B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 記号······························································································································· 2
5 許容差及び許容値 ············································································································· 5
5.1 一般 ···························································································································· 5
5.2 等級0級 ······················································································································ 6
5.3 等級6級 ······················································································································ 8
5.4 等級5級 ····················································································································· 10
5.5 等級4級 ····················································································································· 12
附属書A(参考)GPS概念に基づく説明と旧規格の量記号及び用語との比較 ·································· 13
附属書B(参考)スラスト軸受の寸法仕様及び幾何仕様の図示例 ·················································· 14
附属書C(参考)JIS B 1515-1の従来用語とGPS概念に基づくJIS B 0420-1の用語との比較·············· 16
附属書D(参考)長さに関わるサイズの指定条件についての図による説明 ······································ 19
参考文献 ···························································································································· 26
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ベアリング工業会(JBIA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 1514-2:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS B 1514の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 1514-1 製品の幾何特性仕様(GPS)及び公差値−第1部:ラジアル軸受
JIS B 1514-2 製品の幾何特性仕様(GPS)及び公差値−第2部:スラスト軸受
JIS B 1514-3 軸受の公差−第3部:面取寸法の最大値
日本工業規格 JIS
B 1514-2:2017
(ISO 199:2014)
転がり軸受−製品の幾何特性仕様(GPS)及び
公差値−第2部:スラスト軸受
Rolling bearings-Geometrical product specifications (GPS) and
tolerance values-Part 2: Thrust bearings
序文
この規格は,2014年に第4版として発行されたISO 199を基に,技術的内容及び構成を変更することな
く作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,スラスト軸受(以下,軸受という。)のはめあい部分及び背面部分(面取部を除く。)の,
寸法特性及び幾何特性の適用箇所,並びに許容差及び許容値を規定する。呼び主要寸法は,JIS B 1512-2
による。また,面取寸法の最大値は,JIS B 1514-3による。
この規格は,次の軸受には適用しない。
− スラスト針状ころ軸受
− 計器用精密スラスト軸受
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 199:2014,Rolling bearings−Thrust bearings−Geometrical product specification (GPS) and
tolerance values(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0104 転がり軸受用語
注記 対応国際規格:ISO 5593,Rolling bearings−Vocabulary(IDT)
JIS B 0420-1:2016 製品の幾何特性仕様(GPS)−寸法の公差表示方式−第1部:長さに関わるサイ
ズ
注記 対応国際規格:ISO 14405-1:2010,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional
tolerancing−Part 1: Linear sizes(MOD)
JIS B 1512-2 転がり軸受−主要寸法−第2部:平面座スラスト軸受
2
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
注記 対応国際規格:ISO 104,Rolling bearings−Trust bearings−Boundary dimensions, general plan
(MOD)
JIS B 1514-3 転がり軸受−軸受の公差−第3部:面取寸法の最大値
注記 対応国際規格:ISO 582,Rolling bearings−Chamfer dimensions−Maximum values(IDT)
ISO/TS 17863,Geometrical product specification (GPS)−Tolerancing of moveable assemblies
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0104,JIS B 0420-1及びISO/TS 17863による。
4
記号
ISO/GPSシステムであるISO 8015 [9]を適用した寸法仕様とその許容差及び許容値,また幾何仕様とその
公差値を製品技術文書(例えば,図面)の中に記述する。これらの特性を,表1及び図1〜図4に規定す
る。
記号の説明は,GPS専門用語による。従来用語との対比を,附属書Aに示す。
特性の許容差,許容値及び公差値は,例えば,tΔdmpのように,斜体文字“t”に続く特性記号で表す。
この規格において,サイズの標準指定演算子は,JIS B 0420-1による2点間サイズ[指定条件記号
1)]
である。
注記1 標準指定演算子とは,公差特性に関わる仕様の中で,ISO,JIS,社内規格などが標準として
規定しているもの。例えば,
などをいう。
注1) この規格を引用する図面において,上の許容差及び下の許容差の両方に標準指定演算子(2点
間サイズ)を適用している場合は,
を省略する。
(JIS B 0420-1:2016の5.2参照)
長さに関わるサイズの指定条件を附属書Dに示す。
GPS概念に基づくJIS B 0420-1の用語とJIS B 1515-1 [6]の従来用語の詳細な定義とは,完全には一致し
ていない。それらの比較は,参考として附属書Cに示す。
3
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
表1−呼び寸法,特性及び指定条件記号
呼び寸法
記号a)
特性
記号a)
幾何特性記号及び
指定条件記号b) c)
説明d)
図番号
d
単式軸受の軸軌道盤の呼び内径
1,2
∆dmp
任意の横断面において,軸軌道盤内径の(2点測定か
ら得た)中間サイズと呼び寸法との寸法差
1,2
Vdsp
任意の横断面において,軸軌道盤内径の2点間サイズ
の最大値と最小値との差(範囲サイズ)
1,2
d2
複式軸受の中央軸軌道盤の呼び内径
3,4
∆d2mp
任意の横断面において,中央軸軌道盤内径の(2点測
定から得た)中間サイズと呼び寸法との寸法差
3,4
Vd2sp
任意の横断面において,中央軸軌道盤内径の2点間サ
イズの最大値と最小値との差(範囲サイズ)
3,4
D
ハウジング軌道盤の呼び外径
1,2,
3,4
∆Dmp
任意の横断面において,ハウジング軌道盤外径の(2
点測定から得た)中間サイズと呼び寸法との寸法差
1,2,
3,4
VDsp
任意の横断面において,ハウジング軌道盤外径の2点
間サイズの最大値と最小値との差(範囲サイズ)
1,2,
3,4
T
単式軸受の呼び軸受組立高さ
1,2
∆Ts
e)
単式軸受の軸受組立高さの最小外接サイズと呼び寸法
との寸法差
1,2
T1
複式軸受の呼び軸受組立高さ
3,4
∆T1s
e)
複式軸受の軸受組立高さの最小外接サイズと呼び寸法
との寸法差
3,4
Se f)
スラスト円筒ころ軸受 ハウジング軌道盤の軌道面と
背面の,2面間の2点間サイズの最大値と最小値との
差(範囲サイズ)
2,4
スラスト玉軸受 ハウジング軌道盤の外径中心軸を通
る任意の縦断面上において,軌道溝と対向する背面と
の間の,最大内接球サイズのうちの最小のもので,最
大値と最小値との差(範囲サイズ)
1,3
Si f)
スラスト円筒ころ軸受 軸軌道盤の軌道面と背面の,2
面間の2点間サイズの最大値と最小値との差(範囲サ
イズ)
2
スラスト玉軸受 軸軌道盤の,内径中心軸を通る任意
の縦断面上において,軌道溝と対向する背面との間の,
最大内接球サイズのうちの最小のもので,最大値と最
小値との差(範囲サイズ)
1
注a) JIS B 0124 [1]で規定している記号。
b) JIS B 0420-1で規定している記号。
c) 指定条件記号
は,2点間サイズが標準指定演算子であるので,表示しない。
d) JIS B 0420-1を基にした説明。
e) 重力方向記号
は,ISO/TS 17863による。図1〜図4を参照。
f) 接触角90°のスラスト玉軸受及びスラスト円筒ころ軸受にだけ適用する。
図1〜図4の図例の指示は,はめあい部分及び背面部分(面取部を除く。)の寸法,許容差及び許容値の
記号の関係を示す。
注記2 図1〜図4は,概略図であり,全ての詳細設計を表していない。
4
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
注記3 図中で重力方向記号
に添えている
及び
は,該当する幾何公差に対して,重力方向を
指示するためのものである。
具体的な図面指示の図例を附属書Bに2例示す。
=G1又はG2
=転動体は,軸軌道盤及びハウジング軌道盤の軌道の両方に接触している状態とする。
1
ハウジング軌道盤
2
軸軌道盤
図1−スラスト玉軸受−単式軸受の寸法仕様
=G1又はG2
=転動体は,軸軌道盤及びハウジング軌道盤の軌道の両方に接触している状態とする。
1
ハウジング軌道盤
2
軸軌道盤
図2−スラスト円筒ころ軸受−単式軸受の寸法仕様
5
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
=G1又はG2
=転動体は,中央軸軌道盤及びハウジング軌道盤の軌道の両方に接触している状態とする。
1
ハウジング軌道盤
2
中央軸軌道盤
図3−スラスト玉軸受−複式軸受の寸法仕様
=G1又はG2
=転動体は,中央軸軌道盤及びハウジング軌道盤の軌道の両方に接触している状態とする。
1
ハウジング軌道盤
2
中央軸軌道盤
図4−スラスト円筒ころ軸受−複式軸受の寸法仕様
5
許容差及び許容値
5.1
一般
単式スラスト軸受及び複式スラスト軸受の許容差及び許容値は,表2〜表9による。
6
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
注記 複式軸受の中央軸軌道盤の内径以外の許容差及び許容値は,次回この規格を改正する際,検討
する。
表2〜表9で,記号U及びLは次の意味である。
U=上の許容差
L=下の許容差
5.2
等級0級
表2及び表3による。
表2−等級0級の軸軌道盤,中央軸軌道盤及び軸受高さの許容差及び許容値
単位 μm
d又はd2
(mm)
tΔdmp
tΔd2mp
tVdsp
tVd2sp
tSi a) b)
tΔTs
tΔT1s
を超え
以下
U
L
U
L
U
L
−
18
0
−8
6
10
+20
−250
+150
−400
18
30
0
−10
8
10
+20
−250
+150
−400
30
50
0
−12
9
10
+20
−250
+150
−400
50
80
0
−15
11
10
+20
−300
+150
−500
80
120
0
−20
15
15
+25
−300
+200
−500
120
180
0
−25
19
15
+25
−400
+200
−600
180
250
0
−30
23
20
+30
−400
+250
−600
250
315
0
−35
26
25
+40
−400
−
−
315
400
0
−40
30
30
+40
−500
−
−
400
500
0
−45
34
30
+50
−500
−
−
500
630
0
−50
38
35
+60
−600
−
−
630
800
0
−75
55
40
+70
−750
−
−
800
1000
0
−100
75
45
+80
−1000
−
−
1000
1250
0
−125
95
50
+100
−1400
−
−
1250
1600
0
−160
120
60
+120
−1600
−
−
1600
2000
0
−200
150
75
+140
−1900
−
−
2000
2500
0
−250
190
90
+160
−2300
−
−
複式軸受については,d2=190 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸受に適用する。
b) 中央軸軌道盤には適用しない。
7
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
表3−等級0級のハウジング軌道盤の許容差及び許容値
単位 μm
D
(mm)
tΔDmp
tVDsp
tSe a)
を超え
以下
U
L
10
18
0
−11
8
同じ軸受の軸軌道盤
のtSiの許容値と同じ
値である。
18
30
0
−13
10
30
50
0
−16
12
50
80
0
−19
14
80
120
0
−22
17
120
180
0
−25
19
180
250
0
−30
23
250
315
0
−35
26
315
400
0
−40
30
400
500
0
−45
34
500
630
0
−50
38
630
800
0
−75
55
800
1000
0
−100
75
1000
1250
0
−125
95
1250
1600
0
−160
120
1600
2000
0
−200
150
2000
2500
0
−250
190
2500
2850
0
−300
225
複式軸受については,D=360 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸
受に適用する。
8
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
5.3
等級6級
表4及び表5による。
表4−等級6級の軸軌道盤,中央軸軌道盤及び軸受高さの許容差及び許容値
単位 μm
d又はd2
(mm)
tΔdmp
tΔd2mp
tVdsp
tVd2sp
tSi a) b)
tΔTs
tΔT1s
を超え
以下
U
L
U
L
U
L
−
18
0
−8
6
5
+20
−250
+150
−400
18
30
0
−10
8
5
+20
−250
+150
−400
30
50
0
−12
9
6
+20
−250
+150
−400
50
80
0
−15
11
7
+20
−300
+150
−500
80
120
0
−20
15
8
+25
−300
+200
−500
120
180
0
−25
19
9
+25
−400
+200
−600
180
250
0
−30
23
10
+30
−400
+250
−600
250
315
0
−35
26
13
+40
−400
−
−
315
400
0
−40
30
15
+40
−500
−
−
400
500
0
−45
34
18
+50
−500
−
−
500
630
0
−50
38
21
+60
−600
−
−
630
800
0
−75
55
25
+70
−750
−
−
800
1000
0
−100
75
30
+80
−1000
−
−
1000
1250
0
−125
95
35
+100
−1400
−
−
1250
1600
0
−160
120
40
+120
−1600
−
−
1600
2000
0
−200
150
45
+140
−1900
−
−
2000
2500
0
−250
190
50
+160
−2300
−
−
複式軸受については,d2=190 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸受に適用する。
b) 中央軸軌道盤には適用しない。
9
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
表5−等級6級のハウジング軌道盤の許容差及び許容値
単位 μm
D
(mm)
tΔDmp
tVDsp
tSe a)
を超え
以下
U
L
10
18
0
−11
8
同じ軸受の軸軌道盤
のtSiの許容値と同じ
値である。
18
30
0
−13
10
30
50
0
−16
12
50
80
0
−19
14
80
120
0
−22
17
120
180
0
−25
19
180
250
0
−30
23
250
315
0
−35
26
315
400
0
−40
30
400
500
0
−45
34
500
630
0
−50
38
630
800
0
−75
55
800
1000
0
−100
75
1000
1250
0
−125
95
1250
1600
0
−160
120
1600
2000
0
−200
150
2000
2500
0
−250
190
2500
2850
0
−300
225
複式軸受については,D=360 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸
受に適用する。
10
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
5.4
等級5級
表6及び表7による。
表6−等級5級の軸軌道盤,中央軸軌道盤及び軸受高さの許容差及び許容値
単位 μm
d又はd2
(mm)
tΔdmp
tΔd2mp
tVdsp
tVd2sp
tSi a) b)
tΔTs
tΔT1s
を超え
以下
U
L
U
L
U
L
−
18
0
−8
6
3
+20
−250
+150
−400
18
30
0
−10
8
3
+20
−250
+150
−400
30
50
0
−12
9
3
+20
−250
+150
−400
50
80
0
−15
11
4
+20
−300
+150
−500
80
120
0
−20
15
4
+25
−300
+200
−500
120
180
0
−25
19
5
+25
−400
+200
−600
180
250
0
−30
23
5
+30
−400
+250
−600
250
315
0
−35
26
7
+40
−400
−
−
315
400
0
−40
30
7
+40
−500
−
−
400
500
0
−45
34
9
+50
−500
−
−
500
630
0
−50
38
11
+60
−600
−
−
630
800
0
−75
55
13
+70
−750
−
−
800
1000
0
−100
75
15
+80
−1000
−
−
1000
1250
0
−125
95
18
+100
−1400
−
−
1250
1600
0
−160
120
25
+120
−1600
−
−
1600
2000
0
−200
150
30
+140
−1900
−
−
2000
2500
0
−250
190
40
+160
−2300
−
−
複式軸受については,d2=190 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸受に適用する。
b) 中央軸軌道盤には適用しない。
11
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
表7−等級5級のハウジング軌道盤の許容差及び許容値
単位 μm
D
(mm)
tΔDmp
tVDsp
tSe a)
を超え
以下
U
L
10
18
0
−11
8
同じ軸受の軸軌道盤
のtSiの許容値と同じ
値である。
18
30
0
−13
10
30
50
0
−16
12
50
80
0
−19
14
80
120
0
−22
17
120
180
0
−25
19
180
250
0
−30
23
250
315
0
−35
26
315
400
0
−40
30
400
500
0
−45
34
500
630
0
−50
38
630
800
0
−75
55
800
1000
0
−100
75
1000
1250
0
−125
95
1250
1600
0
−160
120
1600
2000
0
−200
150
2000
2500
0
−250
190
2500
2850
0
−300
225
複式軸受については,D=360 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸
受に適用する。
12
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
5.5
等級4級
表8及び表9による。
表8−等級4級の軸軌道盤,中央軸軌道盤及び軸受高さの許容差及び許容値
単位 μm
d又はd2
(mm)
tΔdmp
tΔd2mp
tVdsp
tVd2sp
tSi a) b)
tΔTs
tΔT1s
を超え
以下
U
L
U
L
U
L
−
18
0
−7
5
2
+20
−250
+150
−400
18
30
0
−8
6
2
+20
−250
+150
−400
30
50
0
−10
8
2
+20
−250
+150
−400
50
80
0
−12
9
3
+20
−300
+150
−500
80
120
0
−15
11
3
+25
−300
+200
−500
120
180
0
−18
14
4
+25
−400
+200
−600
180
250
0
−22
17
4
+30
−400
+250
−600
250
315
0
−25
19
5
+40
−400
−
−
315
400
0
−30
23
5
+40
−500
−
−
400
500
0
−35
26
6
+50
−500
−
−
500
630
0
−40
30
7
+60
−600
−
−
630
800
0
−50
40
8
+70
−750
−
−
複式軸受については,d2=190 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸受に適用する。
b) 中央軸軌道盤には適用しない。
表9−等級4級のハウジング軌道盤の許容差及び許容値
単位 μm
D
(mm)
tΔDmp
tVDsp
tSe a)
を超え
以下
U
L
10
18
0
−7
5
同じ軸受の軸軌道盤
のtSiの許容値と同じ
値である。
18
30
0
−8
6
30
50
0
−9
7
50
80
0
−11
8
80
120
0
−13
10
120
180
0
−15
11
180
250
0
−20
15
250
315
0
−25
19
315
400
0
−28
21
400
500
0
−33
25
500
630
0
−38
29
630
800
0
−45
34
800
1000
0
−60
45
複式軸受については,D=360 mm以下の軸受に適用する。
注a) 90°の接触角をもつスラスト玉軸受及び90°の接触角をもつスラストころ軸
受に適用する。
13
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
附属書A
(参考)
GPS概念に基づく説明と旧規格の量記号及び用語との比較
この附属書は,転がり軸受の公差に関する旧規格の量記号及び用語と,GPS概念に基づく説明との比較
を,表A.1に参考として示す。
表A.1−記号の説明
旧規格
この規格の箇条4の説明
量記号
用語
d
単式軸受の軸軌道盤の呼び内径
単式軸受の軸軌道盤の呼び内径
Δdmp
単式軸受の軸軌道盤の平面内平均
内径の寸法差
任意の横断面において,軸軌道盤内径の(2点測定から得た)中間
サイズと呼び寸法との寸法差
Vdsp
単式軸受の軸軌道盤の平面内内径
不同
任意の横断面において,軸軌道盤内径の2点間サイズの最大値と最
小値との差(範囲サイズ)
d2
複式軸受の中央軸軌道盤の呼び内
径
複式軸受の中央軸軌道盤の呼び内径
Δd2mp
複式軸受の中央軸軌道盤の平面内
平均内径の寸法差
任意の横断面において,中央軸軌道盤内径の(2点測定から得た)
中間サイズと呼び寸法との寸法差
Vd2sp
複式軸受の中央軸軌道盤の平面内
内径不同
任意の横断面において,中央軸軌道盤内径の2点間サイズの最大値
と最小値との差(範囲サイズ)
D
ハウジング軌道盤の呼び外径
ハウジング軌道盤の呼び外径
ΔDmp
ハウジング軌道盤の平面内平均外
径の寸法差
任意の横断面において,ハウジング軌道盤外径の(2点測定から得
た)中間サイズと呼び寸法との寸法差
VDsp
ハウジング軌道盤の平面内外径不
同
任意の横断面において,ハウジング軌道盤外径の2点間サイズの最
大値と最小値との差(範囲サイズ)
T
単式軸受の呼び高さ
単式軸受の呼び軸受組立高さ
ΔTs
単式軸受の実軸受高さの寸法差
単式軸受の軸受組立高さの最小外接サイズと呼び寸法との寸法差
T1
複式軸受の呼び高さ
複式軸受の呼び軸受組立高さ
ΔT1s
複式軸受の実軸受高さの寸法差
複式軸受の軸受組立高さの最小外接サイズと呼び寸法との寸法差
Se
ハウジング軌道盤の軌道の厚さ不
同
スラスト円筒ころ軸受 ハウジング軌道盤の軌道面と背面の,2面
間の2点間サイズの最大値と最小値との差(範囲サイズ)
スラスト玉軸受 ハウジング軌道盤の外径中心軸を通る任意の縦
断面上において,軌道溝と対向する背面との間の,最大内接球サイ
ズのうちの最小のもので,最大値と最小値との差(範囲サイズ)
Si
軸軌道盤の軌道の厚さ不同
スラスト円筒ころ軸受 軸軌道盤の軌道面と背面の,2面間の2点
間サイズの最大値と最小値との差(範囲サイズ)
スラスト玉軸受 軸軌道盤の,内径中心軸を通る任意の縦断面上に
おいて,軌道溝と対向する背面との間の,最大内接球サイズのうち
の最小のもので,最大値と最小値との差(範囲サイズ)
14
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
附属書B
(参考)
スラスト軸受の寸法仕様及び幾何仕様の図示例
この附属書は,GPSを適用したスラスト軸受の仕様特性の図示例を,参考として2例示す。
図B.1は,この規格で規定した特性の,図面への指示例を示す。
=G1又はG2
=転動体は,中央軸軌道盤の軌道及びハウジング軌道盤の軌道の両方に,接触している状態とする。
注記1 この規格の標準指定演算子である2点間サイズの指定条件記号
は,通常,図示しない。
注記2 図面の例は,寸法系列22,内径60 mm,等級0級の複式スラスト玉軸受の寸法(サイズ)とその許容差及び
許容値を示す。
図B.1−図示例
図B.2は,主要寸法だけに公差を指示した図面の例を示す。他の公差は,この規格及び関連の等級を参
照している。
なお,記載する寸法には,関係する全ての指定条件を示す必要がある。
15
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
他の許容差及び許容値は,JIS B 1514-2の等級0級による。
=G1又はG2
=転動体は,中央軸軌道盤の軌道及びハウジング軌道盤の軌道の両方に,接触している状態とする。
図B.2−特定の等級及び参照規格を引用指示した図示例
16
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
附属書C
(参考)
JIS B 1515-1の従来用語とGPS概念に基づくJIS B 0420-1の用語との比較
C.1 一般
GPSを適用することによって,幾つかの公差特性の用語及び定義が変わる。この変更は,旧規格の基と
なったJIS B 1515-1の用語及び定義とJIS B 0420-1のGPS概念に基づく用語及び定義とを比較することで
明確になる。
この附属書は,幾つかの特性の用語の違いを示す。
C.2 実測内径と2点間直径との定義の違い
C.2.1 JIS B 1515-1による実測内径
図示説明を,図C.1及び図C.2に示す。
C.2.1.1
実測内径,ds(single bore diameter, ds)
実内径面とラジアル平面との交線に接する2本の平行な直線間の距離。
(JIS B 1515-1:2006の5.1.2参照)
C.2.1.2
ラジアル平面(radial plane)
中心軸に垂直な平面。
注記 軌道輪については,一般的に軌道輪の基準側面に接する面に平行な面。
(JIS B 1515-1:2006の4.5参照)
C.2.1.3
軌道盤中心軸(washer axis)
基本的には円筒状である軌道盤の内径面に内接する円筒の中心軸。
(JIS B 1515-1:2006の4.2参照)
C.2.2 JIS B 0420-1,JIS B 0672-2 [5]及びISO 14660-2 [5]による2点間直径
図示説明を,図C.3に示す。
C.2.2.1 JIS B 0420-1による用語及び定義
C.2.2.1.1
2点間サイズ(two-point size)
サイズ形体から得た,相対する2点間の距離を表したもの。局部サイズの中の一つ。
注記1 円筒から得た2点間サイズを,“2点間直径”という。JIS B 0672-2では,これを“測得円筒
の局部直径”と規定している。
注記2 二つの相対する平面から得た2点間サイズを,“2点間距離”という。ISO 14660-2では,こ
れを“二つの平行な測得表面の局部サイズ”と定義している。
(JIS B 0420-1:2016の3.10.1参照)
17
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
C.2.2.2 JIS B 0672-2による用語及び定義
C.2.2.2.1
測得円筒の局部寸法,測得円筒の局部直径(local size of an extracted cylinder, local diameter of an extracted
cylinder)
形体上の対向する2点間の距離。
− 対向する2点を結ぶ当てはめ円の中心をつなぐ線。
− この横断面は,測得表面から得る当てはめ円筒の軸線に直角である。
(JIS B 0672-2:2002の3.5参照)
C.2.2.2.2
円筒の測得中心線(extracted median line of a cylinder)
横断面の中心の軌跡。
− 横断面の中心は,当てはめ円(associated circles)の中心である。
− 横断面は,測得表面から得る当てはめ円筒の軸線に直角である(その半径は,呼び半径と異なること
がある。)。
(JIS B 0672-2:2002の3.2参照)
C.2.2.2.3
円筒の測得誘導形体(extracted derived feature of a cylinder)
(ほかに定義されていなければ,)円筒の測得中心線のデフォルト定義に,次の条件を適用する。
− 当てはめ円は,最小二乗円である。
− 当てはめ円筒は,最小二乗円筒である。
注記 最小二乗法によって得る円を最小二乗円といい,最小二乗法によって得る円筒を最小二乗円筒
という。
(JIS B 0672-2:2002の4.1.1参照)
1
実内径面[ISO 17450-1 [12]による“real integral surface”(“実外殻面”と仮訳した。)]
2
基となる円筒穴の中の内接円筒[ISO 17450-1による“associated integral cylinder”(“当てはめ外殻円筒”
と仮訳した。)]
3
内接円筒2の中心軸[ISO 17450-1による“associated derived axis”(“当てはめ誘導中心軸”と仮訳した。)]
4
その中心軸3に直角な平面
5
実内径面1及び任意のラジアル平面4の交線に接する2平行線
6
実測内径
図C.1−実測内径
18
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
1
実内径面[ISO 17450-1による“real integral surface”(“実外殻面”と仮訳した。)]
2
内輪の実基準側面[ISO 17450-1による“real integral surface”(“実外殻面”と仮訳した。)]
3
内輪の実基準側面2に接する平面
4
内輪の平面3に平行な平面
5
内輪の実内径面1及び実基準側面2に接する平面3に平行な平面4の交線に接する2平行
線
6
実測内径
7
内輪の基準側面に接する平面3に直角でない基となる円筒穴の内接円筒の中心軸[ISO
17450-1による“associated derived axis”(“当てはめ誘導中心軸”と仮訳した。)]
図C.2−内輪の基準側面に接する平面に平行なラジアル平面における実測内径
1
測得内径面
2
当てはめ円筒
3
当てはめ円筒中心軸
4
当てはめ中心軸に直角な平面
5
当てはめ円
6
当てはめ円中心
7
2点間直径の例
図C.3−2点間直径
19
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
附属書D
(参考)
長さに関わるサイズの指定条件についての図による説明
D.1 一般
この規格で使用する長さに関わるサイズの記号は,JIS B 0420-1に規定している。この附属書では,JIS
B 0420-1による指定条件記号の用語及び定義を図とともに記載する。
D.2 指定条件及び記号
表D.1は,長さに関わるサイズの指定条件記号を示す。これらの説明は,D.3及びD.4による。表D.2
は,指定条件記号の組合せを示す。これらの説明は,D.5による。
表D.1−長さに関わるサイズの指定条件
指定条件記号
用語
JIS B 0420-1の細分箇条
図
2点間サイズ
3.10.1
図D.1
中間サイズ
3.11.2.2.5
−
範囲サイズ
3.11.2.2.6
−
球サイズ
(球で定義する局部サイズ)
3.10.4
図D.2
最小外接サイズ
3.11.1.3
図D.3
任意の横断面
7.4
図D.4
a)
回転体が対称形となるように
データム軸直線を通るように
切断する任意の縦断面
−
図D.5
最小サイズ
3.11.2.2.2
−
注a) 右の空欄の枠内にデータム文字記号を指示する。
表D.2−指定条件記号の組合せ
指定条件記号の組合せ
特性記号
表1による説明
図例
a)
Se
スラスト玉軸受 ハウジング軌道盤の外径中心軸
を通る任意の縦断面上において,軌道溝と対向す
る背面との間の,最大内接球サイズのうちの最小
のもので,最大値と最小値との差(範囲サイズ)
図D.6
Si
スラスト玉軸受 軸軌道盤の,内径中心軸を通る
任意の縦断面上において,軌道溝と対向する背面
との間の,最大内接球サイズのうちの最小のもの
で,最大値と最小値との差(範囲サイズ)
注a) 右の空欄の枠内にデータム文字記号を指示する。
D.3 JIS B 0420-1に規定している用語,定義及び指定条件並びに図を使った説明
JIS B 0420-1に規定している指定条件の用語及び定義を一般的な図と合わせて次に示す。
D.3.1
指定条件(specification modifier)
適用したときに,基本的なGPS指定の標準(デフォルト)定義を変更するGPS指定要素。
20
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
注記 指定条件は,ISO,JIS又は社内の規格・文書で定義してもよい。
(JIS B 0420-1:2016の3.1参照)
D.3.2
サイズ形体(feature of size)
長さ又は角度に関わるサイズによって定義した幾何学的な形状。
注記1 サイズ形体は,円筒,球,平行二平面,円すい又はくさび。
注記2 JIS B 0672-1 [4]の用語“単純な加工物”及び“単独形体”は,“サイズ形体”とほぼ同等な意
味で用いていた。
(JIS B 0420-1:2016の3.2参照。ただし,注記3を省略した。)
D.3.3
サイズ(size)
図示形体,又は当てはめ形体で定義できるサイズ形体(D.3.2)の固有特性。
注記 JIS B 0420-1では,サイズは,円筒の直径又は相対する平行二平面間の距離のいずれかに相当
する(“直径”及び“距離”は,“サイズ”と同じ意味である。)。
(JIS B 0420-1:2016の3.8参照)
D.3.4
サイズ特性(size characteristic)
サイズ(D.3.3)に関連し,測得形体で定義する特性。
注記 サイズは,複数のサイズ特性によって評価できる(例えば,2点間直径又は測得形体について
の当てはめ形体の直径)。
(JIS B 0420-1:2016の3.9参照)
D.3.5
局部サイズ(local size)
サイズ形体(D.3.2)の周り及び/又はそれに沿った,一般的な評価結果を定義上もったサイズ特性(D.3.4)。
注記1 与えた形体には,無数の局部サイズがある。
注記2 JIS B 0420-1では,“局部サイズ”を“長さに関わる局部サイズ”の代わりに用いている。
(JIS B 0420-1:2016の3.10参照)
D.3.6
2点間サイズ(two-point size)
サイズ形体(D.3.2)から得た相対する2点間の距離を表したもの。局部サイズの中の一つ。
注記1 円筒から得た2点間サイズを,“2点間直径”という。JIS B 0672-2では,これを“測得円筒
の局部直径”と規定している。
注記2 二つの相対する平面から得た2点間サイズを,“2点間距離”という。ISO 14660-2では,こ
れを“二つの平行な測得表面の局部サイズ(D.3.5)”として定義している。
(JIS B 0420-1:2016の3.10.1参照)
図D.1参照。
21
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
1
測得円筒
2
当てはめ円筒
3
当てはめ円筒2の中心軸
4
当てはめ円筒2の中心軸3に直角な無数の平面のうちの一つ
5
測得円
6
2点間サイズ(直径)
注記 この図では,三つの横断面を示しているが,D.3.5の注記1の局部サ
イズの説明と同じように,この図にも無数の横断面がある。
図D.1−2点間サイズ
D.3.7
順位サイズ(rank-order size)
公差付きサイズ形体(D.3.2)の周り及び/又はそれに沿って得た同種の局部サイズ(D.3.5)の値の集ま
りから数学的に定義するサイズ特性(D.3.4)。
注記1 順位サイズは,局部サイズ[2点間サイズ(D.3.6)]から(例えば,測得円筒表面で得る2
点間サイズ値の集まりの平均値などの)間接全体サイズを定義するために用いることができ
る。
注記2 順位サイズは,他の局部サイズから局部サイズを定義するために用いることができる(例え
ば,断面内で得た2点間サイズから順位断面サイズを定義する。)。
[JIS B 0420-1:2016の3.11.2.2参照(注記1を見直し,注記3を削除した。)。]
D.3.8
中間サイズ(mid-range size)
公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(D.3.5)の値の集まりの中の,最大値及び最小
22
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
値の二つの値の平均値で定義する順位サイズ(D.3.7)。
(JIS B 0420-1:2016の3.11.2.2.5参照)
中間サイズの仕様は,指定条件記号“
”を図面上に指示する。
D.3.9
範囲サイズ(range of sizes)
公差付き形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズ(D.3.5)の値の集まりの中から,最大値と最小
値との差で定義する順位サイズ(D.3.7)。
(JIS B 0420-1:2016の3.11.2.2.6参照)
範囲サイズの仕様は,指定条件記号“
”を図面上に指示する。
D.3.10
球サイズ(spherical size)
最大内接球の直径を表したもの。局部サイズの中の一つ。
(JIS B 0420-1:2016の3.10.4参照)
図D.2参照。
P
位置
Sφd 最大内接球の直径
注記 この図では,四つの球を示しているが,実際には無数の球がある。
図D.2−球サイズ
D.3.11
最小外接サイズ(minimum circumscribed size)
最小外接判定基準による測得形体に対応する当てはめ形体のサイズ(D.3.3)。全体サイズの中の一つ。
(JIS B 0420-1:2016の3.11.1.3参照)
図D.3参照。
23
B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
1
測得形体
2
平行平面又は平行線
3
平行平面又は平行線の間の最小距離
図D.3−最小外接サイズ
D.3.12
最小サイズ(minimum size)
公差付きサイズ形体の周り及び/又はそれに沿った局部サイズの値の集まりの中から,最小値で定義す
る順位サイズ。
(JIS B 0420-1:2016の3.11.2.2.2参照)
最小サイズの仕様は,指定条件記号“
”を図面上に指示する。
D.3.13
サイズ形体の任意の横断面[any cross section of a feature of size (ACS)]
指定条件を,完全なサイズ形体又は(固定した)限定した部分の,任意の横断面に適用する場合は,指
定条件記号“ACS”を指示する。また,横断面は図面上に公差を付けて指示し,指定条件記号“ACS”は
その公差に追加する。さらに,任意の横断面を完全なサイズ形体の限定した部分から採る場合,限定した
部分は太い一点鎖線又は区間指示記号によって指示する。
[JIS B 0420-1:2016の7.4参照(省略した説明文)]
図D.4参照。
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B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
注記 この図では,三つの横断面を示しているが,D.3.5の注記1の局部サイズの説明と同じよ
うに,この図にも無数の横断面がある。
図D.4−任意の横断面(ACS)
D.4 図を用いた用語及び定義の追加説明
D.4.1
サイズ形体の任意の縦断面[any longitudinal section of a feature of size (ALS)]
指定条件を,完全なサイズ形体(D.3.2)の任意の縦断面に適用する場合は,指定条件記号“ALS”で指
示する。
図D.5参照。
1
当てはめ円筒
2
当てはめ円筒の中心軸
3
外径中心軸を含むALS
注記 この図では,三つの縦断面を示しているが,D.3.5の注記1の局部サイズ
の説明と同じように,この図にも無数の縦断面がある。
図D.5−任意の縦断面(ALS)
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B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
D.5 指定条件記号の組合せ
D.5.1 一般
指定条件記号は,組み合わせて使用することがある。D.5.2は,指定条件の組合せの説明を,図を使って
示す。
D.5.2 指定条件記号の組合せの例
“スラスト玉軸受のSe(ハウジング軌道盤の,外径中心軸を通る任意の縦断面上の軌道と対向する背面
との間の,最小球サイズの範囲サイズ)”は,図D.6で説明できる。
1
データム形体指示
2
当てはめ円筒中心軸(データムM)
3
当てはめ円筒中心軸(データムM)を含む任意の縦断面(ALS)
4
任意の縦断面(ALS)において,二つの形体(軌道溝及び背面)に内接する球サイズの最小値
注記 この図では,三つの縦断面を示しているが,D.3.5の注記1の局部サイズの説明と同じように,
この図にも無数の縦断面がある。
図D.6−指定条件記号の組合せの例
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B 1514-2:2017 (ISO 199:2014)
参考文献
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注記 対応国際規格:ISO 15241,Rolling bearings−Symbols for physical quantities
[2] JIS B 0401-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−長さに関わるサイズ公差のISOコード方式−第1部:サ
イズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎
注記 対応国際規格:ISO 286-1,Geometrical product specifications (GPS)−ISO code system for
tolerances on linear sizes−Part 1: Basis of tolerances, deviations and fits
[3] JIS B 0641-1 製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査−第1部:仕様に対
する合否判定基準
注記 対応国際規格:ISO 14253-1,Geometrical product specifications (GPS)−Inspection by measurement
of workpieces and measuring equipment−Part 1: Decision rules for proving conformity or
nonconformity with specifications
[4] JIS B 0672-1:2002 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第1部:一般用語及び定義
注記 対応国際規格:ISO 14660-1:1999,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical features
−Part 1: General terms and definitions
[5] JIS B 0672-2:2002 製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第2部:円筒及び円すいの測得中心線,測
得中心面並びに測得形体の局部寸法
注記 対応国際規格:ISO 14660-2:1999,Geometrical Product Specifications (GPS)−Geometrical features
−Part 2: Extracted median line of a cylinder and a cone, extracted median surface, local size of an
extracted feature
[6] JIS B 1515-1:2006 転がり軸受−公差−第1部:用語及び定義
注記 対応国際規格:ISO 1132-1:2000,Rolling bearings−Tolerances−Part 1: Terms and definitions
[7] JIS B 1515-2 転がり軸受−公差−第2部:検証の原則及び方法
注記 対応国際規格:ISO 1132-2,Rolling bearings−Tolerances−Part 2: Measuring and gauging
principles and methods
[8] ISO 1101,Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical tolerancing−Tolerances of form,
orientation, location and run-out
[9] ISO 8015,Geometrical product specifications (GPS)−Fundamentals−Concepts, principles and rules
[10] ISO 14253-2,Geometrical product specifications (GPS)−Inspection by measurement of workpieces and
measuring equipment−Part 2: Guidance for the estimation of uncertainty in GPS measurement, in calibration
of measuring equipment and in product verification
[11] ISO 14638,Geometrical product specifications (GPS)−Matrix model
[12] ISO 17450-1,Geometrical product specifications (GPS)−General concepts−Part 1: Model for geometrical
specification and verification