2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1454-1988
(1994 確認)
こま形自在軸継手
Universal Ball Joints
1. 適用範囲 この規格は,一般の機械に用いる45°まで曲折可能なこま形自在軸継手(以下,継手とい
う。)について規定する。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
引用規格:
JIS B 0401 寸法公差及びはめあい
JIS B 7420 限界ゲージ
JIS B 7503 0.01mm目盛ダイヤルゲージ
JIS B 7507 ノギス
JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材
2. 種類 継手の種類は,構造及び材料によって表1のように区分する。
表1 種類
種類
種類の記号
備考
A 形
A
付表1の図参照
AA 形
AA
B 形
B
付表2の図参照
BB 形
BB
C 形
C
付表3の図参照
CC 形
CC
3. 等級 A形,B形及びC形継手は,軸心の振れによって,並級及び上級の2等級に分ける。
4. 主要部品の名称 継手の主要部品の名称は,付表1,付表2及び付表3の図による。
5. 品質
5.1
継手の外観には,有害なきず・き裂・さびなどの欠陥があってはならない。
5.2
滑り部の表面の仕上げは,良好でなければならない。
5.3
A形,B形及びC形の両軸心の振れの許容値は,表2による。
5.4
継手の両本体間のねじれの許容値は,表2による。
2
B 1454-1988 (1994 確認)
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表2 ねじれ・軸心の振れ
呼び径
d (mm)
軸心の振れ(最大)
A形・B形・C形
(mm)
ねじれ
試験トルク
(N・m {kgf・m})
ねじれ量(最大)(1)(分)
並級
上級
A形・B形・C形 AA形・BB形・CC形
6
0.10
0.05
5 { 0.5 }
200
500
8
0.10
0.05
10 { 1 }
200
500
10
0.14
0.07
20 { 2 }
180
450
12
0.14
0.07
40 { 4.1 }
180
450
14
0.14
0.07
80 { 8.2 }
180
450
16
0.14
0.07
80 { 8.2 }
180
450
20
0.20
0.10
160 { 16.3 }
180
450
25
0.20
0.10
160 { 16.3 }
80
200
30
0.25
0.12
320 { 32.6 }
80
200
32
0.25
0.12
320 { 32.6 }
80
200
35
0.25
0.12
320 { 32.6 }
80
200
40
0.25
0.12
630 { 64.2 }
80
200
50
0.25
0.12
1250 { 127 }
80
200
注(1) 試験トルクを左右交互にかけて測定した全振幅のねじれ角度。
5.5
継手の釣合いは,良好で,振動の原因とならない程度とする。
6. 形状・寸法及び構造
6.1
継手の形状及び寸法は,付表1及び付表2による。
6.2
A形,B形及びC形では両本体の軸心が,AA形,BB形及びCC形では本体と中本体の軸心が,そ
れぞれ45°まで曲折できる構造でなければならない。
6.3
継手には,滑り部に給油できるように,油穴を設けなければならない。
7. 材料 継手各部に使用する材料は,表3に示すもの,又は品質がこれと同等以上のものとする。
表3 各部の材料
種類の
記号
部 品
材料
A, AA
B, BB
C, CC
本体・中本体
JIS G 4051のS 20 C
JIS G 4051
のS45C
つめ・中つめ
JIS G 4051のS 45 C
−
さや・中さや
JIS G 4051のS 20 C
JIS G 3454のSTPG 38
−
こ ま
JIS G 4051のS 45 C
ピ ン
−
JIS G 4401のSK 4
8. 検査
8.1
外観検査は,目視によって継手各部について行い,5.1の規定に適合しなければならない。
8.2
滑り部の仕上げは,5.2の規定に適合しなければならない。
3
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8.3
形状・寸法は,6.の規定に適合しなければならない。測定器は,原則としてJIS B 7507(ノギス)及
びJIS B 7420(限界ゲージ)によるものを用いる。
8.4
両軸心の振れは,付図1の方法によって3回転以上回転したのちに測定し,5.3の規定に適合しなけ
ればならない。測定器は,原則としてJIS B 7503(0.01mm目盛ダイヤルゲージ)によるものを用いる。
8.5
両本体間のねじれは,付図2のような装置を用いて,2分間以上の間隔で,表2に規定する試験トル
クを左右交互に5回以上繰り返してかけたのちに測定し,5.4の規定に適合しなければならない。
9. さび止め 継手には,石油系溶剤で容易に取り除くことができるさび止め剤又はこれに代わる方法に
よって,さび止めを施す。
10. 製品の呼び方 継手の呼び方は,規格番号(又は規格名称),種類の記号及び呼び径による。
なお,A形,B形及びC形には等級を付記する。
例 :JIS B 1454 A-10(並)
JIS B 1454 A-16(上)
こま形自在軸継手 BB-25
11. 表示 本体又はさやの外周に,次の事項を表示する。
(1) 呼び径
(2) 製造業者名又はその略号
参考1. A, AA形及びB, BB形の軸への取付けは,原則としてJIS B 1352(テーパピン)に規定する
テーパピンで継手本体に固定する。
2. C, CC形の軸への取付けは,原則としてJIS B 1354(平行ピン)に規定する平行ピンで継手本
体に固定する。
3. テーパピン穴及び平行ピン穴を後加工するものは,本体のその部分が硬化されていてはなら
ない。
4
B 1454-1988 (1994 確認)
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付表1 こま形自在軸継手
単位 mm
呼び径
d
D
(最大)
l
(最小)
L
Lm
6
14
8
16
16
8
18
10
20
20
10
22
12
22
22
12
28
16
28
28
14
28
16
28
28
16
32
18
32
32
20
40
22
40
40
25
50
28
50
50
30
60
34
60
60
32
63
36
63
63
35
71
40
71
71
40
80
45
80
80
50
100
56
100
100
備考1. 軸穴dの寸法許容差は,JIS B 0401(寸法公差及びはめあい)のH7
による。
なお,L, Lmは,基準寸法だけを示す。
2. lは,軸がはまる長さを示す。
3. 図は,構造の一例を示す。
5
B 1454-1988 (1994 確認)
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付表2 こま形自在軸継手
単位 mm
呼び径
d
D
(最大)
l
(最小)
L
Lm
S
(最大)
6
12
8
15
18
3
8
16
10
19
22
4
10
20
12
23
28
5
12
25
16
30
36
6
14
25
16
30
36
6
16
28
18
34
40
7
20
36
22
42
50
9
25
45
28
53
63
11
30
53
34
63
75
13
32
56
36
67
80
14
35
63
40
71
85
16
40
71
45
80
95
18
50
90
56
100
118
22
備考1. 軸穴dの寸法許容差は,JIS B 0401のH7による。
なお,L, Lmは,基準寸法だけを示す。
2. lは,軸がはまる長さを示す。
3. 図は,構造の一例を示す。
6
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付表3 こま形自在軸継手
単位 mm
呼び径
d
D
(最大)
l
(最小)
L
Lm
P
6
12
9
15.5
18.5
3
8
15
10
18
22
3.5
10
19
12
21
25.5
4.5
12
23
15
26
31
5
14
26
17
29.5
35.5
5.8
16
30
22
37
43.5
6.5
20
36
25
43.5
52
8
25
44
30
52.5
63
10
30
51
35
61
73
11.5
35
59
40
70
84
13
40
67
45
78.5
94
14.5
50
83
55
95.7
113
17.5
備考1. Eは21lとする。
2. 軸穴d及びピン穴Pの寸法許容差は,それぞれJIS B 0401のH7
及びH8による。
なお,L, Lmは,基準寸法だけを示す。
3. lは,軸がはまる長さを示す。
4. 図は,構造の一例を示す。
7
B 1454-1988 (1994 確認)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 軸心振れ測定装置(構造は一例を示す。)
付図2 ねじれ測定装置(構造は一例を示す。)
8
B 1454-1988 (1994 確認)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
機械要素部会 軸継手専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
和 田 稲 苗
早稲田大学
藤 原 孝 誌
工業技術院機械技術研究所
桑 原 茂 樹
通商産業省機械情報産業局
鈴 木 茂 光
工業技術院標準部
大 滝 光
大泉工業株式会社
金 田 光 夫
鍋屋工業株式会社
浜 田 義 友
全国伝動機工業協同組合
平 井 英 雄
三ツ星ベルト株式会社
増 田 進 彦
金光産業株式会社
宮 里 幸 雄
伊藤鋳工株式会社
渡 辺 春 義
石川島播磨重工業株式会社
通 地 登
社団法人日本電機工業会
谷 脇 政 一
久保田鉄工株式会社枚方製造所
蛭 川 康 男
株式会社川本製作所
前 原 利 昭
三菱電機株式会社名古屋製作所
丸 山 勝
株式会社荏原製作所
(事務局)
松 本 大 治
工業技術院標準部機械規格課
江 頭 豊
工業技術院標準部機械規格課