B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ベアリング工業会 (JBIA) から,
工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経
済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS B 1514 : 2000は廃止され,この規格,JIS
B 1514-1及びJIS B 1514-2に置き換えられる。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 1514の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 1514-1 第1部:ラジアル軸受
JIS B 1514-2 第2部:スラスト軸受
JIS B 1514-3 第3部:面取寸法の最大値
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 量記号 ··························································································································· 2
4.1 ラジアル軸受 ················································································································ 2
4.2 スラスト軸受 ················································································································ 2
4.3 面取寸法 ······················································································································ 2
5. 面取寸法の最大値 ············································································································ 3
5.1 ラジアル軸受(円すいころ軸受を除く。) ··········································································· 3
5.2 輪溝付きラジアル軸受の輪溝側,つば輪及びL形つば輪 ······················································· 3
5.3 単列円筒ころ軸受のつばのない側及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側 ··································· 4
5.4 円すいころ軸受 ············································································································· 4
5.5 スラスト軸受 ················································································································ 5
6. 軸及びハウジングの隅の丸みの半径 ···················································································· 5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1514-3:2006
(ISO 582:1995)
転がり軸受−軸受の公差−
第3部:面取寸法の最大値
Rolling bearings-Tolerances of bearings-
Part 3 : Chamfer dimensions-Maximum values
序文 この規格は,1995年に第3版として発行されたISO 582,Rolling bearings−Chamfer dimensions−
Maximum valuesを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS B 1512に規定する転がり軸受(以下,軸受という。),JIS B 1509に規定
する止め輪付き軸受及びJIS B 1533の附属書に規定するL形つば輪の面取寸法の最大値を規定する。
備考1. この規格で規定する面取寸法の最大値は,特別な形式及び特別な用途の軸受には適用しない。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 582 : 1995,Rolling bearings−Chamfer dimensions−Maximum values (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1509 転がり軸受−止め輪付きラジアル軸受−寸法及び精度
備考 ISO 464 : 1995,Rolling bearings−Radial bearings with locating snap ring−Dimensions and
tolerancesが,この規格と一致している。
JIS B 1512 転がり軸受−主要寸法
備考 次に示す規格からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 15 : 1998,Rolling bearings−Radial bearings−Boundary dimensions, general plan
ISO 104 : 1994,Rolling bearings−Thrust bearings−Boundary dimensions, general plan
ISO 355 : 1977,Rolling bearings−Metric tapered roller bearings−Boundary dimensions and series
designations
ISO 12043 : 1995,Rolling bearings−Single-row cylindrical roller bearings−Chamfer dimensions
for loose rib and non-rib sides
ISO 12044 : 1995,Rolling bearings−Single-row angular contact ball bearings−Chamfer
dimensions for outer ring non-thrust side
JIS B 1533 円筒ころ軸受
備考 ISO 246 : 1995,Rolling bearings−Cylindrical roller bearings, separate thrust collars−Boundary
2
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
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dimensionsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
3. 定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。
3.1 (軌道輪又は軌道盤の)ラジアル方向の面取寸法 [radial direction chamfer dimension (of a bearing ring
or washer)] 軌道輪又は軌道盤の仮想のかどから,側面と面取りとの交点までの一つのアキシアル平面内
での距離。
3.2 (軌道輪又は軌道盤の)アキシアル方向の面取寸法 [axial direction chamfer dimension (of a bearing ring
or washer)] 軌道輪又は軌道盤の仮想のかどから,内径面又は外径面と面取りとの交点までの一つのアキ
シアル平面内での距離。
4. 量記号 この規格で用いる量記号は,図1及び次による。
4.1
ラジアル軸受
d
:呼び軸受内径
D
:呼び軸受外径
r
:内輪又は外輪(単列円すいころ軸受を除く。)の呼び面取寸法
r1
:単列円すいころ軸受の外輪,輪溝付き軸受の輪溝側,つば輪,L形つば輪,単列円筒
ころ軸受のつばのない側,及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側の呼び面取寸法
4.2
スラスト軸受
r
:軸軌道盤又はハウジング軌道盤の呼び面取寸法
r1
:中央軌道盤の呼び面取寸法
4.3
面取寸法
rs min :rs(実測面取寸法)の最小値
r1s min :r1s(実測面取寸法)の最小値
rs max :rs(実測面取寸法)の最大値
r1s max :r1s(実測面取寸法)の最大値
ras max :軸及びハウジングの隅の丸みの最大許容実測半径
図 1 面取寸法
3
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5. 面取寸法の最大値
5.1
ラジアル軸受(円すいころ軸受を除く。) ラジアル軸受の面取寸法の最大値は,付表1による(参
考図1参照)。
参考図 1 ラジアル軸受(円すいころ軸受除く。)
5.2
輪溝付きラジアル軸受の輪溝側,つば輪及びL形つば輪 輪溝付きラジアル軸受の輪溝側,つば輪
及びL形つば輪の面取寸法の最大値は,付表2による(参考図2参照)。
参考図 2 輪溝付きラジアル軸受の輪溝側,つば輪及びL形つば輪
4
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5.3
単列円筒ころ軸受のつばのない側及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側 単列円筒ころ軸受のつば
のない側及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側の面取寸法の最大値は,付表3による(参考図3参照)。
参考図 3 単列円筒ころ軸受のつばのない側及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側
5.4
円すいころ軸受 円すいころ軸受の面取寸法の最大値は,付表4による(参考図4参照)。
参考図 4 円すいころ軸受
5
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5.5
スラスト軸受 スラスト軸受の面取寸法の最大値は,付表5による(参考図5参照)。
参考図 5 スラスト軸受
6. 軸及びハウジングの隅の丸みの半径 軸及びハウジングの隅の丸みの最大許容実測半径ras maxは,対
応する軌道輪又は軌道盤の最小実測面取寸法rs min又はr1s minを超えてはならない。
6
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
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付表 1 ラジアル軸受(円すいころ軸受を除く。)の面取寸法の最大値
単位 mm
rs min
d
rs max(1)
を超え
以下
ラジアル方向
アキシアル方向
0.05
−
−
0.1
0.2
0.08
−
−
0.16
0.3
0.1
−
−
0.2
0.4
0.15
−
−
0.3
0.6
0.2
−
−
0.5
0.8
0.3
−
40
0.6
1
40
−
0.8
1
0.6
−
40
1
2
40
−
1.3
2
1
−
50
1.5
3
50
−
1.9
3
1.1
−
120
2
3.5
120
−
2.5
4
1.5
−
120
2.3
4
120
−
3
5
2
−
80
3
4.5
80
220
3.5
5
220
−
3.8
6
2.1
−
280
4
6.5
280
−
4.5
7
2.5(2)
−
100
3.8
6
100
280
4.5
6
280
−
5
7
3
−
280
5
8
280
−
5.5
8
4
−
−
6.5
9
5
−
−
8
10
6
−
−
10
13
7.5
−
−
12.5
17
9.5
−
−
15
19
12
−
−
18
24
15
−
−
21
30
19
−
−
25
38
注(1) 呼び軌道輪幅が2 mm以下の軸受のアキシアル方向のrs maxの値は,ラジアル方向
の値と同じとする。
(2) この面取寸法は,JIS B 1512に規定されていない。
備考 面取寸法の正確な形状は規定しないが,アキシアル平面におけるその輪郭は,内輪
の側面と軸受内径面,又は外輪の側面と軸受外径面とに接する半径rs minの仮想の
円弧の外へ出てはならない(図1参照)。
7
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 2 輪溝付きラジアル軸受の輪溝側,つば輪及びL形つば輪の面取寸法の最大値
単位 mm
r1s min
d又はD
r1s max
を超え
以下
ラジアル方向
アキシアル方向
0.2
−
−
0.5
0.5
0.3
−
40
0.6
0.8
40
−
0.8
0.8
0.5
−
40
1
1.5
40
−
1.3
1.5
0.6
−
40
1
1.5
40
−
1.3
1.5
1
−
50
1.5
2.2
50
−
1.9
2.2
1.1
−
120
2
2.7
120
−
2.5
2.7
1.5
−
120
2.3
3.5
120
−
3
3.5
2
−
80
3
4
80
220
3.5
4
220
−
3.8
4
2.1
−
280
4
4.5
280
−
4.5
4.5
2.5(2)
−
100
3.8
5
100
280
4.5
5
280
−
5
5
3
−
280
5
5.5
280
−
5.5
5.5
4
−
−
6.5
6.5
5
−
−
8
8
6
−
−
10
10
備考 面取寸法の正確な形状は規定しないが,アキシアル平面におけるその輪郭は,内輪
の側面と軸受内径面,又は外輪の側面と軸受外径面とに接する半径r1s minの仮想の
円弧の外へ出てはならない(図1参照)。
8
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 3 単列円筒ころ軸受のつばのない側及びアンギュラ玉軸受の外輪の正面側の面取寸法の最大値
単位 mm
r1s min
d又はD
r1s max
を超え
以下
ラジアル方向
アキシアル方向
0.1
−
−
0.2
0.4
0.15
−
−
0.3
0.6
0.2(2)
−
−
0.5
0.8
0.3
−
40
0.6
1
40
−
0.8
1
0.6
−
40
1
2
40
−
1.3
2
1
−
50
1.5
3
50
−
1.9
3
1.1
−
120
2
3.5
120
−
2.5
4
1.5
−
120
2.3
4
120
−
3
5
2
−
80
3
4.5
80
220
3.5
5
220
−
3.8
6
備考 面取寸法の正確な形状は規定しないが,アキシアル平面におけるその輪郭は,内輪
の側面と軸受内径面,又は外輪の側面と軸受外径面とに接する半径r1s minの仮想の
円弧の外へ出てはならない(図1参照)。
9
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 4 円すいころ軸受の面取寸法の最大値
単位 mm
rs min又はr1s
min
d(3)又はD(3)
rs max又はr1s max
を超え
以下
ラジアル方向
アキシアル方向
0.3
−
40
0.7
1.4
40
−
0.9
1.6
0.6
−
40
1.1
1.7
40
−
1.3
2
1
−
50
1.6
2.5
50
−
1.9
3
1.5
−
120
2.3
3
120
250
2.8
3.5
250
−
3.5
4
2
−
120
2.8
4
120
250
3.5
4.5
250
−
4
5
2.5
−
120
3.5
5
120
250
4
5.5
250
−
4.5
6
3
−
120
4
5.5
120
250
4.5
6.5
250
400
5
7
400
−
5.5
7.5
4
−
120
5
7
120
250
5.5
7.5
250
400
6
8
400
−
6.5
8.5
5
−
180
6.5
8
180
−
7.5
9
6
−
180
7.5
10
180
−
9
11
注(3) 内輪はdの区分により,外輪はDの区分による。
備考 面取寸法の正確な形状は規定しないが,アキシアル平面におけるその輪郭は,内輪
の側面と軸受内径面,又は外輪の側面と軸受外径面とに接する半径rs min又はr1s min
の仮想の円弧の外へ出てはならない(図1参照)。
10
B 1514-3:2006 (ISO 582:1995)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表 5 スラスト軸受の面取寸法の最大値
単位 mm
rs min又はr1s min
rs max又はr1s max
ラジアル方向及びアキシアル方向
0.3
0.8
0.6
1.5
1
2.2
1.1
2.7
1.5
3.5
2
4
2.1
4.5
3
5.5
4
6.5
5
8
6
10
7.5
12.5
9.5
15
12
18
15
21
19
25
備考1. この表は,次の部位の面取りに適用する。
・ハウジング軌道盤の背面と外径円筒面との面取り
・単式軸受の軸軌道盤の背面と内径面との面取り
・複式軸受の中央軌道盤の側面と内径面との面取り
2. 面取寸法の正確な形状は規定しないが,アキシアル平面に
おけるその輪郭は,内輪の側面と軸受内径面,又は外輪の
側面と軸受外径面とに接する半径rs min又はr1s minの仮想の
円弧の外へ出てはならない(図1参照)。