B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ベアリング工業会 (JBIA) から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS B 1515 : 1988は廃止され,この規格及びJIS B 1515-2に置き換えられる。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 1515-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)直径に関する実測寸法及び許容値の補足説明
JIS B 1515の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 1515-1 第1部:用語及び定義
JIS B 1515-2 第2部:検証の原則及び方法
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般 ······························································································································ 1
4. 軸,方向,平面,位置及び表面 ·························································································· 2
5. 主要寸法 ························································································································ 3
5.1 内径 ···························································································································· 3
5.2 外径 ···························································································································· 5
5.3 幅及び高さ ··················································································································· 7
5.4 軌道輪の面取寸法 ········································································································· 10
6. 幾何特性 ······················································································································· 10
6.1 形状 ··························································································································· 10
6.2 軌道の平行度 ··············································································································· 10
6.3 面の直角度 ·················································································································· 11
6.4 厚さ不同 ····················································································································· 12
7. 振れ ····························································································································· 12
7.1 ラジアル振れ ··············································································································· 12
7.2 アキシアル振れ ············································································································ 13
8. 内部すきま ···················································································································· 15
8.1 ラジアルすきま ············································································································ 15
8.2 アキシアルすきま ········································································································· 16
附属書A(参考)直径に関する実測寸法及び許容値の補足説明 ····················································· 17
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1515-1:2006
(ISO 1132-1:2000)
転がり軸受−公差−第1部:用語及び定義
Rolling bearings-Tolerances-Part 1 : Terms and definitions
序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたISO 1132-1,Rolling bearings−Tolerances−Part 1 :
Terms and definitionsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で
ある。
1. 適用範囲 この規格は,転がり軸受の主要寸法の公差,幾何特性,振れ及び内部すきまに関する用語,
定義及び量記号について規定する。
備考1. JIS B 0104(転がり軸受用語)に転がり軸受全般にわたる用語を規定している。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 1132-1 : 2000,Rolling bearings−Tolerances−Part 1 : Terms and definitions (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0026 製図−寸法及び公差の表示方式−非剛性部品
備考 ISO 10579 : 1993, Technical drawings−Dimensioning and tolerancing−Non-rigid partsが,この規
格と一致している。
JIS B 0104 転がり軸受用語
備考 ISO 5593 : 1997, Rolling bearings−Vocabularyからの引用事項は,この規格の該当事項と同等
である。
JIS B 0401-1 寸法公差及びはめあいの方式−第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎
備考 ISO 286-1 : 1988, ISO system of limits and fits−Part 1: Bases of tolerances, deviations and fitsが,
この規格と一致している。
ISO 1, Geometrical Product Specifications (GPS) −Standard reference temperature for geometrical product
specification and verification
3. 一般 転がり軸受の主要寸法の許容差,許容値,幾何特性,振れ及び内部すきまに関する一般事項は,
次による。
a) 軸受又は軸受部品の主要寸法は,ISO 1に基づく測定温度20 ℃において,軸受部品に測定荷重を含む
外部応力及び部品自身の自重の影響がない状態で,適用される許容差及び許容値から外れてはならな
い。
2
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 寸法及びその許容差・許容値を検証する際に,対象とする形体に対してJIS B 0026に基づいた拘束(状
態)が要求される部品(例えば,シェル形針状ころ軸受)には,この規格を適用しない。
c) 内輪内径の下限の寸法許容差及び外輪外径の上限の寸法許容差は,それぞれの軌道輪の全体の幅に適
用するが,内径(5.1),外径(5.2)及び形状(6.1)の定義は,面取りを取り除いた内径面及び外径面
に適用する。特に,指定がなければ,軌道輪,内輪及び外輪は,それぞれ軌道盤,軸軌道盤及びハウ
ジング軌道盤を含む。
d) 円すいころ軸受については,これまでの規格で使用していた“コーン”及び“カップ”をそれぞれ“内
輪”及び“外輪”と呼ぶ。
e) “実測(single)”は,転がり軸受の分野では,“実測内径(single bore diameter)”及び“実測外径(single
outside diameter)”などで使用しているが,JIS B 0401-1の“局部実(actual local)”と同義である。
f)
量記号の下付き文字記号は表1による。
表 1 下付き文字記号とその意味
記号
意味
a
軸受組立品,又はアキシアル内部すきま
e
外輪
i
内輪
m
測定値の算術平均
p
測定面
r
ラジアル内部すきま
s
実測
w
転動体
1, 2.......
軌道輪,組立品に2個以上の径,幅が存在するときに適用される識別番号。
4. 軸,方向,平面,位置及び表面 軸,方向,平面,位置及び表面に関する用語及び定義は,表2によ
る。
表 2 軸,方向,平面,位置及び表面
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4.1
軸受中心軸
転がり軸受の回転の理論上の中心軸。
bearing axis
4.2
内輪中心軸
基本的には円筒状又はテーパ状である内輪の内径面に内接する
円筒又は円すいの中心軸。
inner ring axis
4.3
外輪中心軸
基本的には円筒状である外径面に外接する円筒の中心軸。
outer ring axis
4.4
軌道輪の基準側面 軸受製造業者が基準面として指定した軌道輪の側面。データム平
面としてもよい。
備考 アキシアル荷重を支持する軸受については,一般的に背面
が相当する。
reference face of a
ring
4.5
ラジアル平面
中心軸に垂直な平面。
備考 軌道輪については,一般的に軌道輪の基準側面に接する面
に平行な面。
radial plane
4.6
ラジアル方向
ラジアル平面内の中心軸を通る方向。
radial direction
4.7
アキシアル平面
中心軸を含む平面。
axial plane
3
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
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表 2 軸,方向,平面,位置及び表面(続き)
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4.8
アキシアル方向
中心軸に平行な方向。
備考 軌道輪については,一般的に軌道輪の基準側面に接する面
に垂直な方向。
axial direction
4.9
実測平面
測定が行われる任意のラジアル平面,又はアキシアル平面。
single plane
4.10
実測寸法
任意の2点間を測定した距離。
備考 JIS B 0401-1では,“局部実寸法”という。
例 直径,幅など。
single dimension
4.11
実寸法
測定によって得た形体の寸法。
actual dimension
4.12
円筒
中心軸に平行な直線の回転によって得られる面。
cylinder
4.13
円すい
中心軸に交差する直線の回転によって得られる面。
cone
4.14
軌道接触直径
軌道上の呼び接触点を通る円の直径。
備考 ころ軸受の場合,一般的に呼び接触点はころ長さの中央で
ある。
raceway contact
diameter
4.15
軌道中央
軌道の両端間の中央の,軌道面上の点又は線。
middle of raceway
5. 主要寸法 主要寸法に関する量記号,用語及び定義は,表3〜6による。
備考 ここで定義する直径不同及び幅不同は,実測寸法の最大値と最小値との差で,平均直径及び平
均幅は,算術平均値である。これらは実測寸法の許容限界ではない。
なお,直径に関する実測寸法及び許容値の補足説明を附属書A(参考)に示す。
5.1
内径 内径に関する量記号,用語及び定義は,表3による。
表 3 内径
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.1.1
d
呼び内径
a) 基本的には円筒状である内径面の理論的表面
を含む円筒の直径。
b) 基本的には円すい状である内径面の理論的表
面を含む円すいの指定されたラジアル平面内
の直径。
備考 呼び内径は,実内径面の寸法差に対する基準
値である。
nominal bore diameter
5.1.2
ds
実測内径
実内径面とラジアル平面との交線に接する2本の平
行な直線間の距離。
single bore diameter
5.1.3
dsp
平面内実測内径
特定のラジアル平面における実測内径。
single bore diameter in
a single plane
5.1.4
Δds
実測内径の寸法差
実測内径と呼び内径との差。
Δds = ds ‒ d
deviation of a single
bore diameter
4
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
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表 3 内径(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.1.5
Vds
内径不同
基本的には円筒状である内径面をもつ個々の軌道
輪において,円筒面の全面にわたって得られた実測
内径の最大値と最小値との差。
Vds = ds max ‒ ds min
variation of bore
diameter
5.1.6
dm
平均内径
基本的には円筒状である内径面をもつ個々の軌道
輪において,円筒面の全面にわたって得られた実測
内径の最大値と最小値の算術平均値。
dm = (ds max + ds min) / 2
mean bore diameter
5.1.7
Δdm
平均内径の寸法差
基本的には円筒状である内径における平均内径と
呼び内径との差。
Δdm = dm ‒ d
deviation of mean bore
diameter
5.1.8
dmp
平面内平均内径
一つのラジアル平面内の実測内径の最大値と最小
値の算術平均値。
dmp = ( dsp max + dsp min) / 2
mean bore diameter in
a single plane
5.1.9
Δdmp
平面内平均内径の寸
法差
平面内平均内径と呼び内径との差。
Δdmp = dmp ‒ d
deviation of mean bore
diameter in a single
plane
5.1.10
Vdsp
平面内内径不同
一つのラジアル平面内の実測内径の最大値と最小
値との差。
Vdsp = dsp max ‒ dsp min
variation of bore
diameter in a single
plane
5.1.11
Vdmp
平面内平均内径の
不同
基本的には円筒状である内径面をもつ個々の軌道
輪において,平面内平均内径の最大値と最小値との
差。
Vdmp = dmp max ‒ dmp min
variation of mean
bore diameter
5.1.12
Fw
転動体コンプリメン
トの呼び内接円径
内輪なしのラジアル軸受において,すべての転動体
に内接する理論的円筒の直径。
nominal bore diameter
of rolling element
complement
5.1.13
Fws
転動体コンプリメン
トの実測内接円径
内輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの内接円とラジアル平面との交線に接する2
本の平行な直線間の距離。
single bore diameter of
rolling element
complement
5.1.14 Fws min
転動体コンプリメン
トの最小実測内接円
径
内輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの実測内接円径の最小値。
備考 転動体コンプリメントの最小実測内径は少
なくとも一つのラジアル方向にてラジアル
すきまがゼロとなる円筒の直径。
smallest single bore
diameter of rolling
element complement
5
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表 3 内径(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.1.15
Fwm
転動体コンプリメン
トの平均内接円径
内輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの実測内接円径の最大値と最小値の算術平
均値。
Fwm = (Fws max + Fws min) / 2
mean bore diameter of
rolling element
complement
5.1.16
ΔFwm
転動体コンプリメン
トの平均内接円径の
寸法差
内輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの呼び内接円径と平均内接円径との差。
ΔFwm=Fwm ‒ Fw
deviation of mean bore
diameter of rolling
element complement
5.2
外径 外径に関する量記号,用語及び定義は,表4による。
表 4 外径
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.2.1
D
呼び外径
基本的には円筒状である外径面の理論的表面を含
む円筒の直径。
備考 呼び外径は,実外径面の寸法差に対する基準
値である。
nominal outside
diameter
5.2.2
Ds
実測外径
実外径面とラジアル平面との交線に接する2本の平
行な直線間の距離。
single outside diameter
5.2.3
Dsp
平面内実測外径
特定のラジアル平面における実測外径。
single outside diameter
in a single plane
5.2.4
ΔDs
実測外径の寸法差
基本的には円筒状である外径面の実測外径と呼び
外径との差。
ΔDs = Ds ‒ D
deviation of a single
outside diameter
5.2.5
VDs
外径不同
基本的には円筒状である外径面をもつ個々の軌道
輪において,円筒面の全面にわたって得られた実測
外径の最大値と最小値との差。
VDs = Ds max ‒ Ds min
variation of outside
diameter
5.2.6
Dm
平均外径
基本的には円筒状である外径面をもつ個々の軌道
輪において,円筒面の全面にわたって得られた実測
外径の最大値と最小値の算術平均値。
Dm = ( Ds max + Ds min) / 2
mean outside diameter
5.2.7
ΔDm
平均外径の寸法差
基本的には円筒状である外径における平均外径と
呼び外径との差。
ΔDm = Dm ‒ D
deviation of mean
outside diameter
5.2.8
Dmp
平面内平均外径
一つのラジアル平面内の実測外径の最大値と最小
値の算術平均値。
Dmp = ( Dsp max + Dsp min) / 2
mean outside diameter
in a single plane
6
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
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表 4 外径(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.2.9
ΔDmp
平面内平均外径の寸
法差
基本的には円筒状である外径面の平面内平均外径
と呼び外径との差。
ΔDmp = Dmp ‒ D
deviation of mean
outside diameter in a
single plane
5.2.10
VDsp
平面内外径不同
一つのラジアル平面内の実測外径の最大値と最小
値との差。
VDsp = Dsp max ‒ Dsp min
variation of outside
diameter in a single
plane
5.2.11
VDmp
平面内平均外径の不
同
基本的には円筒状である外径面をもつ個々の軌道
輪において,平面内平均外径の最大値と最小値との
差。
VDmp = Dmp max ‒ Dmp min
variation of mean
outside diameter
5.2.12
Ew
転動体コンプリメン
トの呼び外接円径
外輪なしのラジアル軸受において,すべての転動体
に外接する理論的円筒の直径。
nominal outside
diameter of rolling
element complement
5.2.13
Ews
転動体コンプリメン
トの実測外接円径
外輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの外接円とラジアル平面との交線に接する2
本の平行な直線間の距離。
single outside diameter
of rolling element
complement
5.2.14 Ews max 転動体コンプリメン
トの最大実測外接円
径
外輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの実測外接円径の最大値。
備考 転動体コンプリメントの最大実測外接円径
は少なくとも一つのラジアル方向において
ラジアルすきまがゼロとなる円筒の直径で
ある。
largest single outside
diameter of rolling
element complement
5.2.15
Ewm
転動体コンプリメン
トの平均外接円径
外輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの実測外接円径の最大値と最小値の算術平
均値。
Ewm = ( Ews max+ Ews min) / 2
mean outside diameter
of rolling element
complement
5.2.16
ΔEwm
転動体コンプリメン
トの平均外接円径の
寸法差
外輪なしのラジアル軸受において,転動体コンプリ
メントの呼び外接円径と平均外接円径との差。
ΔEwm = Ewm ‒ Ew
deviation of mean
outside diameter of
rolling element
complement
7
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
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5.3
幅及び高さ 幅及び高さに関する量記号,用語及び定義は,表5による。
表 5 幅及び高さ
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.3.1
B
呼び内輪幅
内輪の理論上の両側面間の距離。
備考 内論の呼び幅は,一般に実幅の寸法差に対す
る基準値である。
nominal inner ring
width
C
呼び外輪幅
外輪の理論上の両側面間の距離。
備考 外論の呼び幅は,一般に実幅の寸法差に対す
る基準値である。
nominal outer ring
width
5.3.2
Bs
実測内輪幅
内輪の実際の両側面と,この内輪の基準側面に接す
る平面に垂直な直線との両交点間の距離。
single inner ring width
Cs
実測外輪幅
外輪の実際の両側面と,この外輪の基準側面に接す
る平面に垂直な直線との両交点間の距離。
single outer ring width
5.3.3
ΔBs
実測内輪幅の寸法差
実測内輪幅と呼び内輪幅との差。
ΔBs = Bs ‒ B
deviation of a single
inner ring width
ΔCs
実測外輪幅の寸法差
実測外輪幅と呼び外輪幅との差。
ΔCs = Cs ‒ C
deviation of a single
outer ring width
5.3.4
VBs
内輪幅不同
個々の内輪において,実測内輪幅の最大値と最小値
との差。
VBs = Bs max ‒ Bs min
variation of inner ring
width
VCs
外輪幅不同
個々の外輪において,実測外輪幅の最大値と最小値
との差。
VCs = Cs max ‒ Cs min
variation of outer ring
width
5.3.5
Bm
平均内輪幅
個々の内輪において,実測内輪幅の最大値と最小値
の算術平均値。
Bm = ( Bs max + Bs min ) / 2
mean inner ring width
Cm
平均外輪幅
個々の外輪において,実測外輪幅の最大値と最小値
の算術平均値。
Cm = (Cs max + Cs min ) / 2
mean outer ring width
5.3.6
C1
呼び外輪フランジ幅
外輪フランジの理論上の両側面間の距離。
nominal outer ring
flange width
5.3.7
C1s
実測外輪フランジ幅
外輪フランジの実際の両側面と,このフランジの基
準側面(背面)に接する平面に垂直な直線との両交
点間の距離。
single outer ring
flange width
5.3.8
ΔC1s
実測外輪フランジ幅
の寸法差
実測外輪フランジ幅と呼び外輪フランジ幅との差。
ΔC1s = C1s ‒ C1
deviation of a single
outer ring flange
width
8
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 5 幅及び高さ(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.3.9
VC1s
外輪フランジ幅不同
個々の外輪フランジの実測幅の最大値と最小値と
の差。
VC1s = C1s max ‒ C1s min
variation of outer ring
flange width
5.3.10
B
呼び組立幅
ラジアル軸受の軸受幅を定める軌道輪の理論上の
側面間の距離。
量記号Bは内輪の軌道輪幅が呼び組立幅の場合,
及び内輪と外輪の呼び軌道輪幅が等しく,かつ,そ
れぞれの側面が同一平面上にある場合に用いる。
備考 呼び組立幅は一般に実組立幅の寸法に対す
る基準値である。
nominal bearing
width
C
呼び組立幅
ラジアル軸受の軸受幅を定める軌道輪の理論上の
両側面間の距離。
量記号Cは量記号Bが適用されず,かつ,外輪の軌
道輪幅が呼び組立幅の場合に用いる。
備考 呼び組立幅は一般に実組立幅の寸法差に対
する基準値である。
nominal bearing
width
T
呼び組立幅
ラジアル軸受の軸受幅を定める軌道輪の理論上の
両側面間の距離。
量記号Tは内輪の一方の側面と外輪の反対側の側
面との距離が呼び組立幅の場合に用いる。
備考 呼び組立幅は一般に実組立幅の寸法差に対
する基準値である。
nominal bearing
width
5.3.11
Ts
実組立幅
ラジアル軸受の内輪側面と反対側の外輪側面が軸
受幅を定める場合,それらの軌道輪の実際の側面に
接する2平面と軸受中心軸との両交点間の距離。
備考 単列円すいころ軸受の場合,内輪の実際の背
面と外輪の実際の背面の2平面と,軸受中心
軸との両交点間の距離である。
なお,内輪及び外輪の両軌道並びに大つば
は,すべてのころと適切に接触している状態
とする。
actual bearing width
5.3.12
ΔTs
実組立幅の寸法差
ラジアル軸受の内輪側面と反対側の外輪側面とが
組立幅を定める場合,実組立幅と呼び組立幅との
差。
ΔTs = Ts ‒ T
deviation of the actual
bearing width
9
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 5 幅及び高さ(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.3.13
T
呼び軸受高さ
スラスト軸受の高さを定める軌道盤の理論上の両
背面間の距離。
備考 呼び軸受高さは,一般に実軸受高さの寸法差
に対する基準値である。
nominal bearing height
5.3.14
Ts
実軸受高さ
スラスト軸受の高さを定める実際の両軌道盤背面
に接する2平面と軸受中心軸との両交点間の距離。
actual bearing height
5.3.15
ΔTs
実軸受高さの寸法差
スラスト軸受の実軸受高さと呼び軸受高さとの差。
ΔTs = Ts ‒ T
deviation of the actual
bearing height
5.3.16
T1
内輪サブユニットの
呼び有効幅
円すいころ軸受の内輪サブユニット理論背面と外
輪マスタの理論基準側面間の距離。
nominal effective
width of inner subunit
5.3.17
T1s
内輪サブユニットの
実有効幅
円すいころ軸受の実内輪サブユニット背面に接す
る平面及び外輪マスタの基準側面に接する平面と
内輪サブユニット中心軸との両交点間の距離。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪マスタの
両軌道並びに大つばにすべてのころが適切
に接触している状態とする。
actual effective width
of inner subunit
5.3.18
ΔT1s
内輪サブユニットの
実有効幅の寸法差
円すいころ軸受の内輪サブユニットの実有効幅と
呼び有効幅との差。
ΔT1s = T1s ‒ T1
deviation of the actual
effective width of
inner subunit
5.3.19
T2
外輪呼び有効幅
円すいころ軸受の理論上の外輪背面と内輪マスタ
の基準側面間の距離。
備考 外輪フランジ付き単列円すいころ軸受につ
いては,理論上のフランジ背面と内輪サブユ
ニットマスタの基準側面間との距離。
nominal effective
width of outer ring
5.3.20
T2s
外輪実有効幅
円すいころ軸受の実外輪背面に接する平面及び内
輪サブユニットマスタの基準側面に接する平面と
外輪中心軸との両交点間の距離。
備考 外輪フランジ付き単列円すいころ軸受につ
いては,実フランジ背面と内輪サブユニット
マスタの基準側面間の距離。
actual effective width
of outer ring
5.3.21
ΔT2s
外輪実有効幅の
寸法差
円すいころ軸受の外輪の実有効幅と呼び有効幅と
の差。
ΔT2s = T2s ‒ T2
deviation of the actual
effective width of
outer ring
10
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.4
軌道輪の面取寸法 軌道輪の面取寸法に関する量記号,用語及び定義は,表6による。
表 6 軌道輪の面取寸法
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
5.4.1
r
呼び面取寸法
名目上用いる面取寸法の値。
備考 呼び面取寸法は最小実測面取寸法に一致
する。
nominal chamfer
dimension
5.4.2
rs
実測面取寸法
ラジアル距離:軌道輪の仮想のかどから,側面と
面取りとの交点までの一つのアキシアル平面内
での実際の距離。
アキシアル距離:軌道輪の仮想のかどから,内径
面又は外径面と面取りとの交点までの一つのア
キシアル平面内での実際の距離。
single chamfer dimension
5.4.3
rs min
最小実測面取寸法
軌道輪の許容される最小のラジアル実測面取寸
法及びアキシアル実測面取寸法。
備考 軌道輪の実体が,軌道輪の側面と内径面又
は外径面とに接するアキシアル平面内で
の半径rs minの仮想円弧より外へ出てはな
らない最小寸法。
smallest single chamfer
dimension
5.4.4
rs max
最大実測面取寸法
軌道輪の許容される最大のラジアル実測面取寸
法及びアキシアル実測面取寸法。
largest single chamfer
dimension
6. 幾何特性 幾何特性に関する量記号,用語及び定義は,表7〜10による。
6.1
形状 形状に関する用語及び定義は,表7による。
表 7 形状
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6.1.1
真円度
円形形体を二つの同心の幾何学的円で挟んだとき,同心二円の
間隔が最小となる場合の二円の半径差。
deviation from circular
form
6.1.2
円筒度
円筒形体を二つの同心の幾何学的円筒で挟んだとき,同心二円
筒の間隔が最小となる場合の二円筒の半径差。
deviation from cylindrical
form
6.1.3
真球度
球形体を二つの同心の幾何学的球で挟んだとき,同心二球の間
隔が最小となる場合の二球の半径差。
deviation from spherical
form
6.2
軌道の平行度 軌道の平行度に関する量記号,用語及び定義は,表8による。
表 8 軌道の平行度
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
6.2.1
Si
側面に対する内輪軌
道の平行度
ラジアル溝玉軸受の内輪軌道の中央部と,基準側
面に接する平面又は当てはめ方法によるデータ
ム平面の間のアキシアル距離の最大値と最小値
との差。
parallelism of inner ring
raceway with respect to
the face
11
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 8 軌道の平行度(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
6.2.2
Se
側面に対する外輪軌
道の平行度
ラジアル溝玉軸受の外輪軌道の中央部と,基準側
面に接する平面又は当てはめ方法によるデータ
ム平面の間のアキシアル距離の最大値と最小値
との差。
parallelism of outer ring
raceway with respect to
the face
6.3
面の直角度 面の直角度に関する量記号,用語及び定義は,表9による。
表 9 面の直角度
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
6.3.1
Sd
内径の軸線に対する
内輪側面の直角度
内輪中心軸から側面の平均直径の半分のラジア
ル距離において,内輪中心軸に垂直な面と内輪基
準側面とのアキシアル距離の最大値と最小値と
の差。
備考 これまでのJISでは“(内輪の)横振れ”
とし,同一定義で用いられていた。内輪側
面に対する内径の振れの測定をすれば,内
径に対する内輪側面の直角度は,計算によ
って換算することができる。
perpendicularity of inner
ring face with respect
to the bore
6.3.2
SD
側面に対する外輪外
径面の直角度
基本的には円筒である外径面において,外輪の両
側面からアキシアル方向にそれぞれ最大実測面
取寸法の1.2倍に等しい距離にあり,かつ,外径
面の同一母線上にある2点の,外輪基準側面に接
する平面に平行なラジアル方向における相対的
な位置の総変動量。
参考 これまでのJISでは“外径面の倒れ”とし
ていた。
perpendicularity of outer
ring outside surface with
respect to the face
6.3.3
SD1
フランジ背面に対す
る外輪外径面の直角
度
基本的には円筒である外径面において,外輪の側
面とフランジの背面からアキシアル方向にそれ
ぞれ最大実測面取寸法の1.2倍に等しい距離にあ
り,かつ,軸受外径面の同一母線上にある2点の,
外輪フランジ背面に接する平面に平行なラジア
ル方向における相対的な位置の総変動量。
参考 これまでのJISでは“フランジ背面に対す
る軸受外径面の倒れ”としていた。
perpendicularity of outer
ring outside surface with
respect to the flange
back face
12
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6.4
厚さ不同 厚さ不同に関する量記号,用語及び定義は,表10による。
表 10 厚さ不同
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
6.4.1
Ki
内輪軌道の厚さ不同
ラジアル軸受において,内輪内径面と,その外側
の軌道の中央との間のラジアル距離の最大値と
最小値との差。
variation in thickness
between inner ring
raceway and bore
6.4.2
Ke
外輪軌道の厚さ不同
ラジアル軸受において,外輪外径面と,その内側
の軌道の中央との間のラジアル距離の最大値と
最小値との差。
variation in thickness
between outer ring
raceway and outside
surface
6.4.3
Si
軸軌道盤の軌道の厚
さ不同
平面座スラスト軸受の軸軌道盤(中央軌道盤)軌
道面の背面とその反対側軌道の中央との間のア
キシアル距離の最大値と最小値との差。
variation in thickness
between shaft washer
raceway and back face
6.4.4
Se
ハウジング軌道盤の
軌道の厚さ不同
平面座スラスト軸受のハウジング軌道盤軌道面
の背面とその反対側軌道の中央との間のアキシ
アル距離の最大値と最小値との差。
variation in thickness
between housing washer
raceway and back face
7. 振れ 振れに関する量記号,用語及び定義は,表11〜12による。
7.1
ラジアル振れ ラジアル振れに関する量記号,用語及び定義は,表11による。
備考 組立軸受のラジアル振れは,幾つかの別々の累積的な要因の結果である。
表 11 ラジアル振れ
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
7.1.1
Kia
内輪のラジア
ル振れ
ラジアル軸受において,種々の角度位置における内輪内径
面と,それに対する外輪外径面の1固定点との間のラジア
ル距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,測定点の近傍において,転
動体は内輪及び外輪の軌道と接触し,円すいころ
軸受の場合は大つばとも適切に接触している状態
とする。
radial runout of inner
ring of assembled
bearing
7.1.2
Kea
外輪のラジア
ル振れ
ラジアル軸受において,種々の角度位置における外輪外径
面と,それに対する内輪内径面の1固定点との間のラジア
ル距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,測定点の近傍において,転
動体は内輪及び外輪の軌道と接触し,円すいころ
軸受の場合は大つばとも適切に接触している状態
とする。
radial runout of outer
ring of assembled
bearing
13
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 11 ラジアル振れ(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
7.1.3
Kiaa
内輪の非同期
ラジアル振れ
ラジアル軸受において,正逆転で複数回内輪を回転した場
合,外輪外径面の1固定点とそれに対する内輪内径面の1
固定点との間のラジアル距離の最大値と最小値との差。
備考1. 有効に測定するには,転動体は内輪及び外輪の軌
道と接触し,円すいころ軸受の場合は内輪大つば
とも適切に接触している状態とする。
2. 数回の測定が必要で,その都度,外輪及び内輪の
測定点を変える必要がある。
3. 非同期ラジアル振れは非繰返しである。
asynchronous radial
runout of inner ring of
assembled bearing
7.2
アキシアル振れ アキシアル振れに関する量記号,用語及び定義は,表12による。
備考 組立軸受のアキシアル振れは,幾つかの別々の累積的な要因の結果である。
表 12 アキシアル振れ
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
7.2.1
Sia
内輪のアキシア
ル振れ
ラジアル溝玉軸受では,内輪中心軸から内輪の軌道接触直
径の半分のラジアル距離において,種々の角度位置におけ
る内輪の基準側面と,それに対する外輪外径面の1固定点
との間のアキシアル距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道はすべ
ての玉と接触している状態とする。
axial runout of inner
ring of assembled
bearing
7.2.2
Sia
内輪のアキシア
ル振れ
円すいころ軸受では,内輪中心軸から内輪の軌道接触直径
の半分のラジアル距離において,種々の角度位置における
内輪背面と,それに対する外輪外径面の1固定点との間の
アキシアル距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道並びに
大つばは,すべてのころと適切に接触している状
態とする。
axial runout of inner
ring of assembled
bearing
7.2.3
Sea
外輪のアキシア
ル振れ
ラジアル溝玉軸受では,外輪中心軸から外輪の軌道接触直
径の半分のラジアル距離において,種々の角度位置におけ
る外輪の基準側面と,それに対する内輪内径面の1固定点
との間のアキシアル方向の距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道は,す
べての玉と接触している状態とする。
axial runout of outer
ring of assembled
bearing
14
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表 12 アキシアル振れ(続き)
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
7.2.4
Sea
外輪のアキシア
ル振れ
円すいころ軸受では,外輪中心軸から外輪の軌道接触直径
の半分のラジアル距離において,種々の角度位置における
外輪背面と,それに対する内輪内径面の1固定点との間の
アキシアル距離の最大値と最小値との差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道並びに
大つばは,すべてのころと適切に接触している状
態とする。
axial runout of outer
ring of assembled
bearing
7.2.5
Sea1
外輪フランジ背
面のアキシアル
振れ
ラジアル溝玉軸受では,外輪中心軸からフランジ背面の平
均直径の半分のラジアル距離において,種々の角度位置に
おける外輪のフランジ背面と,それに対する内輪内径面の
1固定点との間のアキシアル距離の最大値と最小値との
差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道は,す
べての玉と接触している状態とする。
axial runout of outer
ring flange back face
of assembled bearing
7.2.6
Sea1
外輪フランジ背
面のアキシアル
振れ
円すいころ軸受では,外輪中心軸から外輪フランジ平均軌
道接触直径の半分のラジアル距離において,種々の角度位
置における外輪フランジの背面と,それに対する内輪内径
面の1固定点との間のアキシアル距離の最大値と最小値
との差。
備考 有効に測定するには,内輪及び外輪の軌道と大つ
ばは,すべてのころと接触している状態とする。
axial runout of outer
ring flange back face
of assembled bearing
15
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8. 内部すきま 内部すきまに関する量記号,用語及び定義は,表13〜14による。
8.1
ラジアルすきま ラジアルすきまに関する量記号,用語及び定義は,表13による。
表 13 ラジアルすきま
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
8.1.1
Gr
ラジアル内部
すきま
予圧なしで純ラジアル荷重を受けられる軸受において,
軌道輪が他方の軌道輪に対して,種々の角度方向につい
て,外力を負荷しないで,偏心の極限位置から直径方向
の反対側の極限の位置まで移動したラジアル距離の算術
平均値。
備考1. 平均値は,両軌道輪が相対的に種々の角度位置
にあるときの移動量と,転動体が両軌道輪に対
して相対的に種々の角度位置にあるときの移動
量を含む。
2. 有効に測定するには,互いに関連する軌道輪の
最大偏心位置においては,互いの軌道輪のアキ
シアル方向位置とそれに対する転動体の位置
は,実際に軌道輪が他方の軌道輪に対して最大
偏心した状態とする。
radial internal clearance
8.1.2
−
理論ラジアル
内部すきま
ラジアル軸受において,外輪の軌道接触直径から,内輪
の軌道接触直径と転動体の直径の2倍を引いた値。
備考 マスタ軸受(形状誤差を無視できる軸受)では,
8.1.1に定義するラジアル内部すきまは,1個の転
動体と内外輪の接触位置が測定時の移動方向に
ある場合,理論ラジアル内部すきまと一致する。
theoretical radial internal
clearance
16
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8.2
アキシアルすきま アキシアルすきまに関する量記号,用語及び定義は,表14による。
表 14 アキシアルすきま
番号
量記号
用語
定義
対応英語(参考)
8.2.1
Ga
アキシアル内
部すきま
予圧なしで両方向のアキシアル荷重を受けられる軸受に
おいて,軌道輪が他方の軌道輪に対して,外力を負荷し
ないで,アキシアル方向の極限位置から反対側の極限位
置まで移動したアキシアル距離の算術平均値。
備考1. 平均値は,両軌道輪が相対的に種々の角度位置
にあるときの移動量と,転動体が両軌道輪に対
して相対的に種々の角度位置にあるときの移動
量を含む。
2. 有効に測定するには,(互いに関連する軌道輪
の)最大アキシアル移動位置においては,互い
の軌道輪のラジアル方向位置及びそれらに対す
る転動体の位置は,実際に軌道輪が他方の軌道
輪に対して最も大きくアキシアル方向に移動し
た状態とする。
axial internal clearance
17
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(参考)直径に関する実測寸法及び許容値の補足説明
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 内径
1.1
実測内径 (ds又はdsp) 個々の内径において,m個の実測平面があり,一つの実測平面にn個の実測
内径(測定寸法)が存在する(附属書A図1参照)。特定の実測平面における寸法には,下付き文字記号 “p”
を付与し,dspとする。
附属書A表 1 実測内径
平面番号
測定寸法
1
2
3
…
i
…
m
ds11,ds12,ds13,……, ds1j,……, ds1n
ds21,ds22,ds23,……, ds2j,……, ds2n
ds31,ds32,ds33,……, ds3j,……, ds3n
…..
dsi1,dsi2,dsi3,……, dsij(1),……, dsin
…..
dsm1,dsm2,dsm3,……, dsmj,……, dsmn
注(1) dsijは,iの実測平面におけるjの実測内径を表す。
附属書A図 1 実測平面1, 2及びiと実測内径寸法
18
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
1.2
平均内径 (dm) 個々の内径において,平均内径は次の式によって,すべての実測内径の最大値と最
小値の算術平均で得られる。
dm= [MAX(ds11, ds12, ds13, ……, dsij, ……, dsmn)+MIN(ds11, ds12, ds13, ……, dsij, ……, dsmn)] / 2
個々の内径において,dmの値は1個だけ存在する。
備考 MAX(a1, a2, a3,……, an) は,a1, a2, a3,……, anの最大値,MIN(a1, a2, a3,……, an) は,a1, a2, a3,……,
anの最小値を意味する。
1.3
平面内平均内径 (dmp) 平面内平均内径は,次の式に基づき任意の実測平面における最大値と最小値
の算術平均で得られる。このdmpは,すべての実測平面に1個だけ存在する。
附属書A表 2 平面内平均内径
平面番号
dmp
測定寸法
1
2
3
…
i
…
m
dmp1
dmp2
dmp3
…
dmpi
…
dmpm
[MAX(ds11,……, ds1n)+MIN(ds11,……, ds1n)]/2
[MAX(ds21,……, ds2n)+MIN(ds21,……, ds2n)]/2
[MAX(ds31,……, ds3n)+MIN(ds31,……, ds3n)]/2
……
[MAX(dsi1,……, dsin)+MIN(dsi1,……, dsin)]/2
…..
[MAX(dsm1,……, dsmn)+MIN(dsm1,……, dsmn)]/2
1.4
平面内平均内径の不同 (Vdmp) 平面内平均内径の不同は,個々の内径のすべての実測平面につき,
平面内平均内径の最大値と最小値との差である。このVdmpは,個々の内径において1個だけ存在し,円筒
度の指標を示す。
Vdmp= MAX(dmp1, dmp2 ,dmp3,…,dmpm) − MIN(dmp1, dmp2, dmp3,…,dmpm)
1.5
平面内内径不同 (Vdsp) 平面内内径不同は,一つの実測平面で測定した実測内径の最大値と最小値
との差をいう。このVdspは,個々の内径において,1個以上の値をもち,真円度の指標を示す。
附属書A表 3 平面内内径不同
平面番号
Vdsp
測定寸法
1
2
3
…
i
…
m
Vdsp1
Vdsp2
Vdsp3
…
Vdspi
…
Vdspm
[MAX(ds11,……, ds1n)−MIN(ds11,……, ds1n)]
[MAX(ds21,……, ds2n)−MIN(ds21,……, ds2n)]
[MAX(ds31,……, ds3n)−MIN(ds31,……, ds3n)]
…..
[MAX(dsi1,……, dsin)−MIN(dsi1,……, dsin)]
…..
[MAX(dsm1,……, dsmn)−MIN(dsm1,……, dsmn)]
1.6
内径不同 (Vds) 内径不同は,個々の内径において,得られるすべての実測内径(測定値)の最大値
と最小値との差をいう。個々の内径において,Vdsの値は1個だけ存在する。
Vds= MAX(ds11, ds12, ds13,…, dsmn) − MIN(ds11, ds12, ds13,…, dsmn)
2. 外径 外径の許容差及び許容値は,1.に記載の内径の表示から得られ,外径の相当する用語(量記号)
には,次のものがある。
19
B 1515-1:2006 (ISO 1132-1:2000)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 実測外径(Ds,Dsp)
− 平均外径(Dm)
− 平面内平均外径(Dmp)
− 平面内平均外径の不同(VDmp)
− 平面内外径不同(VDsp)
− 外径不同(VDs)