である
が,他の適切なゲージ検査又は検証の方法を採用してもよい。
なお,針状ころの等級は,受渡当事者間の協定による。
5
スラストワッシャ
5.1
量記号
この規格で用いる主な量記号は,JIS B 0124によるほか,次による。
図2に示す量記号及び表2の値は,許容差及び許容値を除き,特記しない限り,呼び寸法である。
D :スラストワッシャの外径
Ds max :スラストワッシャの最大実測外径
d :スラストワッシャの内径
ds min :スラストワッシャの最小実測内径
s :スラストワッシャの厚さ
VDsp :スラストワッシャの平面内外径不同
Vdsp :スラストワッシャの平面内内径不同
図2−スラストワッシャ
5.2 主要寸法,許容差及び許容値
スラストワッシャの主要寸法,許容差及び許容値を,表2に示す。
表2−スラストワッシャの主要寸法,許容差及び許容値
d
mm
ds minの許容差 a)
μm
Vdsp
μm
D
mm
Ds maxの許容差 b)
μm
VDsp
μm
s c)
mm
上の許容差
下の許容差
最大
上の許容差 下の許容差
最大
系列 a
系列 b
6
+140
+20
120
19
−40
−370
330
0.8
1
7
+175
+25
150
20
−40
−370
330
0.8
1
8
+175
+25
150
21
−40
−370
330
0.8
1
9
+175
+25
150
22
−40
−370
330
0.8
1
10
+175
+25
150
24
−40
−370
330
0.8
1
5
B 1536-4:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−スラストワッシャの主要寸法,許容差及び許容値(続き)
d
mm
ds minの許容差 a)
μm
Vdsp
μm
D
mm
Ds maxの許容差 b)
μm
VDsp
μm
s c)
mm
上の許容差
下の許容差
最大
上の許容差 下の許容差
最大
系列 a
系列 b
12
+212
+32
180
26
−40
−370
330
0.8
1
14
+212
+32
180
27
−40
−370
330
0.8
1
15
+212
+32
180
28
−40
−370
330
0.8
1
16
+212
+32
180
29
−40
−370
330
0.8
1
17
+212
+32
180
30
−40
−370
330
0.8
1
18
+212
+32
180
31
−50
−440
390
0.8
1
20
+250
+40
210
35
−50
−440
390
0.8
1
22
+250
+40
210
37
−50
−440
390
0.8
1
25
+250
+40
210
42
−50
−440
390
0.8
1
28
+250
+40
210
45
−50
−440
390
0.8
1
30
+250
+40
210
47
−50
−440
390
0.8
1
32
+300
+50
250
49
−50
−440
390
0.8
1
35
+300
+50
250
52
−60
−520
460
0.8
1
40
+300
+50
250
60
−60
−520
460
0.8
1
45
+300
+50
250
65
−60
−520
460
0.8
1
50
+300
+50
250
70
−60
−520
460
0.8
1
55
+360
+60
300
78
−60
−520
460
0.8
1
60
+360
+60
300
85
−72
−612
540
0.8
1
65
+360
+60
300
90
−72
−612
540
0.8
1
70
+360
+60
300
95
−72
−612
540
0.8
1
75
+360
+60
300
100
−72
−612
540
0.8
1
80
+360
+60
300
105
−72
−612
540
0.8
1
85
+422
+72
350
110
−72
−612
540
0.8
1
90
+422
+72
350
120
−72
−612
540
0.8
1
100
+422
+72
350
135
−85
−715
630
−
1
110
+422
+72
350
145
−85
−715
630
−
1
120
+422
+72
350
155
−85
−715
630
−
1
130
+485
+85
400
170
−85
−715
630
−
1
140
+485
+85
400
180
−85
−715
630
−
1
150
+485
+85
400
190
−100
−820
720
−
1
160
+485
+85
400
200
−100
−820
720
−
1
注 a) この表の値は,ds minとdとの間の差の限界を示す。
b) この表の値は,Ds maxとDとの間の差の限界を示す。
c) 許容差は,JIS B 0401-2の公差域クラス js12相当とする。
6
B 1536-4:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.3
ゲージ検査
スラストワッシャの内径及び外径は,通り及び止りゲージで検査してもよい。
内径(d)用のプラグゲージの通り側の寸法は,スラストワッシャの最小実測内径(ds min)の下の許容差の値
に等しく,止り側は,ds minの上の許容差の値に等しい値とする。
外径(D)用のリングゲージの通り側の寸法は,スラストワッシャの最大実測外径(Ds max)の上の許容差の
値に等しく,止り側は,Ds maxの下の許容差の値に等しい値とする。
なお,プラグゲージ及びリングゲージが,スラストワッシャの寸法を検証する効果的な工具であるが,
他の適切なゲージ検査又は検証の方法を採用してもよい。
附属書JA
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS B 1536-4 : 2008 転がり軸受−針状ころ軸受の主要寸法及び公差−第4部 : スラ
スト保持器付き針状ころ及びスラストワッシャ
ISO 3031 : 2000, Rolling bearings−Thrust needle roller and cage assemblies, thrust
washers−Boundary dimensions and tolerances
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
“ゲージ検査”を規
定。
1
“ゲージ検査”の規定な
し。
追加
“ゲージ検査”を追加した。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
2 引用規
格
3 用語及
び定義
3.1 スラストワッシ
ャ(thrust whasher)
3
−
追加
3.1 スラストワッシャを新たに
定義した。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
4 スラス
ト保持器
付き針状
ころ
4.1 量記号
VDcsp
Vdcsp
4
4.1 量記号
VDcs
Vdcs
変更
VDcs及びVdcsをJIS B 1515-1に
よる表示方法VDcsp及びVdcspへ
変更した。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
4.2 主要寸法,許容
差及び許容値
VDcsp
Vdcsp
4.2 主要寸法,許容差及び
許容値
VDcs
Vdcs
変更
VDcs及びVdcsをJIS B 1515-1に
よる表示方法VDcsp及びVdcspへ
変更した。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
4.3 ゲージ検査
4.3
一致
2
B
1
5
3
6
-4
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 スラス
トワッシ
ャ
5.1 量記号
VDsp
Vdsp
5
5.1 量記号
VDs
Vds
変更
VDs及びVdsをJIS B 1515-1によ
る表示方法VDsp及びVdspへ変
更。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
5.2 主要寸法,許容
差及び許容値
VDsp
Vdsp
5.2 主要寸法,許容差及び
許容値
VDs
Vds
変更
VDs及びVdsをJIS B 1515-1によ
る表示方法VDsp及びVdspへ変
更。
対応国際規格定期見直し時に提案
する。
5.3 ゲージ検査
5.3
一致
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3031 : 2000,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
B
1
5
3
6
-4
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。