2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 1452-1991
フランジ形たわみ軸継手
Flexible flanged shaft couplings
1. 適用範囲 この規格は,一般の機械に用いるフランジ形たわみ軸継手(以下,継手という。)について
規定する。
備考 この規格の引用規格を次に示す。
JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS B 0401 寸法公差及びはめあい
JIS B 0405 普通公差−第1部−個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 0903 円筒軸端
JIS B 1002 二面幅の寸法
JIS B 1003 ねじ先の形状・寸法
JIS B 1181 六角ナット
JIS B 1251 ばね座金
JIS B 1301 沈みキー及びキーみぞ
JIS B 7503 0.01mm目盛ダイヤルゲージ
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3201 炭素鋼鍛鋼品
JIS G 3506 硬鋼線材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 5101 炭素鋼鋳鋼品
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS K 6386 防振ゴムのゴム材料
2. 品質
2.1
継手の本体には,有害な鋳巣・きず・き裂などの欠陥があってはならない。
また,ボルト,ナット,座金,ばね座金及びブシュには,きず,き裂などがあってはならない。
2.2
軸穴の中心に対する継手外径の振れ及び外径付近における継手面の振れの公差は,0.03mmとする。
2.3
ボルト穴ピッチ円の直径及びブシュ挿入穴ピッチ円の直径の許容差,ピッチの許容差並びに軸穴中
心に対する振れの公差は,原則として表1による。
2
B 1452-1991
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表1
単位 mm
ピッチ円直径
ピッチ円直径及びピッチの許容差
ピッチ円直径振れの公差
60, 67, 75
±0.16
0.12
85, 100, 115, 132, 145
±0.20
0.14
170, 180, 200, 236
±0.26
0.18
260, 300, 355, 450, 530
±0.32
0.22
2.4
継手の釣合いは良好で,振動の原因になるような不釣合いがあってはならない。
3. 形状・寸法
3.1
継手の本体,ボルト,座金及びブシュの形状・寸法は,付表1及び付表2による。
3.2
継手の軸穴直径は,付表1の最大軸穴直径以下とし,原則としてJIS B 0903による。
なお,継手の本体のキー溝の寸法及び公差は,JIS B 1301による。
備考 軸穴直径は,受渡当事者間の協議によって,粗仕上加工のままとすることができる。
3.3
継手各部の寸法の公差並びに許容差は,原則として表2及び表3による。
表2 寸法の公差
継手軸穴 D
H7
−
継手外径 A
−
g7
ボルト穴とボルト a
H7
g7
④座金内径(1) a
−
+0.4
0
ブシュ内径,②座金内径及びボルトのブシュ挿入部の直径 a1
+0.4
0
e9
ブシュ挿入穴 M
H8
−
ブシュ外径 P
−
0
−0.4
ボルトのブシュ挿入部の長さ m
−
k12
注(1) 基準寸法が8のものは,
02.0
+
とする。
備考 表中のH7,H8,g7,e9,k12は,JIS B 0401による。数値で示した寸法公差
の単位は,mmとする。
表3 寸法の許容差
単位 mm
ブシュ幅q
②座金厚さt
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
14, 16, 18
±0.3
3
+0.03
−0.43
22.4, 28, 40
+0.1
−0.5
4
±0.29
56
+0.2
−0.6
5
±0.40
3.4
ボルトには,緩み止めを施す。緩み止めには,原則としてばね座金を使用する。
3.5
はめあい部分以外の削り加工筒所の長さ寸法に対する寸法許容差は,JIS B 0405の公差等級mによ
る。
4. 材料 継手各部に使用する材料は,表4に示すもの又は品質がこれと同等以上のものとする。
3
B 1452-1991
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表4
部品
材料
本体
JIS G 5501のFC 200, JIS G 5101のSC 410, JIS G 3201のSF 440A又はJIS G 4051のS 25 C
継手ボルト(2)
ボルト
JIS G 3101のSS 400
ナット
JIS G 3101のSS 400
座金
JIS G 3101のSS 400
ばね座金
JIS G 3506のSWRH62 (A, B)
ブシュ
JIS K 6386のB (12) −J1a1 [Hs (JIS A) =70](3)
注(2) 継手ボルトとは,ボルト,ナット,座金,ばね座金及びブシュを組み立てたものをいう。
(3) 耐油性の加硫ゴム
5. さび止め処理 さびやすいところには,石油系溶剤で容易に除くことのできる防せい剤の塗布又はこ
れに代わる方法によって,さび止め処理を施す。
6. 検査
6.1
継手の外観の検査は目視によって,本体,ボルト,ナット,座金,ばね座金及びブシュについて行
い,2.1の規定に適合しなければならない。
6.2
形状及び寸法は,3.の規定に適合しなければならない。
6.3
継手外径,ボルト穴ピッチ円直径及びブシュ挿入穴ピッチ円直径の軸穴中心に対する振れ並びに継
手面の振れは,検査用軸に継手を取り付け,ボルト穴及びブシュ挿入穴に検査用ボルトを取り付けて測定
し,2.2及び2.3の規定に適合しなければならない。測定器は,原則としてJIS B 7503によるダイヤルゲー
ジを用いる。
7. 製品の呼び方 継手の呼び方は,規格番号(又は名称),継手外径×軸穴直径(4)及び本体材料による。
ただし,軸穴直径が異なる場合は,ボルトを取り付ける側にMを付記する。
例 JIS B 1452 125×28M×25 (FC 200)
フランジ形たわみ軸継手 250×71M×63 (S 25 C)
注(4) 軸穴直径が異なる場合は,それぞれの直径を示す。
8. 表示 継手の本体の適当な箇所に,次の事項を刻印する。
(1) 継手外径×軸穴直径
(2) 本体材料名
(3) 製造業者名又はその略号
4
B 1452-1991
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付表1 フランジ形たわみ軸継手
備考 ボルト穴の配置は,キー溝に対しておおむね振分けとする。
単位 mm
継手外径A
D
L
C
B
F
(1)
n
(個)
a
M
(2)
t
参考
最大軸穴直径 (参考)
最小軸穴
直径
C1
C2
F1
F2
Rc
(約)
RA
(約)
c
(約)
ボルト
抜きしろ
D1
D2
90
20
−
28
35.5
60
14
4
8
19
3
2
1
1
50
100
25
−
35.5
42.5
67
16
4
10
23
3
2
1
1
56
112
28
16
40
50
75
16
4
10
23
3
2
1
1
56
125
32
28
18
45
56
50
85
18
4
14
32
3
2
1
1
64
140
38
35
20
50
71
63
100
18
6
14
32
3
2
1
1
64
160
45
25
56
80
115
18
8
14
32
3
3
1
1
64
180
50
28
63
90
132
18
8
14
32
3
3
1
1
64
200
56
32
71
100
145
22.4
8
20
41
4
3
2
1
85
224
63
35
80
112
170
22.4
8
20
41
4
3
2
1
85
250
71
40
90
125
180
28
8
25
51
4
4
2
1
100
280
80
50
100
140
200 28
40
8
28
57
4
4
2
1
116
315
90
63
112
160
236 28
40
10
28
57
4
4
2
1
116
355
100
71
125
180
260 35.5
56
8
35.5
72
5
5
2
1
150
400
110
80
125
200
300 35.5
56
10
35.5
72
5
5
2
1
150
450
125
90
140
224
355 35.5
56
12
35.5
72
5
5
2
1
150
560
140
100
160
250
450 35.5
56
14
35.5
72
5
6
2
1
150
630
160
110
180
280
530 35.5
56
18
35.5
72
5
6
2
1
150
注(1) nは,ブシュ穴又はボルト穴の数をいう。
(2) tは,組み立てたときの継手本体のすきまであって,継手ボルトの座金の厚さに相当する。
備考1.
ボルト抜きしろは,軸端からの寸法を示す。
2. 継手を軸から抜きやすくするためのねじ穴は,適宜設けて差し支えない。
5
B 1452-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 フランジ形たわみ軸継手用継手ボルト
単位 mm
呼び
a×l
①ボルト
ねじの
呼びd
a1
a
d1
e
f
g
m
h
s
k
l
r
(約)
8 ×50
M8
9
8
5.5
12
10
4
17
15
12
2
50
0.4
10 ×56
M10
12
10
7
16
13
4
19
17
14
2
56
0.5
14 ×64
M12
16
14
9
19
17
5
21
19
16
3
64
0.6
20 ×85
M20
22.4
20
15
28
24
5
26.4
24.6
25
4
85
1
25 ×100 M24
28
25
18
34
30
6
32
30
27
5
100
1
28 ×116 M24
31.5
28
18
38
32
6
44
30
31
5
116
1
35.5 ×150 M30
40
35.5
23
48
41
8
61
38.5
36.5
6
150
1.2
呼び
a×l
②座金
③ブシュ
④座金
a1
ω
t
a1
p
q
a
w
t
8 ×50
9
14
3
9
18
14
8
14
3
10 ×56
12
18
3
12
22
16
10
18
3
14 ×64
16
25
3
16
31
18
14
25
3
20 ×85
22.4
32
4
22.4
40
22.4
20
32
4
25 ×100 28
40
4
28
50
28
25
40
4
28 ×116 31.5
45
4
31.5
56
40
28
45
4
35.5 ×150 40
56
5
40
71
56
35.5
56
5
備考1. 六角ナットは,JIS B 1181のスタイル1(部品等級A)のもので,強度区分は6,ねじ精度は6Hと
する。
2. ばね座金は,JIS B 1251の2号Sによる。
3. 二面幅の寸法は,JIS B 1002によっている。
4. ねじ先の形状・寸法は,JIS B 1003の半棒先による。
5. ねじ部の精度は,JIS B 0209の6gによる。
6.
部はテーパでも段付きでもよい。
7. xは,不完全ねじ部でもねじ切り用逃げでもよい。ただし,不完全ねじ部のときは,その長さを
約2山とする。
8. ブシュは,円筒形でも球形でもよい。円筒形の場合には,原則として外周の両端部に面取りを施
す。
9. ブシュは,金属ライナをもったものでもよい。
6
B 1452-1991
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
機械要素部会 軸継手専門委員会 構成表
(昭和61年5月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
和 田 稲 苗
早稲田大学理工学部
小 玉 正 雄
埼玉大学名誉教授
吹 訳 正 憲
通商産業省機械情報産業局鋳鍛造品課
中 田 哲 雄
通商産業省機械情報産業局産業機械課
藤 原 孝 誌
工業技術院機械技術研究所
平 野 隆 之
工業技術院標準部機械規格課
通 地 登
社団法人日本電機工業会
丸 山 勝
社団法人日本産業機械工業会
宮 沢 典 夫
石川島播磨重工業株式会社
前 原 利 昭
三菱電機株式会社
蛭 川 康 男
株式会社川本製作所
浜 田 義 友
全国伝動機工業協同組合
増 田 進 彦
金光産業株式会社
金 田 光 夫
鍋屋工業株式会社
大 滝 光
大泉工場株式会社
宮 里 幸 雄
伊藤鋳工株式会社
平 井 英 雄
三ツ星ベルト株式会社
谷 脇 政 一
久保田鉄工株式会社
(専門委員)
三 村 昭 三
三村鉄工株式会社
(事務局)
宮 川 清 孝
工業技術院標準部機械規格課
佐 野 浩 一
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
時 山 聖 司
工業技術院標準部機械規格課(平成3年12月1日改正のとき)